2020年7月24日 「愛(志・Will)」と「力(Skill)」の和合
前夜は、SDGsの根本となる「Transforming Our World」(私たちの世界を変革する)について綴りました。
危機感や当事者意識という「熱」が本当にあるかないか、持続化するか、で結果は大きく変わってきます。
整理してみると、これを実現するのに必要な前半の力は、「①気づき、②志、③変容」ということがわかります。
第293夜・『2030SDGsゲームファシリテーター』で公認ファシリテーターになったことを記しましたが、
この「2030SDGsゲームカード」体験会(3時間前後)では、上記の「①気づき」を得ることを最も重要視しています。
なぜって、「①気づき」がなければ何事も始まりませんものね。
それは、第8夜(「わかる」ことは「かわる」こと)につながっています。
参考になると思いますので、「わかることは、かわること」(佐治晴夫・養老孟司対談)から引用します。
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—佐治晴夫さんが高校で理科を担当しているエリートの先生たちの研修会に呼ばれての話です。
そこで宇宙の始まりから人間に至るまでの話しをされた時に、国立大学のドクターで立派な業績を持って高校の先生になっている人が佐治さんのところにきて、
「今日先生がお話しされたようなことは、私は全部知っています。ビッグバンが起こる前に、どういうゆらぎがあったか、そこのところの数学的な話が聞きたかった」というわけです。そこで僕は彼に言ったんですよ。
「先生がそういうことをよく知っていらっしゃるということは僕にも想像できるけれど、僕から言わせていただくと、宇宙のことをあなたが勉強して知ることによって、あなたの人生がどう変わったかということをもって、知る、ということなのです。
あなたは生徒に、授業を通して彼らの人生をどのように変えられるかということを念頭において、地学の講義をしていますか?」
そう言ったら、彼は黙りましたね。
一番そこが問題ですよね。だから僕は「わかる」ということは「わ」と「か」を入れ替えて「かわる」ということだと思っています。—
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「気づき」から「わかる→かわる」に多くの人たちが『変容』することが望まれます。
有料の『2030SDGsゲーム』体験会に参加されることで、その参加者は「アクティブ」なマインドであることがわかります。
更に参加者の未来を変えるためのエッセンスをご紹介します。
それは、SDGs根本の「Transforming Our World」(第295夜)から「わかる→かわる→変容」するための「2つの力」です。
まず、それを知ることで、自分の中に、まだ何が不足しているのかを認識することができます。
それを『未来を変えるために本当に必要なこと(最善の道を見出す技術)』(アダム・カヘン著)から編集しました。
その「2つの力」とは、
⇒「POWER AND LOVE」(A Theory and Practice of Social Change)
結論から云えば、
⇒本当に未来を変えるためにには、「愛と力」が必要であるということ。
「監訳者まえがき」から加筆引用します。
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—さまざまな葛藤と試練に直面する中で、カヘン氏は、変革をもたらすのに必要な要素は、「力」と「愛」であるという洞察に至ります。
「『力(パワー)』とは「成長・自己実現」へと駆り立てる力、そして『愛』とは「分断したものを和合(ユニティー)」へと導く力であり、
この二つを統合することが、「新しい現実を生み出す」ためには不可欠であるとカヘン氏は語ります。
「愛なき力は暴力的で支配的であり、力なき愛は感傷的で停滞を生んでしまう」
(「愛なき力は暴力であり、力なき愛は無力である」キング牧師)
愛と力は補完関係にあり、どちらか片方に偏るのではなく、両方を統合的に使うことが新たな現実を生むための鍵であるとカヘン氏は説いています。
この洞察にあてはめて現実を考えてみると、資本主義経済の中で、これまでの私たちの生き方は「力」に集中しがちであり、それがどこかで行き過ぎた結果生じたひずみが、現実社会に問題をもたらしているともいえるでしょう。
個々の成長や自己実現に駆り立てられるあまり、競争や格差によって人間同士が分断され、自然とのつながりも断たれてしまう。
そんな状態から、今、つながりを取り戻し、調和へと導く「愛」への揺り戻しが、地球規模で起きているように思います。私たちはそんな変化の流れの中に生きているのではないでしょうか。—
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いかがでしょうか?
自分(達)の中に、「愛(志・Will)」は足りていないか、「力(Skill)」が不足していないか、を是非内省されてみてください。
多様な業種業態をご支援してきましたが、結果的に成長・成功につながっていくのは、経営者に中に「愛(志・Will)」が充満している場合が多いことを経験してきました。
「愛(志・Will)」があるということは、方向性にブレがなく「大目的」につながり、『このゆびとまれ』で「力」の不足をコラボレーションで補うことができるからです。
そして、いまは、一社単独で「新しい現実を生み出す(=変容・Transforming)」をことはなかなかできません。大目的に共感し、連携する時代です。
自分は、それを25年前に、社長直轄「ヒット商品緊急開発プロジェクト」(第14夜)のリーダーとして挑戦・実践してきました。異業種100社くらいと打ち合わせを行いました。
こちらの情熱と将来ビジョンと信頼関係で、協議を重ねて、「異業種コラボによる連続ヒット商品」をプロデュースして、結果を出してきました。
そうやって、二つ(愛と力)を統合することで、「新しい現実を生み出す(=変容・Transforming)」ことができるモデルを世の中に提示しました。
いまは、「Transforming Our World」(私たちの世界を変革する)という目的を踏まえて、企業・地域と連携して、2030SDGs17ゴールを達成することが生業です。
そのためには、「①御社の本業」と「②SDGs」を統合し、顧客を世界を幸せにする「③新しい価値創造のエンジン」を紡ぎだすことをメインにご支援しています。
それは、「愛(情熱・目的・ビジョン)と「力(価値創造・異業種コラボ等)」を統合することで、「新しい現実を生み出す(=変容・Transforming)」こと。
つまり、「気づき」⇒「使命+ビジョン」⇒「構想」⇒「実行(イノベーション)」⇒「新しい現実を生み出す(=変容・Transforming)」
という一気通貫が成長・成功のポイントです。
(第67夜に成長への道筋を体系的にまとめています)
その成功への流れ(プロセス)は、「ヒット商品緊急開発プロジェクト」(第14夜)に培って磨き上げました。
私たちは経営者と社員の方たちとの三位一体でプロジェクトを組んで、全体をファシリテート&ナビゲート(水先案内)しています。
それは、人財創生が、事業創生・地域創生につながり、持続化の肝(きも)だからです。
価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ