SDGsシフト㊵「価値創造の知・第285夜」:『エンパシー』

2020年3月25日 『エンパシー能力とコミュニケーション能力』

先週(3/21)放送のSWITCHインタビュー 達人達(たち)「ブレイディみかこ×鴻上尚史」の対談を観られましたか?そこには、「SDGsシフト」実践・実現に向けて重要なヒントが幾つかありました。

背景にある「SDGs」との共通点は、「ダイバーシティ(多様性)」への対応です。日本では、2000年以降から労働人口の減少と業態の変化から、労働力の確保と女性活用等が企業の課題となっていました。
近年は、グローバル化や顧客ニーズの多様化といった市場変化に対応するため、ダイバーシティ経営に取り組む企業が増えています。
多様性(ダイバーシティ)とSDGsとは深いつながりがあります。

同放送では
「これから日本がむかえる多様性社会に、いったいどう対応したら良いのか?」
という切実な問題をテーマに対談していました。
それは「SDGsシフト」の構想の入り口であり、実践課題です。

本夜は、その中のキーワードである「エンパシー」と「コミュニケーション能力」を切り取って説明します。

さて、「シンパシー」という言葉は日常的に使われると思いますが、「エンパシー」は聞きなれない人が多いのではないでしょうか。
放送では、「エンパシー」と「シンパシー」の違いを説明していましたが、理解を深めるために
A.「TRANS.Biz」(https://biz.trans-suite.jp/12730#sympathy)
B.「シンパシーからエンパシーのコミュニケーションへ」(https://sgmbibouroku.net/archives/3910)
の二つから加筆引用します。

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A.「TRANS.Biz」(https://biz.trans-suite.jp/12730#sympathy)からの引用
「シンパシー(sympathy)」はギリシャ語が語源で、「syn(一緒に)」と「pathos(苦痛)」というそれぞれの単語が組み合わさって出来た言葉です。
基本的な意味は「思いやり」「同情」「気の毒に思うこと」、また「共感」や「共鳴」となります。
「シンパシー」は相手を哀れに思うようなニュアンスが強いですが、そのベースには「共感」「共鳴」の気持ちが多く含まれているのが特徴です。

「シンパシー」に似た言葉に「エンパシー(empathy)」があります。「エンパシー」も「シンパシー」と同様に「共感」「共鳴」「人の気持ちを理解する」という意味がありますが、
明らかに異なる点は、相手を気の毒に思う「同情」というニュアンスが「エンパシー」にはあまり含まれていないことです。
「エンパシー」には「感情移入」という意味もあり「哲学」や「心理学」、また自己の感情を表現する「美術学」の世界で用いられる言葉です。
たとえば「共感が芽生える」「共感が湧く」というポジティブな状況においての熟語表現では「シンパシー」ではなく、むしろ「エンパシー」の方が適切でしょう。
「エンパシー(empathy)」には「同情」の気持ちは含まれないのです。

B.「シンパシーからエンパシーのコミュニケーションへ」(https://sgmbibouroku.net/archives/3910)
シンパシーというのは、自分の気持ちをそのまま相手に反映させるということですね。つまり、自分と相手は、同じ気持ちを抱いていることを前提にしているということです。
たとえば、自分が悲しいと思うことは相手も悲しいと思うし、自分が嬉しいと思うことは相手も嬉しいと思うだろうということです。
シンパシー的思考では、

悪口を言われる
→自分は傷つく
→だから、相手も傷つく
→謝罪などの対処
と考えます。シンパシーでは、「自分と相手の気持ちは同じ」「相手の気持ちはわかることが前提」といえます。

たいしてエンパシーは、自分と相手は異なる気持ちをもっていることを前提にしています。たとえば、友だちの悪口を言っている子どもがいたとしましょう。
学校の先生が「友だちの気持ちを考えなさい。自分が悪口をいわれたら、どう思いますか?」と指導します。
エンパシー的思考ではどうなるか?

悪口を言われる
→自分は傷つく
→相手がどう感じたかはわからない
→相手の気持ちを推測する
→謝罪などの対処
となります。エンパシーでは、「自分と相手の気持ちは同じではない」「自分の気持ちはわからないことが前提」になります。
そして、エンパシーとシンパシーのもっとも大きなちがいは、結論までの過程において、推測(論理的思考)がはいってくることです。

推測とは、現在までにわかっていることをもとにして、他人の心情や事情などをおしはかることです。—
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A.とB.の双方を咀嚼することで「エンパシー」の理解が深まれば幸いです。
同放送では「エンパシー」を下記で表現していました。
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・エンパシーとは、他人の立場を想像し感情を分かち合う能力
・対象に制限はない
・自分で誰かの靴を履いてみること

→「その人の立場だったら自分はどうだろう」と想像する能力を磨いていくこと
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「SDGs」を推進する時に求められる能力は、入り口は「シンパシー(sympathy)」であっても、構想・実現には「エンパシー(empathy)」の能力が必要になります。
つまり、
・自分で誰かの靴を履いてみること
・「その人の立場だったら自分はどうだろう」と想像し、推測(論理的思考)する能力

「世界中で起きているいろんな混乱を僕らが乗り越えていくには、自分とは違う立場の人々や、自分と違う意見を持つ人々の気持ちを想像してみること」が必要になりますね。
SDGsの17ゴールを実現するためには、「エンパシーの能力」を磨き上げることが求められることが伝わったでしょうか。

「エンパシー(empathy)」で私たちの身近にある表現は、演劇や小説の中にあります。
2000年頃から、自分も前職パイオニア社で「ロールプレイ (役を演じる)」ことを事業開発や企画開発、マーケティングに取入れたこととも無縁ではなかったように思います。

同放送では上記を実現するための技術として、「コミュニケーション能力」について語り合っていました。
・「世間」とは、深い関わりがある人々との世界である
・「社会」とは、他者が生きる世界である
(高度成長時代の日本は)「世間」だけで日本は機能してきたが、それは企業の中でしか通じないルールであり、その世間は吸収合併で淘汰されてきた。今は、自分たちのルールだけではダメだと気づいた企業が生き延びでいる
グローバル化で、多様性に進むことは止められない。自分とは違う立場の人々や、自分と違う意見を持つ人々と、どの様に関係をつないでいったらいいのか、を皆が模索しているのだと思う。
多様性も対応能力の問題に関係している。

そこに必要なのが、「コミュニケーション能力」

従来、コミュニケーションの上手い人とは、誰とでも友達になれるとか、簡単に人間関係を作れる人と思われているが、本当は『物事がもめたときに何とかできる能力がある人のこと』
どう折り合いをつけてやっていくか、「社会(他者が生きる世界)」の人がやってきたときに、もめたときに、何とかできることを練習しなきゃならない。

相手をなだめ透かしているだけでは問題は解決しないのですね。

そこには、「技術」が必要なのです。

気持ちって、思うだけでは伝わらない。技術がないと伝わりません。
自分たちには想像力があって、自分はその体験はしていないけど、もし体験したらどうなるか?という「エンパシー」を突き詰めることが肝要です。

上記「コミュニケーション能力」については、価値創造の知(第126夜:理解の秘密・インストラクション)に記していますので一部を下記抜粋します。
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—いま、世間を賑わしている『働き方改革』の大きな部分を占めているのも『相互理解=インストラクション』です。
仕事の中には、コミュニケーションのロスやトラブルで溢れていますね。

・「何が重要か」についての管理者と従業員のあいだの不一致
・多くの会社がいまだに従業員と機械を同じように扱っている
・何も決まらない会議にウンザリする
・「言ったじゃないか」と声を荒げることは?
・やっかいなマニュアルを放り投げたことは?
・仕事の成果が見えにくい
・働く人々の多様化が進む
・「わかったね?」「ええ、わかりました」というやりとりはあるが、いっこうに理解してもらえない
・・・

如何ですか?
上記は、1993年「理解の秘密」リチャード・ワーマンが著した中に記している一部です。もう絶版なのですが、「今また、その本が脚光を浴びています」と友人が話していました。
この「理解の秘密」は、松岡正剛師匠が監訳していたので、1998年に購入していました。

本書は、コミュニケーションロスを解消し、相互理解をはかるために、インストラクションの働きとその活用法を教えるはじめての指南書になります。

組織変革のためのリストラクチャリングや資源節約するより、まずインストラクションの仕組みを変えたほうがよほど効果的であるとすら思えるのだ。(引用:松岡正剛あとがき)
是非たくさんの日本人に読んで欲しいと思います。

さて、その後半に『模範的なインストラクター』という項目があります。
①大きな絵、すなわちインストラクションを与えられるコンテクストを説明できる人間
②ある分野の知識をほかの分野に応用できるように、パターンを見つけさせることのできる人間
③信頼感を植え付けることのできる人間
④ひとつのアイデアをいろいろに表現すること、つまり3次元的な像を示すことのできる人間
⑤自分の関心対象に熱意を持つ人間
⑥誤りを認め、リスクをおかすことを奨励する人間
⑦指導のためには、ときには慣習とは逆の方向にすすむことのできる人間

もう20年前の会社勤めの時に、上記に近づきたいと修練してきました。図らずも「価値創造~イノベーション」の「インストラクション」には上記のスキルが全て必要なのでした。
この「価値創造の知」シリーズには①~⑦を散りばめているのもそれが一因です。—
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以上、「エンパシー×コミュニケーション能力」について綴ってきました。
その二つの能力が「SDGs」実践・実現に、密接に関係することをお伝えできました幸甚です。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGsエンパシー

SDGsシフト㊴「価値創造の知・第284夜」『大切なコト』

2020年3月13日 『使命⇒概念⇒仕組』

前夜(インテリジェンス)、前々夜(備え)と、「SDGs」と絡めて「新型コロナウイルス」対応について綴ってきました。
双方の共通項が、『危機対応』であり『グローバル経済』と密接な関りがあり、その世界と対応の道筋を知ることで将来を洞察する時に非常に役立つと思います。

上記を踏まえて本夜は、昨日の大阪府の速報を取り上げます。

・「独自に“専門家会議”、医療崩壊回避へ。独自基準を導入」(出所:日本経済新聞)
—吉村洋文知事は、医師をトップとする「入院フォローアップセンター」を13日に立ち上げることを明らかにした。
これまでは府内各地の保健所がそれぞれ医療機関に受け入れを要請していたが、「入院フォローアップセンター」発足で司令塔を一本化し、症状に応じて効率的に病床を振り分けることが可能になるという。
同センターが病床数を見極めた上で、症状が重い患者から
▽指定医療機関に入院
▽新型インフルエンザなど感染症に対応した設備のある医療機関に入院
▽使われていない病棟などに隔離
▽民間のホテルや自宅で健康観察――
といった対応をとる方針だ。—

自分なりに上記を要約してみると、
1.使命:大切なコトは、「命を守ること」
2.概念:そのためには、中国・武漢の様な「医療崩壊」をさせないこと
3.仕組:そのために、「入院フォローアップセンター」を柱とした独自基準導入する
と読み取りました。

コンセプトは、「新型コロナウイルスで医療崩壊させないこと」

そのために、「基軸となる新しい仕組み(システム)」をつくり、運用する。

・ミッション⇒コンセプト⇒システム
という流れです。
(本来は、厚生労働省が策定するものでしたが後手に回りましたね)

さて、SDGsも
①「地球危機・人類危機から、命を守ること」にあります。
そこに、「3つのエコロジー」(第9夜、第277夜)を見据えて
②「社会価値と経済価値(本業)」を統合して「コンセプト」を掲げ、
③上記を実現する「新しい仕組み(エコシステム・コンピタンス)」を創る
という流れになります。

ポイントは、思考の補助線を上手に使うことにあります。
ここでは、
・「3つのエコロジー」
・「社会価値と経済価値(本業)」の新結合(イノベーション)
になります。

その先に、人々に喜ばれる「新しいライフスタイル」「新しい文化」がイメージできることが肝要です。

本来と将来をつなぐ、土台・基軸を明確にすることで、

・この指とまれ

となり、大きな流れをつくっていくことができます。

今回の大阪府が発表した仕組み、方向づけは、世界に役立つものです。

グッジョブ(good job)!

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

SDGs大阪府新基準

SDGsシフト㊳「価値創造の知・第283夜」『インテリジェンス』

2020年3月12日 『インテリジェンス&イノベーション』

「新型コロナウイルス」が世界中に感染して、このウイルスをどのように把えて、対処すれば良いのか?
ということで連日ニュースになっています。
特に、日本は夏の東京オリンピック開催を控えているので、

①危機管理と経済活動
②自国内とグローバルへの両面対処

という直近の2軸対応が求められます。
この構図自体は、「SDGs」と同じです。

ただ、まだ実態が見えないウィルスと収束・終息が不確定の中で、自分が感染することの大いなる不安が上回っています。
そのため、自国経済、グローバル経済が大幅な減速になってもやむを得ないという判断で大胆な方策がとられています。

一方、「SDGs」による人類危機、地球危機については、「経済減速はやむを得ない」という行動には移行していません。
いったい、これはどうしたことでしょうか。

・エコロジー(SDGs)とエコノミー(経済)

の両立をはかるが至上命題です。

その溝(ギャップ)を埋めるのは、「イノベーション」という共通認識です。
(上記「新型コロナウイルス」では、「ワクチン開発」がイノベーションです)

「エコロジー(SDGs)とエコノミー(経済)」の両立実現のために、特に期待されているのが「A.企業の事業創生(イノベーション)」であり、「B.地方創生(イノベーション)」です。
それを具体化・実践するのは、やはり「人」ですから、「C.人財創生(イノベーション)」が必要です。

このコラムの後尾には、必ず

・価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

と必ず綴っているのはそのような意味を込めています。

さて、「新型コロナウイルス」対策をどのように観ればいいのでしょうか?

それは、
・情報収集から本質を紡ぎだすこと!
膨大な情報、雑多な情報から、今起きていることの「本質」は何なのか?
それを簡潔に取りまとめ、舵取りの拠り所、選りすぐられた「知」により的確な判断や新たな備えをすること。

それを「知=インテリジェンス」といいます。
(「インテリジェンス: intelligence」は、知能・知性や重要な事項に属する情報のこと。「知性・理解力」「情報」と2つの意味を持つ言葉)

「インテリジェンス」を持って、不確定な中でも、新しい方向づけ、秩序再編ができるかどうかという「真価」がいま問われています。

先日、川崎市健康安全研究所の岡部所長が他の病気との比較を、新型コロナウイルスのポジションを下記2軸でまとめていました。
・病原性(強い、弱い)
・感染力(強い、弱い)

インフルエンザに罹って一年間で亡くなる方の人数は日本で約3000人、米国で2~5万人という情報があります。
その様な意味で、日本では「新型コロナウイルス」に対して重症化に対応する仕組み(ピークを分散化する等)があれば、インフルエンザレベルの病気であり、持病のある高齢者以外はそれほど恐れる病気ではないという仮説ができます。
つまり、的確な2軸を用意することで、的確な仮説を導き出すことができるという優れた事例です。

ワクチンが開発出来れば、不安から信用・信頼(confidence)に変わります。
そこに注力する仕組みが求められます。

さて、「SDGs」には
①危機管理と経済活動
②自国内とグローバルへの両面対処
が求められます。

そこに必要なのは、
・インテリジェンス
・イノベーション
です。

幸いにも、その理論と実践を前職パイオニア社で習得して、数多くこなしてきました。

それらは、
・第15夜:シナリオプランニング(危機意識、不確かな時代を読み解く方法)
・第138夜:イノベーションの御三家(『魅力がなくなるコト』が根本原因 )
等に綴っています。

第15夜と第138夜の両方が必要です。
それは、「二つでありながら一つ」(第33夜)なのです。

それをこなすことで「インテリジェンス&イノベーション」の土台ができました。

⇒ SDGs×インテリジェンス×イノベーション

という新結合が不確定な未来に、新しい方向づけ、秩序再編、新スタイルの肝(きも)となることをお伝えします。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

SDGs新型コロナ

SDGsシフト㊲「価値創造の知・第282夜」:『備え』 

2020年2月26日 認識→備え→対応

 
 ・世界はパンデミックへの備え必要!!
という記事が目に入ったのですが、この『(有事の)備え』という言葉が「SDGs」と反応して、自分の中に強く響きました。
(世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長はジュネーブで行った記者会見(2/24)で、新型コロナウイルスについて、世界的流行を意味する「パンデミック(感染爆発)」が起こる可能性に、各国は備える必要があると強調した。[ベルリン時事])
 
 これまでの日本の新型肺炎対応ですが、政府は「先手先手」といいながら「後手後手」になっている感がありますね。
 
 過去を振り返ると、東日本大震災の有事では、多くの人たちが想定していなかった甚大な大被害体験があって、その後に堤防等の様々の対策や制度ができました。
そこでは、「有事の備え」ができていませんでした。先手が打てなくて後手後手になりました。
 
 さて、『備え』の前(ビフォー)に必要なのは何でしょうか?
 
それは、その「備え」が必要だと思った「(共通)認識」です。
第8夜、第32夜に、『「わかる」ことは「かわる」こと』を綴りましたが、
 
「備える」ということは、上記の「わかることで、用意して、対応すること」です。
 
整理すると、
 
・①認識→②備え→③対応
 
 という三段ステップになります。
 
時間軸で、③対応が良くないということは、②備えができていなかったことであり、それは、①認識が不足していたことに落ち着きます。
 
 同様のことを、「SDGs」の現場ご支援でも日々感じています。
 
「SDGs」は人類危機・地球危機という有事が根底にあります。
その危機を回避して未来を今よりも良くしたいというのが「SDGs」です。
 そのためには、第277夜(3つのエコロジー)で取り上げたように、
・地球環境
・社会環境
・心(意識)の環境
 の3つのエコゾフィーをつなげるという認識と対応が必要になります。
 
上記の本質と、ビジネス界の動きをみれば、「SDGsという有事」と「本業」を結び付ける「①認識」が必要です。
 
・SDGsは、企業/地域の成長戦略に直結する
 
 という確固たる認識です。
 
 その「①認識」がある(=わかる)と、「②(有事の)備え」が必要と動きます(=かわる)
そして、「備える」ことで『ピンチがチャンス』になること間違いありません。
 
 この①②③のステップに入れるかどうかは経営者の力量によるところが大きいことを多く経験してきました。
(SDGs成長戦略の肝(きも)のところまでを提示してやっと動かれるところもあります)
 
・先手をとろうとするか、後手にまわろうとするのか。
 
 少なくても、業界の盟主は先手をとってプラスサム事業(第279夜)を創り上げるのが使命です。
逆に言えば、2番手、3番手のところは、このSDGsで一番手を追い抜く大チャンスでもあります。
 
 昨日(2/26)新型肺炎対応として、電通(5000人)と資生堂(8000人)がテレワーク、自宅待機という方針を出しました。
「備え」をしていた会社は、一歩前に出られます。
 その認識・備えのない会社は更に後進していきます。
 
 これからますます変化が激しくなる令和時代に、先を見て情報収集・分析して、適応する会社がチャンスを掴み取っていきます。
「SDGs」は、それを手に入れる絶好のツールであり、方向づけもできる世界ニーズを相手にしています。
 
次世代業界のリーダーとして、世界に向けてメッセージを発信することができるように全面的にご支援していきます。
 
価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs有事の備え

SDGsシフト㊱「価値創造の知・第281夜」『SDGs成長経営に必要な3つの力』

2020年2月23日 持続力・創造力・環境力

SDGsは、他とは違う『特性』があります。SDGs成長経営に踏み出すには、その「特性」に合わせた能力を自社内に持つことが求められます。
本夜は、『SDGs』を成長経営に取り込み、10年後に隆々とした会社になるために不可欠な下記『3つの力』を中心に綴ります。
(その「3つの力」は多くの業種を現場でご支援してきた中でたどりついた新価値創造研究所の結晶であり、「SDGs成長・成功の道筋」です)

A.持続力
B.創造力
C.環境力

SDGsの特性(本質・特質)を理解して、上記「3つの力」に真正面から取組み、その力を内包・実装することにより、将来に向けた強力なコンピテンシー(=高い業績や成果につながる新行動様式や特性)を内外に発信することができます。
逆に言えば、「3つの力」を持たなければ、SDGsの成長経営には届かないことを断言します。追い追い説明していきますので、納得いただけますと幸いです。。

さて、第279夜に「経営者にとって、SDGs取組みの魅力」上位3つをピックアップしました。
1.SDGsを通した「成長市場・成長経営への期待」
2.グローバルスタンダードであり、共通言語
3.求人、就職のアドバンテージ

それは、多くの経営者が本能的に「自社にSDGsを取り込まねばならない」という気持ちになる3項目です。多くの経営者が反応します。
ただ、どの様な気持ち、気概でSDGsの扉をノックするのかはあまり問題ではなく、先ずスタートラインに立ってSDGsワールドを眺めて反応していただくことに大きな意味があります。

それでは、ABCの順にご案内します。
そこには、①②と分類して記しています。
下記①は、「SDGs」そのものが持つ特性について
下記②は、自社が「SDGsの特性」を取り組むことの理由と利点について
◆A.持続力(サスティナビリティー)
①(「SDGs」そのものが持つ特性について)→「地球・人類の持続可能性」の追求・克服
SDGsの目的は、“人類社会と地球のサステナビリティ(sustainability:持続可能性)”にあります。その危機意識が根底にあります。

②(自社が「SDGsの特性」を取り組むことの理由と利点について)→自社経営の存続可能性(サスティナビリティー)
アンケート結果や実際に多くの経営者・社員とお話して出てくる本音は、「経営環境が大きく変わっている中で、これまでのやり方、考え方の延長上では会社の存続は難しい」と想われていることです。
つまり、
・「10年後の会社の持続性・継続性」
に対する不安・不満が顕在化しています。

さて、皆さんに質問しますので本音で答えてください。
・あなたの会社は、目前の数字を上げることに追われて、短視点で先が見え辛くなっていませんか?
・あなたの会社は、10年後に隆々とされるイメージを持たれていますか?
・あなたの会社は、将来に向けたコンピタンスを用意されていますか?

「従来の改善型・積み上げ型経営」や「とにかく一生懸命頑張る経営」で短期的に凌いでいるというの経営スタイルから何とか脱したい、と思っていませんか?

その様な不安・不満を解消するためには、持続可能性が中心にあるSDGsを活用することをお奨めします。
SDGsは、「10年後という時間軸で自分たちがワクワクする自社をイメージすること」で経営の風景、視座、社員のモチベーションを変えられる数少ないツールです。
それは、SDGs17ゴールと本業を結合して、10年後に持続的に生き残る(サスティナブル&サバイバル)ための「大きな成長戦略を考え、描く」ことから始まります。

さてさて、ここで福島正伸さんの言葉をご紹介します。

“どんな遠い山でも、見えるなら行ける。どんな遠い夢でも、見えるなら実現できる”

「将来イメージをつくることが難しい」と避けている経営は、結局、成長戦略が描けずに、「次の一手」が打てずに上記の「SDGs取組みの魅力」3項目の実現から遠ざかってしまうのが実情です。
経営者・社員は、ワクワクする「社会に役立つ遠い山、遠い夢」が見えなければ力を発揮できません。それは、前職パイオニア社でその失敗挫折と成功の双方を実体験してきたのでよくわかります。
(変化する環境の中で、失敗しないで隆々とした会社/地域に再興していただくことを目的として、7年前に新価値創造研究所を設立しました)

経営者のかたは、
・社員や関係者の方たちが共感する“10年後のありたい姿”を描くことをされているでしょうか?

“2030SDGsのありたい姿”ができていれば、そこから何が不足しているのかがわかり、「次にそれをどう実現するか」を考えるステージに向かうことができます。
そのイメージがなければ、いったい何を創造(イノベーション)していいかわかりませんものね。
SDGsは、10年後の“ありたい姿”を洞察するところから始まるのです。その“ありたい姿”の明確化が御社の一つ目のコンピテンシーになります。
◆B.創造力(イノベーション)
①「SDGs×イノベーション」
「A.持続力」に記した「人類社会と地球のサステナビリティ」は、過去のやり方・考え方の延長上では実現できないことは多くのメディアが伝えています。
2030年までの10年間が分水嶺(人類危機の方向性が決まる分かれ目)となっていることが、「2030SDGs」の強い危機意識であり活動のモチベーションです。
SDGsは、今よりも良い地球、良い未来を実現するイノベーションと共にあります。

②「SDGs×本業×イノベーション」の統合(第275夜:『SDGS成功の秘訣』参照)
SDGsには17のゴールがあり、そのゴール群は「実現を待っている世界のニーズ」です。
「本業とSDGs」を繋げると浮かび上がる「社会に役立つ遠い山、遠い夢(想像力)」は、現実との間に大きな隔たり(ギャップ)があるのは当然です。
それを埋めていきたいと自発的・主体的・継続的に考えるのが、創造力(イノベーション)です。
(この「継続的、持続的」という認識・活動が特に重要です)
(「現状維持で対応している」ということは、倒産(第13夜、124夜)に向かっているということです)
“ありたい姿(ビジョン)”から自社にできることを主体的に考え、成長機会を自ら見つけ、持続的に挑戦することが成長経営のステップです。

⇒会社を持続可能にするには、“ありたい姿(ビジョン)”をベースに前向きの燃える社員の創造力(イノベーション力)が不可欠です

さて、この「創造力(イノベーション力)のステージ」で急に腰が引けてしまう経営者・社員の方たちがおられます。
ぜんぜん心配される必要はないのです。その能力(リテラシー)を身に着ける成長環境(心得と方法)を私たちがご提供いたします。
その内容と能力については、第89夜「『本質的な違い』を生み出す3つの抽象化能力」に、図解で綴っていますので是非そちらをご覧ください。

そこには、
・ミッション(深い知)・ビジョン(高い知)・バリューイノベーション(広い知)

が創造力の源泉になっていることを明らかにしています。

上記「持続力」で記した10年後のビジョンは、「ミッション→ビジョン」の過程で生まれてきます。
これまでの経営の行き詰まりを脱する「3つの余白」を埋めるコンピテンシー(高い業績や成果につながる新行動様式や特性)をここで習得され活用することで、隆々とした将来を描き、未来を拓くことが可能になります。
そのためには、創造型人財の育成・開発が求められます。会社はその『人財』が育つことで成長します。
多くの社員の方たちが、そのコンピテンシーを習得・活用いただくことで、燃える集団が出来上がり、その方法習得が会社の二つ目のコンピテンシーになります。
そうなると、将来経営は現状の取引先の意向に従うのではなく、自らの想像力・創造力で市場を拡大、開拓する方向に変わっていくことが可能です。
それは、上記の自社の持続可能性を更に高めることにつながります。
(ここまででお分かりの様に、持続力と創造力はコインの裏表なのです)
(持続するには創造の知が必要で、創造には持続の知が必要です)

◆C.環境力
①SDGs(3つのエコロジー)の「自分ゴト化」(第277夜)
SDGs(心・社会・地球の三つの環境)と多くの賛同者・関係者が主体的・有機的につながっていることで大きな価値が生み出されます。
是非、ジャパンSDGsアワードの受賞企業をみてください。、SDGs達成に対し前向きで積極的な意識を全社員で共有できているという点が共通しています。
参考ですが、第277夜(三つのエコロジー)を理解することで、SDGsの全体像が腑に落ちて、「SDGsの自分ゴト化」が加速します。

②成長経営の環境づくり(場・仕組み・人財)
SDGs成長経営を推進するときには、「持続力/想像力」「創造力/構想力」を生み出す「場・環境・仕組み」が必要なことが判ります。

・Outer:10年後を考える場づくり
・Interface:10年後の成長エンジン、プラットフォームを検討する場づくり
・Inner:創造型人財を育成、開発する場づくり

という成長環境の「場・仕組み・人財」が多くの現場で圧倒的に不足していることが判ります。
その不足やハードル越えを、誰が代行(ファシリテーション、ナビゲーション)するかで結果も違ってきます。

さてさて、多くの経営者が期待する「SDGsで成長経営を目指す」ということは、上記、「A.持続力、B.創造力、C.環境力」の3つの力を自社に内包することを意味しています。
その実装そのものが、自社のコンピテンシー(=高い業績や成果につながる新行動様式や特性)につながるがお分かりいただけたでしょうか。

それゆえに、先行した会社は上記の不足に気づくことが早くなり、SDGs成長経営を決断した会社は「SDGsコンピテンシー」に挑戦(構想・実行・更新)して、迅速に隆々とした会社に近づいてゆきます。

新価値創造研究所は、上記「SDGs・3つの力」を理論と実践の両輪でご支援・代行することで、再考・再興する企業・地域・人財が、日本中に溢れることに貢献したいと思っています。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

SDGs成長経営3つの力

SDGsシフト㉟「価値創造の知・第280夜」『SDGsカードゲーム体験会』

2020年2月17日 『SDGsカードゲーム×SDGs成長経営』

これまで様々な業種業態に、SDGs勉強会、SDGs講座、SDGs実践プロジェクトのご支援をしてきたのですが、「SDGsカードゲーム」というものがあることを知り、ご縁があって「2030SDGsカードゲーム体験会」に参加してきました。
そこで、
・いったい、どのような内容なのか
・どのような方たちが興味関心を持たれているのか
・上記の自分の活動とつなげると新結合となるかもしれない

というSDGs絡みのマーケティングとイノベーションを兼ねて申し込みをしました。

当日、そこには、小学生から高齢者まで老若男女・12名の集合でしたが、興味深かったのは、二組の親子が参加され、その一組は4人(小学生・高校生・夫婦)で勉強にきていたことでした。
更に、高校の校長先生も第2の人生を模索されていたことです。そして、素敵な会場とファシリテーターが我々を疑似SDGs体験に誘いました。

さて、カードゲーム「2030 SDGs」とは、SDGsの17の目標を達成するために、2030年までの道のりを体験するゲームです。、
・「なぜSDGsが私たちの世界に必要なのか」
・そして「それがあることによってどんな変化や可能性があるのか」
を体験的に楽しみながらSDGsの本質を理解することができるようになっています。

ルールはいたってシンプルで、与えられたお金と時間を使って、プロジェクト活動を行うことで、最終的にゴールを達成するというものです。

プロジェクトを実行する時の大きなポイントの一つは、参加者全員が写真のようにホワイトボードに張り付けられたマグネットを共有しています。これは参加者全員で創り出す世界の状況を表していて、青は経済、緑は環境、黄は社会を意味しています。

どのプロジェクトを行うかで世界の状況が刻々と変わっていき、参加者全員が行うプロジェクトの結果、2030年の世界があらわれていく、という風にゲームが進んでいきます。

どのようなことが体験できたのか、という詳細をここでは綴りませんが、途中で、JAL(羽田)で特別に体験させていただいた「パイロット用フライトシミュレーター」を思い出しました。
ここでは自分を含め、12名がどうアクションするのかで、刻々と世界の状況が変わっていくこと、わたしたち一人ひとりの小さな行動が未来を変えることを疑似体験できました。

後半は、ゲームの振り返りと各人の気づき・感想と続き、13:30~17:30の4時間があっという間に過ぎました。
体験場所によっては3時間のところがありますが、内容理解と次のナビゲーションとして4時間は欲しいと思いました。なのでちょうど良い時間配分でした。

さてさて、やはり疑似体験なので、よりよい将来実現・実践のためには「SDGsコンピテンシー」の応用能力が必要です。
ビジネスでは、「①本業×②SDGs×③価値創造(コンピテンシー)」の統合が求められます。

入門レベルの人たちを、応用・実践としての下記「深い知・高い知・広い知」能力を実践レベルに辿り着いてもらうとSDGsシフトの良循環につながると思いました、

・ミッション:大切にすること、命を使うこと(深い知)
・ビジョン:ありたい姿、社会から選ばれる理由(高い知)
・イノベーション:現状と上記ミッション・ビジョンを埋める能力(広い知)

その意味で、
・ビフォー(入門):2030SDGsカードゲーム公認ファシリテーター
・アフター(実践):SDGs成長経営ナビゲーター(新価値創造研究所)

を一気通貫で二本柱としてご支援していくことが、社会から要請され、貢献できると洞察しました。
これから、公認ファシリテーターを取得してゆきます。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGsカードゲーム体験会

SDGsシフト㉞「価値創造の知・第279夜」:『SDGs勉強会』

2020年2月13日 「SDGs勉強会(半日)」のメリット

昨年の後半から、大企業・中堅企業の自社内へのSDGs取込み・取組みが加速していて、その様な定量データも多く見られるようになりました。
それに伴って、そこに連なる中小企業が本格的に動き出しているのが今年です。
(企業の大小にかかわらず、先行と遅行の2極化が進んでいます)

多くの経営者にとって、SDGs取組みの魅力は、
1.成長市場・成長経営への期待。(社会変化、ゲームチェンジ)
ゼロサム事業(現状維持・右肩下がり)から、市場が大きくなるプラスサム(ノンゼロサム)事業への転換
2.グローバルスタンダードである。(大きい潮流であり、世界市場に直結している)
世界共通目標であり、言語、活動であるため、「SDGs・ON」にないと社会から相手にされなくなる「OFF」
3.求人、就職のアドバンテージ。(選ばれる会社になる指標)
「世の中に感謝されたい」会社・自治体に、自分の生きる時間を使うことへの強いニーズがある

上記①②③は、「価値創造の知」第276夜に綴った下記「五方よし」につながります。
①売り手よし
②買い手よし
③世間よし
④地球よし
⑤未来よし

実際に、SDGsの勉強会、セミナー、実践ご支援を実践する中で、
関西・東海の地域の方たちのほうが、関東・東北・北海道よりも「五方よし」の意気込みが高いことが興味深いです。
(近江商人、船場商法等が影響しているのでしょうか)

それは、トップの方や経営層の「危機感・当事者意識の強さ」と比例しているようにも感じます。
ただ、それはしなやかな、たおやかなトップダウン型にみえます。

さて、新価値創造研究所主催の「SDGs勉強会(半日)」のメリットを図解を交えてお伝えします。

経営は、縦糸(あり方・道理)と横糸(やり方・営み)で織物になります。
日頃の仕事は、図の横軸の「やり方・営み」が中心ですが、社会変化の中で競争が激しくなり行き詰っていることが多いものです。
行き詰まりから脱するときに、常識となっていた縦糸(あり方・道理)をこれからの時代にあった目線・視座で把えることによって観える風景が変わります。

① 本気の自分ゴトへ
経営の「やり方」からではなく、「経営のあり方×SDGsの本質」を深く考え、気づいていただくことで、本気の自分ゴトになること
② ありたい姿と自社の存在価値を考える
これまでの制約を外して、10年後(2030年)のありたい姿と、その時に感謝される自社の存在価値をイメージする(イメジメント)
③ 「イノベーション・革新」の方法と心得を身につける
それを実現するときには、これまでの延長上では実現できないので、「SDGs×イノベーション」の能力が必要なことを共通認識する

つまり、「本気→本質→次の本流」の土台を、自ら気づいて前向き・前のめりになっていただけるかがポイントです。
そこでは、「構想したい、挑戦したい、実行したい」というレベルまで受講メンバーたちの熱いマインドアップができているかどうか。
その上で、「(2030年)自社の本来と将来」のワクワクする物語を磨き上げるのが次のステップです。

グローバルスタンダードのSDGsと本業を統合して、「深く・高く・広く」読み、検討することで「隆々とした未来の輪郭」が浮かび上がってきます。
それを推進する経営層の強い想い、本気があることが、(2030年に向かう)成長経営の肝(きも)になることを数多く経験してきました。

将来は強い想いから創られます。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

SDGs勉強会

SDGsシフト㉝「価値創造の知・第278夜『SDGs×バロック思考』

2020年2月11日 「バロック思考」×「SDGs成功の秘訣」

本夜は、「SDGs」を検討し、展開するのに不可欠な「バロック思考*」を綴ります。

*baroque(バロック)とは、ポルトガル語「barroco(ゆがんだ真珠)」が語源。6世紀末から18世紀に欧州で流行した芸術様式。
均整と調和のとれたルネサンス様式に対し、自由な感動表現、動的で量感あふれる装飾形式が特色です。

この「バロック」の本質を松岡正剛師匠主宰の未詳俱楽部(第26夜)で下記の様な表現を師匠がされていて、
その意味するところがとても印象的で、現在の「価値創造思考」の重要なイメージと方法になりました。

千夜千冊1181夜から加筆引用
---------

— 一つの世界しかあらわさなかったルネサンスを脱却したのが(複焦点的な対比性、二焦点的な楕円の)バロックであった。
ルネサンスが円の一つの中心をめざしたのに対して、バロックは楕円の二つの焦点のように、複数の中心をもちかかえることを選んだ。—

--------

典型的で皆さんに判りやすい現代事例として「iPhone」を取り上げます。

「iPhone」が登場する前は、「iPod」「デジカメ」「ネット」「電話」の一つ一つが市場を持っていました。
前職パイオニア社のオーディオもその一つでした。オーディオという一つの世界を追求すれば良かったのが20世紀後半でした。
上記それらは、一つ一つがルネサンスの様に、性能機能を追求する一つの世界でした。

ここに、一つだけではない「複焦点な楕円」を統合して、一段階上の「バロック世界(新市場・新文化)」を生み出したのがスティーブジョブズ(第157夜~)です。
これが代表的な『イノベーション』の実例です。

自分ゴトでは、この連載で何回か取り上げましたが、
前職パイオニア社で、社長直轄でプロデュースした、異業種コラボ・ヒット商品群(第14夜)の実例です。

・ウィスキー×音楽: ピュアモルトスピーカー
・ファッション×音楽: ループマスター
・インテリア×音楽: ハッピーチューン
・お風呂×音楽: ハッピーアクア

それまで、「性能・機能」を中心に成長してきた「ルネサンス」では限界が見えてきて、
上記の様に、自社だけではできない動的な、バロック世界をつくり、新市場、新ライフスタイルを生み出しました。

さて、バロック的に「SDGs」を体感する方法に、普及が進んでいる「SDGsカードゲーム」があります。

ここでは、『経済・環境・社会』という3つの要素がいったいどうつながりがあって、そのゲームの自分たちのやり取りの中で、世界の状況が変化する様子を実感しながら、未来を良くしていくための気づきを参加者全員に与えてくれます。

これも複焦点(経済・環境・社会)の楕円統合です。一つ一つをバラバラにやっていては、世界をより良い方向に導くことに無駄な時間と労力を費やしてしまいます。

最近のイギリスのEU離脱が象徴的ですが、グローバルを推進してきたアメリカ・イギリスがグローバルの限界を感じて、ポスト・グローバルに向かう世界の潮流の中で、「地球よし、未来よし」を実現するときに、

『SDGsの果敢な国連推進』

の可否がより意味を持つものになってくるのは間違いありません。

SDGsの成功の秘訣は、「①本業(経済価値)×②SDGs(社会価値)×③価値創造(成長価値)」の統合にあります。

ここでは、「バロック思考」が不可欠です。。
通常のSDGs勉強会、研修、講座は、②の理解の入門であり、①②③統合には踏み込みません。踏み込めないといった方が適切な表現かもしれません。

一番重要なことは、①②を認識しながら、一段階上の③をバロック的に生み出すことにあります。
それが、2030年にむかった「個人、企業、地域、国の成長の源」になります。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGsバロック思考

SDGsシフト㉜「価値創造の知・第277夜」『三つのエコロジー』

2020年2月4日 『SDGsと三つのエコロジー』はコインの裏表

前夜(第276夜)では、日本企業にとって追い風となる『三方よし、五方よし』を綴りましたが、本夜は、SDGsの中心概念となる『三つのエコロジー』を取り上げます。

SDGs業界で、それ(『三つのエコロジー』)を取り上げているところをまだ見かけたことがありませんが、
『三つのエコロジー』の本に心を響かせていた人であれば、『SDGs』と『三つのエコロジー』の世界観がコインの裏表であることがすぐにわかります。
おそらく、欧州の方からそれが伝わってくるのではないかと洞察しています。

この「価値創造の知」では『三つのエコロジー』を、2016年の第9夜という早い段階で取り上げています。そこでも記しましたが、「三つのエコロジー(1991年初版)」フェリックス・ガタリ著は、自分の人生に大きな影響を与えてくれました。

この本は、30年くらい前の1991年の初版を熟読したのですが、フェリックス・ガタリ氏の先見性に驚くとともに、そこで警告してきた「地球危機・人類危機」を一部の人を除いて、人々(政治・国連)はずっと放置してきたことを残念に思っていました。

さて、昨年、新価値創造研究所の進むベクトルを『SDGsシフト』に大きく舵を切りました。
SDGsの根幹にある『三つのエコロジー』にある思想・哲学の上に、経営(本業)に、将来を切り拓く「新価値創造(イノベーション)」を組み込んで、社会・会社を変革して役立ちたいと思いました。

第9夜『三つのエコロジー』から少し加筆引用します。
---------
—従来のエコロジー運動がいわゆる「環境問題」(自然環境を中心とした)に限定されてきたことに疑問や不満を感じ、それだけでは現代世界の全面的危機に対処しえないとして、「環境のエコロジー」に加うるに、「社会のエコロジー」と「精神(心)のエコロジー」の三位一体理論を提唱する。

自分(橋本)の理解・編集では、
「人間は下記3つの世界(エコゾフィー)の中に生きている。
①地球環境   :物の公害(地球危機、気候危機)
②人間社会環境 :社会の公害(戦争、離婚等)
③心の環境    :心の公害(ストレス、ハラスメント等)

これを別々に切り離すのではなく、三位一体で直視して展開すること

---------
人間は上記の3つの世界(環境)に包まれていることを実感・納得するところから始まります。上記の①②③は切り離すことはできません。

強いて言えば、人間の精神・意識が①②に強く向かわなければ、変革にむかわなければ地球も社会・会社も個人も立ちいかなくなることが自明です。

さてさて、2015年9月の国連総会で、193ヵ国全会一致で採択されたのは、

⇒「Transforming Our World(我々の世界を変革する)」
:持続可能な開発のための2030アジェンダ

が正式文書になります。

それは、一人一人の精神・意識が、「わかる⇒かわる⇒実行する」(第8夜、第32夜、第70夜)にステップアップに向かわせたいツールであり、17の目標(ゴール)がSDGsです。

そのためSDGsは、地球危機・人類危機を謳いながら、社会・人間の課題からビジネスにも踏み込んでいるのです。
ビジネス(利益)と公益を結び付けなければ、解決に向かわないことを経験してきたからです。

今でも「SDGsは環境がメインのツール」だと思い、SDGsがビジネスに踏み込んでいることに違和感を持たれている多くの方たちがおられます。
逆に、ビジネスに踏み込んでいるために、それまで「静脈産業」だったものが、「動脈産業」「金融業」「政治」と連携して前進・進化が図られています。

そこに、この『三つのエコロジー』を理解することで、SDGsの本質(コア)を掴んで、それを起点として自身や会社の頭の金型(常識)を変えることができます。

新価値創造研究所の本格的なSDGs勉強会/セミナー/成長経営プロジェクトでは、それらに時間をかけて図解とともに説明しています。
そうすると出席メンバーの見える風景が変わってきます。

基本的な構図は、『三つのエコロジー』をベースにして
『ミッション・ビジョン・イノベーション』(新価値創造研究所HP)を3本の矢として
・バックキャスト・イメージ(時間軸:未来から現在を観る)
・リンケージ(空間軸:連携思考)
をそれぞれ縦軸・横軸としておくと、隆々とした将来の姿が浮かび上がってきます。

→基盤(『三つのエコロジー』)を豊かにすると、将来の社会・会社・個人が豊かになります。

ポイントは、『ミッション・ビジョン・イノベーション』の3本の矢を明確にすること。

そうすることで、
1. 売り手よし
2. 買い手よし
3. 世間よし
4. 地球よし
5. 未来よし

へ共にステップアップしましょう。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs三つのエコロジー

SDGsシフト㉛「価値創造の知・第276夜」『三方よし、五方よし』

2020年1月17日 SDGsと『三方よし、五方よし』

昨日のニュースで、

“伊藤忠、企業理念を近江商人の原点「三方よし」に改定”

が飛び込んできました。
それは、SDGsと深く関係しています。
早速ネット記事(読売新聞)を引用します。

ーーーーーーーーー
伊藤忠商事は、4月1日から伊藤忠グループの企業理念を
「三方よし」に改定すると発表した。
近江商人の経営哲学として知られる
「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」
を理念として商いの原点に立ち返り、
急激な経営環境の変化に対応するという。

「三方よし」は、伊藤忠の創業者である初代伊藤忠兵衛が
重んじた言葉とされ、売り手と買い手だけではなく、
地域経済に貢献することで、経済活動が許されるという考えだ。
持続的な企業価値の向上と、社会課題の解決を図る
という現在の取り組みにつながっている。

現行の理念は、「豊かさを担う責任」で、1992年に策定した
改定は28年ぶり。広く知られた言葉を取り入れることで、
グループの結束力を高める狙いもある。
鈴木善久社長は年頭のあいさつで、
「20年は三方よしの原点に立ち返る年にしたい」
と述べていた。
---------

因みに、SDGsの世界では、その「三方よし」をベースにして

『五方よし』
1. 売り手よし
2. 買い手よし
3. 世間よし
4. 地球よし
5. 未来よし

というワードがよく使われています。

「持続性」が4.5.の空間軸・時間軸にも投影されています。
「グローバル」のビジネス競争や「自国中心主義」で
政治経済社会がとげとげしくなり、人間関係もストレスフル
なものになっています。そこに、地球危機・人類危機です。

「会社」という言葉をひっくり返せば、「社会」となり、
この二つはコインの裏表のようなもので、会社が善循環の源となる『五方よし』が
令和時代のキーワードになることを宣言します。

地球よし(空間)、未来よし(時間)のように自分たちの
立ち位置や意識を動かすことで観る風景が大きく変わってきます。
変わるということは、これまでできなかったことを
できるようにするということです。

この『三方よし、五方よし』という言葉が、これから
様々なメディアで取り上げれられることになります。

渋沢栄一翁が、2021年NHKの大河ドラマ
『青天(せいてん)を衝(つ)け』
の主人公に決定しました。

次夜に取り上げようと思っているのが、
「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一は、
約500もの企業を育て、同時に約600の社会公共事業にも
関わりました。
そのコンセプトは、「道徳経済合一」です。

まさしく、「三方よし」の体現を物語で観ることになります。
2021年は、「SDGsと三方よし」が一体になって、そのワードが沸騰する
こと間違いなしです。

「伊藤忠商事」はそれを先取りをしたのですね。
どうせなら、『五方よし』と言って欲しかったのですが。
その余地を残してしまったので、

他の実績・実例をもっている会社が、

『五方よし』

の名乗りを上げることが容易に推察されます。
どんどん令和の時流を創り上げてください。

新価値創造研究所は、それを本分として挑戦される

“本気・本質・次の本流”

の会社、地域、そして個人を全面的にバックアップします。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

橋本元司の「価値創造の知・第276夜」SDGsシフト㉛『三方よし、五方よし』

昨日のニュースで、

“伊藤忠、企業理念を近江商人の原点「三方よし」に改定”

が飛び込んできました。
それは、SDGsと深く関係しています。
早速ネット記事(読売新聞)を引用します。

ーーーーーーーーー
伊藤忠商事は、4月1日から伊藤忠グループの企業理念を
「三方よし」に改定すると発表した。
近江商人の経営哲学として知られる
「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」
を理念として商いの原点に立ち返り、
急激な経営環境の変化に対応するという。

「三方よし」は、伊藤忠の創業者である初代伊藤忠兵衛が
重んじた言葉とされ、売り手と買い手だけではなく、
地域経済に貢献することで、経済活動が許されるという考えだ。
持続的な企業価値の向上と、社会課題の解決を図る
という現在の取り組みにつながっている。

現行の理念は、「豊かさを担う責任」で、1992年に策定した
改定は28年ぶり。広く知られた言葉を取り入れることで、
グループの結束力を高める狙いもある。
鈴木善久社長は年頭のあいさつで、
「20年は三方よしの原点に立ち返る年にしたい」
と述べていた。
---------

因みに、SDGsの世界では、その「三方よし」をベースにして

『五方よし』
1. 売り手よし
2. 買い手よし
3. 世間よし
4. 地球よし
5. 未来よし

というワードがよく使われています。

「持続性」が4.5.の空間軸・時間軸にも投影されています。
「グローバル」のビジネス競争や「自国中心主義」で
政治経済社会がとげとげしくなり、人間関係もストレスフル
なものになっています。そこに、地球危機・人類危機です。

「会社」という言葉をひっくり返せば、「社会」となり、
この二つはコインの裏表のようなもので、『五方よし』が
令和時代のキーワードになることを宣言します。

地球よし(空間)、未来よし(時間)のように自分たちの
立ち位置や意識を動かすことで観る風景が大きく変わってきます。
変わるということは、これまでできなかったことを
できるようにするということです。

この『三方よし、五方よし』という言葉が、これから
様々なメディアで取り上げれられることになります。

渋沢栄一翁が、2021年NHKの大河ドラマ
『青天(せいてん)を衝(つ)け』
の主人公に決定しました。

次夜に取り上げようと思っているのが、
「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一は、
約500もの企業を育て、同時に約600の社会公共事業にも
関わりました。
そのコンセプトは、「道徳経済合一」です。

まさしく、「三方よし」の体現を物語で観ることになります。
2021年は、「SDGsと三方よし」が一体になって、そのワードが沸騰する
こと間違いなしです。

「伊藤忠商事」はそれを先取りをしたのですね。
どうせなら、『五方よし』と言って欲しかったのですが。
その余地を残してしまったので、

他の実績・実例をもっている会社が、

『五方よし』

の名乗りを上げることが容易に推察されます。
どんどん令和の時流を創り上げてください。

新価値創造研究所は、それを本分として挑戦される

“本気・本質・次の本流”

の会社、地域、そして個人を全面的にバックアップします。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs五方よし