橋本元司の「価値創造の知・第248夜」:SDGs(持続可能な開発目標)③心からやりたいこと

2019年8月16日 何をゴールに見据えるのか

SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)の「17のゴール」は、世界の多くの人たちの「切実な望み(=ニーズ)」です。
人々の望みはそれこそ無尽蔵にありますが、「世のため、人のため、地球のために尽くす」に直結・連結している項目を絞りに絞って、セレクトしたのが「17のゴール」なのだと推察します。

なので、通常の経営会議や企画会議の中でよく議論される「いったい、その様なニーズはあるのだろうか?」
というステージはしっかりと抑えています。そこを恐れる必要はありません。

さて、前夜(第247夜)に綴りましたが、同じ目的・目標でも、結果や見え方が変わってきます。
それに向かう会社の『想い・生い立ち、生き様』が違うからです。個性があるからです。

一番大切なことは、「それが、心からやりたいことなのか?」ということです。
①その取り組みを会社の新しい儲けにつなげたい
②そのやりたいことを先導して、世界環境(地球・社会・人)をよくすることを成し遂げたい
①②のどちらに軸足があるのかによって結果が違ってきます。

つまり、「何をゴールに見据えるのか」によって見える風景が変わり、取り組むレベルと結果が変わってきます。
「ゴール」がやりたいことであれば、あらゆる行動・思考がそこにむかい、疲れを感じないで熱中します。好きなことをしているときに疲れを感じませんよね。

是非、「心からやりたいことなのかどうか?」という視点・視座で、SDGsの「17のゴール」をご覧ください。
それがSDGsに向かう私たちからの「最初のアドバイス」です。
(「不易流行」(第34夜、第245夜)でいう、「不易」でとらえるか、「流行」でとらえるかということも参考になります)

このようにアドバイスをすると不安な方たちから質問がきます。
「やりたいことに突き進むと、上手くいかない可能性のほうが高いのでは?」

その気持ちはよくわかりますが、
「心からやりたいこと」をやると、自分の思考・行動が変わり、自分の周りの世界が変わって見えてきます。
皆さんも経験があるでしょう。

自分(意識)が変わり、継続・努力すると、周りの世界が変わってきます。

これまで様々な業種業態の経営者をご支援してきましたが、一番成果が出やすいのが、

「心からやりたいことに突き進んでいる社長」です。

それは、周りからいろいろと言われても、「自分の想いが将来社会につながる、切り開く」という確信・自信があるからです。
そんなに自信があるのに、何故ご支援に呼ばれたかというと、やりたいことを実現するには、いくつかの壁があり、それを乗り越えたり、迂回する方法、そして羅針盤づくり等で水先案内する役目を期待されているからです。
呼ばれたことさえも、「社長の心からやりたいことの実現」が新しい出会いやご縁を導いたのだと思います。
①心からやりたいこと、②自分自身への確信・自信、③外部の水先案内 により、遠くにあると思っていたゴールが近くまで引き寄せるのです。

それとは反対に、新規取り組みが「心からやりたいこと」でない場合は、②自分自身への確信・自信、が不足しているので、いくつかの可能性の高い選択肢を共に検討しても、躊躇されることが多いですね。
そのような意味でも、社内の横断プロジェクトで「心からやりたいこと(WILL)・ミッション・ビジョン」を検討することで、メンバーが燃える集団となり、実行部隊である彼らの熱意・本気に背中を押されるという光景を何回も見てきました。
それが、「価値のイノベーション」につながります。その様な場合は、メンバーと経営陣が一体となるので、組織・風土もグッとよくなり、成長経営に進みます。

さてさて、本夜に、SDGsへのアプローチでお伝えしたいことは、二つです。
1.本当に「心からやりたいことなのかどうか?」という視点・視座でご覧いただくこと
2.それがあれば、自分が変わり、経営風景が変わり、個性(他との違い)の発現・発揮につながること

さて、前夜(第247夜)に綴った『1.自分事力』『笑顔想像力』の双方は、目に見えない『心・魂』を扱う領域です。
星の王子さま サン・テグジュペリの言葉に、
「いちばんたいせつなことは、心で見なくてはよく見えない」
とあります。
そう、SDGsには、心で観る力を身につける必要があるのです。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs③

橋本元司の「価値創造の知・第247夜」:SDGs(持続可能な開発目標)②目的

2019年8月14日 「世のため、人のため、地球のために尽くす」

本夜は、SDGs((エスディージーズ:持続可能な開発目標)に向き合うために、とっても重要な『目的・志・大義』について綴ります。

前夜(第246夜)では、「SDGsの17のゴール」を記載しました。その目的とは、いったい何でしょうか?

「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって持続可能な世界を創る」でしたね。

つまり、「世のため、人のため、地球のために尽くす」ということです。この大目的に寄り添えるか、熱意を持ち続けられるかどうかがとっても肝要です。

ここで、稲盛和夫さんの人生哲学、京セラフィロソフィである「世のため人のために尽くす」を引用します。
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人生の目的とは、「心を高める」ことです。「心を純化する」「心を浄化する」「人間性を高める」「人格を高める」。すべて同義語ですが、これらが人生の目的です。波瀾万丈の人生で、さまざまな現象に遭遇し対処しながら、人間性を高め、自分自身の魂を磨いていく。これこそが人生の目的なのです。

これをもっと具体的に言い換えると、世のため人のために尽くすということになります。人間ができていなければ、心が高まっていなければ、世のため人のために尽くすことなどできるものではありません。私は、世のため人のために尽くすのが人生の目的だと考えていますが、それは心を高めるということだったのです。

出典:『成功の要諦』
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この「価値創造の知」連載でも、『目的』の重要性を何回もお伝えしてきました。
「革新の7つの力」を第59夜~第74夜に亘って綴りましたが、それをまとめた価値創造イニシアティブ「価値創造・7つの秘訣」(第76夜)を紹介します。
1.自分を変える:危機意識・情熱力
2.他者を愛する:幸せ想像力
3.・・・
の「革新の7つの力」の最初の1.2.は、この『目的』が中心にあります。

イノベーションを起こすには、「新目的・志・大義」が重要な役割を示します。それは、必ず様々な障害が現れるので、それらを乗り越えるには、「新目的・志・大義」なくして進めないからです。

コーヒーショップの様に、同じような事業を運営しているようでも伝わってくるものに違いがありますね。それは、コンビニでもアパレルでも商店街でも、そして同業種の会社でも同様です。

それは、それぞれが大事にする『目的』への「想い」が違っているからです。個性(=想いの違い)があるからです。
当たり前のことなのですが、『価値(=人に役立つ)』は人が創ります。それぞれをよく観察すればわかるのですが、『会社の価値』は、そこの関わる人たちの「生い立ち、想い、生きざま」が息づいています。
『人』が変われば、内容も変化します。それが、商品やサービスを通して伝わってきます。

「目的・志・大義」の反対は、頭からソロバンばかりはじいている人です。
中途半端で熱意がないので、ここぞという一歩が踏み出せずに、「継続(サスティナビリティ)と「生き残る(サバイバリティ)」につながりません。
それは、熱量・覚悟が足りないので、「深く・高く・広くのイノベーション」(第21夜、第131夜)ができないからです。

さて、次夜は上記の「目的」から、どうやって「価値」に近づいていくのかを綴ろうと思います。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs②

橋本元司の「価値創造の知・第246夜」:SDGs(持続可能な開発目標)①

2019年8月2日 価値創造とSDGsの深い関係

SDGs((エスディージーズ:持続可能な開発目標)という言葉がメディアでもよく取り上げられるようになりましたね。
SDGsとは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。

この「SDGs(持続可能な開発目標)の『本質』」をしっかり把えることにより、ご支援してした多くの企業や地域が、これまでの閉塞を打破する構想を持って隆々と実践されています。

そこでよく言われるのが、このコラムの「価値創造の知」連載と「SDGs(持続可能な開発目標)」が鍵と鍵穴の関係(第78夜)にあるということです。
本夜から、「SDGsの歴史」と「価値創造のつながり」の必定について綴っていこうと思います。

それでは、少しSDGsの歴史をひも解きます。
2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)は、先進国による途上国の支援を中心とする内容でしたが、そうではなくて、2015年に新たに策定されたSDGsは、

→「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成」されているのが特徴
になっています。

その持続可能な世界をつくる17のゴール(目標)を記します。
1.貧困をなくそう: あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
2.飢餓をゼロ: 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
3.すべての人に健康と福祉を: あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
4.質の高い教育をみんなに: すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5.ジェンダー平等を実現しよう: ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
6.安全な水とトイレを世界中に: すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに: すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する
8.働きがいも経済成長も: すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
9.産業と技術革新の基盤をつくろう: 強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
10.人や国の不平等をなくそう: 国内および国家間の格差を是正する
11.住み続けられるまちづくりを: 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
12.つくる責任 つかう責任: 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
13.気候変動に具体的な対策を: 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
14.海の豊かさを守ろう: 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
15.陸の豊かさも守ろう: 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
16.平和と公正をすべての人に: 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
17.パートナーシップで目標を達成しよう: 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

上記の様な夢や理想を、目標に掲げて2030年をゴールにするという取組みには拍手を送りたいと想います。
個人や一国だけが頑張っても実現することは困難です。そして、何か一つ項目を実現しようとすると、他の項目も有機的につながっていることに気づきます。
このことについては、「3つのエコロジー」(第9夜)に綴りました。

さて、新価値創造研究所は、ここで重要な求心軸を2軸で把えてみました。
一つ目の軸は、「自己中心意識」ではなく、「公(おおやけ)」の認識と行動
二つ目の軸は、「改善」ではなく、「改革」の認識と行動。

「公(おおやけ)」と「改革(イノベーション)」の認識と行動です。これを前進させるための「意欲*当事者意識」が肝要ですね。

20世紀後半の日本は、「大量生産・大量消費」の時代でした。
人間の身体で云えば、「動脈産業」中心でしたが、今は善循環させるために、「静脈産業」をしっかりと構築するすることが求められるようになりました。
その最もわかりやすい例が、地球の気候変動です。大量生産・大量消費のやりっぱなしが氷河がとけたり、海面上昇等につながっているのでしょう。
海のプラスティックゴミによる生態系への影響も問題になっています。
クライアント先では、いいことばかりと思われていた「プラス」ティック事業が「マイナス」ティック事業に陥っているのです。把えかたの大転換が必要になってきています。
つまり、2030年に向けて「価値観の転換」が求められているのです。それを消極的に把えるのか、積極的に行動するのかで結果が大きく変わります。

→「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成されているのが特徴」

上記は、従来の延長線上では達成できません。熱量をもった本気の「構想」「改革」「イノベーション」が必要なのです。

さて、上記の17のゴールをみてください。
すべての「項目が、従来の延長線上のやり方では失敗してきていますね。

「2030年をイメージして、そのギャップをどのようにして詰めていくのか?」

それが問われます。大チャンスの到来ですね。

大企業には大企業なりの、中小企業には中小企業なりのやり方・構想があります。

ポイントは、「構想の立て方」です。「目標達成のイメージ」がつかめれば、日本企業は強いのです。
SDGsへのアプローチは、「中小企業のほうが向いている」のではないかとこの頃感じています。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs①

橋本元司の「価値創造の知・第245夜」:不易流行②

2019年7月25日 真の企業再生

前夜(第244夜)に、松尾芭蕉と松下幸之助の共通点である『不易流行(ふえきりゅうこう)』を綴りました。
さて、「不易流行」は2年以上も前(第34夜)の、サントリー様の関係者との懇親(「不易流行」から「やってみなはれ」)を絡めながらの懐かしいコラムでした。

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「不易流行」の『不易』とは、時を越えて不変の真理をさし、『流行』とは時代や環境の変化によって革新されていく法則のことです。
不易と流行とは、一見、矛盾しているように感じますが、これらは根本において結びついているものであると言います。
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何故またこの言葉をテーマにしようとしたかといいますと、1時間ほど前に、関係している団体からの危機感を伝える寂しいメールが届いたからです。
その団体は10数年前に、人が集まり非常に勢いのある有名な協議会だったのですが、今は右肩下がりのどん底にいます。

本当は、「根源的な知と体系」があり、将来成長につながる思考の土台と継続性をもたらす中身のある優れものを扱っているですが、「実用的なノウハウ」として把えているために、「不易」ではなく「流行」に走り、使える用途がどんどん狭まってしまいました。

それがいつからか、手段(分子)ばかりに寄り添って、本来の目的(分母)を見失ってしまいました。不易(分母)に立って流行(分子)があるのです。
それは、まさに「不易=目的」と「流行=手段」の関係にあります。

前職・パイオニア社の「オーディオ事業」(コラム:オーディオの未来は?)も同様でした。
機能、性能という「手段=分子」を中心において成長していたために、それがコモディティー化(=競合する企業の製品やサービスについて、性能、品質、ブランド力などに大差がなくなり、顧客からみて「どの会社の製品やサービスも似たようなもの」に映る状況)すると業界が成り立たなくなります。
その様な行き詰まりの時に必要なのは、「本来の目的=不易=分母」を深堀りすること(深い知:第85~86夜)です。

そうすると、そこにリオリエンテーション(第147夜:真の企業再生・「進むべき方向」の抜本的見直し)が見えてきます。
「業績の伸びている会社には、伸びる理由があり、ダメになる会社にはダメになる理由があります」
下降に向かう会社や地域には、「分子」に行き詰まりの問題があり、「分母」を明確にすることにより新しい道が拓けるように、水先案内するご支援をしています。

確か、2年ほど前に、カンブリア宮殿(テレビ東京)で「外食の産業化」のテーマで、ある飲食店の興味深い事例があったので引用します。
「ワインの資格のある人は、ワインにこだわりすぎて、ワインがメインで料理が添え物になってしまう。
そうではなくて、ワインはもともと料理を引き立てるもの。ワインがたくさんある、美味しい、高いという話ではなく、料理に合わせて用意するのがワイン。
だから、ポジションが違う気がする。---」

そう、上記の危機に陥った協議会も、オーディオ業界も、その手段にこだわりすぎて、
①本来、顧客の求める価値
②将来、顧客の求める価値
という「本来と将来」を見失っているのです。
その手段でもって、成長・成功してきたので、既得権のある人達が、ポジションを変えられずに、自ら行き詰ってしまうのです。

どうしたらいいのでしょうか。
自分が、講演やセミナーでよく活用するタニタさんの分母の再定義(第107夜)を引用します。
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—20世紀は、性能⇒機能⇒効能でしたが、21世紀は、効能⇒機能⇒性能の順番になります。

さて、本夜(第107夜)は多くの「製造業」の行き詰まりからの『再定義の型』の一つを記します。
事例は、よくセミナーで取り上げる「株式会社タニタ」さんです。三代目の谷田社長には二度お会いしました。

「健康をはかる”タニタ” 「健康をはかる」から「健康をつくる」へ。 タニタは、食事・運動・休養のベストバランスのご提案を通して、 24時間皆様の健康づくりをサポートしていきます。」
とホームページに記されています。

皆さんが良く知っている体重計や体脂肪計という「健康をはかる」会社でしたが、3代目の社長が「タニタ食堂」という新事業に挑戦しました。(丸の内のタニタ食堂には何回か通いました)

「世界から肥満をなくしたい」

という熱いスローガンをお聴きしました。体重や体脂肪をはかるだけでは、「肥満」はなくなりませんね。

それが、会社としての「新しい目的」、社会的課題を把えた「良い目的」(第28夜、第68夜詳細)です。熱い想いを持った、この「新しい目的・良い目的」づくりの構想・実行・更新(第61~74夜)がとっても重要です。
ここが『本分(分母)』の再定義のターニングポイントであり肝(きも)になります。

そして、「タニタ食堂」を立ち上げられました。それは、それまでの会社の「本分のBefore」にあたります。なので、とても相性がいいのです。これもとっても重要です。
そして、スローガンに挑戦するために、情報・ソフトウェア・インターネットを組込むことで「健康をはかる」を「健康をつくる」という「新本分」の新健康産業に再定義しました。
さなぎ(健康をはかる)から、蝶(健康をつくる)への脱皮です。

現在、増加する健康保険料への問題対策として、多くの企業・行政・デベロッパー等から、引っ張りだこです。

さてさて、『本分(分母)』の再定義のインパクトが伝わりましたでしょうか?
「健康をはかる」という本分を変えなければ、会社の将来はレッドオーシャンの中で右肩下がりになっていったでしょう。
新健康産業により、TANITAにしかできない価値を提供できるのです。これからの「AIoT」時代に、上記のビジネスモデルは加速していきます。—

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上記を説明すると、
「それはタニタさんだからできたこと。特別な事例ですよ」
と言われる方たちが多いのです。

そのため、ご支援してきた会社も含め、新しい目的による分母の再定義の成功例を幾つかをお伝えすると、目を輝かされます。
そして、自分の会社は?自分の業界は?
と「本来と将来」に意識がむかわれます。

そう、『不易流行』が頭と心に入っていれば、再定義は無常迅速です。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば⑰.jpg

橋本元司の「価値創造の知・第244夜」:松尾芭蕉と松下幸之助

2019年7月24日 不易流行

関西圏の知の旅(本年の3/17~3/19)で、大阪パナソニックミュージアム、PHP研究所を訪問しました。
そこの歴史館でいただいた「松下幸之助さんの言葉」30編を抜粋して、第229~243夜と15夜に亘って、価値創造の知を綴ってきました。
その30編を通して、とてもいいコラム交流をさせてもらえました。

第229~243夜の途中から、「松下幸之助のことば」が深いところで誰かの知と共通していることに気が付きました。
いったい、誰だと思いますか?

「松尾芭蕉」(第190~195夜)です。
40夜前の「価値創造の知」で6夜綴りました。

共通点では、松尾芭蕉・松下幸之助と「松つながり」ですね。
きっと何か意味があるのでしょう。

そして、御二人ともモノゴトの根源に身をおかれて究めた『道』の人です。
・松尾芭蕉は、「俳句道」(第195夜:道を究める)
・松下幸之助は、「商道」(第229夜:自分に与えられた道)

更に、モノゴトの根源(不易)に立脚した変化(流行)を具体化、実践されました。
つまり、『不易流行』という共通点です。

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—不易流行の「不易」とは、時が流れても変わらないということであり、逆に「流行」とは、時の流れとともの変わることです。これは、「奥の細道」の旅でみてきた宇宙の姿そのものです。

月が満ち、太陽が沈み、星がめぐるように宇宙は変転きわまりないということが流行であり、それにもかかわらず不変の「閑さ」に包まれているということが不易です。
芭蕉は、みちのくの旅で歌枕の廃墟をたどり、時間の無常迅速(流行)とみえる宇宙がじつは永遠不変(不易)であることに気づいた。
つまり、不易流行とは、芭蕉がたどりついた宇宙観だったのです。—

出典「おくのほそ道・100分de名著」
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一方の「松下幸之助さんのことば」から引用します
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『素直な心』

素直な心とはどういう心であるのかといいますと、それな単に人に逆らわず従順であるということだけではありません。
むしろ本当に意味の素直さというものは、力強く、積極的な内容を持つものだと思います。

つまり、素直な心とは、私心なくくもりのない心というか、一つのことにとらわれずに、物事をあるがままに見ようとする心といえるでしょう。
そういう心からは、物事の実相をつかむ力も生まれてくるのではないかと思うのです。

だから素直な心というものは、真理をつかむ働きのある心だと思います。物事の真実を見きわめて、それに適応していく心だと思うのです。

出典「素直な心になるために」
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訪問した松下幸之助歴史館の入り口には、『道』という字がすぐに飛び込んできます。
それが、一番の求心軸です。

物事の実相をつかむ力、真理をつかむ働きのある心を説いています。
物事の根源、本質に立脚して、見きわめて、そして変化に適応していく、それがパナソニック社の会社づくり、人づくりの根底に流れています。
それが、流行に廃れていく「商術」ではなく、宇宙につながる「商道」となりました。

世界はたえず変化する。しかし永遠不変である。

それを実践して「カタチ」にして魅せてくれました。
これに、私たちは何を学び、今に活かしていけばいいのでしょうか。

それをこの連載では、第226夜(現実の出来事を見るために古典を読む)に綴りました。
『実用的なノウハウは使える用途が限られるので、その様な断片的な知識をいくら身につけても、長期的には役立ちません。
根源的な知を身につけ思考の土台を作り、実際に役に立つところまで落とし込んでいくこと』

さて、松下幸之助歴史館に伺った時に、現役のパナソニックの社員の方たちの来館人数が減っているというお話をOBのかたにお聴きしました。
是非、今の時代に、将来に置き換えて、多くの方たちに置換して活かしていただけると嬉しいですね。

共によき将来を創りましょう。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば⑯

橋本元司の「価値創造の知・第243夜」:松下幸之助のことば「ガラス張り経営」⑮

2019年7月22日 「オープンイノベーション」

飲食店に行くと、なかなか言葉で表すのは難しいのですが、とて気持ちがよくてまた来店(リピート)したい場があります。
それは、そこに集ってくる人たちの会話やふるまい等が自分にフィットしているのに気づきます。

そう、心地よい雰囲気はそこに集まるお客がつくっているのではないでしょうか。
そこで醸し出される「しつらい、ふるまい、心遣い」(第2夜、第93夜)なのですが、その奥にある“大切な想い”から店員さんたちの自主的、主体的な「気配り」がそれを創っているように思います。

その気配り、雰囲気はすぐに感じ取れます。

同様に、会社の成長経営へのご支援にうかがった時に、そこに集まる社員さん達の雰囲気や会話で何が問題なのか、不足しているのかがすぐに感じ取れます。
多くの会社をみてきたこともあると思いますが、元気のある会社には、自主性・主体性があります。そこには自由度があるのですが、行き詰っている会社の社員さんには自由度が大幅に少ないのです。
そのことは、結果的に『生産性の向上』にも大きな影響を及ぼします。

一人ひとりには、能力を発揮する、引き伸ばす余地、余白(第22夜、第89夜)がいっぱいあるのです。その環境をつくるのが「生産性革新」の源です。
一人ひとりが経営者であり、「自分の自主的な責任において仕事をしていくという好ましい自覚と気風」です。
身近なところでは、「スターバックス」に行くと、それが観られます。

さて、上記のことに繋がる松下幸之助のことばを「ガラス張り経営」より引用します。

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「ガラス張り経営」

私はいわば“ガラス張り経営”とでもいうか、経営なり仕事のありのままの姿を従業員に知ってもらいたいという方針でやってきた。
それによって全員が経営しているのだという意識がごく自然に生まれ、自分の自主的な責任において仕事をしていくという好ましい気風ができてきたように思う。また、人もおのずと育つということになった。

そういことを考えてみると、やはり従業員に対してはその時どきの方針はもちろん、経営の実態についても、できるだけ秘密を少なくして、いいことにせよ、悪いことにせよ、いろいろ知らせていくことが望ましいし、大切なことだと思う。

出典「人事万華鏡」
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オープンにすることで、信頼関係が強固となり、人(社員)はおのずと育っていきます。
中小企業でも、そこまで「オープン経営」「ガラス張り経営」に踏み込むのか、という会社を幾つか見てきました。
『中小企業の星』ですね。
そこに踏み出すことで、結果的に「オープンイノベーション」につながり、顧客に囲まれる会社(第20夜:囲まれる時代)になります。
素敵な舞台があり、そこで役者(社員)はプレーヤーになります。
そして、そこには多くの輝く価値創造社員が輩出し、実践につながります。
日本再興の源です。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば⑮

橋本元司の「価値創造の知・第242夜」:松下幸之助のことば「見えざる契約」⑭

2019年7月16日 いちばんたいせつなことは、心で見なくてはよく見えない

私は好んで、数寄で、「使命(Mission)」という言葉をよく使います。
それは、「世の中」や「信じる何か」との「強いお約束」です。

それを、個人として使うことがあれば、会社や地域として使いこともあります。

・「いったい何を達成、実現するために約束するのか?」
この「何」は人によって、会社によって、地域によって変わってきます。

この「新価値創造研究所」であれば、
・「価値創造革新」で多くの人を幸せにしたい
がミッションです。

このコラムを何故綴っているのかと云えば、その真髄を多くの方たちにお伝えしたいからです。
それが世の中にお役立ちするという「確信」があるので、揺るぎない「信念」を持つことができます。
そして、「信念」があれば、「革新」に向かうことができます。

このコラムでは、ミッションを
「航海する船の錨(イカリ)」(第85夜:深い知)
とよく表現します。

何に繋がっているのか、何のために存在しているのか、その自分の立ち位置を明確にしておきたい。
人生も会社経営も同じように考えています。

ただ、このミッションは目に見えない『心・魂・志』を扱う領域です。
星の王子さま サン・テグジュペリの名言に、
「いちばんたいせつなことは、心で見なくてはよく見えない」(第63夜)
とあります。

世の中に役立つことが「価値」であり、それは価格と違って主観的なものです。(第102夜)
その目に見えないインビジブルを本気で想い、想像し、創造し、実行している経営者は強くしなやかにイノベーションをされています。

さて、その大事なインビジブルに関係する松下幸之助さんのことばを「わが経営を語る:見えざる契約」から引用します。
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「見えざる契約」

今日、何千万人という需要者の方がたは、生活を豊かにしていくために物がほしいというとき、それが現実に手に入らなければ、非常に不自由な思いをせざるを得ないでしょう。

私たちはあらかじめそういうことを予期して、万全の用意をしておかなければなりません。それはいわば、私たちと大衆との見えざる契約だと思うのです。

別に契約書があるわけでありませんが、私たちはこの見えざる契約、声なき契約をよく自覚する必要があります。そして、その契約を遂行してために、常日ごろから万全の用意をしておくことが、私たち産業人に課せられた、きわめて大きな義務であり責任だと思うのです。

出典「わが経営を語る」
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「見えざる契約」という用意、義務、責任が「ブランド」につながるのだと思います。

・いったい私たちは、世の中に、どの領域で「何」をお約束するのか?

その目的が明確になっていれば、見えざる契約、声なき契約にも正面から向き合っていくことができますね。
そして用意があれば卒意(第4夜)ができます。
「不足を転じて満足となす」ことに向かえるからです。

よく見かけることで注意したいのが、「目的」ではなく、「手段」でお約束する場合です。
「手段のお約束」の際は、一過性の場合が多いので、定期的に見直しを行い、「目的」をセンターに持ってくることをお薦めします。

いちばんたいせつなことは、心で見てください。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば⑭

橋本元司の「価値創造の知・第241夜」:松下幸之助のことば「青春とは心の若さ」⑬

2019年7月15日 輝かしい「第三の人生」

仕事がら、多くの老若男女とお話しする機会があるのですが、仕事がONでもOFFの時でも、その人の心がどこにあるのか、意識がどこにあるのか、ということにすぐに関心が向かう癖があります。

殻を持っている時と、殻を脱いだ時のギャップというのも面白いものがあります。話して打ち解けていく中で、そのギャップはどんどん小さくなってゆきます。お互いが響き合うことが仕事の始まりです。

いずれにしても、どこに心を置いているのか、そこにしっかりチューニングすることで、「志」の輪郭もみえてきます。

ただ、自分と同じ年代の定年退職後を観察すると、夢、信念と希望にあふれている人はかなり少なくなってしまうのが残念です。
それは、親の介護や自分や家族の病気発症、離婚の問題等々、様々なことが発生することも大きな要因です。

これらは諸行無常であり、避けられないコトでもあるのですが、そのような中でも「志」を持って集まり活動しているのが、前夜(第240夜)にも綴った「チーム創発」です。
このようなメンバーと一緒に仕事ができることで、それまで以上に奮い立ち、日々新たな気持ち、意識を持ち続けることができて幸せに想います。

そう、そこに集う人達は、松下幸之助さんのことば「青春とは心の若さ」にフィットしています。
それでは、「松下幸之助一日一話」から「青春とは心の若さ」を引用します。

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「青春とは心の若さ」

青春とは心の若さである
信念と希望にあふれ勇気にみちて
日に新たな活動を続けるかぎり
青春は永遠にその人のものである

これは私がある詩からヒントを得て、座右の銘としてつくった言葉である。当然ながら、人はみな毎年、年をとってゆく。それはいわば自然の掟である。

しかし私は、精神的には、何歳になろうとも青春時代と同じように、日々新たな気持ちを持ち続けることができるはずだと思う。

その精神面での若さを失いたくないというのが、かねてからの私の強い願いなのである。

出典「松下幸之助一日一話」
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令和の時代、人生100年時代に人々に求められてくるのは、

・信念と希望にあふれ勇気にみちて日に新たな活動を続ける

ことではないでしょうか。
そのようなポリシーとスタイルを率先するのが、前夜(第241夜)に綴った経験豊富な「林住期(50~75歳)」の使命のように感じます。

・三つ目の「林住期」とは、社会人として務めを終えたあと、すべての人が迎える、もっとも輝かしい「第三の人生」のことである。
人生のやり直しでも、生活革命でも、再出発でもない。生まれてこのかた、ずっとそのために助走してきたのである。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば⑬

橋本元司の「価値創造の知・第240夜」:松下幸之助のことば「道は無限にある」⑫

2019年7月14日 未来は既にここにある。全ての人に均等に配分されていないだけだ

第229夜「道」、第230夜「熱意が道をきりひらく」をとりあげました。
そして、本夜はそれらに連なる「道は無限にある」を引用します。

いまメディアで話題になっている「年金問題」は、60歳定年でそこから10年くらいの70歳までに人生を終えるという前提の制度設計のようですが、これから、人生100年時代が通常になると、従来の年金制度が崩壊するというのは明らかですね。
多くの人が100歳まで生きるとなると、人生設計や社会常識の在り方も変えていかなければなりません。

さて、第171夜、第174夜に、「林住(りんじゅう)期」(五木寛之著)を取り上げました。
“古代インドでは、人生を四つの時期に分けて考えたといいます。
「学生(がくしょう)期」、「家住(かじゅう)期」、そして、「林住(りんじゅう)期」と「遊行(ゆぎょう)期」。
三つ目の「林住期」とは、社会人として務めを終えたあと、すべての人が迎える、もっとも輝かしい「第三の人生」のことである”
“アスリートにたとえれば、「学生期」に基礎体力をつくり、「家住期」に技術を磨き経験を積む。
そして試合にのぞむ。その本番こそが「林住期」だ。人生のやり直しでも、生活革命でも、再出発でもない。生まれてこのかた、ずっとそのために助走してきたのである”

人生を100年に当てはめた時に、前半生が「学生(がくしょう)期(~25歳)」、「家住(かじゅう)期(~50歳)」の50年、それに続く25年が「林住(りんじゅう)期(~75歳)」そして、最後の25年が「遊行(ゆぎょう)期」の計100年。
パイオニア社を早期に卒業して、この本に出逢った時に、「アッ、自分は林住期を生きている、そして、与えられた使命がある」と思い、俄然やる気が出てきました。(第174夜)
それもあって、いま、企業の第一線で経営革新に活躍してきた熱いメンバーが集まって「チーム創発」が立ち上がって活動を始めました。もうすぐホームページもお目見え予定です。

さてさて、人生100年ということは、その100年を自分で設計して生きることです。30歳の人であれば、残りの70年間の全てを自ら設計して、自分でナビゲーションしながら生きていくということです。人生の自由度が大幅に増えました。それを前向きに把えられるように環境を変えなければなりません。
学校で教える内容も変わってきますね。人生100年設計で、志、夢をもち、自分の能力を最大限活かす生き方を学ぶのです。大学や大学入試の在り方も変える必要があると思いませんか?勿論、企業や労働組合もです。
将来の多様なカリキュラムや仕事のメニューが不足しているのも一因で「公務員志望」が増えてしまうのです。

ここで、上記と関係する松下幸之助のことば「道は無限にある」を引用します。

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「道は無限にある」

お互い人間というものは、常にみずから新しいものを呼び起こしつつ、なすべきことをなしていくという態度を忘れてはならないと思います。
お互いが、日々の生活、仕事の上において、そういう心構えを持ち続けている限り、一年前と今日の姿にはおのずとそこに変化が生まれてくるでしょうし、また一年先、五年先にはさらに新たな生活の姿、仕事の進め方が生まれ、個人にしろ事業にしろ、そこに大きな進歩向上がみられるでしょう。

大切なことは、そういうことを強く感じて、熱意を持って事に当たるという姿勢だと思います。そうすればまさに、
“道は無限にある”
という感じがします。

出典「道は無限にある」
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上記の心構え、熱意が「道」を切り拓くのです。

「道は無限にある」ということでは、第15夜に綴った、「シナリオプランニング:危機意識、不確かな時代を読み解く方法」を参考にしていただければ幸甚です。
2004年49歳の時に、パイオニア社の10年後の将来を検討する時に、「シナリオプランニング」を使って10年後の世界を明示しました。
この「不確かな時代」、将来を見通せない時代なのですが、本来と将来の大切な2軸を選出することで、4つの世界を浮き上がらせてきました。
行き詰っている会社/地域は、制約に縛られて視野が狭くなっています。その視野、視座を拡げて差し上げて、そこから可能性のある世界を選択して、「経営革新」「次の一手」に踏み出すご支援をしています。

様々な業種からの依頼がありましたが、3本の矢(第57夜)と上記の「先が観える」匠の技は万能です。多くの会社の将来をご支援してきました。

そう、将来世界は確実に、現在の中に点滅、明滅しているのです。

“未来は既にここにある。全ての人に均等に配分されていないだけだ”
The Future is already here.It’s just not evenly distributed.
(SF作家 ウィリアム・ギブソン。 ツィッター創業者: ジャック・ドーシーの座右の名)

上記の言葉をセミナーや新事業創出プロジェクトでよくご紹介します。

この様な能力や心構えの習得も、「学生(がくしょう)期(~25歳)」、「家住(かじゅう)期(~50歳)」の方達に贈与したいと思っています。
それも自分の重要なMissionだと思っています。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば⑮.jpg
松下幸之助ことば⑫

橋本元司の「価値創造の知・第239夜」:松下幸之助のことば「日に新た」⑪

2019年7月12日 「フロントランナー」と「リーディングエッジ」の認識

「諸行無常」「万物流転」と、すべてのものは絶えず動き、絶えず変わりつつある。これは自然の摂理です。自分の身体、自分の人生、会社、地域、そして、地球も宇宙も同じ動向です。

そのような変化の中で、会社経営で云えば、現状維持とは、右肩下がりに向かっているということです。それは、競合が生成発展しようと努力しているので相対的に下っていくのです。
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世紀の激変の只中で、日本の大企業、大銀行は、インナーのつまらない競争に明け暮れるのではなくて、「フロントランナー」の認識を強く持って欲しいですね。

前職パイオニア社の在職中は、この「フロントランナー」と「リーディングエッジ」という言葉が好きで、よく使っていました。
「リーディングエッジ」とは、ある分野の最先端のことをいいます。飛行機では、空気が触れる翼の先端部をいいます。
パイオニア社を従来の価値観を超えた「フロントランナー」にしたかったのです。

業界のリーディングエッジとなり、リードする着想、構想を持つことが大企業、大銀行の役割です。その様な「フロントランナー」としての認識や構想が不足しているを感じるのは自分だけではないでしょう。
そこに必要なのは『価値のイノベーション』です。従来の価値観のままの現状維持ではリストラ、衰退の道を辿ります。
広くとらえれば、いま、日本に求められているのは、従来の依存体質から、価値創造の自立体質への脱却ではないでしょうか。
それは、大企業だけではなく、中小企業、そして、地域や個人も同様です。

さて、そのために必要な心得を「松下幸之助さんのことば」から引用します。

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「日に新た」

生成発展とは、日に新たにということ、古きものが滅び、新しきものが生まれるということである。
すべてのものは絶えず動き、絶えず変わりつつある。これは自然の摂理であり、宇宙の動向である。世の中の万物は、この生成発展の原理で動かされている。

したがって、われわれの経営も、この原理で支配されているのであって、わが社が従来、日に新たに進もうと念願してきたことも、この原理に即した経営理念をとってきたからである。
生成発展の経営理念は、千古不滅の真理である。

出典「松下幸之助・経営の真髄」
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日本の様々な問題(個人、社会、産業)は、高度20世紀後半の成長期の反動もうけて、成熟期・衰退期に顕在化しています。
成長期のレールのある鉄道時代の様な「日に新た」と、レールのない成熟期・衰退期の「日に新た」では、次元が違っています。
これまでには無かったレールを自らつくっていくことが求められているからです。
そこにはフロントランナーとしての着想と構想という「新価値の創造」が不可欠です。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば⑪