橋本元司の「価値創造の知・第172夜」:なぜ、倒産?

2018年10月15日 変化に対応できないで失敗した事例

「コンサルタントの知」第4弾です。
前夜は、「経営とは、変化に対応すること」を事例で綴りました。

本夜は、「変化に対応できないで失敗した事例」をまとめた本「なぜ倒産」(日経BP)も参考にしながら「価値創造の知」をお伝えします。
「なぜ倒産」の副題は、(中堅・中小企業)『23社の破綻に学ぶ失敗の法則』とあります。成功の事例を学ぶよりも、失敗の事例を学ぶことは有用です。

なぜならば、成功と失敗はコインの裏表の関係にあるからです。多くの失敗と挫折の先に、成長があり「成功」があります。
また、成長があったことにより、失敗に繋がったという事例も枚挙にいとまがありません。

「はじめに」から一部を引用します。
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経営とは、ヒト、モノ、カネの状態をバランスよく保つことであり、そのバランスが大きく崩れると失敗を招きます。
そして、崩れ原因を突き詰めると「あのとき、こうした判断をしてしまった」という転換点が見えてきます。

成功はいくつかの要因の組合せですが、失敗は究極的には一つの判断ミスによるもの。
例えるなら、成功とはブロックを地道に高く積み上げることであり、失敗とはブロックの山のどこか一か所に異常な力が加わることで一気に崩れるイメージです。
成功の要因と違って、失敗は原因を特定できる分、ダイレクトに役立つのです。・・・
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「IT化、グローバル化、サービス業化」と「AI化、少子高齢化」の掛け算により、従来の事業モデルや業態を保つことが難しくなっています。
事業を磨き上げる、更新すること、必要に応じて変態(業態変換)の見直し、イノベーションが待ったなしで訪れます。

役に立つと思うので、「なぜ倒産」の3章を参考に記載します。
1.第1章: 急成長には落とし穴がある
①脚光を浴びるも、内外実が伴わない
②幸運なヒットが、災いを呼ぶ
③攻めの投資でつまづく
2.第2章: ビジネスモデルが陳腐化したときの分かれ道
④世代交代できず、老舗が力尽きる
⑤起死回生を狙った一手が、仇に
⑥負の遺産が、挽回の足かせに
⑦危機対応が後手に回る
3.第3章: リスク管理の甘さはいつでも命とりになる
⑧売れてもキャッシュが残らない
⑨一社依存の恐ろしさ
➉現場を統率しきれない
⑪ある日突然、謎の紳士が・・・

前職パイオニア社では、上記の第1章と第2章のプロセスを経験してきました。
そのような時に特に役立つのが、
・トリニティイノベーション(第21夜、第56夜)
・シナリオプランニング(第15夜、第147夜)
の二つの方法です。

それは、
・先(将来)がわかる(洞察できる)
・「次の一手」が観える
からです。

それは、前夜(第171夜)に綴りました。
そうすれば、
・本業の何に磨きをかければいいのか、
・本業の何に依存しすぎてはいけないのか、
・外部の何に注目すればいいにか
・外部とどうやって繋がればいいのか

ということが分かるようになります。
それを「目利き」と云います。

ただ、上記の二つを習得するには「コツと繰り返し」が必要になります。
何回か努力、挑戦をしていると、ある日突然観えるようになります。

その時に必要なのは「当事者意識」「情熱」「本気&本質」です。
マイナス、劣等の本質が見えた時に、将来のプラスが明滅します。

価値創造の知から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
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橋本元司の「価値創造の知・第171夜」:経営とは「変化」に対応すること

2018年10月13日 事例:オーディオの未来

 前夜、前々夜に引き続いて「コンサルタントの知」について語ります。
・前々夜のテーマは、「経営アドバイザー」から「経営ナビゲーター」へ。
・前夜のテーマは、常識から逸脱すること。「箱を出る(Think outside the box)」でした。
 
その一番「根っこ」にあるのは何だと思いますか?
 
 それは、「経営とは、変化に対応すること」です。
 
腑に落ちますか?
 
 ここでは、前職の「オーディオ」を事例にして、変化に対する下記「2つのパターン(型)」をご紹介しますので理解の参考になれば幸甚です。
A.改善型
B.革新型
この二つの型を、現況の自分の会社/地域に当てはめてみて(=類推して)みてください。
 
A.改善型
 
・1970年、自分が中学、高校の時に、自宅の居間には、YAMAHAの「セパレート・ステレオ」がドーンと置いてありました。
・1977年、ご縁があって、㈱パイオニアに就職しました。
技術系出身ですが、新人全員の営業実習があって、自由が丘の丸井のオーディオ売り場に一か月、店員となりました。
「コンポーネント・ステレオ」がほんとうに飛ぶように売れました。(開店時間に伝票を書いている時間がなかったので、事前にお客様情報以外の内容を記載していました)
それから暫くして、中森明菜の「プライベート・ステレオ」へ変遷してゆきました。
・1989年がホームオーディオの売上はピークを迎えました。それは、バブル崩壊の2~3年前です。
ここから東南アジアで生産移管が始まり、急激に売上/利益が落ちてゆきました。
・1992年、自分はホームではなく、カーオーディオに籍を置いていたのですが、「オーディオ活性化委員会」「超高密度委員会」に召集されて数か月検討を行いました。
予測としては、
①翌年、国内オーディオ事業が、30億円の赤字になる
②CDメカに変わるオーディオの時代がくる
③13年後の2005年に、パッケージ系・放送系・通信系に不連続の変化が起きる
 その背景と処方箋の提案となりました。
 
 自分は両委員会を兼ねていたので、それを編集した予測・洞察を経営会議で発表しました。37歳の時です。
経営会議では、技術開発統括から「①②③になるはずがない」というコメントがあり、後で呼び出され叱られました。
 
 しかし、その①②③はすべて現実のものになりました。
 
 1989年以前は、「A.改善型」で良かったのです。
しかし、2005年以降は、「B.革新型」が必要だったのです。
それでは、「2005年」に変化に対応すればいいのでしょうか?
 
 上記の経営会議で自分は、
「2000年までに、次の変化への対応をする必要があると考えます」
と訴えましたが却下されました。
 
 さて、オーディオと人との関係はどのように変化したのかをみてみましょう。
a.居間
b.机の上
c.ポータブル
d.ポケッタブル
 
B.革新型
 
 上記の次は、
e.Wearable
f.Hearable(聴覚)
g.Heartable(脳・心・意識)
 に移っていくと洞察・確信しました。
 
 自分は将来の実現のイメージを持って、
・1995年新社長に直訴(⇒ヒット商品緊急開発プロジェクト)して
その第一段からリリースしました。もう、30年弱になりますね。
 
 「Audio]」は、どんどん人間の皮膚に近づいているのがわかりますね。
そして、インナーに入っていきます。
それは、図のように、「ディスプレイ」も一緒なのです。
このオーディオ(聴覚)、ビジュアル(視覚)、タンジブル(触覚)が新結合して、そこに、「AI(脳)、AR」が加わるのですね。
その時に、ワクワクドキドキする「音・音楽」と人との新しい関係が生まれます。
 
 そして、ここに、アナログ・異質・キュービタルを新結合することで、「新しい文化・市場」が生まれます。
上記、「e.Wearable」以降は、「B.革新型」でなければ対応できません。
 
 世の中の変化に対応できなければ、右肩下がりになり、新しい市場・土俵に上ることができません。退場という道をゆくことになります。
 
 前職の卒業後、ご縁により、「サービス業~製造業、ベンチャー企業~老舗企業」と、多業種/業態と伴走してきましたが、先ず時間軸で「A.改善レベル」にあるのか、「B.革新レベル」にあるのかを客観的にみてください。
 
「現事業の本来と将来」が見えると、自ずと気づきがあり、経営の心構え・対応の仕方が変わってきます。
 
 ただし、変わらないのは、その本質には「顧客の幸せ」という視点・視座があることです。
それを水先案内する私たちは、あなたの外部「成長経営かくしん室」です。
 
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橋本元司の「価値創造の知・第170夜」:Think outside the box(箱を出る)

2018年9月24日 トリニティイノベーション

前夜に引き続いて「コンサルタントの知」について語ります。

前夜のテーマは、「経営アドバイザー」から「経営ナビゲーター」へ。
経営の「不足」を、表面的なつぎはぎという「パッチワーク」手法から、迅速に「価値創造・革新」手法にシフトしましょう、という主旨でした。

何故でしょうか?

◆企業の目的・本質は、「顧客価値を創造すること」(ドラッカー引用)にあります。
「価値の創造」ができていないと、急速に商品・サービス・ブランドの魅力がなくなりますね。それは、顧客からの「対価」がなくなることを意味しています。
ずっと同じ価値では、飽きられてしまいます。時代の変化についていかれないと時代の波に飲み込まれて沈んでいきます。

つまり、「コンサルタントの最も重要な知」は「顧客価値の創造」にあることがおわかりいただけると思います。
これまでのやり方・考え方が通用しない時代では、従来の価値観とは“違うけれども共感される”という「二つでありながら一つ(第33夜詳細)」の新しい価値観の創出が必要になります。
それは、第82夜(ビジネスで最も大切なコト)に詳細を綴っています。

残念ながら、殆どの経営コンサルタント、顧問、企業診断士は、一番重要な「顧客価値の創造」に手を出しません。出せないといったほうが当たっていると思います。ここが問題です。

さて、「違う」とはどういうことでしょうか?
それは「逸脱」することです。

それをスティーブジョブズは、「Think outside the box(箱を出る)」と言っていました。彼の口癖だったそうです。
これまでの価値観の常識・枠をはみ出ることですね。はみ出さないで新しい価値は生まれません。
箱を出て経済が発展することを「イノベーション」といいます。スティーブジョブズは、イノベーションの達人でした。
多くの業界の常識が崩れ淘汰されましたが、それをはるかに上回る文化経済(第24夜)を生み出しました。

さて、ポイントはどの様に「箱を出る(Think outside the box)」かです。
箱を出て「顧客価値を創造する」3つの方法(道筋)をお伝えします。

①深い知(第85、86夜)
②高い知(第87、88夜)
③広い知(第89~99夜)

それぞれ役割が違います。
詳細は、それぞれの連載(価値創造の知)をご覧ください。

それぞれを要約します。、
「①深い知」は、引いて引いて削いで、自社の「存在意義」を再定義することです。
旭山動物園が、それまでの常識である「奇獣珍獣で観客を呼ぶ」ことから、「命の大切さ」をミッションに掲げて、常識を変えました。
日本の枯山水、俳句、長谷川等伯「松林図屛風」、「アルコールフリービール」、前職の「カラオケ」も「①深い知」から生まれました。
足したり(+)、掛け算(×)したりするのではなくて、引いたり(-)、割ったり(÷)することで、新しい需要、市場、文化が生まれます。
それは、存在意義・ミッションを再定義することでイノベーションが始まります。
そして、それは、船における錨(⚓)のようなものです。
「②高い知」は、正反合の弁証法で、過去(正)と現在(反)を「二つでありながら一つ(第33夜詳細)」であると捉えて、将来にジャンプする方法です。
それは、将来像・ビジョンに直結します。時間上の現在・過去のどこに焦点をあてるかが、ベストビジョンを引き寄せられるかのコツになります。
天気の悪い荒波の航海で北極星を見つけることに似ています。
様々な業種・業態で作成・ご支援してきましたが、その成果は絶大なものがあります。
ここに、日本の方法である「守破離」を入れ込むことで、プロジェクトメンバーの目が輝き出します。

「③広い知」は、「②高い知」が時間上の結合(過去・現在・将来)だったのに対して、空間上の横串の結合です。
スティーブジョブズのiPhoneは、iPod・デジカメ・通信等の新結合によって生まれました。
前職での異業種コラボレーションによる連続ヒット商品も「広い知(新結合)」によるものです。
「グーテンベルクの活版印刷」の実家の刻印機とぶどう絞り機の新結合で生まれました。
違うものの組合せで魅力的な「物語(ストーリー)」を創れるかどうかがイノベーションの分かれ道です。
そして、その価値創造は、日本流の「間(ま)」そのものです。日本人が最も得意にしているものですね。

さて、この3つの方法(トリニティイノベーション)が、「Think outside the box(箱を出る)」ための肝(きも)・要(かなめ)です。
そこに、日本の方法がしっかりと息づいているのが分かりますね。欧米との違い、アドバンテージがそこにあります。

トリニティイノベーションを「成長経営ナビゲーター」を目指す方たちに是非身につけて欲しいですね。

そして、このような「発想」「構想」「日本の方法」を小学生、中学生のときにお伝えしたいですね。
なぜならば、「AI」登場で求められるのは、「知識」ではなくて、トリニティイノベーションの「知恵」になることが明らかだからです。

価値創造から、事業創生・地域創生・人財創生へ
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橋本元司の「価値創造の知・第169夜」:経営アドバイザーから経営ナビゲーターへ

2018年9月21日 コンサルタントの「本来と将来」(知識と知恵)

本夜は、自分も深く広く関わっている「コンサルタントの知」について綴ります。

コンサルタントには大きく2種類あります。
①経営アドバイザー
②経営ナビゲーター

「①経営アドバイザー」は、問題が明確で、何をすればいいのかが分かっている「経営の改善」です。それは、これまでの培った「知識」の活用です。
世の中のコンサルタントの殆どがこの①経営アドバイザーですが、問題が顕在化しているので、短期的な対応が可能です。
経営に足りない部分を既知のもので、「パッチワーク (つぎはぎ)」するというイメージです。

それは、身体で例えれば、左腕の皮膚が痒いので、とりあえず「ムヒ」を塗る。そうすると、痒みが消えたり、やわらぐというイメージです。。
しかし、その原因が肝臓にあるとしたらどうでしょうか。ムヒで「改善」はするけれども、真の解決には届きません。

もう一つの「②経営ナビゲーター」は、現在事業の延長上には未来がないという前提から、問題の本質を発見し、従来のやり方、考え方を変えて事業機会を発見する「経営の革新」にコミットすることです。
上記の例でいえば、痒みの原因が「肝臓」であることを突き止め、「肝臓」が異常になる原因(飲酒、ストレス等の生活習慣や環境)を変えることに気づいてもらい、伴走すること。
さらに、将来に亘る継続的な心身の健康にコミットするものです。
ビジネスの現場では、環境の変化が激しく、その変化に対応した「顧客価値の創造→事業機会の発見→新需要の創造」という「知恵」が求められます。
事業に行き詰まりがあるというのは、「顧客価値の創造」という「余白」が見つけられなくなっていることを意味します。(第3夜:「負」と「余白」の価値)
事業とは「欠けたモデル」であると認識して、継続して革新していく必要があります。

・①「経営アドバイザー」⇒「パッチワーク・改善」
・②「経営ナビゲーター」⇒「価値創造・革新」

前職(パイオニア社)では、複数の指折りの大手コンサルティング会社の高額コンサルティングを事業部や研究所で受けました。
ただ、その内容は、欧米のやり方(テンプレート)をなぞったもので、「顧客価値の創造→事業機会の発見→新需要の創造」には全く届かないものでした。
つまり、結果的には「①経営アドバイザー」レベルなので、何回もガッカリしました。
それまでのコンサルティング会社が、右肩上がりの時代では通用したものの、枠組みが変わった情業、脳業時代には対応できないことを確認しました。(第109夜)

何故、そのような高額コンサルティングファームに依頼するのでしょうか?
それは、結果がでなくても「このような有名なコンサルティング会社でやってもらった」(からしょうがない)
という経営者の言い訳に使われているからです。

いま、日本の「再興」の声が大きくなっています。(第147夜)
そこに必要なのは、「経営アドバイザー」ではなく、「経営ナビゲーター」です。
「価値創造⇒需要創造」のできる「経営ナビゲーターの心得と方法」を体感、習得することで、はじめて「創造型社員」が育ちます。
そのような創造型社員がいなければ、新価値・新需要を生み出し続けられる組織・会社、つまり成長経営になりません。

会社であれ、地域であれ、上記の「価値創造できる人財開発」と「経営ナビゲーター」活用へのシフトが急務です。

これまで、この「価値創造の知」連載はそのための「心得と方法」を深く、高く、広く記載してきました。
詳細は、ホームページ新価値創造研究所をご覧ください。

私たち新価値創造研究所、そして、4人で新しく結成した「チーム創発」は「成長経営ナビゲーター」です。
ご活用いただければ幸甚です。

価値創造から、事業創生、地域創生、人財創生へ
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橋本元司の「価値創造の知・第168夜」:谷口正和 『Free Style Shift』

2018年8月4日 オールフリーランサーの時代へ

谷口正和師匠が著書『溶解する社会 Free Style Shift』を上梓されました。昨年に「生かされる自由力-Free Style Shift」というコンセプトがあり、先週に書籍のリリースがありました。

先ず、その昨年のコンセプトを引用します。
「謙虚でありながらも大局観を持ち、自由自在に仲間を募る姿を連鎖させることをイメージしながら、

“自由度を高めて更なる結果を
- 自立・自在・自発・自活・自創
– 一人一人のフリーランシング
— 生き方働き方の革新へ”」

それは、『生き方働き方の革新』の提起でした。

それでは、本著の「はじめに」を引用します。
-------
わ社会速度が高まり、あらゆる分野で破壊的創造<ディスラプション>が繰り返されている。我々は、この現実をどれだけ直視できているのだろうか。
旧態依然のビジネスモデルを続けていれば、もはや事業を継続することもできない。ディスラプションとは、個人の小さな気づきの連鎖によってもたらせられる。
・・・個人が社会の中で向き合っていける、自在で臨機応変なステージやプラットフォームが重要になってくる。
そのプラットフォームが多彩であれば、個人の活躍の場も広がっていく。それぞれの個人が持っている得意技が生かせるチームを編成し、社会の課題に挑む「フリースタイル」という新しい働き方、生き方がますます顕著になっていくだろう。
新たな市場とは、過去の延長線上にあるのではなく、夢や理想を掲げた時にこそ現れる。
・・・
---------

ここに綴られているは、今話題になっている「働き方改革」の先にある『新しいフリースタイルという働き方』です。
自分は、正にいま、上記の「夢・理想・チーム編成・プラットフォーム」を創ろうとしている真っ只中なので驚きました。

異能のチームで、実際にユニットを組んで、一歩先の社会課題を解決する「自在で臨機応変なステージやプラットフォーム」を検討しているところでした。
その様な状況の中で、この本を観た時に、ヒントと事例が満載なのでした。「偶有性=セレンディピティ」(第19夜)の嬉しい出現です。

---------
・・時代の流れと並行する人生100年という新たな価値観。この価値観をしっかりと把握し、どの様な変革が、今、最もふさわしいのかを見定めなければならない。この課題をきちんと整理しないまま、ただ闇雲に動いても何の解決にもならない。
しかし、今を逆にきちんと整理して、問題の解決の糸口をきちんと直視し、チャンスだという認識を持ってチャレンジしていくことができれば、もはや全ての問題は解決したといっても過言ではないのだ。・・・
---------

「AI」についての認識も必要ですね。
文化経済研究会にゲスト講師で登壇された「落合陽一」さんが、著書の『日本再興戦略』で綴られている箇所を引用します。
“これまでのインターネットは統一された「マス」だったのですが、今後、インターネットは個人化していきます。その個別最適化のための関数の名称が、総じて「人工知能と呼ばれているもの」というのが僕の現状把握です。・・・”

「働き方改革」が長時間労働を解消するという狭い領域で論議されていますが、本質はそこではありません。
「Free Style Shift」「日本再興戦略」を理解するだけでも、そこからその一歩先の世界から現在を観れば、何に優先的に『次の一手』にするのかが明らかになります。

未来の予兆は、いま、ここに、明滅しています。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生へ」

http://lifedesign.ne.jp/?p=5647

スティーブジョブズ12

橋本元司の「価値創造の知・第167夜」:ジョージ・カーリン この時代に生きる私たちの矛盾

2018年7月31日 人生で大切なコト

https://feely.jp/9763/ この時代に生きる私たちの矛盾

『ジョージ・カーリン』が最愛の妻を亡くしたときのスピーチです。

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ビルは空高くなったが人の気は短くなり
高速道路は広くなったが視野は狭くなり
お金を使ってはいるが得る物は少なく
たくさん物を買っているが楽しみは少なくなっている
家は大きくなったが家庭は小さくなり
より便利になったが時間は前よりもない
・・・

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多くの人たちが「人生において大切なコト」の深い話に共感されているのですね。
ただ、共感だけしていても未来は拓けません。

「5年以内に約500万人の雇用が失われる!?」(2016年1月に開催された「世界経済フォーラム(ダボス会議)」)

フォーラムの創始者であり会長でもあるスイスの経済学者クラウス・シュワブ氏が『仕事の未来』というレポートを発表しました。
「AI、ロボット技術、バイオテクノロジーの発展で5年以内に約500万人の雇用が失われる」というショッキングな報告を行ったことで大きな注目を浴びましたね。

実際には、雇用は失われるコトと創出されるコトの両方が進行すると洞察しますが、カーリンのスピーチの中の矛盾は更に加速させることは間違いありません。

いつの間にか私たちは、「上記の科学技術やお金・資本主義」が上位にいて、その下に「人間」が置かれているような状況になってしまいました。何かがおかしいと思いませんか?
ミスマッチが顕在化し続けているのです。「科学技術やお金・資本主義」は、“手段”なのですが、その手段の上にある『上位目的』を明確にして共有・認識することが肝要です。

その様な意味で、これまでの「古い価値観/パラダイム」の呪縛から早急に解き放たれることが必要ですね。
「古い価値観」に依存し続けるとどうなりますか?そのような価値を次世代に引き渡せますか?
その奥底にある古い価値を明確にして、「創造的破壊」することが求められます。

前夜まで連載していた「スティーブジョブズ」はその「創造的破壊」を行いました。顧客がそれを選択しました。「既得権益」は吹っ飛びました。
それは、「情業の時代」の覇者でした。「脳業の時代」には、「人間優位」の価値観/ポリシー/スタイルのルネッサンスが必要です。

さて、人生を豊かにするのは「深い知」です。カーリンのスピーチが促しているのも「深い知」「深い行動/更新」です。
「深い知」を共有すれば、これまでと質の違う「高い知」を望むことができます。「深い知」と「高い知」を認識できれば、「広い知」が拡がります。
それは、「価値創造の知」シリーズで綴ってきた「TI:トリニティイノベーション」そのものです。

今ここで、求められているのは、「三つのエコロジー」(フェリックス・ガタリ著)です。特に「心のエコロジー(ココロジー)」(第9夜)の共有です。
“従来のエコロジー運動がいわゆる「環境問題」(自然環境を中心とした)に限定されてきたことに疑問や不満を感じ、それだけでは現代世界の全面的危機に対処しえないとして、「環境のエコロジー」に加うるに、「社会のエコロジー」と「精神(心)のエコロジー」の三位一体理論を提唱する”

そして、もう一つ必要なキーワードは『おもてなし』(第2夜)です。日本伝統の「①ZEN、②間(ま)、③おもてなし」が上記の課題をジャンプアップします。
日本が上位目的実現の大きな役割を担って進化してゆく可能性大ですね。

このシリーズで綴ってきた「意味のイノベーション」「認識のイノベーション」「価値のイノベーション」が表舞台に上がってくるのは時間の問題です。
それは、『人間の進化(エヴォリューション)』の序章です。

だって、『進化』できなかったら「人生一切皆苦」になってしまいますから。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生へ」
ジョージ・カーリン

橋本元司の「価値創造の知・第166夜」:スティーブジョブズ編 ➉自分の土俵をつくる

2018年7月26日 社会的価値共創(協働・連携)へ

ジョブズは、「コンピューター・音楽・映画・通信」の4つを根底から変えました。
一つの変革だけでもたいへんなのに、世界の人々のライフスタイルを変えて、業界を横串して進化させました。

それまでの「物づくりと物語り」を一新しました。今までにない『土俵』を創りました。

「iPhone」以前のスタイルを思い浮かべてください。「iPod」「デジカメ」「携帯電話」「インターネット」「ボイスレコーダー」等バラバラにありました。
私は「情報機器」数寄者なので、それらを持ち歩いていました。 それらが、一つになったのです。

iTunes(アイチューンズ)を介して、「ハードウェア*ソフトウェア・サービス」が融合しました。
iTunes Storeを通して、ビジネスウェアも繋がり、結果、多くがシームレスにつながるようになりました。

ジョブズは、自分の“想い・情熱”をカタチにしました。
その想いの源は、「“マルチメディア”により、人生を豊かにしたい」

それまでなかなか実感できなかった“マルチメディア”がジョブズにより具象化しました。
朝の通勤電車の風景や、待ち合わせのスタイル、エンタメのバリエーションが大きく変わりましたね。

それまで、「iPod」「MDウォークマン」「デジカメ」「携帯電話」「インターネット」「ボイスレコーダー」というエレクトロニクス機器が同じ競技場でそれぞれのレーンで競われていたのが、
全く違う競技場で「iPhone」がひとりで走り始めました。そのピークは「iPhone4、4S」でしたね。

「土俵」を変えたのです。それまでの分母が変わりました。拠って立つ分母が変われば、分子も大きな影響を受けます。多くの業界が淘汰されました。前職の「オーディオ業界」「ソフト業界」もその一つです。
それは、「進化(エボリューション)」という言葉がぴったりです。

そう、「イノベーション」の定義が、「革新」から「進化」に変わった時でした。
エレクトロニクス業界だけでなく、殆どの業界が「進化」を要請されるようになりました。

それまでは、企業が社会に何を提供するのかという「シーズ」で分類された産業でしたが、それからは生活者が何を求めているのかという「ニーズ」で分類される産業に転換しました。
それには、「シーズ」という「縦串」に分類された産業に、「ニーズ(人生を豊かにする)」という「横串」を通すプロデュース機能が必要となります。

私が1995年に起こした「ヒット商品緊急開発プロジェクト」は正にそれを意識した活動でした。
・「芸術点(アーティスティックポイント)と技術点(テクニカルポイント)」の統合
・異業種コラボレーション
です。

そこでは、価値共創の“ものさし(メガネ)”が必要です。
・物づくりの時代に必要なのは、“ものさし”
・コトづくりの時代に必要なのは、新しい“コトさし”
・ツナガリづくりの時代に必要なのは、新しい“ツナガリさし”
それが、相手の土俵でない、自分の土俵づくりには必要なのです。

そして、現在求められているのは、「異業種コラボ(協働)」を超えて、「社会的価値共創(協働・連携)」です。その『価値共創進化』は、 第90夜~99夜にわたって綴ってきました。
その「社会的価値共創(協働・連携)」を通じて、「シーズ型産業」から「ニーズ型産業」へ脱皮・進化し続けていくのが『今』です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生へ」

スティーブジョブズ10

橋本元司の「価値創造の知・第165夜」:スティーブジョブズ編 ⑨一から十まで仕切る

2018年7月25日 一気通貫&三位一体

前夜(第164夜)は、『おもてなし』が「ハードウェア*ソフトウェア*ハートウェア(サービス)」の三位一体であることを綴りました。
そこには、主人の「趣向の一気通貫」と「主客一体」があります。2020年以降の新サービス産業がそれを志向していきます。

ジョブズは、アップルのハードウェア・ソフトウェア・サービス・デザイン・マーケティングをコントロールしているように見えます。
「一から十まで仕切る」。そのすべてにおいて、「ZENの境地」が見え隠れしていますね。

レベルは違うのですが、25年前(1995年)の前職の社長直轄・ヒット商品緊急開発プロジェクトで同じことを実践しました。
「オーディオ」は、「性能・機能」という縦のラインナップで成長してきましたが、1989年にピークがあり、そのまま30年右肩下がりを続けています。
そこで、「ハードウェア*ライフスタイル」という異業種コラボレーションを25年前にプロデュースしました。

そのヒントは「フィギアスケート」にありました。
以前のフィギアスケートの採点は、「技術点(テクニカルポイント)」の高い人がゴールドメダルをとっていました。
採点方法が大きく変わり、「芸術点(アーティスティックポイント)と技術点(テクニカルポイント)」の合算で競い合うようになり物語を楽しむ競技になりました。
つまり、「芸術点と技術点」の融合したのです。

当時の「オーディオ」は「技術点」が一般化(コモディティー化)して、殆ど黒いパネルのデザインでした。
顧客は、その黒いパネルが部屋のインテリアにマッチングしないので、覆っていたり、自分の好きな色に塗装しているユーザーもいました。
「送り手」と「受け手」の間にギャップがありました。

ヒット商品緊急開発プロジェクトへの参加をお願いしたパートナー(マーケター&セールス)からは、
「いいアイデアやコンセプトが経営会議で変質してしまうことを何回か経験してきた。それも大きな要因。
「経営会議を通さないで、自分たちの想いを企画から販売まで一気通貫でできるのなら参加する」と云いました。
それが、その後の方針の大事な一つになりました。

「一気通貫」と「一から十まで仕切る」は同じことを云っています。
「最初の熱」が顧客まで伝わることです。当然、尖っているのですが、それが顧客を揺り動かします。
勿論、「最初の熱」の本質がとても重要です。
(通常のピラミッド型の会社では、それがなかなかできません。それが、「イノベーショの壁」の一つです)

・第161夜:多くの場合、人は形にして見せてもらうまで、自分は何が欲しいのかわからないものだ
・第157夜:Stay hungry.Stay foolish
・第158夜:Connecting the dots=点と点をつなげる
・第162夜:You can move mountains
・第163夜:製品を売ろうとするのではなく、彼らの人生を豊かにするのだ

これまで、「スティーブジョブズ編」で綴ってきたことが繋がってきます。

それは、「一気通貫」「一から十まで仕切る」とは全て自分たちでやることではありません。
・ゼロからスタートすることはない。持てる知識を活用せよ。
・テクノロジーの出どころなど気にするな、大事なのは組合せだ
・「いずれ来るベクトル」大きな変化を見逃すな、チャンスを探し出せ

そう、私はまだ「異業種コラボ」の概念がない時に、フィギアスケートからヒントを貰いました。
そして、もう既にあるものの組合せでヒット商品を創り、新しい市場/文化を創出しました。

枠の中で頑張るのが日本人は得意なのですが、別の枠(トラック)をつくることは日本人は得意ではないと言われています。
その枠の外し方を、トリニティイノベーション(第21夜、第57夜)で綴ってきました。
是非、その心得と方法を習得して、隆々とした日本の未来を共に創りましょう。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」

スティーブジョブズ09

橋本元司の「価値創造の知・第164夜」:スティーブジョブズ編 ⑧三位一体

2018年7月24日 「おもてなし・三位一体」の時代

「iPod、iPhone、iPad」は、イノベーションを起こし、市場をつくり、文化を創りました。それは、ハードウェアとソフトウェア、そしてサービス(ハートウェア)をシームレスにつなげたユーザー体験を提供することにありました。

そしてその奥にあるアップルの想いは、「人生を豊かにすること」。
そのイノベーションは、「市場/文化」を本気で創ることができるかどうかを認識することがとても重要です。

それ以前は、「ハードウェア」と「ソフトウェア」が別々にありました。
「業界」というものが存在していて、その領域の中でビジネスをしていました。
多くの企業がそこに存在していましたが、だいたい右肩下がりになっていました。
それは、嵐の前の静けさのようでした。

そこに「インターネット」が横串で入ってきました。
糸井重里さんが著した「インターネット的」を引用します。
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インターネット的」とは、インターネット自体がもたらす社会の関係の変化、人間関係の変化みたいなものの全体を思い浮かべてほしい。
もっとイメージしやすいたとえでいうなら、「インターネット」と「インターネット的」の違いは、自動車とモータリゼーション(自動車が発明され、社会に広く浸透していくようになってから変化していったすべてを含む)の違いに似ているでしょう。
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そして、「インターネット的」といった時に、3つの軸(リンク、シェア、フラット)を提示しています。
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①リンク:従来の「ジョイント」的つながりは、いわば、「問いと答えのセット」のようなつながりですね。
しかし、「リンク」というつながり方は、「問い」のほうにも、「答え」のほうにも、たくさんの付属する情報があるのですが、それが有機的につながりあうというのが魅力的であり、「インターネット的」。
周辺情報だとか、リンクの先のリンクにまで延々と深くつながってゆくのです。これこそが、「インターネット的」の一番の鍵になるのです。

②シェア:個人でつくったもの、個人の力をみんなで分けあって楽しむというシェア(おすそわけ)は、クラブ活動などで体験しています。分け合うというのは、なぜかは知らねど、楽しい、と。
その「シェア」というよろこびの感覚が、「インターネット的」。情報はたくさん出した人のところに集まります。
おすそわけをたくさんしている人や企業には、「これも、あなたが配ってください」という新しい情報が集まる交差点のようになってゆきます。

③フラット:従来は、「みんなのプライオリティが一定している」ことが、社会が安定していることと考えられていました。
フラットというのは、それぞれが無名性で情報をやりとりするということと考えられます。そこでは、情報のやりとり自体やそこで交わされる意味や思いだけが存在しています。
価値の三角形は、バタンと倒れて、平ら(フラット)になり、そこではそれぞれの人が自分の優先順位を大事にしながら役割をこなしている。
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この「①リンク、②シェア、③フラット」というインターネット的スタイルが私たちの生活や仕事に浸透してきているのを実感しませんか。(第115夜)
それが、“AIoT”と繋がってこれからも大きく時代を変えていくのが洞察できます。

・「ハードウェア」単独の20世紀後半は、「モノづくり」の時代でした。
・インターネット的が繋がった「ハードウェア*ソフトウェア」の21世紀初頭は、「コトづくり」の時代です。
・そして、2020年の東京オリンピックのキーワードである「おもてなし」が次の時代の扉を開けます。
それが、「ハードウェア*ソフトウェア*ハートウェア」の「つながりづくり」三位一体の世界です。

「おもてなし」とは
A.しつらい=ハードウェア
B.ふるまい=ソフトウェア(メニュー・プログラム等)
C.心づかい=ハートウェア(ヒューマンウェア)
の3つでできています。
それはとっても凄いインパクトのある言葉なのですがそれを洞察できている人は僅かです。
それが、いよいよ2020年から全面的に立ち上がります。

アップルは、「A.ハードウェア*B.ソフトウェア」という「顧客を囲い込む」覇者でしたが、2020年から「ハードウェア*ソフトウェア*ハートウェア」の「顧客に囲まれる“つながりづくり”」三位一体が世界を席巻します。
それが、「主客一体」(第93夜)の世界であり、「リアルな場」と「バーチャルな場」の双方から立ち上がり、それらが融合してゆくことが洞察できます。
いったい誰が覇者になるのでしょうか?
参考に、「おもてなし」時代の「価値共創とクラブ財」については、第97夜に綴っています。

さて、もう25年前になりますが、1993年に前職経営会議で発表した内容を記します。

「農業」⇒「工業」⇒「情業」⇒「脳業」⇒「興業」⇒「浄業」⇒

発表した1993年は、「情業」(高度情報時代)真っ只中であり、その次にくるのは「脳業」(AIoT時代)です。
ぴったし当たってますね。そして、その次は古代ローマ帝国を螺旋展開したした「興業」。それは時間差で併せて到来するのは間違いありません。
スティーブジョブズは、「情業時代」の王者でした。
次の覇者は、「ニッポン」でありたいですね。

価値創造から、「事業創生、地方創生、人財創生へ」

スティーブジョブズ08

橋本元司の「価値創造の知・第163夜」:スティーブジョブズ編 ⑦「伝統と革新」の両輪 

2018年7月19日 Enrich lives.

Your customers dream of a happier and better life. Don’t move products. Enrich lives.
(顧客はより幸せでよりよい人生を夢見ている。製品を売ろうとするのではなく、彼らの人生を豊かにするのだ)

営業で、「ノルマ(半強制的に与えられた労働の基準量)」を与えられたりすると、ついつい「製品を売ろう」という供給側の論理になってしまいますね。
「枕」を例にすると、顧客は「枕」が欲しいのではなくて、人生を豊かにする「快眠」が欲しい、という需要側(カスタマーズ)の「視点・視座」に転換できることが重要です。

何年か後に、「枕」ではない革新的な何か(サムシング)が登場することで、「枕」という市場がなくなっていることも十分に考えられますね。
「枕」の奥に潜むカスタマーズの「快眠=人間の根源の欲求」に到達することで、目の前に広がる“風景”が変わってきませんか。

重要なことは、『彼らの人生を豊かにする』『人間の根源の欲求を実現したい』という“想い”が船の錨(アンカー)のように下半身(土台)にあることです。
このことが前夜(第162夜)に綴った「ひとたびそこに到達して、山を動かす」ことに繋がってきます。

それが『伝統』の元になります。

そして、「新しい価値観」を提示して前に進んでいく。それを継続する。
それが、「伝統と革新」の両輪になります。

セミナーや研修では、ここで「虎屋」さんを一つの事例として活用しています。
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虎屋さんの“変えるべきもの”と“変えてはいけないもの”とは何だったのでしょうか?
私たちは、“変えてはいけないもの”と言えば、“伝統の味”と、直ぐに思いますが、実は、「味」というものは、時代やライフスタイルによって変化するもので、それは“変えなければいけないもの”なのだそうです。(今、私たちが食べている虎屋の羊羹と500年前の羊羹とは、味が違うのですね。)では、“変えてはならないもの”とは何なのでしょう?
それは、お客様に対する“感謝の心”なのです。虎屋さんにとってお客様は、まさに生命線です。確かにどんなに美味しい和菓子を作っても、どんなに大きなお店をつくっても、お客様が買ってくれなれば、500年も続けていくことは不可能です。
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変えるべきものは、「味」。変えてはならないものは、“感謝の心”
それが、「しつらい・ふるまい・こころづかい」に現れてきます。

上記は、スティーブジョブズと相通じるところがありませんか。
経営とは奥深いものがあり、その価値観をどこにおくのかという重要性を感じていただければ幸甚です。

さて、新価値創造研究所の錨(アンカー)は、『「価値創造」で人々を幸せにしたい』においています。
この日本ほど、“価値創造”の必要な国はありませんね。
“価値創造立国”の水先案内として貢献したいと想っています。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生へ」
スティーブジョブズ07