SDGsシフト㊼「価値創造の知・第292夜」:『見えざる手・自立へのシナリオ』

2020年6月1日 つむぎだす未来

20年後、50年後の『地球の幸せ、人類の幸せ』を想像したときに、
これまでの「欲望の経済」の延長線上にある二酸化炭素やゴミ等の排出で
地球環境、社会環境が壊れてしまって、「人類危機」になることが容易に洞察できます。

その視点から、今回の「新型コロナウイルス」出現によって、この数か月に生じたことは
・空がきれいになった
・海がきれいになった
という「SDGs」が求めている重要な結果です。

その様な意味で、「新型コロナウイルス」は地球危機、人類危機を遅らせてくれました。
更に言えば、これからどのようにライフスタイルや価値観を変えたらいいかというヒントを切実な状況から与えてくれていると思いませんか?

「見えざる手」が働いているのです。

その様な「気づき」が「気づき」を増幅して、あっというまにSDGsが時代全体を包んでくれることを期待しています。
→禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)

というたとえがありますが、

幸福と不幸は表裏一体で、かわるがわる来るものだということを云っています。

私たちは人生の中で、禍(わざわい)があることで、それをバネにして前進することで福(さいわい)を呼び込む経験を何度もしてきました。

今回の新型コロナウイルスで間違いなく地球環境は良くなりました。切実な命のことを考えれば、やれないことはないのです。

ここでの気づいた「禍(わざわい)をどう福(さいわい)に転換」するか?

いま、これが試されるのではないでしょうか。

谷口正和師匠が著した「自立へのシナリオ」(2011年12月出版)から加筆引用します。
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●『 未来をにらんで立ち上がる力、
自分の力で立ち上がる力、
今、このふたつが求められている』
~自己解決の項目を産業化せよ~

谷口正和師匠は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の後に、
私たちが生き延びるためのコンセプトとして

・サバイバル(SURVIVAL)
・サスティナビリティ(SUSTAINABILITY)
をひとつに繋いだ『SURSUS』と命名。

問題は、「いま私たち自身が生まれ変わることができるか」であり、
「何を価値基準とし、どこに向かって、どのように進んでいくか」である。

●経営は「他社依存」では成立しません。
「自分依存」、つまり、自分の中でマーケットや顧客を創造し、自分の中で顧客を成長させ、自分の中でそのビジネスを継続させることです。—
—「自立とは何か?」
それは、自分で課題を解決できる比率をあらゆるジャンルにおいて高めることだ。その自己解決の精度を高めると、プロフェッショリティが生まれてくる。—

●私が申しあげたいのは、
「未来に対する直観、未来へのシナリオをしっかり確認することによって、重要な課題解決のためのさまざまな方法と道具を産業化せよ」ということだ。—
—私たちにとって何が「サバイバル」なのか。「サスティナビリティ」のためにはとことん変化に対応しなければならないのだ。
ダーウィンの進化論を持ち出すまでもなく、変化に対応できなければ、人類は地球上に存在していなかただろう。
変化に対応することこそ、「サバイバル&サスティナビリティ」コンセプトの第一義である。

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まず、私たちに必要なのは「気づき」です。
今回のコロナ禍で、様々な業種の方たちが「自立へのシナリオ」を検討して実行されました。
切羽詰まると力を発揮する人と受け身のままの人がよくわかる時間でもありました。

いま時代が、人々が求めているのは未来に向けた、先手を打てる構想力です。
そして、これから個々人に重要になるのは「SDGs」を起点とした「自立への構想・シナリオ」です。

ともに、創り上げましょう。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

自立へのシナリオ

SDGsシフト㊻「価値創造の知・第291夜」:『ガイア(Gaia)思想とコロナ危機』

2020年5月31日 「地球とは一つの巨大な生命体である」

「ガイア(Gaia)」という言葉を多くの人は聴いたことはあると思います。
「アース(Earth)」とはどう違うのでしょうか?

「ガイア理論」(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
ガイア理論とは、地球と生物が相互に関係し合い環境を作り上げていることを、ある種の「巨大な生命体」と見なす仮説である。ガイア仮説ともいう。
ガイア理論は、NASAに勤務していた大気学者で、化学者でもあったジェームズ・ラブロックにより1960年代に仮説が提唱された。
ラブロックは当初、この理論を「自己統制システム」と命名したが、後に作家のウイリアム・ゴールディングの提案により、
ギリシア神話の女神「ガイア」にちなんだ名前へ変更した。

自分と「ガイア理論」の出会いは、前職パイオニア社でオーディオ事業に翳りが顕在化した1992年ごろのことです。
21世紀のオーディオ事業の将来を洞察したときに、これまでの20世紀のビジネスモデルの見直しとして
・「ディスクレス」
・「エコロジー(共生)」
・「複雑系」

を考慮した世界観が必要になると思いました。
その後、第9夜で綴りましたが、「三つのエコロジー」(フェリックス・ガタリ著)を読んで、

・「ガイア理論」:地球と生物が相互に関係し合い環境を作り上げていること
・「三つのエコロジー」:「環境・社会・精神(心)のエコロジー」の三位一体理論

から、

・「エコロジー(静脈)×エコノミー(動脈)」
・「ハードウェア×ソフトウェア×ヒューマンウェア」

の融合が21世紀には必然という確信がありました。

1990年から、谷口正和師匠が主宰する「エコロジー研究会」に参加していて、
そのご縁で、エコロジー商品の代表となる「ピュアモルトスピーカー」をプロデュースすることができました。
30年前から、「エコロジー(静脈)×エコノミー(動脈)」が自分の心と頭に棲んでいます。

さて現在の「コロナクライシス」ですが、グローバルエコノミーの影響で地球が痛んできたことと大きく影響しています。

京都議定書・パリ協定等、気候変動に関する国際的枠組みは、世界の多くの人たちの思いに届きません。
その反省の上に、2030年に向けた「SDGs」の思想と活動があるのですが、その最中に、全世界に打撃となるコロナクライシスが登場しました。
それは、人と人との接触、交流が人の命を危うくするというものでした。
グローバリゼーションとは、良いものも悪いものも運んでくる陰陽の世界でした。

生態系が壊れて、生物が生存できる領域・場所が狭まり、縮まってきて、人間がいる領域に生物が入り込んでいるニュースが多くなっていますね。
今回の新型コロナウイルスもそこから感染した事例のひとつである可能性が高いと思われます。
気候クライシスが、将来にわたり感染症危機、経済危機を引き起こすことを目撃することが洞察されます。

つまり、SDGsとコロナクライシスは深いつながりがあるということです。

これは「ガイア思想」とリンクしてきますね。
「地球とは一つの巨大な生命体である」とJ・ラブロックは語っています。

もう一つ、「ホメオスタシス」という言葉があります。
ホメオスタシスは、生態恒常性と呼ばれる概念で、生態は何か変化が起こると、それを元の状態に戻そうとするために、様々な変化が生じるということである。
例えば、体温が下がると鳥肌になり体温の低下を防いだり、体を震えさせて強制的に運動を起こして体温を上げるなど。
このような、安定した状態を保つために、内分泌系、自律神経系、免疫系などに変化が起きる機能をホメオスタシスという。
ホメオスタシスは生命活動の基本であり、これが正常に機能しているから生態は命を維持することが出来る。

地球は「ホメオスタシス」機能を持っていて、それが気候クライシス等となって現れるということ。
多くの科学者がそれに警鐘を鳴らしています。日本でもここ数年に気候危機が顕在化して、地方経済に大きな痛手があります。

さて、今回の騒ぎで、地球環境は大きく改善されました。多くの人の命がかかわるとなると経済活動をSTOPさせるのです。
しかし、経済活動がSTOPすることで失業率が上がると、自殺者がコロナウイルスで死ぬ方たちの人数を上回るようになります。

短期的にみれば、「医療危機と経済危機」を両立させる仕組みをつくることです。
「PCR検査数を増やす」ということは、「見える化」して「不安から安心」へ移行するということです。
デジタルフォーメーション(DX)とは、「見える化」して「魅せる化」して「SDGsに貢献」するということです。

中長期的にみれば、「地球環境」を抜本的に良くするということです。
再度記しますが、今回の騒ぎで、地球環境は大きく改善されました。
上記に綴ったように、地球環境が良くなることが、感染症クライシスを遠ざけることになります。
そして、「地球環境と経済環境」を両立させること。
それには、人々の心の環境(自覚と覚悟)が求められます。第277夜(3つのエコロジー)

そこには、これまで「後手後手」ではなく、「先手先手」のリーダーシップが求められます。
政治は「先送り」「責任逃れ」することで事態を悪化させていて、その体質から脱却することが「令和の時代」と認識されること。
そのポイントは、第283夜(「賢明=インテリジェンス」)と第284夜(『使命⇒概念⇒仕組』)に綴っています。

企業、行政が取り組むことは、

・本業×SDGs

を統合させることです。

それは、新価値創造研究所のトップページ(https://shinkachi.biz/)に大きく謳っています。

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—結論を先に云いますと、これから2030年に向けて、全ての経営の成長・成功の秘訣は、
「本業とSDGsを結び付けて、持続可能な成長価値(コア)を創り出すこと」
つまり、『①本業×②SDGs×③価値創造』を
三位一体にした『SDGsシフト経営』
の先取りにあると実感、確信しています。—
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アフターコロナでは、ガイア思想を自覚されて、是非「SDGs×本業」を検討されてください。
それが、会社の地域の「経営戦略」に直結します。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

SDGsガイア思想

 

SDGsシフト㊺「価値創造の知・第290夜」:『災い転じて福となす』

2020年5月17日 来し方行く末(こしかたゆくすえ)

新型コロナはもちろん禍(わざわい)なのですが、

「災い転じて福となす」

ということわざがあります。

その意味は、
「身にふりかかった災難を活用して、そのまま自分に役立つものとして利用するさま」
あるいは、「厄介ごとが一転して幸福の種に転じるさま」
(【出典】‎: ‎『戦国策』 『史記』蘇秦列伝)

新型コロナによっての自分なりの気づき(情報)、教訓を「3つのエコロジー」(第277夜)で整理します。

1.地球環境視点
経済活動がダウンして、
①空気がきれいになった
・世界中のの空が澄み渡り遠くまで見れるようになった
②水がきれいになった
・インド洋海岸やイタリア運河がキレイになった
③石油使用量の大幅減少
・大気中のCO2が減った

2.社会環境視点
①リモートワーク
・在宅勤務
・テイクアウト増
・満員電車、航空機発着減
・時差通勤推進
・不要な移動の禁止
②ECの一般化
・ネット化
・キャッシュレス化
③副業、地方在住の増加
・従業員シェア
・生活様式
④知事、政治家の資質
・リーダーシップの有無
⑤衛生面
・日頃からの手洗い、うがい、手の消毒の大事さ

3.心身環境の視点
①日常ストレスの削減
・心の余裕の人も
・通勤ストレスからの解放
②命を考える
・命を大事にする
・日々の日常の大切さ
③生き方、趣味の見直し
・人間らしさ

さて上記は、『SDGs』の素直な大目的である

⇒いまよりも良い未来、地球にしたい

という全世界の人々の想いと共通しています。
SDGsの2030年に向けたその途上での挫折に、多くの教訓とヒントをくれたと思いませんか?

⇒災いを転じて福となさねばならない!

・医療と経済の両立
・地球環境と経済の両立
・資本主義と共産主義の両立

おそらく、人類が「SDGs達成に本気になる」には、今回の新型コロナ以上の「強力な災い・打撃」を受けなければ無理かもしれないと思うのは自分だけではないと思います。
「欲望の資本主義」を超えるには『大いなる賢明・知』が求められると思います。(第289夜:禅×コロナ×SDGs)

⇒ ZEN × イノベーション(価値創造)
⇒ LOVE × POWER

の両立が望ましい。
それは、JAPANの出番だと思っています。
是非、挫折を超えて強くしなやかに連携していきましょう。

さて、第172夜(なぜ、倒産?)に、変化に対応できないで失敗した事例をあげました。
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—成功と失敗はコインの裏表の関係にあるます。多くの失敗と挫折の先に、成長があります。
成功はいくつかの要因の組合せですが、失敗は究極的には一つの判断ミスによるもの。
例えるなら、成功とはブロックを地道に高く積み上げることであり、失敗とはブロックの山のどこか一か所に異常な力が加わることで一気に崩れるイメージです。
成功の要因と違って、失敗は原因を特定できる分、ダイレクトに役立つのです。・・・

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「ピンチはチャンス!」(第288夜)なのです。
現在のコロナ禍から、「来し方行く末(こしかたゆくすえ)」をしっかり考えなければいけない分水嶺にいます。
私たちはアンテナを高くして、多くの痛みと悲しみを超えて、よりよい生態系、未来社会、地球を共に創り上げましょう。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

SDGs災い転じて

SDGsシフト㊹「価値創造の知・第289夜」:『禅×コロナ×SDGs』

2020年5月14日 Reconnect=本来・大元にあなたに再びつながること

いま新型コロナ禍により、非常事態宣言前の「仕事のやり方」、「欲望の資本主義」に振り回されていたライフスタイル、価値観を将来的に見直す機会となっています。

・これから私たちはどう生きるべきなのか?

と自粛中に自問自答をしていました。

その最中に「禅×21世紀」の放送がありました。

「のん語り」で、
・禅の英知は高度情報社会となった21世紀こそ必要!
・マインドフルネスと瞑想と禅の関係とは?
・コロナへの知見も加え世界に名高い禅僧藤田一照と川上全龍が科学と経済万能の世に心と身体と環境の大切さ示す!
放送の中では、尊敬する知人のエバレット・ブラウン氏(未詳俱楽部)も登場していました。

そこで語られていた内容は、
・SDGs
・価値創造の知
と深い大いなる関係がありましたので、エッセンスをお伝えします。

◆座禅について
座禅は、人間という存在の全体性を味わう体験です。全体性とは「心、身体、環境」という三つの間の関係です。
私たちの身体、心、環境は常に相互に作用しています。それが私たちの「命」を形づくっています。
しかし私たちは、環境から切り離された存在だという考えに駆り立てられています。
座禅は、私たちが「命の原型」に戻るためのダイレクトで率直なアクションです。

◆西洋(マインドフルネス)と東洋(ZEN)の瞑想について
・西洋人は瞑想に対しても、自分をよく知るためとか、穏やかな心が、欲しいとか成果を求めます。
西洋のマインドフルネスは、私が、楽になりたいが出発。つまり、セルフインプルーブメント。
西洋は個人主義をもとに仏教の実践を取り入れたため、西洋の瞑想はエゴ、自己を強化する修行になってしまった。
(そのため、自己が固くなる、強くなる)

・東洋の瞑想は、私(自己)を手放す、自分の思い込みを手放すことにある。
(ついつい)私たちは、思考に誘拐される癖がある。
瞑想・座禅は、思考や思い込みによって切れていると思っているいろいろなものとのつながりを、もう一回本当は繋がっていたんだと気づくためのツールです。
座禅は。小さくなった心を取り戻すオリジナルな自分を取り戻すための型です。
瞑想とは、あなたの本来があなたに再びつながること(=Reconnect)です。

◆未知の脅威(新型コロナ)にどう向き合うか?
・コロナは、だれか一人が自分勝手なことをすると他の人に影響を与えるので、普段から私たちが繋がっていることを痛い形で教えてもらっている。
みんなが幸せに生き残れる状況を作り出すために、思いやりの実験が行われている。
「不確かさ、寄る辺なさ、フラジャイル」の中で、瞑想によって人間らしさを取り戻すこと。
分断の中でもつながることができるし、悪い事だけではなくいいことも起こっている。
「心配」ではなく、新しい未来を思い描くことが求められる。

さて、禅・瞑想については、自分が実践者(第6夜)であること、イノベーションの神髄でもあることから、この「価値創造の知」連載で何回か綴ってきました。

・第6夜:「色即是空・空即是色」超越瞑想
・第33夜:禅と価値創造
・第76夜:価値創造の秘訣
・第157夜:スティーブジョブズ

禅・瞑想は、言葉で表現することは難しいのですが、
日々の雑念・雑事を遠ざけて(=無にする)、「大元(おおもと)」(=空)とつながることで「本来の自己、将来の世界・世間」とつながることができます。
それは、「あなたの本来があなたに再びつながること(=Reconnect)」を意味します。
(同体験者には直ぐに伝わることも、言葉で考えている方たちには難しいのが現実です)

さてさて、上記の「Reconnect(リ・コネクト)=本来・大元(=空)にあなたに再びつながること」が最重要ポイントです。
SDGsの将来を語るときに肝要なのは、心(個人)・社会・地球の「本来・大元」につながっていることを共有することです。(第9夜:3つのエコロジー)
これまで、近世の「欲望の資本主義」で、心(個人)・社会・地球は大きく傷ついてしまいましたが、「欲望の資本主義」が機能停止した今回の世界的な新型コロナ禍で、地球の環境は良くなりました。
テレワークや様々なシェアもそれに貢献していますね。

SDGsは、「命の原型」にダイレクトにつながっています。
全地球人が、心を落ち着かせて、禅・瞑想や祈りを通して「本来・大元」に繋がる「Reconnect(リ・コネクト)主義」が肝要です。
そうすると健全な「価値創造の知」「新経済」「新ライフスタイル」が始動することが洞察できます。それができなければ、未来は抉られてしまいます。

新価値創造研究所が提唱する「価値創造の知」は、トリニティイノベーション(第11夜・第21夜)という3本の矢でできていますが、それは「深い知」「高い知」「広い知」のトライアングルです。
上記の禅・瞑想の知は、第1法則の「深い知」の中心に組み込んでいます。それがあって、翔べて(高い知)、拡げる(広い知)ことが可能になります。

そう、価値創造の本来・大元は、「深い知」から胎動します。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

SDGsZENコロナ

SDGsシフト㊸「価値創造の知・第288夜」:『新型コロナは黒船である』

2020年5月10日 「前例主義」から「創造主義」へ

前夜(第287夜)は、『懸命と賢明』について綴りました。
「新型コロナ禍」は、一生懸命だけでは長続きしません。その頑張りは大切なのですが、どこかで必ず「持続性」に問題が出て破綻してしまいます。

鎖国状態であれば、元の状態に戻ることに向けて推進していけばいいのですが、今回の事象と環境変化を受けて、仕事や暮らし、経済や政治の様々な場面で、これから先の考え方の枠組み、価値観や仕組みを大きく変えていかなければならないことは明白です。

一例を上げてみましょう。
「9月入学制」です。
先ず、5年後・10年後を想像したときに、「4月入学制」と「9月入学制」のどちらを多くの人たちが選びますか?
日本は鎖国をしていないので、世界とのつながりを考えたときに、「9月入学制」は理にかなっています。
勿論、反対する人はいるでしょうが、その言葉を聴くと、

・入学制だけでなく、就職や会計年度等にも絡んでいる
・今のコロナ騒動のこの時期にやることではない
・従来のやり方を変えたくない

結局、「現状を変えたくない」
というのが透けて見えてきます。

行政に多いこの思考を「前例主義」「先例主義」と云います。
ここでいう「前例主義」とは、過去に取っていた方法(前例)が将来機能しないにもかかわらず、その事柄に適した処理を考えることなく、それを見直すことなく踏襲し続けてしまう不合理のことを指します。

そのために、「後手後手」になってしまうのです。

・オンライン授業
・リモートワーク
・感染症見える化対策
・特別定額給付金申請、振込み
等々で、「後手」に回っている事実を目撃しています。

他国にいいお手本があるにもかかわらずです。
単純には、「IT化」「インテリジェンス化:第283夜」が遅れているための悲劇です。

日本国は、「生産性向上」を掲げながら、司令塔・大臣や行政そのものに、「IT化」「インテリジェンス化」の戦略と人材が不足しているために、その付けが回ってきたのです。

さて、

『新型コロナは黒船である』

と認識することで、これからの生き方、暮らし方、ライフスタイルが変わります。
過去に取っていた方法(前例)が機能しないと覚悟して、人々・社会・地球の未来が幸せに近づくことにシフトする。
江戸時代に大きな黒船をみて驚異を抱き、環境変化・ギャップを認識して日本は大きく変わっていきました。

『ピンチはチャンスである』(第282夜:認識→備え→対応)

いま、このピンチを前向きに把えて、チャンスに変えている事例がメディアに溢れています。
「賢明」という“知”で、生き方・働き方を改革する必要があります。

『創造とは、未来の先取りである』(第75夜:価値創造とは何か)

他国のキャッチアップでは不足です。すぐに遅れをとってしまいます。
未来を先取りする能力が必要です。
それためにも、縦割りから横串への転換が急務です。

それを受けて、

・「前例主義」から「創造主義」へ

に生まれ変わることが求められます。

今回の「新型コロナ禍」は、「SDGsシフト」の一部です。
「SDGsシフト」のために、それは多大な教訓を与えてくれました。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs黒船

SDGsシフト㊷「価値創造の知・第287夜」:『懸命と賢明』

2020年 『懸命(精神)と賢明(知)』

新型コロナウィルスの今般の日本政府対応の遅さについて、『懸命と賢明』という視点から綴ります。
その内容とSDGsシフトがどの様に関係があるのかは後述します。

新型コロナウィルス有事対応の問題は、
「政府・行政・専門者会議は、国民に向かって、『頑張り・一生懸命』を求めていますが、様々な場面で政府・行政・専門者会議に『賢明』が大不足していることです」
それを私たちは目の当たりにしています。

緊急事態宣言が出されて来月の5月6日まで、様々な自粛の中で多くの人が一生懸命に頑張っています。
国民に自粛要請があり、当事者意識を持って頑張ってもらうことは勿論重要なのですが、この自粛が5月6日では収まらずに、このままでは第2波、第3波が続くことを皆が早くから気づいていることです。

『懸命と賢明』について、前職パイオニア社・労働組合書記長時代の自分の経験を加筆引用します。

価値創造の知・第38夜(懸命と賢明、そして“働き方改革”)
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—就職から8年後に、(前職・パイオニア社の)2000人規模のセンター工場の労働組合の支部書記長になりました。(第13夜)

その前は、設計部門にいて、緊急の3か月連続120時間以上という徹夜連続の猛烈の超過勤務がありました。その3ヶ月連続後は心身が疲弊したことをいまでも心と身体が覚えています。
職種にもよりますが、自分の体験では、残業時間をMAX40時間にした方がいいと思います。それは、現状を放っておくと人間は「知恵・叡智」を使わないからです。

第1夜(創造性にる生産性向上と働き方改革)では、価値創造の「資質(WILL)と能力(SKILL)」について記しましたが、
集中が必要な100時間を超える連続超過業務は、「一生懸命」では無理があることを自ら体験しました。
そのような経緯も含めた支部書記長指名だったので、本格的に「残業(超超過勤務)問題」に取り組みました。
それはもう30年前の話になるのですが、今で云う「働き方改革」を断行しました。大局的に経営陣の意識を変える必要があります。
組織は何か大きな事故等がないとなかなか着手しないのですね。

残業に対する規制の新制度は、2年前に労組の先輩たちが創ってくれたのですが、ただ数値を規制するだけでは歪や悲鳴が出てきます。
自分が30歳の時に、会社との交渉で事前準備して使った言葉は今でも覚えています。

“もう私たち組合員は、通常のレベルを超えて十分以上に「一生懸命」に仕事をしています。
今必要なのは、足りないのは、「賢明」ではないでしょうか。
「懸命」を超えるには「かしこく明らか」にする賢明の知恵が必要です。

会社は組合員の「一生懸命という精神力」に頼ってしまうのではなくて、「賢明」という“知”で働き方を改革する必要があります。共創しましょう”

という提言をして、「懸命」と「賢明」を合わせた取組み、仕組み(システム)を会社と労組でタッグを組んで進めました。
叡智を集めて、仕組みを創ることがとても重要なのです—

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工場部門だけではなく、企画・マーケ・開発・生産技術も含め、関係部門の業務のやり方・進め方を見直すことでを働き方を変え、生産性も大幅に向上しました。

翻って、今の日本政府や多くの知事は、国民の「一生懸命という精神力」に頼っているように見えます。
もしも、5月6日以降に通常・定常に戻れない場合の責任は、「国民の頑張りが足りなかったのだ」と言っているように。

さて、台湾や韓国等の新型コロナ対応の中に「①検査」「②発熱外来」「③隔離」などの『賢明』のお手本がありますが、日本のワイドナショーでは2か月くらい前からその必要性が強く叫ばれていましたが、その実践の遅さ、鈍さは目を覆うばかりでした。

ぜんぜん遅いのです。
その様な中でも「大阪モデル」は先行していましたが、その有事モデルを知っていながら、多くの知事や政府の反応・対応は酷く鈍いものでした。この2か月の間に『賢明に仕組み』をつくり手をうっておけば良かったのです。

『賢明』の欠如がリーダーシップの欠如に繫がります。

そう、多くの人たちは2か月前からメディアで何をすればいいのかの情報(インテリジェンス)を理解していて、政府の後手後手に嫌気がさしています。

さてさて、上記の『懸命(精神)と賢明(知)』は、SDGs実践の2軸です。

新型コロナウィルスは、いろいろな課題を私たちに投げかけました。
・全世界パンデミック
・命と経済
・覇権と経済
・医療連携
・テレワーク
・サプライチェーン
・補償金と協力金
・・・

多くの命の危機(エコロジー)が差し迫れば、ロックダウン(エコノミー)するのです。
これまで地球危機・気候危機が叫ばれていますが、経済封鎖には及んでいません。

地球環境、社会環境が、取り返しのつかない状況にならないように『賢明』が必要です。
「エコロジー(生命)とエコノミー(生活)」の両立には『賢明』が必要です。

その世界的取り組みが「SDGs」です。

私たちには、早急で賢明な『SDGsシフト』が必要なのです。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

SDGs賢明と懸命

SDGsシフト㊶「価値創造の知・第286夜」:『パラダイムコロナ』

2020年4月3日 新しい価値が生まれる

いま新型コロナによって、世界中が大きな試練の真っただ中にいます。
「社会」「経済」は、大混乱に陥っていますが、「地球(環境)」という視点からみれば、CO2排出等は改善されています。

そこでは、金子みすずの詩「大漁」が浮かんできます。
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大漁

朝焼け小焼だ、 大漁だ
大羽鰮(おおばいわし)の 大漁だ。

浜は祭りのようだけど、

海のなかでは 何万の、
鰮(いわし)のとむらい するだろう。
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「SDGs」は、地球・社会価値と経済価値という両輪をどう超克(困難を乗り越え、それに打ち克つ)するのかということが求められていて、それは、今回の「新型コロナ」によって突き付けられている課題です。

そう、私たちは「大局的な視点と生活(暮らし)の視点」の双方を複眼的に把えることが求められています。
同様に「新型コロナ」問題は、「医療崩壊と経済崩壊」をどう超克していくのかということが喫緊の課題です。

その様な「パラダイムコロナ」という世界的共同体験で、私たちは新たな価値観が次々に生まれてくることがはっきりと洞察できます。

一つ事例を上げると「テレワーク」があります。
学校、企業、自治体等で、授業や会議、コミュニケーション、コンテンツのあり方、仕事のやり方が変わっていくのは必然です。
高齢社会、医療体制の仕組に歪や課題がみえましたね。
今後の南トラフ巨大地震、関東大震災のことを考えれば、「都市(機能)と地方」のあり方を迅速に変えていく必要があります。

そして、「グローバリゼーション」の行きすぎ(過剰)による問題が眼前に露呈しました。

さて、その様な「コロナ環境」を超克して、『世界中の持続的なより良い暮らし、未来を実現する』ために、これまで以上に『SDGs』への取り組みが脚光を浴びるのは間違いありません。
『SDGsシフト』の本格的出番であることが見えている人、会社、自治体、国は、いまのこの時に次の一手の用意をしています。

『SDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)』とは、
「いまよりもっと良い未来を創りたい切実な国際目標・目線」であり、
その目標が「実現されることを待っている未来=世界ニーズ」です。

それは、地球環境・社会環境・心の環境の3つが繫がり合っています。

今は、時代の分かれ目(パラダイムコロナ)となると認識することが肝要です。
新型コロナの激震、世界的体験は「時代の分かれ目」と確信していますが、それにピントを合わせたかの様に、谷口正和師匠が次の時代の大ヒントを「何が資産か。」に上梓(先月3/26)されました。
これからの時代の視点、視座と練られたワードによるヒントが散りばめられています。

参考となる記述の3か所を引用します。
①<はじめに>
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今、暮らし方ではなく、生き方が問われている。
自らの生き方に問題意識もなく、甘い認識のまま過ごしていては、その意識を基準にした未来しか訪れない。
あなた自身が自らの手で未来を切り開き、夢や目標を成し遂げてきたわけではなく、ただ楽をして生きていきたいという甘えはもう捨てなければならない。—
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②「常識という呪縛の奴隷」
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—つまり、過去の価値観や認識を引きずっていると、一般的な常識に縛られてしまい、変化に対応しきれなくなる。当然ながら、過去の価値観から新しいアイデアは生まれることはない。だからこそ、常識の隷属状態から抜け出し、これまでになかった新しい選択肢や方策を創り出す必要がある。

昨今、自らが人生の主体であり、唯一無二の存在であるという認識によって様々なことをジャッジする時代。自らの考えや解釈を持たずに、慣例や先例ばかりを並べていても、それは旧社会の常識の中にあぐらをかいているに過ぎない。
変えられるのは、自分自身と未来だけであり、強い意志と意図をもって、昨日までの常識を超えていくことが求められてくるのだ。—
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③「ディレイドジャパン」
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—あらゆる場面で多様性が求められる現在、積極的に外に出て日本を見つめ直すことが必要だ。つまり、社会全体を地球規模で考える着想を持つことが重要となる。
日本にのしかかる課題は、一国の問題としてではなく、「地球社会構想力」として解決することが求められている。
にもかかわらず、自分たちにとって都合のいい話に終始し、批判的な意見に聴く耳をもたない内向的な姿勢では、固定観念を超えた新しい発想やイノベーションを生み出すことはできない。
世界はすでに日々変化が起こり、それをチャンスの発芽とする時代が到来している。—
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・暮らし方ではなく生き方が問われている
・昨日までの常識を超えていくことが求められる
・「地球社会構想力」として解決する

上記は吹荒れる「パラダイムコロナ」を乗り越えるための「心得と方法」ですが、それは「SDGsシフト」の精神そのものです。
「2030SDGs」を本格的に進展・実現する(=SDGsシフト)ために、今回の「パラダイムコロナ」の世界的体験が触媒となります。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGsパラダイムコロナ

SDGsシフト㊵「価値創造の知・第285夜」:『エンパシー』

2020年3月25日 『エンパシー能力とコミュニケーション能力』

先週(3/21)放送のSWITCHインタビュー 達人達(たち)「ブレイディみかこ×鴻上尚史」の対談を観られましたか?そこには、「SDGsシフト」実践・実現に向けて重要なヒントが幾つかありました。

背景にある「SDGs」との共通点は、「ダイバーシティ(多様性)」への対応です。日本では、2000年以降から労働人口の減少と業態の変化から、労働力の確保と女性活用等が企業の課題となっていました。
近年は、グローバル化や顧客ニーズの多様化といった市場変化に対応するため、ダイバーシティ経営に取り組む企業が増えています。
多様性(ダイバーシティ)とSDGsとは深いつながりがあります。

同放送では
「これから日本がむかえる多様性社会に、いったいどう対応したら良いのか?」
という切実な問題をテーマに対談していました。
それは「SDGsシフト」の構想の入り口であり、実践課題です。

本夜は、その中のキーワードである「エンパシー」と「コミュニケーション能力」を切り取って説明します。

さて、「シンパシー」という言葉は日常的に使われると思いますが、「エンパシー」は聞きなれない人が多いのではないでしょうか。
放送では、「エンパシー」と「シンパシー」の違いを説明していましたが、理解を深めるために
A.「TRANS.Biz」(https://biz.trans-suite.jp/12730#sympathy)
B.「シンパシーからエンパシーのコミュニケーションへ」(https://sgmbibouroku.net/archives/3910)
の二つから加筆引用します。

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A.「TRANS.Biz」(https://biz.trans-suite.jp/12730#sympathy)からの引用
「シンパシー(sympathy)」はギリシャ語が語源で、「syn(一緒に)」と「pathos(苦痛)」というそれぞれの単語が組み合わさって出来た言葉です。
基本的な意味は「思いやり」「同情」「気の毒に思うこと」、また「共感」や「共鳴」となります。
「シンパシー」は相手を哀れに思うようなニュアンスが強いですが、そのベースには「共感」「共鳴」の気持ちが多く含まれているのが特徴です。

「シンパシー」に似た言葉に「エンパシー(empathy)」があります。「エンパシー」も「シンパシー」と同様に「共感」「共鳴」「人の気持ちを理解する」という意味がありますが、
明らかに異なる点は、相手を気の毒に思う「同情」というニュアンスが「エンパシー」にはあまり含まれていないことです。
「エンパシー」には「感情移入」という意味もあり「哲学」や「心理学」、また自己の感情を表現する「美術学」の世界で用いられる言葉です。
たとえば「共感が芽生える」「共感が湧く」というポジティブな状況においての熟語表現では「シンパシー」ではなく、むしろ「エンパシー」の方が適切でしょう。
「エンパシー(empathy)」には「同情」の気持ちは含まれないのです。

B.「シンパシーからエンパシーのコミュニケーションへ」(https://sgmbibouroku.net/archives/3910)
シンパシーというのは、自分の気持ちをそのまま相手に反映させるということですね。つまり、自分と相手は、同じ気持ちを抱いていることを前提にしているということです。
たとえば、自分が悲しいと思うことは相手も悲しいと思うし、自分が嬉しいと思うことは相手も嬉しいと思うだろうということです。
シンパシー的思考では、

悪口を言われる
→自分は傷つく
→だから、相手も傷つく
→謝罪などの対処
と考えます。シンパシーでは、「自分と相手の気持ちは同じ」「相手の気持ちはわかることが前提」といえます。

たいしてエンパシーは、自分と相手は異なる気持ちをもっていることを前提にしています。たとえば、友だちの悪口を言っている子どもがいたとしましょう。
学校の先生が「友だちの気持ちを考えなさい。自分が悪口をいわれたら、どう思いますか?」と指導します。
エンパシー的思考ではどうなるか?

悪口を言われる
→自分は傷つく
→相手がどう感じたかはわからない
→相手の気持ちを推測する
→謝罪などの対処
となります。エンパシーでは、「自分と相手の気持ちは同じではない」「自分の気持ちはわからないことが前提」になります。
そして、エンパシーとシンパシーのもっとも大きなちがいは、結論までの過程において、推測(論理的思考)がはいってくることです。

推測とは、現在までにわかっていることをもとにして、他人の心情や事情などをおしはかることです。—
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A.とB.の双方を咀嚼することで「エンパシー」の理解が深まれば幸いです。
同放送では「エンパシー」を下記で表現していました。
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・エンパシーとは、他人の立場を想像し感情を分かち合う能力
・対象に制限はない
・自分で誰かの靴を履いてみること

→「その人の立場だったら自分はどうだろう」と想像する能力を磨いていくこと
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「SDGs」を推進する時に求められる能力は、入り口は「シンパシー(sympathy)」であっても、構想・実現には「エンパシー(empathy)」の能力が必要になります。
つまり、
・自分で誰かの靴を履いてみること
・「その人の立場だったら自分はどうだろう」と想像し、推測(論理的思考)する能力

「世界中で起きているいろんな混乱を僕らが乗り越えていくには、自分とは違う立場の人々や、自分と違う意見を持つ人々の気持ちを想像してみること」が必要になりますね。
SDGsの17ゴールを実現するためには、「エンパシーの能力」を磨き上げることが求められることが伝わったでしょうか。

「エンパシー(empathy)」で私たちの身近にある表現は、演劇や小説の中にあります。
2000年頃から、自分も前職パイオニア社で「ロールプレイ (役を演じる)」ことを事業開発や企画開発、マーケティングに取入れたこととも無縁ではなかったように思います。

同放送では上記を実現するための技術として、「コミュニケーション能力」について語り合っていました。
・「世間」とは、深い関わりがある人々との世界である
・「社会」とは、他者が生きる世界である
(高度成長時代の日本は)「世間」だけで日本は機能してきたが、それは企業の中でしか通じないルールであり、その世間は吸収合併で淘汰されてきた。今は、自分たちのルールだけではダメだと気づいた企業が生き延びでいる
グローバル化で、多様性に進むことは止められない。自分とは違う立場の人々や、自分と違う意見を持つ人々と、どの様に関係をつないでいったらいいのか、を皆が模索しているのだと思う。
多様性も対応能力の問題に関係している。

そこに必要なのが、「コミュニケーション能力」

従来、コミュニケーションの上手い人とは、誰とでも友達になれるとか、簡単に人間関係を作れる人と思われているが、本当は『物事がもめたときに何とかできる能力がある人のこと』
どう折り合いをつけてやっていくか、「社会(他者が生きる世界)」の人がやってきたときに、もめたときに、何とかできることを練習しなきゃならない。

相手をなだめ透かしているだけでは問題は解決しないのですね。

そこには、「技術」が必要なのです。

気持ちって、思うだけでは伝わらない。技術がないと伝わりません。
自分たちには想像力があって、自分はその体験はしていないけど、もし体験したらどうなるか?という「エンパシー」を突き詰めることが肝要です。

上記「コミュニケーション能力」については、価値創造の知(第126夜:理解の秘密・インストラクション)に記していますので一部を下記抜粋します。
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—いま、世間を賑わしている『働き方改革』の大きな部分を占めているのも『相互理解=インストラクション』です。
仕事の中には、コミュニケーションのロスやトラブルで溢れていますね。

・「何が重要か」についての管理者と従業員のあいだの不一致
・多くの会社がいまだに従業員と機械を同じように扱っている
・何も決まらない会議にウンザリする
・「言ったじゃないか」と声を荒げることは?
・やっかいなマニュアルを放り投げたことは?
・仕事の成果が見えにくい
・働く人々の多様化が進む
・「わかったね?」「ええ、わかりました」というやりとりはあるが、いっこうに理解してもらえない
・・・

如何ですか?
上記は、1993年「理解の秘密」リチャード・ワーマンが著した中に記している一部です。もう絶版なのですが、「今また、その本が脚光を浴びています」と友人が話していました。
この「理解の秘密」は、松岡正剛師匠が監訳していたので、1998年に購入していました。

本書は、コミュニケーションロスを解消し、相互理解をはかるために、インストラクションの働きとその活用法を教えるはじめての指南書になります。

組織変革のためのリストラクチャリングや資源節約するより、まずインストラクションの仕組みを変えたほうがよほど効果的であるとすら思えるのだ。(引用:松岡正剛あとがき)
是非たくさんの日本人に読んで欲しいと思います。

さて、その後半に『模範的なインストラクター』という項目があります。
①大きな絵、すなわちインストラクションを与えられるコンテクストを説明できる人間
②ある分野の知識をほかの分野に応用できるように、パターンを見つけさせることのできる人間
③信頼感を植え付けることのできる人間
④ひとつのアイデアをいろいろに表現すること、つまり3次元的な像を示すことのできる人間
⑤自分の関心対象に熱意を持つ人間
⑥誤りを認め、リスクをおかすことを奨励する人間
⑦指導のためには、ときには慣習とは逆の方向にすすむことのできる人間

もう20年前の会社勤めの時に、上記に近づきたいと修練してきました。図らずも「価値創造~イノベーション」の「インストラクション」には上記のスキルが全て必要なのでした。
この「価値創造の知」シリーズには①~⑦を散りばめているのもそれが一因です。—
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以上、「エンパシー×コミュニケーション能力」について綴ってきました。
その二つの能力が「SDGs」実践・実現に、密接に関係することをお伝えできました幸甚です。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGsエンパシー

SDGsシフト㊴「価値創造の知・第284夜」『大切なコト』

2020年3月13日 『使命⇒概念⇒仕組』

前夜(インテリジェンス)、前々夜(備え)と、「SDGs」と絡めて「新型コロナウイルス」対応について綴ってきました。
双方の共通項が、『危機対応』であり『グローバル経済』と密接な関りがあり、その世界と対応の道筋を知ることで将来を洞察する時に非常に役立つと思います。

上記を踏まえて本夜は、昨日の大阪府の速報を取り上げます。

・「独自に“専門家会議”、医療崩壊回避へ。独自基準を導入」(出所:日本経済新聞)
—吉村洋文知事は、医師をトップとする「入院フォローアップセンター」を13日に立ち上げることを明らかにした。
これまでは府内各地の保健所がそれぞれ医療機関に受け入れを要請していたが、「入院フォローアップセンター」発足で司令塔を一本化し、症状に応じて効率的に病床を振り分けることが可能になるという。
同センターが病床数を見極めた上で、症状が重い患者から
▽指定医療機関に入院
▽新型インフルエンザなど感染症に対応した設備のある医療機関に入院
▽使われていない病棟などに隔離
▽民間のホテルや自宅で健康観察――
といった対応をとる方針だ。—

自分なりに上記を要約してみると、
1.使命:大切なコトは、「命を守ること」
2.概念:そのためには、中国・武漢の様な「医療崩壊」をさせないこと
3.仕組:そのために、「入院フォローアップセンター」を柱とした独自基準導入する
と読み取りました。

コンセプトは、「新型コロナウイルスで医療崩壊させないこと」

そのために、「基軸となる新しい仕組み(システム)」をつくり、運用する。

・ミッション⇒コンセプト⇒システム
という流れです。
(本来は、厚生労働省が策定するものでしたが後手に回りましたね)

さて、SDGsも
①「地球危機・人類危機から、命を守ること」にあります。
そこに、「3つのエコロジー」(第9夜、第277夜)を見据えて
②「社会価値と経済価値(本業)」を統合して「コンセプト」を掲げ、
③上記を実現する「新しい仕組み(エコシステム・コンピタンス)」を創る
という流れになります。

ポイントは、思考の補助線を上手に使うことにあります。
ここでは、
・「3つのエコロジー」
・「社会価値と経済価値(本業)」の新結合(イノベーション)
になります。

その先に、人々に喜ばれる「新しいライフスタイル」「新しい文化」がイメージできることが肝要です。

本来と将来をつなぐ、土台・基軸を明確にすることで、

・この指とまれ

となり、大きな流れをつくっていくことができます。

今回の大阪府が発表した仕組み、方向づけは、世界に役立つものです。

グッジョブ(good job)!

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

SDGs大阪府新基準

SDGsシフト㊳「価値創造の知・第283夜」『インテリジェンス』

2020年3月12日 『インテリジェンス&イノベーション』

「新型コロナウイルス」が世界中に感染して、このウイルスをどのように把えて、対処すれば良いのか?
ということで連日ニュースになっています。
特に、日本は夏の東京オリンピック開催を控えているので、

①危機管理と経済活動
②自国内とグローバルへの両面対処

という直近の2軸対応が求められます。
この構図自体は、「SDGs」と同じです。

ただ、まだ実態が見えないウィルスと収束・終息が不確定の中で、自分が感染することの大いなる不安が上回っています。
そのため、自国経済、グローバル経済が大幅な減速になってもやむを得ないという判断で大胆な方策がとられています。

一方、「SDGs」による人類危機、地球危機については、「経済減速はやむを得ない」という行動には移行していません。
いったい、これはどうしたことでしょうか。

・エコロジー(SDGs)とエコノミー(経済)

の両立をはかるが至上命題です。

その溝(ギャップ)を埋めるのは、「イノベーション」という共通認識です。
(上記「新型コロナウイルス」では、「ワクチン開発」がイノベーションです)

「エコロジー(SDGs)とエコノミー(経済)」の両立実現のために、特に期待されているのが「A.企業の事業創生(イノベーション)」であり、「B.地方創生(イノベーション)」です。
それを具体化・実践するのは、やはり「人」ですから、「C.人財創生(イノベーション)」が必要です。

このコラムの後尾には、必ず

・価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

と必ず綴っているのはそのような意味を込めています。

さて、「新型コロナウイルス」対策をどのように観ればいいのでしょうか?

それは、
・情報収集から本質を紡ぎだすこと!
膨大な情報、雑多な情報から、今起きていることの「本質」は何なのか?
それを簡潔に取りまとめ、舵取りの拠り所、選りすぐられた「知」により的確な判断や新たな備えをすること。

それを「知=インテリジェンス」といいます。
(「インテリジェンス: intelligence」は、知能・知性や重要な事項に属する情報のこと。「知性・理解力」「情報」と2つの意味を持つ言葉)

「インテリジェンス」を持って、不確定な中でも、新しい方向づけ、秩序再編ができるかどうかという「真価」がいま問われています。

先日、川崎市健康安全研究所の岡部所長が他の病気との比較を、新型コロナウイルスのポジションを下記2軸でまとめていました。
・病原性(強い、弱い)
・感染力(強い、弱い)

インフルエンザに罹って一年間で亡くなる方の人数は日本で約3000人、米国で2~5万人という情報があります。
その様な意味で、日本では「新型コロナウイルス」に対して重症化に対応する仕組み(ピークを分散化する等)があれば、インフルエンザレベルの病気であり、持病のある高齢者以外はそれほど恐れる病気ではないという仮説ができます。
つまり、的確な2軸を用意することで、的確な仮説を導き出すことができるという優れた事例です。

ワクチンが開発出来れば、不安から信用・信頼(confidence)に変わります。
そこに注力する仕組みが求められます。

さて、「SDGs」には
①危機管理と経済活動
②自国内とグローバルへの両面対処
が求められます。

そこに必要なのは、
・インテリジェンス
・イノベーション
です。

幸いにも、その理論と実践を前職パイオニア社で習得して、数多くこなしてきました。

それらは、
・第15夜:シナリオプランニング(危機意識、不確かな時代を読み解く方法)
・第138夜:イノベーションの御三家(『魅力がなくなるコト』が根本原因 )
等に綴っています。

第15夜と第138夜の両方が必要です。
それは、「二つでありながら一つ」(第33夜)なのです。

それをこなすことで「インテリジェンス&イノベーション」の土台ができました。

⇒ SDGs×インテリジェンス×イノベーション

という新結合が不確定な未来に、新しい方向づけ、秩序再編、新スタイルの肝(きも)となることをお伝えします。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

SDGs新型コロナ