橋本元司の「価値創造の知・第138夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ⑦イノベーションの御三家

2018年4月20日 「サナギ(会社/地域)」から「蝶」への脱皮

右肩下がりや停滞している状況から抜け出るには、『イノベーション(革新)』が必要という認識は一致しています。
私には、動きが止まっている「サナギ(会社/地域)」から「蝶」として羽ばたくイメージがあります。
それは、従来の価値観から、新しい幸せの価値観/魅力に移行することです。

「蝶」に脱皮するために、「イノベーションの御三家」があります。
皆さん、その「御三家」をご存知でしょうか?
「経営革新」や「イノベーション」の本はいっぱいありますが、その御三家のことは、その中にあまり出てきません。

いったい、何故でしょうか?
それは、それらの本やテキストが「欧米流」のものだからです。
前職(パイオニア社)の

・技術職
・企画職
・調査職、マーケティング職
・研究開発職
・事業開発職、人財開発職
に次々と従事していたので、様々な研修やコンサルタントから、欧米流の方法を学びました。

その延長線で、「シナリオプランニング(第15夜)」の第一人者(J・オグリビー氏)から直伝して貰ったり、
スタンフォード研究所(Stanford Research Institute)関係のSRIインターナショナル(世界最大の独立系研究機関)の方法を何年か浴びてきました。
そして、それらをアカデミーではなく、実務で実践活用してきました。失敗も成功も多く経験しました。

なので、「欧米流」の方法や進化過程も、通常の方達より高いレベルで知っているつもりです。
ただ、私のこれまでの体験では、それを「将棋」に例えると、「欧米流」だけでは、スーパー跳び道具の「飛車・角」の一枚落ちと同じです。
その一部を第15夜(「不確かな時代」を読み解く方法)に綴りました。上手くいかないのです。
(そのため、通常のコンサルティング会社は、いきなり「欧米流」をやりますが、私たちは後述の「イノベーションの御三家」を先に行います)

さて、その「イノベーションの御三家」ですが、それは日本人ならよく知っています。
それは、
①禅思考
②守破離
③間(ま)
という「日本流」です。

さて、ここで少し回り道をします。
それは、日本の教育の現状(第135夜:21世紀型「学校の革新」提言)を知っていただくためです。
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私の母校(W大理工)の敬愛する先輩のひとりに、日本の大手総合建設会社の方がいます。

イギリスに駐在となり、赴任先の現地英国人から問われることが気になりました。
それは、いつも「ゴルフ」のことばかりを話題にするからです。

ついに彼は、現地人に聴きました。
「どうして、いつもゴルフの話しばかりするの?」と。

現地英国人からの答えは、
本当は、いろいろ日本のことについて聴きたいことがあるのです。
例えば、
・出雲大社や横綱の「しめ縄・しめ飾り」について
・大相撲の土俵を4色の房について
・桂離宮の間(ま)
・枯山水(禅思考)
・・・等について聴きたいことがたくさんあったのです。
でも、日本の駐在員の皆さんは誰も答えてくれません。
皆さん頭がいいはずなのに、日本人駐在の会話が盛り上がるのが「ゴルフ」しかないなので、ゴルフの会話になってしまうのです。

ということでした。
彼はびっくりされて、「これは拙い。何とかせねば」と。
日本に戻った彼は、松岡正剛師匠主宰の「未詳倶楽部(第26夜)」に入門しました。(そこでお会いしました)
そして、日本・本社の中に、海外に駐在する人達向けの「社内学校」をつくられました。
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上記「イノベーションの御三家」は、「価値創造の知」(第89夜:「本質的な違い」を生み出す3つの抽象化能力)の中心です。

①禅思考 : 深い知(第85夜)
②守破離 : 高い知(第88夜)
③間(ま): 広い知(第17夜)

この御三家が、「創造性」の井戸となります。
その3つが「サナギ」から「蝶」に飛翔する心得と方法です。
新価値創造研究所のシンボルの三角形(トリニティイノベーション)です。

なぜならば、上記「シナリオプランニング」や「SRIメソッド」という欧米流と
「イノベーションの御三家」の「日本流」が新結合することで、その二つが飛車角となって、揃い合わさって、
「ヒット商品」、「経営羅針盤づくり」、「新事業開発・地域創生」という実績に繋がりました。
それは、第33夜で綴った「二つでありながら一つ」という『禅(ZEN)』の修行で一番大切なコトです。
研修やセミナーで、それらを事例をふまえてお伝えしています。

さてさて、インバウンドの方達が増え、海外に駐在する方達が増えて、
伝えるべき文化、哲学、思考、物語のど真ん中に「日本流」のコンテンツ・文脈が役立ちます。
なによりも、「創造性」の一丁目一番地なのです。

21世紀、「創造性」は20世紀の「読み書きそろばん」と同じくらい重要なのです。
「二つでありながら一つ」です。
学校は、そのような教育を行うべきと考えています。
だって、日本人のDNAにあるのに話せない、使えないというのは、あまりにもお粗末なのではないでしょうか。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
イノベーションの御三家

トリニティイマップLAST

橋本元司の「価値創造の知・第137夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ⑥自分と他分「コペルニクスの地動説」

2018年4月18日 の眼前の現実欠けたモデル」だと思うこと

写真は、ベストセラーの「君たちはどう生きるか」です。次女が持っていました。
冒頭は、ものの見方をテーマに「コペルニクスの地動説」から始まります。
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君は、コペルニクスの地動説を知っているね。コペルニクスがそれを唱えるまで、昔の人はみんな、太陽や星が地球のまわりをまわっていると、目でみたままに信じていた。
これは、一つは、キリスト教の教会の教えで、地球が宇宙の中心だと信じていたせいでもある。しかしもう一歩突きいって考えると、
「人間というものが、いつでも自分を中心として、ものを見たり考えたりするという性質を持っている」ためなんだ。
・・・
しかし、君も知っているように、この説が唱えはじめられた当時は、どうして、どうしてたいへんな騒ぎだった・・・
今日のように、小学生さえ知っているほど、一般にこの学説が信奉されるまでには、何百年という年月がかかったんだ。
・・・
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「いつでも自分を中心として、ものを見たり考えたりするという性質」として思い出されるのは、
前職(パイオニア社)に勤めていたときに、ある白物家電の企画マンと話したことです。

「パイオニアさんが、居間にセパレートオーディオを置いているように、居間に洗濯機をおきたいのです」と。
まるで、洗濯機が宇宙の中心だと信じているようでした。その気持ち、よく判ります。その熱意の目が忘れられません。

そう、私たちは目の前にあるものを「天動説」としてとらえやすいのです。
しかし、会社/地域の魅力がなくなったステージでは、「天動説」から「地動説への視線・視座の転換」が必要なのです。

それは、今の眼前の現実が「欠けたモデル」「途中/中途のモデル」だと思うことです。
その事例を、第133夜の「文具店」の本来と将来、そして、第134夜の自動車業界(境界・業界の越境)で綴りました。

その転換がなかなかそれが難しいのですね。それを壁を乗り越えるために役立つコツを記します。
①量が質を生む(第136夜)
②自分と他分
③価値創造の方程式(第53夜)

1.量が質を生む(第136夜)
これは、前夜に綴りました。
誰かが、チームが自分の業界/地域の狭い領域から、坂本龍馬のように外遊することです。それが、天動説から地動説の始まりになります。
多くのヒトが会社/地域の狭い領域に縛り付けられて、外遊がなかなかできないことが問題です。
そのために、会社/行政に入る前に、広い領域で一流/本物を体験することが求められますね。そうすると、「横ぐしの知」が備わり、「地動説」に近づきます。
しかし、自分が経験した第136夜のような「場」「環境」がないのですね。

また、そのような人財が必要なのに、それを受け入れる「職場」「上司」が狭い(ナロー)器量なのが問題です。
それは、行政をみてもわかる様に、「縦割り(サイロ)」から抜け出れないからです。「縦割り」から「横割り」にするのがトップの仕事です。
大企業の場合は、「横割り」のトップは副社長であり、大局観が求められます。その人が社長になる道筋が望ましいですね。ここを何とかしなければなりません。
ベンチャー企業の場合は、トップが兼ねます。なので、迅速に革新が進みます。

2.自分と他分
宇宙が地球を中心に回っていないように、世の中が自分を中心に回っているわけじゃないコト。
「自分」があるならば、「他分」があります。「他分」を豊かにすること。
「自分」の中に、「他分」の要素をたくさん取り入れることで、新しい「質/価値」を生み出すことに繋がります。
「他分」の視点・視座が、次の一手、次の柱の地動説につながります。
隆々とした将来のために、一流/本物の多くの「他分」を取り入れる教育・研修が必要だと思いませんか?

3.価値創造の方程式(第53夜)
E = mc2とは、エネルギー E = 質量 m × 光速度 c の2乗
の物理学的関係式を指し、「質量とエネルギーの等価性」とその定量的関係をアインシュタインが発表しました。

それに倣うと、「価値創造の方程式」ができます。それは、
バリューE(幸せ・愛のエネルギー)=M(ミッション)×C(Combination:情報編集力)×C(Communication:情報受発信力)

価値創造のエネルギーを大きくするには、「顧客・会社・地域・社会の幸せ(E)」をベースに
「ミッション(何に命を使うのか)×イノベーティング×マーケティング」で成立します。
最初のC(Combination:情報編集力)は、『新結合』のことであり、「イノベーティング」そのものです。
後方のC(Communication:情報受発信力)は、広義の「マーケティング」のことです。

上記①②は、「自分/他分」のバリューE(幸せ・愛のエネルギー)とミッションを直感することであり、「Combination:情報編集力」の元を吸収するステージです。
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世の中を回している中心なんて、もしかしたらないのかもしれない。
太陽みたいにたった一つの大きな存在が世の中を回しているのではなくて、
誰かのためにっていう「小さな意志」がひとつひとつつながって
僕たちの生きる世界は動いている・・・
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少しでも皆様のお役に立てれば幸甚です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
コペルニクスの地動説

橋本元司の「価値創造の知・第136夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ⑤量が質を生む

2018年4月17日 盗めよ、さらば与えられん。

前夜(第135夜)は、将来の「魅力/価値」を創るためには、いまの「学校の在り方」を革新しなければ手遅れになる、という主旨の提言をしました。

本夜お伝えしたいことを要約すると、
「魅力/価値」を創るためは、
①「量が質を生む」コト
② それは「一流/本物」を体験するコト
③ その「心得と方法」を習得するコト
がたいへん有効というより、必要ということです。
それを体験させて貰い、受け取り、実践してきた実感です。

それでは、
①「量が質を生む」コト、とはどういうことでしょうか。

あらゆる分野に、感動や革新があります。
それらをたくさん見る(観察・体験)ことです。

そうすると、第127夜:インストラクション(相互理解)に綴った
a.『大きな絵』(すなわちインストラクションを与えられるコンテクスト)で説明できる
b.『ある分野の知識をほかの分野に応用できる』ように、パターンを見つけることができる
c.『ひとつのアイデアをいろいろに表現する』こと、つまり3次元的な像を示すことができる
ようになります。

それは、次の一手を繰り出す『大局観』に繋がります。
それは、先を見通す『構想』の元になります。

次に、② それは「一流/本物」を体験するコト
上記①に関係することですが、その「量」も「「一流/本物」を体験することです。
そのことで、③ その「心得と方法」を自然に習得するコトができます。

1.一つ目が、20年に亘る『格別・別格の一流人』との出会い
それが、松岡正剛師匠主宰の「未詳倶楽部」(詳細は、第26夜・第119夜)です。

松岡正剛師匠は、「知の超人」です。

一年に2回ほど開催される「秘密倶楽部」に20年前に入門しました。「未詳」とは、まだ詳しからず、まだつまびらかでないのです。
意味のある「場」に、格別・別格の一流人が来られ「日本という方法」を一泊二日で体験します。そのゲストと共に夜のプログラムは進み、夜中を越えて宴は続きます。

そこでは、主人と客は分離されていなくて、毎回「主客一体」「一期一会」となり演じていきます。
「能、大鼓、三味線、謳い、俳句、料理、書、歌、茶道、茶碗(第5夜)・・・・」
それは、「日本という方法」を身をもって体感できる「至福と冷や汗」の入り混じった極上の「場」と「時間」となりました。
それが、20年続きました。日本の一流の系譜を心身で受け取りました。

そのエッセンスが写真の『侘び・数寄・余白』-連塾・方法日本-にあります。是非ご覧ください。
また、「ISIS編集学校」(編集工学研究所がインターネット上に開校した、方法の知のための学校)では、自分が学衆となって『編集』の基礎を学びました。
私がこれまで「価値創造の知」で綴ってきた「日本流の知」は、上記「未詳倶楽部」・「ISIS編集学校」・『侘び・数寄・余白』をビジネス用に編集したものが土台になっています。

2.二つ目が、マーケティングで素晴らしい成果を上げている100社の企業訪問
それが、永田仁先輩主宰の「企業訪問フォーラム(詳細は第23夜)」(日本マーケティング協会主催)です。
マーケティングで素晴らしい成果を上げている様々な企業を訪問して、、
①現場で学ぶ、②実例に学ぶ、③相互に学ぶ、というように、直接企業風土に触れながら、事例研究をして、意見交換もできる研究会でした。
それは、1993年~2010年まで18年間続き、その殆どの100社をその先輩を通して訪問させて貰いました。
その100社は、全て業種・業態が異なります。
そのことで、どのような会社/地域から、ご支援依頼がきても動じない土台ができたように思います。

通常では体験できない、この一流の100社を直接見ることで、技術者出身の自分が一気に「マーケティング」の深さ・高さ・広さを知覚することができるようになりました。
それが、後の「ヒット商品開発プロジェクト(詳細は第13夜)」に繋がりました。その方法は、①の「未詳倶楽部」(詳細は、第26夜・第119夜)をフルに活用しました。

3.三つ目が、変革をリードする企業(および起業家)の200社のセミナー
それが、谷口正和師匠師匠主宰の「文化経済研究会(第24夜)」「エコロジー研究会」です。
「文化経済の視点」からマーケットに新しい価値を創造した人、次世代ビジネスを実践されている人などを講師に迎えながら、我々が直面する企業課題をひも解き、
新しい時代に求められるべきストラテジーを指し示していく研究会です。
21世紀を牽引するのは、「文化」です。文化が発生して、その後に経済が起こる。この文化経済の時代の重要な認識は、今までの経済優先の発想を越えられるか、ということです。
過去の大企業主義、シェア至上主義は音を立てて崩れつつあります。
小さくても志を持って立ち上がり、自分たちのミッション、フィロソフィー、ポリシーをあくまでも貫き、従来の提供者論理を切り捨て、真の顧客主義に立った企業だけが存在を許される時代です。
人も企業も個性が連鎖して新たな変化の潮流を引き起こす21世紀。未来社会経済学ともいうべき視点から、変革をリードする企業および起業家からその発想と戦略を学んできました。
一年に6回開催され、変革をリードする企業および起業家の200社(人)からその発想と戦略を学んできました。

「文化が先行して、その後に経済が起こる」

私が「新文化づくり」を先行させる原点はここにあります。
様々の業種・業態の起業家の皆様から、その想い・心得とビジネスモデルを学びました。
同時に、前述の「ヒット商品プロジェクト」の企画の元はここにあり、更に、異業種コラボ展開の企業を谷口正和師匠から直接紹介されたことが成功の加速になりました。
如何でしょうか?
上記、「一流・別格・格別」の『量』をいっぱい浴びてきました。
それらが、「大局観」となり、次の一手、次の柱の「質/次元」を生み出します。

・自分に自信がないときは、歴史にも世の中にもまだまだ「欠けたモデル」があるのだと思えばいい。
・21世紀を牽引するのは、「文化」です。文化が発生して、その後に経済が起こる。
・盗めよ、さらば与えられん。

そう、たくさんの一流・本物を「感動・感激・感謝」しながら、盗んできました。
それらをつないで「新結合」すると未開の地平が見えてきます。
みなさま是非、格別な師匠をもたれてください。
その系譜が、核心⇒確信⇒革新につながります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

量が質を生む

橋本元司の「価値創造の知・第135夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ④幼な心にもとづいた逸脱

2018年4月16日 「新・学問のすすめ」

本夜は、日本の将来のための21世紀型「学校の革新」提言です。

その問題意識の中心は、第131~132夜に亘り綴ってきました。
それは多くの会社や地域において、従来のやり方・考え方の延長線上では、
・経営危機が訪れる
・地域の衰退・崩壊
という「維持できない衰退」への現実があり、転換しなければならないからです。

 そこに必要なのは、会社/地域を自分ゴトとして、
①「将来の価値観」から創りなおす
② そのために、顧客/社会が求める「魅力&価値」を創る
ことにあります。

それが苦手である背景は構造的であることをこれまで何回か綴ってきました。
第112夜、第130夜に詳しいのですが、要約すると、20世紀は、縦割り業界の「技術のイノベーション」が中心の時代で成長しましたが、
21世紀は、それは全体の一部(第130夜)となり「意味/価値のイノベーション」の時代に移行しています。それは、前夜(第134夜)に綴った「自動車業界の将来」の事例からもおわかりいただけると思います。

今(21世紀)は「深い知・高い知・広い知」を通して、業界を越境し、既存の価値観を超える「将来の価値観/魅力」を創り出すことが強く望まれています。

私が過ごした「小学校~大学」の20世紀型教育は、
・「答えの分かっているもの(客観性)」を如何に早く効率的に対応するか。
・それは、「追いつき追い越せ」の1940年体制に基づく護送船団方式型教育(体系)
にありました。
これでは、既存の価値観を超える「将来の価値観/魅力」を創り出すことが困難です。

企業(会社)/地域(行政)のご支援をしている時の当初にいつも感じることがあります。上記教育の影響のせいだと思いますが、なかなか縦割り(サイロ型)の業界から抜け出る発想・構想・覚悟が乏しいところがあります。
そのままで留まっていては、「境界をまたいで領域を広げる」という方針・戦略・行動に届きません。

そのような中で、キラリと光る「人財」がいます。

それは、ご支援するベンチャー企業社長や地方の若手市長であったり、第133夜にご紹介した老舗文具店「伊東屋」の伊藤社長やユニクロの柳井正会長兼社長等です。
その方達に共通するのは、「幼な心にもとづいた逸脱」があることです。

それは、今大活躍している「大谷翔平選手」、「羽生結弦選手」にも見えます。
私の二人の師匠(松岡正剛師匠、谷口正和師匠)はその達人です。御二人から「逸脱の系譜」を受け取ってきました。

さて再び、「将来の魅力/価値」です。
・『日本、会社、地域、自分』の魅力はいったい何なのか?
・ 自分/社会の「魅力」をどのように創っていくのか?
・ 自分/社会の『将来』をどう考えているのか?
・ 自分/社会の『価値』は何なのか?
・ いったい何を伝えたいのか?何が伝えられるのか?

それらは、
・「魅力とはいったい何か?」を考える
・「価値をつくるコト」を考える
・「大切なコト、将来の可能性」を考える
という様に、「魅力」や「価値」という主観性(第102夜)と、自分ゴトとしての『主体性』を伸ばすことにあります。(第131~134夜)

そのために必要なのが、「幼な心にもとづいた逸脱」です。
それを、
・学校教育
・大学入試
・新入社員
・企業研修
に組み入れることが肝要です。

それは、速く正確に答えを出す20世紀の教育ではありません。それは、コンピューターやAIが得意なことです。
「平等を旨とする」今の大学入試のあり方では、それらは『無駄』と見なされそうですね。
小学6年生の時に、「将来の夢」を書かせることでお茶を濁す時代から脱皮しましょう。

「あっ、やはり日本人は違うな、先行しているな」

「偏差値」ではなく、「幼な心にもとづいた逸脱」からの「魅力⇒価値⇒将来」の才能を若い時から磨く「環境」「場」「仕組み」を用意しましょう。
日本には、「魅力・価値・物語」が埋もれているのです。原石でいっぱいです。
それらを「想像力⇒創造力⇒構想力」(第122夜・第127夜)を体系的に磨き上げることで花開かせることが可能です。

「公立」が過去のしがらみでできないのであれば、「私立」が先行しましょう。そのための「私学」です。
「新・学問のすすめ」というイノベーションが必要です。
それは、横割り、横串(第80夜、第133夜)対応の実践の「魅力学」「価値学」「物語学」の「体系知」です。

そんな21世紀型の「学校教育の革新」を実践・実現したいと想っています。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

学校教育の革新

橋本元司の「価値創造の知・第134夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ③境界・業界の越境「自動車業界」

2018年4月14日 無意味な過去のフレームワークは捨てる

前夜(第133夜)は、「文具店の魅力」から、その本来と将来を綴りました。
それでは、自動車業界についてみてみましょう。
私も前職(パイオニア社)の関係で、「10年後の音楽・カーナビ・クルマ・AUI」絡みで、名古屋・和光・宇都宮に出入りしていました。

 さて、ここで自分が尊敬する石倉洋子氏(経営学者 一橋大学名誉教授)がお話しされた内容が参考になると想いますので、その一部を加筆引用します。
それは谷口正和師匠が主宰する「文化経済研究会(2017年)」のゲスト講師としてこられた時のものです。
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スコープ(SCOPE:領域や範囲)が広がると、例えば消滅する業界があれば新しく生まれる業界が出てきます。
自動車も大きく変化しつつある業界の1つです。昔は自動車業界といえば製造業で、パーツが多くありそれを組み立て、ディーラーを通して車を消費者に販売する。

競合はトヨタ、GM、などというように分かりやすかった。
しかし、今やトヨタの最大の競合はGoogleと言われています。それは、求められているのは「車」というハードな製品ではなく、モビリティだからです。

移動の1つの手段が「車」なのです。そうなると都市計画、道路、自動運転など広範囲に考えないと、とんでもないことになります。

「自分たちの業界はこのまま続くだろう」と何となく今までの延長線で考えていると、予想もしていないところから、とんでもない競合が来たときにやられてしまう。

新しい製品やサービスが出てきたときに、「あれは品質が悪い」などと言っている間に顧客を失ってしまうのです。
UberやAirbnbなどのサービスはますます広がっています。以前は「他人の家に泊まるの?」と想像もしなかった、驚くようなことがドンドン広がっています。

Uberは自家用車を持っていても実際は90%以上使っていないのだから、もっと使いたい人に使わせてあげましょうとシェアリングを考えたわけです・・・
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皆さんご存知の通り、自動車業界は変化の時代の真っ只中にあります。

「自動車製造からモビリティ産業へ」

トヨタさん、ホンダさんは、かなり前から、コンセプトを「モビリティ」に変えて事業転換を図っていました。
車の役割が従来の「買って乗るもの」から「移動手段(=モビリティ)」へと変わりつつあることに伴い、各社「クルマづくり」をモビリティサービスの一部として把えています。

そして、 そこに「自動運転」「インダストリー4.0」「電動化」「つながるクルマ」というテクノロジーや生産技術が絡んでいます。その「モビリティ産業」を誰が担うのかということです。

なぜ、従来の境界が消滅したり、全く新しいビジネスモデルの企業が登場するのでしょうか?
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それはテクノロジーによって、瞬時に情報が交換できる、だからそれをプラットフォームで活用できるからです。テクノロジーの進歩がこうした新しい動きの背後にあるのです。

それに加えて、新しいアイデアも盛んに出てきています。最近のAirbnbは部屋だけでなく、「私が持っている経験やスキルを一緒に」と経験もシェアしてしまいます。
このようにいろいろな可能性が出てきています・・・
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自分が新入社員で通勤していた頃、電車の中では、新聞・漫画・雑誌を読んでいる風景でしたが、今は皆さん殆ど「スマホ」を見ています。
どうしてでしょうか?スティーブジョブズ(第6夜)が業界を越境して、横串(第66夜・新結合)を通しました。

新聞の魅力がなくなりましたね。無常です。

新聞 < スマホ < AIコンシェルジュ

これまで通用していた「**業界」という区分けがなくなっています。
20世紀後半は、業界の垣根の中でビジネスを考えていれば良かったものが、そうはいかなくなりました。私が業界の垣根を超えて、「異業種コラボ」したのが1995年でした。

前述の石倉名誉教授のお話しにあったように、自動車メーカーの最大の相手は、同業者ではなく、「Google」や「Uber」になっています。
クルマは、所有する時代から、シェアリング(第40夜、第115夜)する時代に移行しています。

これまでのやり方や習慣がどこで壊れ、崩壊し、形をかえるかを迅速に察知する必要があります。それが、本質を見抜く「洞察力」(第132夜)です。そして、それは「魅了力」(第132夜)と共にあります。

その変化を洞察して、その変化に先立つ「先行力」が必要です。それは、ファーストペンギン(第123夜)になることですが、それを恐れないことです。

さてさて、第20夜・第108夜に、顧客を「囲い込む時代」から、「囲まれる時代」について綴りました。競争の「ルール」が変わっているのです。

そうすると、「ルール・ロール・ツール」(第80夜)も変わります。トータルに取組むことが必要です。
皆さん、「顧客に囲まれる」次の一手を打たれていますか?

私の視点・視座では、自動車業界はまだ「縦割り」の世界から脱していません。「第80夜:世界と世間」で云うと、従来のフレームワークから脱する「世間」の横割り・横串が不十分です。

これから「ハードウェア・ソフトウェア・ハートウェア」三位一体の本格的な「おもてなしの時代(第2夜、第40夜)」です。
つまり、まだまだ余白(第50夜、第89夜)があり、可能性がいっぱいということです。

最後に、谷口正和師匠の言葉を引用します。
「無意味な過去のフレームワークは捨てる。そうした段階に、我々は突入しているのだ」

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
自動車業界

橋本元司の「価値創造の知・第133夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ②「文具店」の本来と将来

2018年4月13日 常識破りの革新

『魅力がなくなるコト』について、文具店を事例としてみてゆきましょう。

自分が子どもの頃、通う小学校の近くに「文具店」がありました。ノートや鉛筆や消しゴム等を買うのですが、子ども達がいっぱい出入りして、昭和の風景として懐かしく想い出されます。中学に入る時には、「万年筆」を買って貰って、何か大人に近づく儀式のようなものを感じました。

魅力がなくなって、その「文具店」は10年ほどまえに解体されてしまいました。

さて、前職(パイオニア社)で、1995年ヒット商品プロジェクトリーダーとして常識を破る異業種コラボレーションからのヒット商品づくりを実践しました。
その最中の1997年に、パイオニアOBの永田仁先輩から、「常識を破る注目の会社を見に行きましょう」というお誘いがあり、文京区音羽の「アスクル」の本社に現場訪問しました。

そこで創業まもないアスクルの岩田彰一郎社長とお会いし、プラス株式会社から分社独立した経緯と熱い想い、成長の仕組み(ビジネスモデル)をお聴きしました。
文具・事務用品に特化して、メーカーの枠を外して「文具の流通革命」に取組まれたのでした。
アマゾンや楽天の取組みのずっと前のことです。

その時に、「文具・事務用品の世界」が大きく変わると直感しました。それまでの縦割りの事務機器メーカー業界が崩れると。
それは、メーカーオリエンテッド(送り手中心)ではなく、カスタマーオリエンテッド(ユーザー中心)であり、業界を「横串」するものでした。

数年後、アスクル本社が江東区に移転となり、再び、永田仁先輩が主宰する「企業訪問フォーラム」(第23夜)で「アスクル本社」を現場訪問しました。
どでかい本社ビルのど真ん中に、直接のお客様の声をお聴きするオペレーターが配置されていたのでした。

アスクルは「お客様のために進化する」を企業理念としオフィスに必要なモノやサービスを「明日お届けする」トータル・オフィス・サポートサービスの会社として進化し続けています。

さて、皆さんは「文具」をどこで購入されますか?
・シンプルに美しく暮らしたい私の娘は、「無印良品」のものが殆どです。
・私たちが仕事関係でたくさん調達する時は、「ダイソー」です。
・私のモノは、「銀座・伊東屋」「日本橋・丸善」のものが多いです。

普通の文具店に行くことは殆どなくなりました。変わりましたね。そう、昔は輝いていたのに、今は「魅力がなくなりました」。過去の延長上に未来はありません。

次に、文具老舗の「銀座・伊東屋」について綴ります。
2015年に、谷口正和師匠が主宰する「JLDS・文化経済研究会」に株式会社伊東屋の伊藤明代表取締役社長がゲスト講師としてこられました。
「伊東屋」は、明治37年に銀座で創業し、文房具の販売を通じ文化と表現を担ってきました。
5代目社長の伊藤氏により、2015年6月にリニューアルオープンした銀座・伊東屋は、幅広いライフスタイルを提案し、従来の文房具店の枠組みを越え「働く」「移動する」「遊ぶ」など生活シーンすべてにおける価値をカバー。常識破りの革新を成し遂げられました。

セミナー後、伊藤社長に質問し、早速、拝聴した着眼力と発想力をリニューアルオープンした店舗で見学・観察しました。
そして、もう少し詳しく知るために、隅田川のウォーターフロントタウンで社員の方達からもお話しを伺いました。

そう、こうやって異業種の「常識破りの革新(=構想力)」の本質をお聴きし、自分の目で確かめるのが自分流です。(観察力・洞察力)
そして、現場に行って、「それは、本当にお客にとって心を惹きつけるのだろうか?(=魅了力)」
を反芻し、また、定点観察することで「進化」の度合いをみていきます。

そのようなコトをしながら、もう片方で、
「PCやスマホ、ICレコーダー等」も文具ととらえます。
これからの「AI時代」「キュービタル時代」にどのように活用され、進化していくのだろうか?
というアブダクション(第123夜)から将来像を描きます。

そのために、本質的な「2軸」を選択します。
一つ目の軸は 「アシスト⇔アメニティ」です。
二つ目の軸は、いま2案あって磨いているところです。
(「文具」という言葉が変わりますね)

さて、これは「文具」の本来と将来なのですが、様々な業種・業態に「常識破りの革新」があります。あちらこちらの現場に足を運びます。
それらたくさんの『知』と『仮説』の群が私たちがご支援する際の「お宝」「財産」になり、下記に近づくことができるようになります。

①大きな絵、すなわちインストラクションを与えられるコンテクストを説明できる
②ある分野の知識をほかの分野に応用できるように、パターンを見つけることができる
③ひとつのアイデアをいろいろに表現すること、つまり3次元的な像を示すことができる

に繋がります。それは、第126夜に綴りました。

「魅力がなくなったら、常識破りでイノベーションに向かうコト」

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
文具店

橋本元司の「価値創造の知・第132夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ①いったい、将来をどうするのか?

2018年4月12日 3つの力「①洞察力、②魅了力、③構想力」

本夜は、前夜(第131夜:将来の価値観)をもう一歩踏み込んだ内容を綴ります。

今のままの延長上では、
・経営危機が訪れる
・地域の衰退・崩壊

という右肩下がりを超えて、「維持できない衰退」への不安が多くの会社/地域にあります。
実際に、リストラや給与カットを体験し、多くの業種・業態を見てきました。

その真因は、
『魅力が無くなるコト』が根本原因にあります。

それは、会社であれ、地域であれ同じ構図です。

・グローバル化
・コト消費
⇒個別の事象が連なった総体である「一連の体験」を対象とした消費活動のこと
・コモディティー化
⇒日用品のように一般化したため品質での差別化が困難となった製品やサービスのこと
・過疎化、シャッター街
・企業誘致の難しさ
・AIoT化、インダストリー4.0化
・・・
等々、身近にいっぱい事例がありますね。
どうしてでしょうか?

事態が大きく変わっています。
・「消費」の対象や「ライフスタイル」等の顧客の価値観が変わる
・「競争相手」が全く変わって、「質・次元」が変わる
・「規制緩和」の制度変更
・・・

どうしたらいいのでしょうか?
「改善・改良」で対応できない事象が増えてきました。
「改善・改良」は現状維持なので、後退・衰退していると思ったほうがいいですね。
どこかで綴りますが、1940年体制の護送船団方式に慣れてしまった弊害があります。

「事実」は「魅力が無くなっているコト」です。

ただ世の中は、『諸行無常』です。
『変化』することが「常態」という認識です。
つまり、継続的に「革新=イノベーション」することが当たり前が求められます。

さてさて、どうしたらいいでしょうか?
それは、前夜(第131夜)にその一部を提示しました。

「将来の価値観(北極星)」に向けて、会社/地域を創りなおすコトです。
それでは、「将来の価値観」を引き寄せるにはどうしたら良いのでしょうか?

その為に、必要な『3つの力』があります。
この3つの力が不足しているのです。それを図解と共に綴ります。

一つ目は、適切な『構想力』(図の上部)を持つことです。
「構想力」とは、「全体」を組立てる力です。「想い」を仕立てる力です。
「構想力」が不足しているので、私たちが皆様に呼ばれるのです。

最初に、「魅力がなくなるコト」が原因と記しました。
なので、「構想力」には、社会・顧客が惹かれる「魅力」が必要です。
それが二つ目の、『魅了力』(図の左下)です。

『魅了力』とは、「心を惹きつける力」です。
それがなければ、革新につながる「構想力」に届きません。
どうしたら、社会・顧客から、「心」を惹きつけられるのでしょうか?
それが、バリュープロポジション(第37夜)です。
そこでは、「心」と「ロジック」の両方を使うことが必要となります。

そして、その「魅了力」を見出すのが、3つ目の「洞察力(図の右下)です。
世の中の変化、顧客の価値観の変化、将来の行方の「本質を見抜く力」です。
その本質を見抜く力が、前夜(第131夜)の図解のInsight・Foresightの両サイト(sight)です。

如何でしょうか?
①洞察力:モノゴトの本質を見抜く力(第130夜)
②魅了力:社会・顧客の「心」を惹きつける力
③構想力:革新につなげる「全体」を組立てる力(第67夜)

これが「順番」であり、それを磨いて、「次の一手」「次の柱」に向かえます。
そのことで、核心⇒確信⇒革新(第118夜)があります。
つまり、上記①②③が揃うことで、「魅力のある会社/地域」の革新(=イノベーション)と成長の道筋が見えてきます。

逆に言うと、それが無ければ、魅力のある『革新』には届かないのです。
これまでたくさん手の内を明かしてきましたが、更に『価値創造の革新』の手の内を明かしてゆきます。

是非、皆さんの会社/地域を「①洞察力、②魅了力、③構想力」で蘇らせてください。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
3つの力洞察力

橋本元司の「価値創造の知・第131夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑲将来の価値観から創りなおす

2018年4月11日 「次の一手」「次の柱」を創る

私たちが招聘される理由の70%くらいは、
・成長のために、「次の一手」「次の柱」を見つけたい
・成長のための「将来の価値観」を明確にしたい
・「将来の構想」を描きたい
にあります。

「答え」がわからない時代、不確実な時代と云われます。
そうでしょうか?
「従来のやり方・考え方のメガネ」で見ればそうなのですが、「新しい価値観のメガネ」で見れば輪郭は観えています。
それは、環境が変わり「経営の質(次元)」が変化しているのに、「新しい価値観」に追いついていないことが大きな要因の一つです。
それに伴って、売上/利益が右肩下がりになり、組織や従業員に「軋み」が現れています。

それは、
・改善する
・悪いところをなくす
という処置では対応ができません。

「将来の価値観(北極星)」に向けて、会社/地域を創りなおすことが肝要なのです。

そのために必要な作法があるのですが、それが
前々夜(第129夜)の「なぜ?」であり、前夜(第130夜)の「新しい意味」です。
図解で説明しますと、トリニティイノベーション(「深い知・高い知・広い知」)の上方の二つ(深い知・高い知)の洞察(Insight・Foresight)です。
そう、洞察(=物事の本質を見通すこと。見抜くこと)であり、「アブダクション」(第123夜)です。
そして、その能力の「おおもと」は、「禅的思考」(第33夜、第76夜)、「深い知」(第85夜)にあることを綴ってきました。

この「本質を見抜くコト」が、特に経営陣には望まれます。
実は、ベンチャー企業の社長には「本質を見抜く洞察力」を持つ方が多く、私たちとの二人三脚で「構想⇒行動⇒更新」が迅速です。

ここで過去の成功体験に引きずられる最近の例を示します。

今、日本相撲協会や日本レスリング協会の問題が連日メディアを賑わしています。
この両協会に共通するのは、
「協会を守る、或は、自分を守る」
というスタンスが、世の中の価値観と大きくズレていることにあります。

「開かれた、拓かれた協会」

という「将来の価値観」を共有したいのです。
相撲協会でいえば、私たちは今までのやり方(八百長、暴力体質等)を排除してゆきたいのですね。でも、今の親方衆は「従来のやり方」で生きてきたのです。これがなかなか改革できない難しいところです。しかし、日本柔道協会は改革できましたね。できないハズがありません。
「ナゼ?」から考えてみてください。

さて、上記の問題の両協会のことは他人ゴトでみていられますが、それが自分ゴトになったときに、やはり「守り」に入ってしまうのです。
それは、今の会社・事業の成功者達が経営陣だからです。それが成功のジレンマです。「既得権」を持っていたくて、「新しい価値観」には重い腰です。
自分のスキルが通用しない可能性が高いからです。

そのような中での「革新・改革」には難しいところがあります。この人的問題には、丁寧に誠を持って対応することが必要です。その方達と「将来の価値観」を共有することが、その後の展開にはとても重要です。

そして、「将来の価値観」を図解のトリニティイノベーションで共有してから、
①Small:最初は、小さく
②Open:世の中に共感されるように「開く、拓く」
③Share:それをインターネット的(第114夜~116夜)に
されると成長・成功に向かう確率が高まります。

本当に、本気で成長・成功を望むのであれば、従来のしがらみ・考え方を超えて、
「将来の価値観」に基づいて、会社・地域・協会は創り直していかなければなりません。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
将来の価値観

橋本元司の「価値創造の知・第130夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑱EU中小企業「意味のイノベーション」

2018年4月9日 「デザイン思考の進化」と「意味のイノベーション」

本夜は、「デザイン思考」と「価値創造」の関係から、貴社の貴地域の「イノベーション」を感じていただければと思います。
それは、「デザイン思考」についての私の体験・感想と、「デザイン思考の進化とビジネスイノベーション」の関係からの「価値創造の知」についてです。

10年ほど前、「デザイン思考(design thinking)」という言葉が流行して、ビジネスのイノベーションを起こす方法として注目を浴びていました、
私もその方法の専門家(IDEO、ユーザー中心デザイン、ラピッドプロトタイピング等)の方達を複数招聘して、幾つか試してみましたが何かしっくりきませんでした。
それは、対象の「改善・改良」にはつながるのだけれど、「革新的なビジネス」には辿り着かないというものでした。

2016年、「ハーバードビジネスレビューApril 2016」の「デザイン思考の進化」特集で以下が記されていてたいへん共感しました。
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一般にいわれる「デザイン思考」で本当に革新的なビジネスは生まれるのだろうか?
世界的デザインファームZibaのエグゼクティブフェローであり、ビジネスデザイナーの濱口秀司氏は、
「本来、デザイン思考は二つに分類できるのだと言う。
①改善、改良のための「デザイン思考」
②イノベーションを生み出す「デザイン思考」

一般的にいわれるデザインファームの「デザイン思考」というものが、本来はイノベーションを生むためのものでは「ない」。
(ニーズ視点のプロトコル(手順)は改良・改善で成果を上げる)
そして、「真のイノベーション」を起こすためのプロトコル(手順)までを示したい。
イノベーションは、バイアスを視覚化して破壊する・・・
(バイアスとは、思い込みや思想などから考え方等の偏り。偏見)
・・・
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後者は、イノベーションの「余白」(第50夜、第89夜)の創り方の有力な一つです。
デザイン思考の進化を志す方達は是非ご覧ください。

そして次に、図解の「デザインの次にくるもの-意味のイノベーション」です。
「EUの政策」の一つに、地方の「技術を売りにしない中小企業のイノベーション」を推進することを念頭に置いたプログラムがあり、「デザインの次にくるもの」の中には、そのプログラムに採用されているアプローチ「意味のイノベーション」について記されています。
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「EU」はクリエイティブ産業の育成に予算を注ぎ込んだ時代があります。しかしながら、あまり芳しい結果をもたらすことができませんでした。
他方、生産性の向上をどう図るかは、長い間の懸念でもありました。しかし、中堅以下の企業にとって生産性の向上は、実践と効果を考慮すると無理難題が多いと考えられます。
そこで、EUのイノベーション政策立案者が考えた選択肢は二つです。
①テクノロジー開発の背中を押すか
②市場に“新しい意味”をもたらす土俵をつくるか
テクノロジーの推進をやめたわけではありません。しかし、それと同時に“新しい意味”を創る中小企業を増やすことが欧州にイノベーションを起こし、長期的な資産を築き上げることに貢献すると考えたようです。
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技術が「どうやって?」を求めるのに対して、“新しい意味”は「なぜ?」を追求します。
(これは、第84~86夜「meaning-深い知」、第118夜「核心・確信・革新が道筋」と同じことを云っています)
つまり、「意味のイノベーション」です。
事例の一部を引用します。
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「電気のない時代、ロウソクで夜、灯りをともしていましたよね。でも電灯が普及するとロウソクは不要になりました。もちろん停電のなったときの緊急用としてのロウソクは必要です。
でもそれ以外の目的にいまもロウソクは使われています。「なぜ」でしょうか?
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併行して、、
「あなたの家族が、家で夕食をとるとき、そこにはどんな意味を求めていますか?」
という設問と共に、ぜひ考えてみてください。

・どの様な“特別な意味”があるのでしょうか
・どの様な“新しいな意味(目的)”があるのでしょうか

ロウソクだけを直接見ていると、改善・改良になりがちです。家族の夕食における意味を問いかけます。深い「なぜ」から独自の「意味」を発見するのです。
「問い」の深さ・高さ・広さによって「価値」が変わってきます。

上記の様な新しい意味を生み出す、「意味のイノベーション」に中小企業は注力すべきだ、というわけです。
新価値創造研究所では、それをトリニティーイノベーション「深い知・高い知・広い知」の最初(第86夜)に組み込んでいます。
これが、改良・改善ではない、「創造的な問題解決=価値創造」のファーストステップとなります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
意味のイノベーション

橋本元司の「価値創造の知・第129夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑰自己受容と価値ぬ

2018年4月7日 アドラーと価値創造

「すべては自己受容から始まる」
「自分に価値があると思える時だけ、勇気を持てる」(Adler Speaks)

「自己受容の重要性」についてのアドラーの言葉です。皆さん「アドラー」はご存知ですね。
フロイト、ユングと並ぶ「心理学の三大巨頭」と云われ、図の「嫌われる勇気」はベストセラーとなりました。

前夜(第128夜)では、
⇒「価値創造」に向かうためには、周囲から「認められる」ことが不可欠です。
ということについて綴りました。

本当はその前に、「自分に価値がある」と思えたらそのような自分を受け入れることができるのです。
上記で云っている「勇気」とは、対人関係の中に入っていく勇気のことです。

対人関係は悩みの源泉にもなりますが、生きる喜びや幸せも他者の関係の中でしか得ることはできません。
人間は一人では幸せになれないのです。だからこそ、アドラーは対人関係の中に入っていく勇気が必要だと云っています。
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「人生の意味は全体への貢献である」
「人生の意味は貢献、他者への関心、協力である」

アドラーここでいう「全体」は「共同体」のことですが、もしもこれが既存の共同体であれば、「全体主義」になっています。
先に、所属感は人間にとって基本的な欲求であることを見ましたが、
「全体の一部でありたい」
と思えるからこそ、他者に貢献したいと思えるのです。
全体主義という言葉が悪い連想が働くのは私益しか考えていない一党一派が全体の益を考えていると欺き、全体を支配するということが、歴史上何度もあったからですが、
アドラーのいう、人は全体の一部であるというのは、それとはまったく意味が違います・・・
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なぜ、貢献感を持つことが必要なのかを3つの観点でとらえています。
1.「自己受容性」
⇒ありのままの自分を受け入れるということです。
2.「他者貢献(感)」
⇒生きているだけで、あなたは誰かに貢献している
3.「他者信頼」
⇒他者を「仲間」であると信頼できなければ、他者に貢献しようとは思えません。

ここで記していることをどこかで観ませんでしたか?
前夜(第128夜)の「マズローの欲求6段階」です。
21世紀は、「⑥第6段階・自己超越欲求:自分のためだけでなく、他の人々や他の者を豊かにしたいという欲求」から検討する時代です。
その理由は、どこかの夜に綴ります。

さて、自分が役立たずではなく、役に立てている、貢献していると感じられる時に、そんな自分に価値があると思え、自分を受け入れることができます。
そのことを私たちは「バリューイノベーションプロジェクト」ではとても重要視しています。
全員の力を結集して、イノベーションに向かいたいのです。

そのために、他者貢献、社会貢献を考えようとする時に、「自分に価値がある、自分でも貢献できる」と確信できる『場』『環境』が必要です。

・こんなことを云ったら笑われる
・こんなことを云ったら馬鹿にされる
・こんなことを云ったら評価が悪くなる

通常の職場では、こんな場面が多いのではないでしょうか?
それは「マネージメント」の世界です。

しかしながら、イメージメントの「想像⇒創造⇒構想」(第122夜)という価値創造の場面では、「常識から逸脱する」「従来の殻を破る」ことが必要です。
なので、
・「笑われるくらいがちょうどいい」
ということを何度もお伝えするのです。
ただ、そこでは『センス』が必要となるのですが、これもどこかの「夜」に綴ります。

さてさて、そのうち皆さんセンスも磨かれて、キラリ!と光るアイデアや発言が続々と出てきます。
それを上手に掬い取ります。
そこに、「深い知・高い知・広い知」のスキルも身に付きますから、その「型」の上で大胆に演じることができるようになります。

そうすると、
「自分に価値があると思えて、勇気を持てる」
という(人財)ステージを自動的に迎えることができるのです。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
自己受容