橋本元司の「価値創造の知・第126夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑭理解の秘密・価値創造インストラクター

2018年3月30日 「相互理解=インストラクション」

私たちが「新事業創出/地域創生のご支援」で気をつけていることがあります。
それは、不確実性の高い未来に向けて、価値創造・イノベーションを達成するには、クライアントの皆様との『相互理解=インタラクション』を如何にはかるか、ということが不可欠です。その「相互理解」がなければ、配慮のない情報のやりとりになり、実践・解決の方向に向かいません。

 いま、世間を賑わしている『働き方改革』の大きな部分を占めているのも『相互理解=インタラクション』です。
仕事の中には、コミュニケーションのロスやトラブルで溢れていますね。

・「何が重要か」についての管理者と従業員のあいだの不一致
・多くの会社がいまだに従業員と機械を同じように扱っている
・何も決まらない会議にウンザリする
・「言ったじゃないか」と声を荒げることは?
・やっかいなマニュアルを放り投げたことは?
・仕事の成果が見えにくい
・働く人々の多様化が進む
・「わかったね?」「ええ、わかりました」というやりとりはあるが、いっこうに理解してもらえない
・・・

如何ですか?
上記は、1993年「理解の秘密」リチャード・ワーマンが著した中に記している一部です。もう絶版なのですが、「今また、その本が脚光を浴びています」と友人が話していました。
この「理解の秘密」は、松岡正剛師匠が監訳していたので、1998年に購入していました。

本書は、コミュニケーションロスを解消し、相互理解をはかるために、インストラクションの働きとその活用法を教えるはじめての指南書になります。

組織変革のためのリストラクチャリングや資源節約するより、まずインストラクションの仕組みを変えたほうがよほど効果的であるとすら思えるのだ。(引用:松岡正剛あとがき)
是非たくさんの日本人に読んで欲しいと思います。

さて、その後半に『模範的なインストラクター』という項目があります。
①大きな絵、すなわちインストラクションを与えられるコンテクストを説明できる人間
②ある分野の知識をほかの分野に応用できるように、パターンを見つけさせることのできる人間
③信頼感を植え付けることのできる人間
④ひとつのアイデアをいろいろに表現すること、つまり3次元的な像を示すことのできる人間
⑤自分の関心対象に熱意を持つ人間
⑥誤りを認め、リスクをおかすことを奨励する人間
⑦指導のためには、ときには慣習とは逆の方向にすすむことのできる人間

もう20年前の会社勤めの時に、上記に近づきたいと修練してきました。図らずも「価値創造~イノベーション」の「インタラクション」には上記のスキルが全て必要なのでした。
この「価値創造の知」シリーズには①~⑦を散りばめているのもそれが一因です。

是非、新事業創出・地域創生の多くの価値創造インストラクターを輩出できればと思います。
そうしたら、もっともっと日本は、会社は、地域は、人は元気になるのではないかと想っています。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
インストラクション

橋本元司の「価値創造の知・第126夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑬未来は既にここにある

2018年3月29日 将来洞察と価値創造

本夜は、「将来を洞察し、確信する価値創造の方法」を綴ります。

先ず、「二つの言葉」をあげます。

一つ目は、「未来は既にここにある。全ての人に均等に配分されていないだけだ」
“The future is here, it’s just not evenly distributed yet.”
ジャック・ドーシーやティム・オラオリーが好んで引用するウィリアム・ギブソンの言葉です。

二つ目は、『すでに起こった未来』
「政治、社会、経済、企業のいずれにせよ、およそ人間に関わることについては、未来を予想してもあまり意味がない。だが、すでに起こり、後戻りのないことであって、一〇年後、二〇年後に影響をもたらすことについて知ることには重大な意味がある。

しかもそのような『すでに起こった未来』を明らかにし備えることは可能である」
P.F.ドラッカー(経営学の巨人)の言葉です。

◆未来は既にここにあるコト
◆すでに起こり、後戻りのないことであって、一〇年後、二〇年後に影響をもたらすこと
について自分は大納得です。
ここのポイントは、本質となる「どれが」、「何が」なのかを抽出することです。その本質を取り出す感覚を多くの方達に体得していただきたいと思います。

前職(パイオニア社)の拙い自分の二つの体験をご案内します。
1.ヒット商品緊急開発プロジェクト
その構造は、第82夜(ビジネスで最も大切なコト)にあるので、それをご覧になってから下記を読み進めると理解が速くなります。
(『違い』をつくるのは、「技:イノベーティング」で、『共感』を生み出すのは、「心:マーケティング」です)

1990年代のオーディオの行き詰まりを打破することを考えていました。それは、それまでの「オーディオ世界」(縦串)に「オーディオ世間」(横串:ライフスタイル)を通すことでした。このイメージは、当時のフィギアスケートを見ていて思いついたものです。

その採点は、「テクニカルポイント(技術点)」と「アーティスティックポイント(芸術点)」の合算でした。その昔は、「テクニカルポイント」中心で、それが上手な人が「ゴールドメダル」をとれたのです。でも、上記の合算の時代に変わりました。質的転換です。

政治・経済も1940年体制から縦割りに限界を感じ、横串を模索しているところでした。今の行政がなかなかそこから脱皮できないで時代遅れになっていることは皆さんご存知のところです。

当時、周りを見渡すとそのような横串(生活発想)からの機運の高まりの兆候がありました。
現状突破のために、思い切って、新社長に直訴して緊急開発プロジェクトを承認して貰いました。

1995年、異業種コラボレーションを見かけない時代に「横串」による『新しい文化』をプロデュースしました。
・味覚:ウィスキー*オーディオ
・視覚:ファッション*オーディオ
・聴覚:インテリア*オーディオ
・触覚:お風呂ライフ*オーディオ
「異種がつなげる」「異種がつながる」ことで「新しい文化を創る」ことがキーワードです。連続のヒット商品になりました。

そのつなぎ方の秘訣については、「大三角形」第40夜、「広い知」第83~84夜に綴っています。ビジネスで最も大切な構造を当てはめることで、「質的転換」を実現しました。

2.2017年の将来パイオニア
研究所に呼ばれて、10年後(2017年)の将来パイオニアの世界と世間を研究者たちと創発してまとめました。
2006年に作成した10年後の4つの世界(ビデオ)は、ずばり2017年を言い当てていました。

それは、シナリオプランニングの第一人者のJオグルビー氏と紺野登氏からの直伝を日本流に編集した「苗代的(第119夜)シナリオプランニング」(第15夜、第86夜)を活用しました。

ポイントは、10年後の世界に影響を与える因子、軸を抽出することです。ここで出てくる「何を」「どれを」抽出するのかが成否を決めます。

ここで少し関係のある寄り道をします。これが『将来洞察、将来シナリオ』の「核心・確信」に繋がるきっかけを創ってくれました。
それは、2000年の松岡正剛師匠主宰の未詳倶楽部で音連れました。目から鱗が落ちた瞬間です。
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私は20世紀までは主題の時代だったが、21世紀は「方法の時代」であると考えてる。日本はいま、日本を語り、日本を考える方法を失っている。
日本の面影を取り出せなくなっている。面影とは、目の前のモノが去っても、なおそこに残るもののことである。

「面影」はうつろいゆくものである。「うつろい」の「うつ」とは、「移」であり「映」であり「写」でもあって、そして「空」でもある。
そのようにして変化していく面影をとらえ、うつろいを美意識にした方法が「数寄」である。「数寄」とは、「漉く」であり「透く」であり「鋤く」であり、「好き」でもある。
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「将来洞察」を確信する心得と方法が欲しかった時期でした。上記の「面影」と「数寄」のあいだに注目しました。
そこで、「将来の面影」を「数寄」で埋めていく道筋が見えました。「数寄」とは、「漉いて」「透いて」「鋤いて」「好いて」いくものです。「漉いて」「透いて」「鋤いて」「好いて」いくと観えてくるのです。
これは自分で知の大汗をかかないと分かりません。イチゴを食べたことのない人には「イチゴの美味しさ」は伝わりませんね。

そうやって、「10年後(2017年)のパイオニアの世界と世間」を2006年に作成しました。そして、「核心と確信」を持つことができました。第118夜に綴りましたが、「核心と確信」があれば、「革新」に向かえるのです。

それ以降、多様な業種・業態から依頼がくるようになりました。ご支援している数々のシナリオはお見せすることができないので、機密の問題のない、2007年に作成した「広告の将来シナリオ」をアップします。

2015年にご縁があって、丸善株式会社様からの依頼で、「harappa日本橋×丸善夜学」の講師になりました。
仕事と人生にいかす3つの力「プロのクリエイティビティー力」をみにつける、というのがメインテーマでした。
そこでは、会社も年齢も性別も全く異なる「日本橋ビジネスパーソン」が集まりました。

ここで、最初の三回で、「トリニティイノベーション」(第66夜、第21夜、第75夜)の「深い知・高い知・広い知」を習得していただいて、後半の3回で、「ワクワクする日本橋の将来シナリオ」を3チームで挑戦していただきました。

彼らは、異業種でありましたが休日も集まって熱く語り合っていました。夜学という限られた時間で仕上がるかどうか心配もありましたが、どこにでも誇れる「素晴らしいシナリオ」が出来上がりました。

そう「未来はもうここにあるのです。それは、全ての人に均等に配分されていないだけなのです」
その本質を把えて、「漉いて」「透いて」「鋤いて」「好いて」未来の面影を創るのです。
それは、「すでに起こった未来」として眼前に現れます。

もうお分かりの様に、「フィギアスケート」や「面影&数寄」がトリガーになっています。その様な「苗代的思考」(第119夜)が将来を引き寄せます。

多くの方達に、そのWillとSkillを身につけて欲しいと思います。少しでも皆様の参考になれば幸甚です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
観察洞察
広告シナリオプランニング①
広告シナリオプランニング②

橋本元司の「価値創造の知・第125夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑫「質」が変わる、「世界」が変わる

2018年3月28日 質的転換、経営革新

前夜(第124夜)では、「次元が変わると経営危機が訪れる」ことを記しました。
例えば、「オーディオ事業」もカセットテープやディスクのメカニズムの時代は成長しましたが、
それが、iPod、iPhoneの様に、通信やiTunesの「ソフトウェア・ビジネスウェア」が三位一体となる「質的転換」があると、
従来のやり方、考え方(ビジネスモデル)では太刀打ちできなくなります。(新価値創造研究所HP参照:オーディオの定義を革新する)
質的転換したその世界も、数年のうちには新しい「質的転換」が起きるでしょう。

 そのように、「質」が変わり、「世界」が変わることを『次元』が変わると表現しました。皆さんの業界、地域にとっても「質的転換」は何でしょうか?その「本質」「流れ」を察知することがとても重要です。

“ある固定した考え方を続けていくと、鬱血(うっけつ)が起こってきて、床ずれし始めます。その始まりのサインは軽い不快感です” 先人達が決めた先入観、常識を疑い、この床ずれに気づくのが「問題の発見」になります。 (第36夜)

さて、今の「質的転換」の事例をご紹介します。
「AIoT」の進展では、多くの業界が下記の前後を意識せざるを得なくなると思います。(第105夜、第112夜)

①センシング(イメージング)⇒②プロダクティング⇒③コンサルティング(インテグレーティング)

下記の違う描き方(第91夜)で「ピン!」とくる方も多いと思います。
PREPARE(用意)⇒ PERFORMANCE(料理)⇒ PROMOTION(配膳)

製造業であれば、②プロダクティングが中心でしたが、
これからは、①センシング・イメージングという五感部分が間違いなく大きく進展します。そこは、生活や現場と直結する「センサー(部品)」であったり、「ビッグデータ」であったりします。
それは、「活動量計」「ルンバ」「自動運転」「SNS」「スマホ」等を観ればすぐ分かります。

「ルンバ」「自動運転」であれば、その奥底には、「本当は、掃除や運転なんかしたくない」という「在り様・意味(Meaning)」(第85夜)があります。

そのような「在り様・意味」を片手に持ちながら、「①センシングを使った、②新しい価値のプロダクティング」を幅広く実践していると、③コンサルティング(インテグレーティング)が視界に入ってきます。

そして、この①②③を一気通貫で先行してプロデュース、実践できるところが、「質的転換」を図れる「企業革新の会社」に仲間入りします。そして、その企業はもう「製造業」ではありません。それは「新サービス産業」になります。
このような「質的転換」を果たす会社や企業群がこれから続々とメディアに登場するでしょう。

その時に重要なのは、「製造業」の視点で観ないことがヒントです。この「ズラシ」ができるかできないかがポイントです。それについては、分母の再定義(第105夜~第108夜)に綴りました。

実際に、私たちがご支援している「製造業」の半分以上は上記関連のご支援です。現在は、①②③の一気通貫の先を見据えた戦略も必要になっています。その先に向かうには、上記の前後だけでなく、「左右」「上下」を把えることです。

自分達にとっての「顧客価値」&「使命」を認識していれば見えてきます。そして、それは「深い知・高い知・広い知」をメンバーで共有していれば観えてくるものです。(第89夜:「本質的な違い」を生み出す3つの抽象化能力)
その次のステップへの将来シナリオづくりは、皆さんワクワクされながら挑戦されています。

上記を「製造業」のことと想っているとそれは大間違いです。私たちは、サービス業のベンチャー企業~老舗企業をご支援していますが、構造は同じです。全体的にサービス業の方達の意識が高く、取り込みが「急」です。

「IT」「AIoT」「Industory4.0」の世界は、様々な業種・業態に影響を及ぼします。例えば、「ビッグデータ」を活用するとビジネスが変わる業界は全て関係してきます。
その時、それまでの「市場」は、質的転換を起こします。

そのような視点・視座で把えると、私たちには、

「99.9%」

が該当するように思われます。現在の延長線上で観ない事です。その時に必要なのが、「価値創造」と「経営革新」です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
質が変わる

橋本元司の「価値創造の知・第124夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑪「次元」の変化に適応する

2018年3月26日 世の中の「次元が変わる」から経営危機が訪れる

前職(パイオニア社)の後半では、何度か『経営危機』がありました。

そのような中にあって、エンジニアだった自分が、下記の様に転身しながら、
①センター工場:設計、技術企画、組合書記長
②本社:情報企画・開発企画
③本社:ヒット商品企画、新事業創造室
④総合研究所:新価値創造センター
⑤本社:「次の柱」新事業プロジェクト、「次の人財開発」プロジェクト

その只中の当事者として、様々な職種(プランナー、マーケター、プロデューサー、R&D、HRD、コンサルタント)を体験してゆきました。
特に③④⑤では、多くの異業種の方達とお会い、お付き合いがあり、世界が拡がりました。その交流の中で、社外講師として出向いたり、社外シナリオプランナーとしても活動してきました。
それは今の自分にとってはかけがえのない貴重な体験でした。
そして現在、それらが多様な企業/地域をご支援する中で役立っています。

世の中の「次元が変わる」から、経営危機が訪れるのです。

少しおさらいしてみましょう。
1880-90年代に栄えてきた企業が21世紀に入ってのきなみ凋落している姿は枚挙にいとまがありません。地方も銀行も同様ですね。
2000年の前と後では、経営環境が大きく変わり、思いもよらぬ競合相手も出てきました。それはリーマンショックの前からです。

市場や業界の境界が消滅しました。
本質は、「第115夜:インターネット的」に綴りました。「インターネット的」という3つの軸(リンク、シェア、フラット)が「世界と世間」(第80夜)を変えてゆきました。
さらに、『脳業』(第109夜)にシフトしています。その「世界と世間」が変わっているのに、それを用意しない、適応していない企業/地域が多くあるということです。

それは、平昌オリンピックのマススタートという競技に似ているように思いました。
自分から前に出るコトがなく、後ろについていく姿です。鎖国をやっているうちに、外国競合と大きく差がついていってしまう危険があります。
そうでなくても、上記の時代の波に飲み込まれて軒並み凋落している反面教師がいっぱいです。

このような時は、その業界の盟主が変わっていく姿を期待してしまいます。
前職の時は、自社を『盟主』と想い、プランニングしました。
しかし、人と将来の価値観を共有するのは難しいものがあります。
将来世界を拡げて見せて、魅せても「人」は自分の知識、情報や体験以上の発想や判断ができません。

トップとメンバーに求められるのは、「次元の変化」を内包した第122夜「想像力⇒創造力⇒構想力」です。

第93夜では、モノづくり⇒コトづくり⇒つながりづくり
ハードウェア⇒ソフトウェア⇒ハートウェア
第109夜では、農業⇒工業⇒情業⇒脳業
AIoT、Industory4.0
を図解等でご案内してきました。

バリュー・プロジェクトでは、「深い知」「高い知」「広い知」の各ステージに挑戦、習得していただくのですが、
それぞれに、『次元』を自ら超えるステージがあります。
それを乗り超えることで、新しい「顧客価値の創造」、「自己革新」「経営革新」があります。

次元が変わらなければ、「改善」「改良」でやっていればいいのです。
次元が変わるから、「革新」「価値創造」が必要なのです。

今の皆さんは「改善」と「革新」のどちらでしょうか?
「改善」をしているということは、「現状維持」と同じで後退モードです。

前職の業界で言えば、もう従来の「製造業」のままでは隆々とした将来を描くのは難しい時代になっていました。
そしてそれは、多くの業界に及んでいます。

はっきりと『次元』が変わっていることを認識することです。

質的変化、次元変化が起きた時に、迅速にそれを察知して、それを乗り超える「WillとSkill」(第52夜、第63夜)を持って、企業革新していくことが『持続性』の条件です。
持続性には、「新顧客価値の創造」「イノベーション」「企業革新」が企業の能力として求められるのです。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
次元

丸善夜学×harappa日本橋×新価値創造研究所

2018年9月18日 仕事と人生にいかす3つの力をみにつける!!

『日本橋の丸善×新価値創造研究所』がお届けするビジネスパーソンのためのクリエイティビティ力アップ講座です。
簡単な参加型ワークショップで、ワイガヤしながらあなたも3つの力を学びませんか?

テーマ: 創発する3つの力 成功する企画には原則があった!
~『リアル価値創造法』タニタ食堂、旭山動物園、iPhoneから学ぶ“自律成長の方法”~

◆お薦めのビジネスパーソンとは?
・自分を成長させたい
・多くの人と交流したい
・社会にお役立ちしたい

◆講座のねらい?
現在、ビジネスパーソンに求められている資質とは、新しい時 代に適応した発想・構想を生み出すクリエイテビティ力です。 その力を向上させる『3つの力』(イノベーティブスキル)を学ぶ ダイジェスト版講座になります。

◆3つの力(イノベーティブスキル)とは?
①深く(人を読む):Insight
②高く(先を読む):Foresight
③広く(全体を読む):Gestalt

◆全6回+ダイジェスト版
①第1回: 深い知(禅的思考)
②第2回: 高い知(守破離・弁証法)
③第3回: 広い知(間・新結合)
④第4回: 新価値創造ダイアグラム
⑤第5回: シナリオプランニング
⑥第6回: 発表

 

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橋本元司の「価値創造の知・第123夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』➉「アブダクション」が不可欠!

2018年3月24日 「アブダクション」で飛躍する!

将来イノベーションを洞察する際に、是非身につけておきたい「推論法」をお伝えします。
これまでに、将来を洞察する別格の方法(守破離:第5夜、弁証法:第10夜、シナリオプランニング:第15夜)を綴ってきましたが、そこで使われる方法の中心は、①帰納法、②演繹法ではなく、③アブダクションです。

「本来と将来」を洞察することを生業としている人には「アブダクション」はあたり前ワードなのですが、一般に「アブダクション」という言葉を聴いたことがある人は少ないと想います。それは普段は、無意識で使っている方法なのですが、意識して活用することで人生に役だちます。

いったい「アブダクション」とは何でしょうか?
松岡正剛師匠の千夜千冊1556夜に記されているので加筆引用します。
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今夜は、どうもアブダクションという推論の方法が掴みにくいなと感じている諸君に向けます。正確には論理学についての知識も必要ですが、そこは軽く扱うので、心配無用。
でも、アブダクションを使えるかどうかは、諸君の仮説にかけるセンスと仕事を仕上げる腕っぷしにかかっています。
・・・
チャールズ・パース(1182夜)は
①帰納はひとつの値を決めるにすぎず、
②演繹はまったくの仮説の当然の帰結を生むだけ
③「アブダクション(仮説的推論)」は説明的な仮説を形成する過程である。それは新しいアイディア(観念)を導く唯一の論理的操作であるであるからだ。
・・・
②「演繹法」は与えられた観察データを“説明する”ための論理を形成するもので、わかりやすくいえば、「◇◇◇だから、☆☆☆である」という論理を数珠つなぎにしていって結論を引き出すという、そういう推論です。
すなわち、一般的な大前提をルールの措定された根幹にして(→人は死ぬ)、そこに中間段階の展開を加え(→ソクラテスは人である)、最終の言明(→ソクラテスは死ぬ)を確立するという方法です。
三段論法が最もよく知られているように、仮定をひとつずつ検証可能な真実かどうかを確認しながら進むため、導き出された結論は強い説得力をもっています。
ただし、最初の大前提(→人は死ぬ)は、仮説のようでいて仮説ではないのです。一般的な常識のように設定できるか、あるいは数学的な公理のように前提になっているような、そういう大前提を下敷きにしておく必要がある。
ということは演繹法ははなはだ自己決定的で、問題解決的だという性質をもっているということになります。だから技術や科学にはふさわしい。いったん前提から発進しはじめると、その次からはどんどん前に進みたくなる推論なんです。けれどもそのぶん、最初の一般的な大前提に偏見や誤りがあると(たとえば「民主主義は正しい」等々)、結論もおかしなものになりかねない。

①一方、帰納法は観察データに“もとづいて”一般化をするためのものです。
たとえば「人は死ぬ」という仮説を言明するために、「ソクラテスは死んだ、真田幸村は死んだ、リンカーンは死んだ、おじいさんも死んだ、隣りの姉さんも死んだ」というような事例をどんどんあげて、そうした個々の事例の集合にもとづいて「人はみんな死ぬ」という結論を導く。
そういうふうに、いろいろなものに“もとづく”という方法です。アリストテレスやキケロは「枚挙法」という言い方をしていました。似ているものを探しながら推理するといってもいいでしょう。
したがって帰納法は「量から質を導くとき」に有効で、そのぶんきわめて自己規制的(self-regulative)になります。これは、いいかえれば量的な現象に対して強いロジックで、それゆえすこぶる自己修正的(self-corrective)な性質をもっているんですね。
けれどもどこまで事例を集めればすむかというと、そこは案外はっきりしない。一定の範囲で共通項が見えたら、このくらいでいいだろうという質的な判断がまじります。
ただし、今日のようなビッグデータ時代では、似たような事例はそうとう集まってくるので、こういう場合の帰納法はそれなりに強力です。とはいえ、そればかりしていてはデータが厖大に重くなる。
ビッグデータはこの悩みをかかえているわけですね。

③ もともとアブダクションは帰納法の途中から発展していったものです。事例をどこまでも集めるだけではキリがないとき、いったん仮説を設定して、その仮説の地平からあたかも戻ってくるように推論を仕上げる、束ねるという方法ですからね。
この、「あたかも戻ってくるように推論を仕上げる」「いうところが、たいへん大事なミソです。ツボです。途中で先に進んで、そこから戻ってくるんです。
そのため、アブダクションはまたの名を「レトロダクション」(retroduction)ともいいます。いったん仮想した概念や事例のほうに推論の道を行って、そこからまた戻りながら推論の内実を仕上げていくからです。
パースはアブダクションを拡張的推論(amplative reasoning)だとも言っていました。拡張的機能あるいは発見的機能をもつ推論だからです。ぼくはそういうアブダクションこそ編集的機能をもっていると思っています。

★ それでは、どこが帰納法とアブダクションが大きく違うのかといえば、次の点にあります。
アブダクションという方法には、大きく傑出した二つの特徴があると思うといいでしょう。
ひとつには「われわれが直接に観察したこととは違う種類の何ものか」を推論できるということです。帰納法には「違う種類のもの」は入りません。似たものばかりが集まってくる。けれどもアブダクションは「違うもの」を引き込むことができるのです。ここがとても重要なところです。
またもうひとつには、「われわれにとってしばしば直接には観察不可能な何ものか」を仮説できるということです。いまだに例示されたことのない仮説的な命題や事例を想定することができるのです。これは哲学や社会学がこれまで前提にしてきた概念で言うと、いわば「ないもの」さえ推論のプロセスにもちこむことができるということで、きわめて大胆な特色になります。ぼくが気にいっているのは、ここなんですね。
このような驚くべき特徴は、アブダクションには「飛躍」(leap)があるということを示していると言えます。・・・
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皆さんにご理解いただくために、多くを引用させていただきました。上記で、もうお分かりかと思いますが、

『アブダクションには「飛躍」(leap)があるという驚くべき特徴がある』

ということが「価値創造とイノベーションのあいだ」のポイントです。
従来のやり方、考え方は、先細り・行き詰まりを感じておられる会社・地域が多くあります。『その行き詰まりの枠・制限を超える適切・的確な「飛躍」(leap)』が次の一手、次の柱、革新・イノベーションには求められます。

3つの『トリニティイノベーション』の「深い知・高い知・広い知」は全てそれまでの常識を打破る飛躍の方法です。
それは、「新奇」なものではなく、「目から鱗が落ちる」世界の発見・発現です。
それ故に、価値創造・イノベーションには、「アブダクション的思考」が不可欠なことを身をもって体験してきました。

ここで問題となるのは、飛躍することは「ファーストペンギン」になる可能性が高いということです。
(「ファーストペンギン」とは、集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛びこむ1羽のペンギンのこと。
転じて、その“勇敢なペンギン”のように、リスクを恐れず初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主を、米国では敬意を込めて「ファーストペンギン」と呼びます。
日本でも、NHKの朝の連続ドラマでそのエピソードが紹介され、広く一般に知られるようになりました)

そこで重要となるのが「核心⇒確信⇒革新」(第118夜)です。特に、『確信』がポイントですね。「確信」がなければ、「革新(イノベーション)」には向かいません。
そして、「確信⇒革新」に向かう時に、従来のやり方・考え方と違う世界を取り扱う、踏み出すという「覚悟」が必要になります。
そのためにも、私たちは従来事業を含み込む「適切・適確な飛躍(次の一手、次の本流)」には細心の注意を配ります。

「人(メンバー)」は自分の知識、情報や体験以上の発想ができません。そのために、私たちは異業種の事例やシナリオ、ビデオ等を多くご用意します。

一緒に、「適切・適確な将来(次の本流)」に向けて『飛躍』しましょう。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
アブダクション

橋本元司の「価値創造の知・第122夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑨想像力・創造力・構想力

2018年3月23日 想像力⇒創造力⇒構想力

多様な会社・地域のご支援で伺ってお聴きすることは、
「構想力のある人材がいない」ということです。
本当でしょうか?そんなことはありません。

本夜お伝えしたいことは、『確信のある構想のために』です。

・想像力⇒創造力⇒構想力

①想像力:夢・想いの世界を描く本気の力(気立て)
②創造力:独自の夢・想いを実現する本質の力(見立て)
③構想力:独自の夢・想いを組み立てて、次の本流にする力(仕立て)

上記の流れは、第117夜から続けてご覧になられている方にはすぐに納得いただけるかと思います。
それを図に表してました。

「構想力」は、「想像力」⇒「創造力」と共にあるのです。こことっても重要です。
「良い構想力」には、「想像力」「創造力」の『熱』が失われずに伝わってきます。
ただ、前夜(第121夜)にも綴りましたが、気をつけないといけないことがあります。
それは、「人(メンバー)」は自分の知識、情報や体験以上の発想ができないことです。
それを補完し、『熱』が伝わるようなプロセス・方法が外部人材に求められます。

いかがでしょうか。 貴社・貴地域では、そのように『構想』がつくられていますか?

いきなりコンサルティングの言われるままに、
SWOT分析や、3C分析をやって、
・誰に:WHO
・何を:WHAT
・どのように:HOW
という流れで検討されていませんか?

それは、「最初・先」にやるものではありません。
首記、「想像力⇒創造力⇒構想力」を進めてから、『後』に行うものです。
そうすると、迅速に全くレベルの違うものが出来上がります。

なぜならば、『深い知・高い知・広い知』が盛り込まれているからです。
そこには、『熱意』があるからです。
そして、メンバーの『確信』ができるからです。

 

図解をご覧ください。

左側の、「夢・想い・情熱」世界を常識の枠を外して拡げます。
そうして拡げたものから、そのなかにある「本質」(色即是空)を取り出します。
そこには、「ミッション・ビジョン・イノベーション」の大元があります。
それを将来(次の本流・新しい価値観)の実現の為に「想いを組み立てます」。
そこには、「物語的な感情(エモーション)」が必要です。
そして、将来の現実世界に反映(空即是色)するのですね。

上記の「色即是空⇒空即是色」については、第6夜、第85夜に綴っていますので是非ご覧ください。
このイメージと方法を手にすることで世界が変わります。

同様に貴方の『世界・世間』を変えるためにお伝えすることがあります。
それを次夜(第123夜)で、「想像力⇒創造力⇒構想力」の中で活用する「アブダクション(仮説形成や仮説的推論)」について綴ります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
想像創造構想

橋本元司の「価値創造の知・第121夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑧想像力と創造力をつなげる

2018年3月21日 「想像力」⇒「創造力」⇒「構想力」

本夜お伝えしたいことは、『創造力/イノベーションには、想像力が不可欠である』ということです。
「創造性」と「想像性」のあいだには、とても密接な関係があります。
「想像力」とは、夢・想いの世界を描く力であり、「創造力」とは、独自の夢・想いを実現する力です。「創造力」を生み出す触媒が、「想像力」といってもいいと思います。

それでは、「想像力」を違う角度から見てみましょう。
先日TV放送「SWITCHインタビュー達人達」で、声優の緒方恵美さんが出演されました。
アニメの声を2役3役と別格で演じられるアニメ界のプロフェッショナルですね。

その中(声優)で、
「想像力で自分が変わる」
「自分の想像力で自分の中の体の中を変えちゃう」
「中身がともなった人としての声で出していないと説得力がない」

上記が、価値創造/イノベーションと何の関係あるの?
と思われる方もいると想いますが、

将来に対する熱い夢・想いが脈々とあり、その光景、イメージが目の前にありありと、まざまざと浮かんでいるとその人の中身は『将来』になってしまうのではないでしょうか。
自分も全く同じ体験を何度かしています。

それを、声優の緒方恵美さんは、「自分の想像力で自分の中の体の中が変わる、変えちゃう」と表現されました。

「想像力」(イマジネーション)が明確にあれば、それをどう実現するか、という「創造力」(イノベーション)に移ります。

さて、私たちが企業/地域のご支援でうかがった時に、トップの方が選出されたメンバーに求める『創造性』について二つのパターンがあります。
①やたらにメンバーの「創造性」に期待する
②あまりメンバーの「創造性」に期待していない

会社の大小にかかわらず、仕事の分業化、効率化で、「全体を見る力」「先を見る力」が弱っています。
情業/脳業時代(第109夜)に綴った「不確実性」「不確かさ」がそれに拍車をかけています。

いきなり、将来を切り拓く「創造性」を期待されても困りますよね。
なので、いきなり「創造力を発揮しなさい」と社員や関係者にいっても彼らは困ってしまうのが現実です。

だいたい「ビジョン」が時代にあっていない、ズレていたり、何を目指しているのかが統一されていないことが多いのです。
指し示す「ビジョン・志」が明確であれば、イノベーションは発揮しやすいのです。

なので、「想像性」から入ることをお薦めします。
しかし、ここで気をつけないといけないことがあります。
それは、「人」は自分の知識、情報や体験以上の発想ができないことです。
ここで必要なことは、
①一人ではなく、異能の人財を集めて『衆知を結集』することです
②そして、全体を読んだり、先を読んだり、本質を読むのが得意な『外部人材』を投入することです。

そして、『想像力』『創造力』『構想力』を自由自在に働かせるのです。

『想像力』のステージでは、、
先ず、そこでは従来のやり方、考え方から意識的に離れることが必要です。離れることができなければ、意味がありません。
ただ、「離れる」ということは、必ず「新しいアプローチ」をすることが必要になります。その『覚悟』はトップに必要です。

次に、個性や独自性という「偏在」を良しとすることです。そうでなければ、「顧客から選ばれる理由」(第37夜)を創れません。
そこに、その会社/地域に看過できない現在情報、将来情報のボールをこちらから適宜、提供します。
そうすると、複数のイメージが出来上がってきます。

そのステージの最中に、『新価値創造研究所』が同時並行で巡らせているのは、
①顧客にとっての効能
②従来の価値観に代わる新しい価値観の可能性(=新しい目的)
③バリュープロポジションの候補
④成長のシナリオ(従来⇒開発⇒開拓⇒開際:第66、67夜)
⑤異業種連携等による実現性
・・・

等々です。

さてさて、上記を全員で汗をかき、描き、整理することで、

「想像力で自分が変わる」

ことを全員が体験できます。これがとっても重要です。
「想像力」と「創造力」を繋げるには、「3つの抽象化能力」(第89夜)と「物語り的な感情(エモーション)」が必要です。
それが、「価値創造の知」連載で多くを綴ってきた『深い知・高い知・広い知』(第66夜、第89夜)です。これで全員の自信がつきます。
更に、「学ぶ⇒真似ぶ⇒翔ぶ」(第114夜)ための、異業種や先行事例の情報・図解・ビデオを多数用意して『創造力』『構想力』の橋渡しを行います。

・多くの事例を知る、体感する(集合の「知」となり、自分たちの考えの自信につながる)
・「3つの抽象化能力」で、本質的・本格的な違いを生み出す(=意識的に余白をつくる)
・新しい価値観を創る、これまでの価値観を変える、(これまでの殻、常識を破る)
・顧客に選ばれる理由を明確にする(=ゆるぎないコンセプト)

「想像力」の共感で、気持ちが合わさり、「やる気・本気」のモードになっていきます。
つまり、「想像力」が「創造力」の触媒となり、その二つが、「構想力」の触媒になります。
そして、次のステージの「構想力」に向かうのですが、「創造力」には「想像力」が必要なことがおわかりいただけましたか。

隆々とした将来を望まれるのであれば、「想像力」⇒「創造力」⇒「構想力」です。
是非、メンバー全員に習得させてください。人生と会社/地域が変わります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
想像力と創造力

橋本元司の「価値創造の知・第120夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑦突破口は「幸せづくり」

2018年3月19日 企業(事業)の目的

従来のやり方、考え方では「事業の先細り」や「衰退の危機」を感じている会社や地域が多くあります。
その「世界」におけるルール、常識に縛られて身動きがとれないのが勿体無いですね。

本夜お伝えしたいことは、
・「次の柱」、新規事業を生み出したい
・「将来」を切り拓きたい
・「社会」に役立ちたい、「幸せづくり」したい

という会社/地域に向けた「突破口の『3段階』」(基礎)について綴ります。

1.先ずは、売上(利益)からではなく、「人・社会・地球の幸せ(3つのエコロジー:第9夜)」から考える
2.そこから生じる「夢・想い」から、自社・自地域の前向きの「存在意義」「使命」を考える
3.実現したい将来と従来の価値観、ルールとの違い、「新しい価値観の本質」を考える

「新しい切り口」から見え隠れするものが必ずありますから、情熱と当事者意識を持って『洞察・行動』することが肝要です。
ほら、心身にムズムズと暖かい電流が流れ始めたことでしょう。社員や関係者の方達の生きがい、やりがいにもつながってきます。

モノ不足の20世紀後半は、『技術ファースト(=性能・機能)が軸足』の時代でした。
モノ余りの21世紀前半は、コモディティー化(一般化したため差別化が困難となった製品やサービス)が進み、
『人・社会・地球の幸せファースト(=効能)が軸足』の時代です。(第111夜)
・性能⇒機能⇒効能(第77夜)
・モノ⇒心の豊かさ(第85夜)
・技術のイノベーシ⇒価値のイノベーション(第111夜)

現在、そして、未来に向けた3C、3I時代(第109夜、第112夜)には、それが顕著になります。
私たちは従来の価値観の古いメガネを新しい価値観のメガネに掛け変えねばなりません。(第20夜)
新しいメガネ、新しいものさしが必要不可欠ですね。

もう一度、原点を確認しましょう。
いったい、「企業(事業)の目的」は何でしょうか?(第75夜)
ピーター・ドラッカー(経営の巨人)は応えます。

「事業体とは何かと問われると、たいていの企業人は 利益を得るための組織と答える。
たいていの経済学者も同じように答える。この答えは間違いではない。
⇒「的外れ」である。
事業の目的として有効な定義はただひとつである。

それは『顧客を創造』することである」と。(現代の経営より)
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・「売上(利益)を上げるにはどうすればいいのか?」という問いでは、
⇒「従来のサービス・商品・ルール」が前提となり、視点・思考が内向きになってしまいます。
そうすると、従来のやり方・考え方となり、革新(イノベーション)に向かいません。

・「顧客にとっての価値あるものを提供できているのか?」 という上記の『顧客を創造』の問いでは、
⇒「従来のサービス・商品」の改善や前提ではない、「顧客創造や社会貢献」に視点・思考が変わり、
『顧客を創造』を革新(イノベーション)しなければならなくなる。(利益は活動の結果です)

上記の様に、「設問」の違いで結果が大きく変わってきますね。
「売上(利益)」は自分中心であり、「顧客創造」は顧客中心です。どちらに対価は巡るか明らかですね。

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従来の狭い世界・ルールから、「人・社会・地球」の視点・視座・視界に移すと、必ず今までと違った世界が見えてきます。その事例はこれまで「価値創造の知」連載でご紹介してきました。
是非、トライしてみてください。上記の「洞察し、考える」ことをしなければ、留まるだけです。足を踏み出してみないと何も始まりません。

それは、幸せづくりからの「新しい価値観」を意味します。

それは、従来の「価値観を変えるコト、価値観が変わるコト」です。

それは、自動的に「違いと共感を創るコト」(第82夜)に直結します。

今まで気づいていない世界・世間(第80夜)を見つけ、磨き上げることにより、新しい価値として社会的に受け入れられて、経済が発展した状態のコト。
つまり「価値のイノベーション」の時代です。
そういう時代を私たちは生きています。

皆様の「気付き(自分革新)」「次の一手」「経営革新」にお役に立てれば幸甚です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
突破口は幸せづくり

橋本元司の「価値創造の知・第119夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑥日本に足りぬものは、「苗代(なわしろ)的思考」

2018年3月16日 「コードとモード」

本夜お伝えしたいキーワードは、「苗代(なわしろ)的思考」と「コードとモード」です。

1998年に松岡正剛主宰の「未詳倶楽部」に入門しました。もう20年になるのですね。そのご縁で、「連塾」「時塾」「椿座」にも連続参加して、「日本という方法」を自分の心と体と脳に刻み込みました。
その倶楽部の中で話された関連するキーワードの二つ①「苗代(なわしろ)的思考」と②「コードとモード」を本夜のテーマにします。

 最初に、「苗代(なわしろ)的思考」を紹介しますが、今の日本、これからの日本、そして、あらゆる会社や地域に有効です。

『いま日本に足りぬものは苗代(なわしろ)。グローバリズムの直植えではありません』

もう10年以上前の未詳倶楽部で松岡正剛師匠が話されていました。 日本は、世界は、「グローバリズムの直植え」で傷みましたね。
今は、「グローバリズム」の反動よる、英国のブレグジット(Brexit)という「EU離脱問題」が発生したり、米国トランプ大統領による「保護主義」の問題等がクローズアップされています。

さて、苗代(なわしろ、なえしろ)とは何でしょうか?
苗代とは灌漑によって育成するイネの苗床である。 もともとは種籾(イネの種子、籾殻つきの米粒)を密に播いて発芽させ、田植えができる大きさまで育てるのに用いる狭い田を指した。
「苗代」は日本特有の文化で、苗を直植えしないで仮の場所で育ててから植え換えをする方法です。

「外来のコード」をつかって、これを日本文化にふさわしい「内生のモード」に編集しなおす、植え換えをするという方法が脈々と受け継がれています。
古代から、 日本は外国から「コード」、いわゆる文化や技術の基本要素を取り入れて、それを日本なりの「モード」にしていく、様式にしていくということが、たいへん得意な国だったのです。

そのような、もともと日本が持っていた「仮置きの文化」や、「苗代」のような小さいエージェントを作る能力が、日本から失われてしまったということ、どうしたら復活できるかということを話されていました。

重要なことは、『外からのコード(基本要素)をそのまま受け取らずに、自分の中で編集してモード(様式)化』していくことが肝要である。

ということを叩き込まれました。

さてさて、自分が経験した実例(第15夜)を記します。

総合研究所のトップから、研究所の二つの顕在的な課題・不足を解決するために異動しました。
①顧客と接触が不足しているコト(=顧客価値の視点)
②将来の構想力が不足しているコト(=将来ビジョンの視点)

ご縁があって、その双方を解決するかもしれないということで、「シナリオプランニング」という方法の第一人者(J・オグリビー氏)を米国から招き、私達のチームに直伝して貰いました。
ところが、そのコード(基本要素)をそのまま使っても、ぜんぜん思うような結果が出ませんでした。それは、自分たちが「モノ発想」から抜け出られていないことにありました。

そこでは、「顧客価値発想」(深い知)、「弁証法」(高い知)、「新結合」(広い知)の各スキルが求められていました。その失敗から、「欧米のその方法(コード)に、『日本流のモード(禅的思考、守破離、間)と『異業種とのヒット商品体験』を組込んだ方法」をまとめあげました。

そう、「苗代(なわしろ)的思考」です。

日本流の方法は、松岡正剛師匠からの直伝です。「編集メソッド」を「ビジネスモード」に変換しました。
「本気」のグループが、課題の「本質」を確信して、次の「本流」を構想・行動・更新していく。続々といい結果を出せました。

そんな「事業創生・地域創生・人財創生」の成長・成功のご支援をしています。

第117夜、第118夜に綴った、巷の「コンサルティング」の失敗は、「直植えのテンプレート」を使うことにあったのです。

是非、皆様も「直植え」せずに、「苗代(なわしろ)的思考」へ。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
「苗代(なわしろ)的思考」