『SDGs CEOセッション』

日頃仕事でお世話になっているサーキュレーション様から「SDGsCEOセッション」のお便りがあり駆け付けました。
そこには、SDGパートナーズの田瀬CEOの名があったからです。

先週金曜(11/8)の夜のセッションでしたが熱気がありました。
そこでは、
1.SDGsとは?
2.何故、SDGsに注目が?
3.SDGsのメリットって?
4.経営者としてどうとらえる?
5.具体的に何から取り組めばいい?

という順番で、サーキュレーションCEOとSDGパートナーズCEOのセッションが続きました。

今までビッグなフォーラムやセミナーの多くに参加してきましたが、これまでの中で一番中身のある本質的な内容でした。

Q.何故、SDGsに注目が集まっているのでしょうか?
A.「お金の匂い」がし始めているからですよ。GAFA、金融等々が大きく動いています。

Q.どう取り組めばいい?
A.今までできていたことをSDGs17ゴールとマッピングしているのでは負けてしまいます。
「他社にできないことをやる、そのためにパーパスとコアコンピタンスを突き詰めること」
SDGを「スゴイゾ、ドンドン、ガンバレ」で。

Q.経営者としてどうとらえる?
A.、経営者が「社会価値」と「経済価値」の両輪で、自社を『持続可能な会社』にするにはどうしたらいいのかということを本気で検討することで、『経営者の視座(目線)』が一段上のレベルに上がることです。(ここが社員、関係者にとって大きな救いになります)
つまり、皆さんの会社の経営者が「社会課題と会社利益」を統合して、「自社の未来(10年後)ビジョン」を語れるようになることにあります。

等々、全体のほんの一部なのですが具体的で切実的な内容を散りばめながらの2時間でした。
そこでは表面的ではなく、「殻を破るにはどうしたらよいのか?」の実例が多くありました。

さて、ここのセッションでも、「CSR」「CSV」「ESG」というキーワードが多く飛び交いました。
自分が講演やプロジェクト支援している際に、お伝えしているものを説明します。

・「CSR」は、守りの戦略、土台です。
・「CSV」は、攻めの戦略、社会価値と経済価値の統合です。

「CSR(守りの戦略:土台)」と「CSV(攻めの戦略:社会価値と経済価値の統合)」の双方を新結合して、「SDGs(ゴール」/「ESG(プロセス)」に向かう図式になります。CSR・CSV・ESG全てがSDGsには必要です。
(SDGsとESGはコインの裏表です)
殻を破れない会社や地域は、「本業とSDGs」を合体しないで、CSRで表面的に取り繕うレベルにあるのが多いパターンです。

・CSR(守りの戦略)→CSV(攻めの戦略)→SDGs/ESG(中期経営戦略)

やはり、ポイントは、2030年の経済・社会・環境の変化を俯瞰して、「社会価値(=社会に役立つ)」と「経済価値」(=利益を創出する)の両輪(=SDGs新機軸)」を描く力(自力・インナフォース×外力・アウターフォース)にあります。
そこに、本質的な日本流(トリニティイノベーション、おもてなし、「匠」)の心得と方法を組み込むことで、アドバンテージのある大きな「違い」と「共感」が生まれます。
(新価値創造研究所HP「コラム」:「価値創造の知」第246~269夜に、『SDGs』について綴っています:https://shinkachi.biz/

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SDGsシフト:橋本元司の「価値創造の知・第270夜」㉕『CEOセッション』

2019年11月11日 SDGを「スゴイゾ、ドンドン、ガンバレ」で

日頃仕事でお世話になっているサーキュレーション様から「SDGsCEOセッション」のお便りがあり駆け付けました。
そこには、SDGパートナーズの田瀬CEOの名があったからです。

先週金曜(11/8)の夜のセッションでしたが熱気がありました。
そこでは、
1.SDGsとは?
2.何故、SDGsに注目が?
3.SDGsのメリットって?
4.経営者としてどうとらえる?
5.具体的に何から取り組めばいい?

という順番で、サーキュレーションCEOとSDGパートナーズCEOのセッションが続きました。

今までビッグフォーラムやセミナーの多くに参加してきましたが、これまでの中で一番中身のある本質的な内容でした。

Q.何故、SDGsに注目が集まっているのでしょうか?
A.「お金の匂い」がし始めているからですよ。GAFA、金融等々が大きく動いています。

Q.どう取り組めばいい?
A.今までできていたことをSDGs17ゴールとマッピングしているのでは負けてしまいます。
「他社にできないことをやる、そのためにパーパスとコアコンピタンスを突き詰めること」
SDGを「スゴイゾ、ドンドン、ガンバレ」で。

Q.経営者としてどうとらえる?
A.、経営者が「社会価値」と「経済価値」の両輪で、自社を『持続可能な会社』にするにはどうしたらいいのかということを本気で検討することで、『経営者の視座(目線)』が一段上のレベルに上がることです。(ここが社員、関係者にとって大きな救いになります)
つまり、皆さんの会社の経営者が「社会課題と会社利益」を統合して、「自社の未来(10年後)ビジョン」を語れるようになることにあります。

等々、全体のほんの一部なのですが具体的で切実的な内容を散りばめながらの2時間でした。
そこでは表面的ではなく、「殻を破るにはどうしたらよいのか?」の実例が多くありました。

さて、ここのセッションでも、「CSR」「CSV」「ESG」というキーワードが多く飛び交いました。
自分が講演やプロジェクト支援している際に、お伝えしているものを説明します。

・「CSR」は、守りの戦略、土台です。
・「CSV」は、攻めの戦略、社会価値と経済価値の統合です。

「CSR(守りの戦略:土台)」と「CSV(攻めの戦略:社会価値と経済価値の統合)」の双方を新結合して、「SDGs(ゴール」/「ESG(プロセス)」に向かう図式になります。CSR・CSV・ETG全てがSDGsには必要です。
(SDGsとESGはコインの裏表です)
殻を破れない会社や地域は、「本業とSDGs」を合体しないで、CSRで表面的に取り繕うレベルにあるのが多いパターンです。

・CSR(守りの戦略)→CSV(攻めの戦略)→SDGs/ESG(中期経営戦略)

やはり、ポイントは、2030年の経済・社会・環境の変化を俯瞰して、「社会価値(=社会に役立つ)」と「経済価値」(=利益を創出する)の両輪(=SDGs新機軸)」を描く力(自力・インナフォース×外力・アウターフォース)にあります。
そこに、本質的な日本流(トリニティイノベーション、おもてなし、「匠」)の心得と方法を組み込むことで、アドバンテージのある大きな「違い」と「共感」が生まれます。
(新価値創造研究所HP「コラム」:「価値創造の知」第246~269夜に、『SDGs』について綴っています:https://shinkachi.biz/)

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
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SDGsシフト:橋本元司の「価値創造の知・第269夜」㉔『巻き込む力・巻き込まれる力』

2019年11月6日 攻めのツール

本夜は、「巻き込む力・巻き込まれる力」と「SDGsシフト」の関係について綴ろうと思います。

みなさん、「RE100」という国際イニシアチブをご存知でしょうか?
それを「サスティナブルジャパン」から引用します。
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RE100とは、事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟するイニシアチブで、「Renewable Energy 100%」の頭文字をとって「RE100」と命名されています。2014年に発足したRE100には、2019年2月16日時点で、世界全体で164社が加盟。この164社には、食品世界大手スイスのネスレ、家具世界大手スウェーデンのイケア、アパレル世界大手米NIKEなど、日本でもよく知られれている企業が数多く含まれています。

事業運営を100%再生可能エネルギーで行うなんて話は、日本では一笑に付されてしまうかもしれません。日本では、東京電力や関西電力など、電力事業者によって差はあるものの、大半の電力は天然ガスや石炭などの化石燃料を電源としています。化石燃料の削減のための方策として日本の産業界から話題に上がるのも、再生可能エネルギーより原子力。再生可能エネルギーを推進しようという勢いは、まだ経済界で強くはありません。

この夢物語に聞こえそうな「100%再生可能エネルギーでの事業運営」を、実現に移そうとしているのがRE100です。電力を再生可能エネルギーに切り替えることで、二酸化炭素の排出量を削減し、低炭素社会への移行を実現することを目指しています。RE100の加盟企業には、「事業電力を100%再生可能エネルギーにする」というコミットメントが求められます。それでも、RE100に加盟する企業は増加し続けており、今日では欧米にとどまらず、中国やインドの企業にも広がりを見せています。その上、多くの加盟企業は、達成目標年も宣言しています。

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「Apple、Google、Amazonなどの企業はいち早く、自社で使う電力を100%再生エネルギーでまかなう『RE100』を宣言。日本企業にも追随する動きが出ています。Appleではさらに、自社のサプライヤーに対しても、このRE100をはじめとするサステナブルな対応を求めている。対応が遅れた企業とは、取り引きしなくなる可能性もあるということです」

第260夜(SDGsシフト:『How SDGs?』)で「ESG投資」を取り上げた内容を引用します。

「世界各国で広がる環境破壊や、労働者を酷使する人権問題。これらを防ごうと急拡大しているのが“ESG投資: 環境(Environment)、社会(Social)、 ガバナンス(Governance)”です。
“環境・社会・ガバナンス”に力を入れる企業への投資が急増する一方で、“十分に配慮していない”と見なされた企業からは資金が引き揚げられ、厳しい対応を迫られるという」

このような動きが加速していることを認識して、次のアクションに迅速に移行することが経営者には求められます。

さて、『SDGs』の使い方には二つあります。、
①従来の「CSR」に様に社会的責任を果たすという“守りのツール”
②将来に向けて、新しい事業成長への機会を創造する“攻めのツール”

もともと、「SDGs」17ゴールは、人類社会の課題(=ニーズ)であり、それは「実現されるのを待っている未来」(第252夜)ですから、そこには多くのビジネスチャンスが眠っています。
まだ、「SDGs」にトライしていない会社は、①の“守りのツール”から入門されるのがいいと思いますが、そこでとどまっている多くの会社・地域が多いのが日本の社会課題と思っています。

例えば、「RE100」の様に果敢に挑戦している会社は、

「この指とまれ」

でプロデュースする「巻き込む力」を発揮します。
そこに素早く対応している会社には、当然お声がかかる確率が高くなります。
それは、「巻き込まれる力」です。

第71夜・第72夜に、「巻き込む力・巻き込まれる力」について綴っています。
少し長くなりますが、実際の現場を知っていただくと理解が進むと思いますのでそこから引用します。
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—「巻き込む力」には、「巻き込まれる力」が必要で、同様に、「巻き込まれる力」には、「巻き込む力」が必要です。
この二つの力が相乗して、成長・成功に向かいます。

それでは、実例として「社長直訴そしてヒット商品緊急開発プロジェクトへ」というコラム(第14夜)を取り上げます。
それは、39歳の時に社長直轄「ヒット商品緊急開発プロジェクト」のプロジェクトリーダーとしてご指名いただいたコトから始まります。

早速、全社経営会議でプロジェクトの「①ポリシー、②スタイル、③プラニング」をプレゼンテーションすることになります。 その経営会議の前に、新社長に「自分はこのプロジェクトが失敗したら会社を辞めます」と本気の覚悟を伝えました。
経営会議後に新社長から呼ばれ「辞めなくていい。その代わり、入口(プラン)から出口(販売)まで責任を持て。そして思い切ってやれ」と言われました。
プロジェクトの立ち上げ時は、自分含めて3名(総務・企画)だけでした。新社長に「責任をとるために、社内から選りすぐりメンバーを一本釣りしたい」とお願いに行き了承いただきました。それから人買いを始めるのですがこれはこれで大変でした。その凄まじい話はさておいて、「マーケ・販売」の逸材を説得に、とある営業所に行きました。
彼は自分と同期なのですが、「提案内容は了解した。ただし、今まで筋のいい提案が経営に上がるときに、そこで口出しされて、捻じ曲げられたことで何度も失敗している。
一気通貫で自分たちの想いが入口から出口までできるのなら引き受ける」と。
この一気通貫が、私達の重要な「スタイル」の一つになりました。

社内で、選りすぐりのメンバーを探す時に、あなたならどうしますか?
それが「巻き込まれる力」に関係してきます。
「じんざい」は下記の4つに分類できます。
①人財: 動きを起こす人(仕掛け型)
②人材: 動きに巻き込まれた人(こなし型)
③人在: 動きを見守る人
④人罪: 動きが起こったことすら知らない人

さて、あなたはどこに所属していますか?

「動きを起こす人」には「巻き込む力」が必要です。人は一人では何もできません。
リーダーに必要なのは、上記事例の自分の同期の様に、キラリと輝くポリシーと経験を持ち、提案力・行動力をも併せ持つ「巻き込まれる力=選ばれる力」を持つ人材です。そのような人材と『共創・創発』することで大きな力が発生します。
そのようなメンバーを集めました。このパートナーたちがいなければ、連続のヒット商品は生まれませんでした。
ポイントは、パートナーたちが活躍できる『舞台をつくる』ことです。
リーダーがすることは、志・覚悟・ミッションを持って、変わるべき方向・ビジョンを示し、それを実現する「舞台」をつくり、そこで沢山の人たちに喜んで演じてもらい、「囲い込むことではなく、囲まれるプラットフォーム」をどう創るかです。

さてさて、「巻き込まれる力」に戻りますと、用意・準備ができている人に「白羽の矢」が立ちます。この「巻き込まれる力」を持っている人が育っていなくて、少なくなってきているように思います。—

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上記は、「人」について記していますが、それは、「会社・地域」でも同様です。

「巻き込む力・巻き込まれる力」は表裏一体です。その両方が必要なのです。
新価値創造研究所では、「価値創造の7つの秘訣」を第76夜に綴っています。
その6番目が、『信頼をつくる:巻き込む力・巻き込まれる力』です。

1.自分を変える:危機意識・情熱力
2.他者を愛する:幸せ想像力
3.余白をつくる:本質創造力
4.舞台をつくる:仕組構想力
5.関係をつくる:伝える力・伝わる力
6.信頼をつくる:巻き込む力・巻き込まれる力
7.成功をつかむ:すぐやる力・やり抜く力

是非、「SDGsシフト」に向かって、「②将来に向けて、新しい事業成長への機会を創造する“攻めのツール”」のモードに入られることを切望します。
その方法について、次夜に綴ろうと思います。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs巻き込まれる力

SDGsシフト:橋本元司の「価値創造の知・第268夜」㉓『緒方貞子さん&人間力』

2019年11月4日 『人間の安全保障』

先週の10月29日、僕が尊敬する「世界で最も尊敬された日本人」緒方貞子さんがご逝去されました。
「SDGs(持続可能な開発目標)」と緒方貞子さんの生き様は深い関係にあります。本夜は、是非それを皆さまにお伝えしたいと思いました。

先ず、2000年に国連欧州本部の会議場でスピーチされた言葉(https://bunshun.jp/articles/-/15058?page=2)を引用します。
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難民問題で必要なのは、3つの『リスペクト(尊厳)』です。
①まず、家を追われて最も貧しい境遇にある人々を守らんとする国々の献身に、尊厳を。
②次に、各国の協力体制の下で難民に寄り添い、第一線で人道支援に従事する者たちに尊厳を。
③そして一番大事なのは、難民に対する尊厳です。

会場の人たちは総立ちになって、拍手を送ったそうです。日本では難民を「助けてあげる」という発想ですが、それは違う。
自分の手に負えない原因で不幸な境遇に置かれているのだから、難民の人権は絶対に尊重しなければならない。「それは近代国家の義務ではないですか」と緒方さんは言います。

国際協力では、その活動のトップの人生観が大切です。
10年にわたって務めた国連難民高等弁務官時代には、予算や職員の数を2倍にしました。歴代の国連事務総長はみな緒方さんの人柄に魅せられ、全面的にバックアップしたのです。
何せ緒方さんは防弾チョッキを着込み、イラクやサラエボ、ルワンダなどの紛争地帯へ率先して出かけて行くのですから。—

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生前緒方さんは、「自分達の正当性ばかりを掲げ、弱い人々を排斥する世界の現状」に警鐘をならされていました。

「正義だけ追求すれば、全部そこで相争った民族の間で共存ができるかと言ったらそうはいかなくて、やはり何らかの形での「許し・和解・理解」こういうものが必要で、そういうものと「正義」のバランスがやっぱり「平和」ということを考える時に必要じゃないですか。

従来の「国家主体の軍事力による安全保障」ではなく、紛争や貧困等、「あらゆる脅威から人びとの安全や尊厳を守る人間の安全保障」という理念を掲げ世界に訴えられました。
その結果、2012年の国連総会では、「人間の安全保障」を重視する決議が全会一致で採択されました。

「軍事力による安全保障」ではなく、『人間の安全保障』へ

「大事なのは、“人びと”です。“人間”です。
“人びと”というものを中心に据えて、安全においても、繁栄についても考えていかなきゃならない。
“人びと”というものを頭に置かないで、威張って国を運営できる時代ではないのです」

そう、「人びと」「人間」を中心に置いているのです。
さて上記の内容は、SDGsの下記ゴールズに深い関係があることがお分かりいただけるとわかります。
①貧困をなくそう
②飢餓をゼロに
③すべての人に健康と福祉を
④質の高い教育をみんなに
⑩人や国の不平等をなくそう
⑫つくる責任、つかう責任
⑯平和と公正をすべての人に
⑰パートナーシップで目標を達成しよう

「SDGs17ゴール」の半分近くがターゲット(開発目標)です。そう、「SDGs」は「環境領域」だけではないことがわかりますね。
そのために、本連載の「価値創造の知」第252夜に「三つのエコロジー」(第9夜:フェリックス・ガタリ)をアップしました。

“従来のエコロジー運動がいわゆる「環境問題」(自然環境を中心とした)に限定されてきたことに疑問や不満を感じ、それだけでは現代世界の全面的危機に対処しえないとして、「環境のエコロジー」に加うるに、「社会のエコロジー」と「精神(心)のエコロジー」の三位一体理論を提唱する”
図の様に、「心」「人間が中心にいるのですね。そして、「心(人)×社会×地球環境」を三位一体で把えることが肝要です。

さらに、緒方貞子さんにとっての重要は、
「抽象的な議論では意味がない。できない、やらない理由をあげるのではなく、『let’s do it(やりましょう」)』

そうなのです。
私たちに求められているのは、「人間×SDGsシフト」を通して、緒方貞子さんの素晴らしい活動と遺志をも継ぐことにあると思っています。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs緒方貞子

橋本元司の「価値創造の知・第267夜」:SDGsシフト ㉒『船場商法』

2019年11月2日 「商道ビジネス」の時代へ

みなさん、「船場商法」という言葉を聴かれたことはありますか?

関東出身の自分にはあまり馴染みがなかったのですが、今年の春(3/17~3/19)、「チーム創発」の仲間と共に、関西方面(神戸・大阪・京都)に知の出遊の時に出会いました。
それは、大阪パナソニックミュージアム「松下幸之助歴史館」、京都の「PHP研究所」を訪問して、松下幸之助氏を体感した後に、パナソニック出身のチームの彼から熱い言葉で聴きました。

それは、「松下幸之助氏」の原点だそうです。
経営の神様にして、松下電器産業はじめ松下グループの創業者。和歌山県和佐村の生まれであるが、大阪・船場で丁稚奉公、大阪市内で独立開業されました。

船場商人の原形をつくったのは太閤秀吉で、大坂を商都とすべく、京都より伏見商人、堺より堺商人、河内より平野商人を集めてきたのが起こりで、この3者を総称して船場商人という。
この時代から昭和のはじめに至るまで商人街を支えていたのが、丁稚奉公制度で、厳しい修業と独立・暖簾分けという仕組みが活力の源であったそうです。

松下幸之助も自らの船場での奉公時代をこう表現されています。
上方商人の3要素は、始末・才覚・算用。いまの言葉でいえば、「始末」はムダを省いて節約する一方で必要な投資は惜しまないこと、「才覚」はアイディアと戦略、「算用」はコスト計算にあたる。また船場の気風としての開拓・挑戦の精神と独立自営の精神、そして商人の基本としての挨拶・立ち居振る舞い。高等小学校や中学をでたばかりの丁稚は、毎日、一日中みっちりとこれらを叩き込まれた。もちろん住み込みで、もちろんすべてが(現在の言葉で言うところの)OJTである。
経営の神様とよばれるほどの創業社長は、こういう“学校”で学んできている。

そこには近代ビジネスの前の「商い」「商道」の理念と実践がありました。参考に「船場商法の構成図」をアップします。

そのエッセンスを「語り継ぐ船場商法」(和田哲株式会社・和田亮介会長)から加筆引用します。
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—「天道」と一番上に書いておりますが、いま殆ど口にすることはありませんが、船場商人は「お天道さん」という事を言っておりました。祖父も「お天道さんが見てはるで」は口ぐせでした。お天道さまとは、神、仏、先祖で、そのお天道様のお蔭で商いができる。
ですから、天道の下に天職とあります。いまは天職という言葉は死語になりましたが、昔はどんな商人や職人でも皆誇りを持っていました。それは、こういう仕事ができるのは、神仏の加護、祖先のお蔭だと、手の届かない上の方から見られているという。
—船場商法の構成図をご覧いただくと、私は40年間船場で生活しまして、船場の祖父や古老、特に私は創業者が好きだったものですから、私よりもはるかに年配の方々の話を聞いて、船場商法と何だろうと、私なりに作ったのが、この構成図です。
一番下の始末・才覚・算用は、皆様がいつもお聞きになっている大阪商法の三つのキーワードであります。日本永代蔵という小説を書き元禄時代に活躍した井原西鶴が大阪商法とは一番下の始末・才覚・算用であると言っております。

・「始末」とは、本来の言葉の意味は始めと終わりをきちんとするという計画性で、計画性を持ってやれば、思いつきでやるよりもはるかに無駄が少なく倹約になります。
・「才覚」とは、人の真似をしないで、どうして成功するか。自分で編み出す。それが、戦前の才覚でした。何とかして永続させようと才覚をはたらかせ、のれんを降ろさないように努力します。
・「算用」とは、算盤に合うということですから、せっかくいい計画を立てても、黒字に繋がらなければ何の意味もない。だから、商法として算盤に合う、採算が見込まれるというものでなければなりません。

この三つを先ず組み合わせることによって、時間の経過によって、信用というものが生まれるわけです。銀行の応接室などにはこの三つの横に、信用という言葉が額に入れてありますが、この三つと信用とは本質的には違う。三つの結果が、信用になっていくわけです。—

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いかがでしょうか。
自分も小さいころに、母から「お天道さんが見てはる」と何回も云われたことを覚えています。

「近代ビジネス」というのは、そこからずいぶんと離れてしまいましたね。

「船場商法」とは、古き良き「商い」「商道」でした。
松下幸之助から一番学んだことは、「商い」と「道」の心得と方法でした。

構成図の「奉公・体面・分限」は理念であり、「始末・才覚・算用」は実践で、それを併せて、「商道」に昇華しています。

温故知新で将来のビジネスを観ると、
①商い・商道 → ②近代ビジネス →③商道ビジネス

に進化するのではないでしょうか。

第246~266夜に綴ってきた、「SDGs」(2030年の国際目標)は、

→「お天道さんが見てはる、③商道ビジネス」にピッタリはまるように思います。

「船場商法」の『始末・才覚・算用』は、まさにSDGsが求めているそのものです。

そのような意味で、関西方面は、関東方面よりも「SDGsシフト」する地盤・基盤ができているように思います。
先日、播磨・姫路に伺いましたが、上記が無縁でないように感じました。

関西方面の方達の出番です。
顔晴って頑張っていきましょう。全力で応援します。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs船場商法