橋本元司の「価値創造の知・第253夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑧『SDGs取組みの5ステップ(基本編)』

2019年8月29日 「3R」と「CE(サーキュラーエコノミー)」

→「SDGsに取り組みたいと思っているが、どのような切り口でどのようなステップで進めたらよいかわからない」
という声が多く聴かれます。

ここでSDGs取り組みの理解を深めるために、A.「3R」とB.「CE(サーキュラーエコノミー:循環経済)」を引用します。
従来、日本の環境取り組みでは、下記の「3R」が根付いていました。いまは、それを超えて「CE(サーキュラーエコノミー)」を基礎知識として押さえておく必要があります。

A.3Rは、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つの英語の頭文字を表しています。
・Reduce(リデュース):減らす
・Reuse(リユース):繰り返し使う
・Recycle(リサイクル):再資源化する
B.CE(サーキュラーエコノミー:循環経済)
資源や製品を経済活動の様々な段階(生産・消費・廃棄など)で循環させることで、資源やエネルギーの消費や廃棄物発生を無くしながら、かつその循環の中で付加価値を生み出すことによって、経済成長と環境負荷低減の産業システム。

さて、首記の経営課題(アジェンダ)に短時間でお伝えする際の「SDGs取組みの5ステップ(基本編)」をご紹介します。
→「SDGsに取り組みたいと思っているが、どのような切り口でどのようなステップで進めたらよいかわからない」

1.「新しい常識」を深堀する
2.「新しい感動」を想像する
3.「新しい結合」を着想する
4.「新しい舞台」を構築する
5.「新しい価値」を創造する

上記は、会社/地域の大きさや業種業態に関係なく、これからの時代に共通する成長経営へのステップです。
他社や他地域と同じことをやっていても成長には届きませんね。上記には、第82夜「違いと共感(ビジネスで最も大切なコト)」と第247夜「継続と生き残り」の双方が包摂されています。
それを土台にして、、
・「ベンチャー企業」
・「老舗企業」
・「サービス業」
・「製造業」
という各現場で実践実証してきました。

次夜から、上記ステップについてそれぞれ綴っていきます。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs⑧

橋本元司の「価値創造の知・第252夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑦『実現されることを待っている未来』

2019年8月28日 この時代に生きる私たちの矛盾

前夜(第251夜)の『核心・確信・革新』は、成長経営/革新経営へのゴールデンステップです。
SDGs(持続可能な開発目標)の「17のゴール」は、世界の多くの人たちの「切実な望み(=ニーズ)」です。
「私たちの未来がえぐられてしまわないように、17のゴールが実現されることを待っている未来」という視点が重要と思いませんか。

例えば、下記の項目を含め、すべての項目が改善や従来のやり方、考え方の延長上では達成することができません。
それは、「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成」されているからです。
No.3:すべての人に健康と福祉を
No.7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
No.12:つくる責任 つかう責任

ここで、第167夜に綴った『ジョージ・カーリン:この時代に生きる私たちの矛盾)』を引用します。
------
ビルは空高くなったが人の気は短くなり
高速道路は広くなったが視野は狭くなり
お金を使ってはいるが得る物は少なく
たくさん物を買っているが楽しみは少なくなっている
家は大きくなったが家庭は小さくなり
より便利になったが時間は前よりもない
・・・
------

それらの矛盾の前に、私たちは疑問を感じています。そのような「疑問」がとっても重要です。

今まさに求められているのは、「三つのエコロジー」(フェリックス・ガタリ著)です。特に「心のエコロジー(ココロジー)」(第9夜)の共有です。
“従来のエコロジー運動がいわゆる「環境問題」(自然環境を中心とした)に限定されてきたことに疑問や不満を感じ、それだけでは現代世界の全面的危機に対処しえないとして、「環境のエコロジー」に加うるに、「社会のエコロジー」と「精神(心)のエコロジー」の三位一体理論を提唱する”

さて、多くの経営者の方たちから、
「SDGsに取り組みたいと思っているが、どのような切り口でどのようなステップで進めたらよいかわからない」
という声が聴かれます。

さて次夜からは、これまでの7夜(第246~252夜)を土台にして、SDGsに向かう具体的な方法をお伝えしようと思います。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs⑦

橋本元司の「価値創造の知・第251夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑥『核心・確信・革新』

2019年8月21日 「Reborn」「Reorientation」

前夜(第250夜)に、「①De(破)と②Re(離)」まで検討して「③Co(合)」を実行しない、あきらめる事案について綴りました。
「①De(破)と②Re(離)」を頭では理解するけれど、次の一歩、次の一手という将来現実に後ずさりしてしまうのです。

それは、頭ではわかっていても「心」の後押しがないことが主な原因です。
自分(橋本)の前職・パイオニア社での実例を紹介します。

1.「①De(破)」のステージ
36~37歳の時に、このままの延長線上の経営の方針・やり方に危機感を抱き、その理由と変化点を経営会議で発表しました。
それは、「De(破)」のステージでした。それまでの常識・モノサシを疑い、行き詰まりの本質と将来の新しい可能性を検討した内容でした。
それまで有効だった「性能、機能という手段」から、離れる、あるいは否定するステージです。
「それらが有効でなくなったときに、いったいどうしたらいいのだろう」と。
そうなると、一生懸命/一所賢明(第38夜)に考えますよね。
有効だった「性能、機能という手段」に執着しなくなると、観える風景が変わってきます。この執着しないことによる切り替えができることが重要です。
これが「深い知」(第85夜)のプロセスです。

2.「②Re(離)」のステージ
やはりパイオニア社の経営の悪化が顕在化してきました。39歳の時に、「次のパイオニア構想(=NECTAR)」をまとめました。
「NECTAR」とは、New Century Target(21世紀に向けた目標)の頭文字を編集した本気の企画です。
それは、これまでの事業と全く違うものではなくて、手段には執着しないで、新しい文化/目的/スタイルに「Reborn」「Reorientation」した内容です。
「Re(離)」のステージです。再び復活するという意味です。それは、従来の良きところを今の時代に合わせてRebornすること。

「性能、機能という手段」を金科玉条(=人が絶対的なよりどころとして守るべき規則や法律のこと)にしていた役員、関係者から反発を受けることはわかっていました。
一介の課長だったのですが、上司を通さず、秘書室にアポイントを入れて、会長、社長のそれぞれにプレゼンテーションをしたのですが撃沈しました。会社人としては、危うい立場ですね。
最後に、新社長になると噂されていた専務に、その構想をお伝えしたときに、Goサインが出ました。

3.「③Co(合)」のステージ
その将来構想を経営会議で発表して、社長直轄の「ヒット商品緊急開発プロジェクト」のリーダーになりました。
一人だけで検討していたものが、コアの3人となり、上記プロジェクト発足により、社内横断で異能な人材を集めて9人となりました。
そして、連続的にヒット商品を生み出し、3年で100万人のユーザーに商品が届きました。
「Co(合)」のステージです。力を共に合わせて協力する、強くなること。
社内的には、共感する異能な人材を巻き込むこと。社外的には、サントリーさんはじめ、次々に異業種コラボレーションを行いました。
当時、本格的な異業種コラボレーションはなかったのです。新しい文化、新しいスタイルが次々に生まれました。
勿論、反対・反発・邪魔する役員も多くいましたが、たくさんの社員の方たちが応援してくれました。

さて、自分(橋本)が体験した『De(破)・Re(離)・Co(合)』のステップをみていただきました。
自分が「③Co(合)」に踏み出すためには、「①De(破)と②Re(離)」が必要でした。「心の在り方・覚悟」が重要なのです。

ここからが本題です。
---------
・「①De(破)」(深い知): 自分で対象の問題の「核心」を把える
・「②Re(離)」(高い知): 高いゴールを構想して「確信」する
・「③Co(合)」(広い知): 一歩を踏み出し、社内外を「革新」する
---------

そう、「核心」→「確信」→「革新」の順なのです。
必要なのは、
A.「心からやりたい」という本気の自分を信じる力
B.「隆々とした会社/地域」を構想する力
C.実現に向けて、巻き込む力、伝える力、やり抜く力
の3本柱です。
詳細は、『第76夜 価値創造の秘訣』に7つの力をまとめていますので関心のある方はご覧ください。

「革新(イノベーション)」の必要性が叫ばれていますが、その前に、
A.「心からやりたい」という本気の自分を信じる力
B.「隆々とした会社/地域」を構想する力
という「核心・確信」を持つ土台をしっかりとつくることがポイントです。
それは、「革新」のステージでぶれないためです。

「SDGs」に取り組み、しっかり仕上げるには、「核心」→「確信」→「革新」が必要です。
是非、多くの会社と地域がインパクトのある「サスティナビリティ&サバイバビリティ」を実現されることを楽しみにしています。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs⑥

橋本元司の「価値創造の知・第250夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑤『De(破)・Re(離)・Co(合)』

2019年8月20日 「守破離」と「DeReCo(デレコ)」

前夜(第249夜)では、SDGsの「心からやりたいこと」から『価値創造につなげる二つの秘訣』を綴りましたが、本夜は、重要な視点・視座である「DeReCo(デレコ)」についてご案内します。
これは、第5夜に綴った『守破離』の応用形です。

『守破離の思想』は、仏道の根本にも、それをとりこんで日本的な様式行為をつくった禅にも茶にも、また武芸にも、開花結実していきました。
創造的な過程のベースとなっている思想で、そのプロセスを「守」「破」「離」の3段階で表しています。その応用形である「DeReCo(デレコ)」は、SDGsの価値創造のプロセスに大変役に立ちます。

松岡正剛師匠の言葉を引用します。
------
守破離とは、守って破って離れる、のではない。

守破離は、
守って型に着き、
破って型へ出て、
離れて型を生む。
------

「DeReCo(デレコ)」の①Deと②Reは、守破離の「De(破)とRe(離)」のことです。

「De(破)」とは、破ってこれまでの型(頭の金型:やり方、考え方)を出遊することです。それまで持っていたモノサシを新しいモノサシに変えることです。
それは、従来の価値観を超えて、新しい目的を持つことです。第247~248夜にそれを綴りました。その本質について関心のある方は、第28夜(新しい目的を持つ)をご覧ください。

「Re(離)」とは、離れて新しい型(やり方、考え方)を生むことです。新しいモノサシを持つことです。
前夜(第249夜)に、Re(離)について記しましたが、Reと離が同じ「り」という発音であることが何かのご縁を感じます。

②Re: Reborn、Reuse、Recycle等、再び復活するという意味です。従来の良きところを今の時代に合わせて生み出すこと

SDGs(持続可能な開発目標)の根本は、持続・継続(サスティナビリティ)にあります。このRe(離)が中心です。
ポイントは、「①De(破)」を土台(目的・志」をもって、「②Re(離)」の第45夜(Reorientation:リオリエンテーション)の新しいゴール/方向性に向かうことです。

「①De(破)と②Re(離)」の関係は、航海で例えると、錨と北極星(第147夜:真の企業再生)という新機軸になります。
第147夜にも綴りましたが、真の企業再生/創生には、“ミッション・ビジョン・イノベーション”の明確化が絶対必要です。
そう、SDGsの取り組みも全く同じ型なのです。

“ミッション・ビジョン”という軸(ホップ・ステップ)できて、周りを巻き込んで実行・実践モード(ジャンプ)に入ります。
一人では何もできませんね。そこには、つなげる力(第32夜)、伝える力・伝わる力(第69夜)、巻き込む力・巻き込まれる力(第71夜)が必要になります。

ポイントは、合わせる力、結ぶ力という新結合の力を発現/発揮することです。
③Co: Cooperation、Collaboration等、力を共に合わせて協力する、強くなること。
ですね。
それが「③Co(合)」のジャンプのプロセスです。このことについては、「価値創造の知」連載で多くを綴ってきました。

「①De(破)と②Re(離)」まで検討されて、「③Co(合)」に挑戦をしない、あきらめる事案を幾つかみてきました。
SDGsへの挑戦でも同じことが起きる可能性は大です。いったい、どうしたらいいのでしょうか?

次夜は、そのことについて綴ります。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs⑤

橋本元司の「価値創造の知・第249夜」:SDGs(持続可能な開発目標)④『価値創造につなげる秘訣』

2019年8月19日 「真善美」と「DeReCo(デレコ)」の視点

前夜(第248夜)に「心からやりたいこと」を中心に綴りましたが、そのやりたいことから『価値創造につなげる秘訣』をお伝えします。
それは、
A.「真善美」
B.「①De、②Re、③Co」の視点
です。
早速、上記について綴っていきます。

A.「真善美」
SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)の「17のゴール」のそれぞれに、そこから「WHY(どうして?、何のために?)」を繰り返していくと、そこには迅速に「真善美」が見えてきます。
勿論それは「世のため、人のため、地球のために尽くす」に直結しているからなのですが、私たちがご支援している、様々な会社や地域の使命、ビジョンも同様に「真善美」が土台となることを共通認識して、事業を磨き上げることが殆どです。
そのことがあるため、ご支援のときには、この会社/地域の課題(本来と将来)の奥にある「真善美は何かな?」と、つい先回りしてしまう習性がついてしまっていることがあります。

そのため初期のの段階で、会社/地域の問題・課題をお聴きしたときに、やはり様々な業種業態を経験してきたこともあるのですが、ヒアリングの早いタイミングで、「課題の本質と将来方向を迅速にイメージ」することができます。

さて、①「会社/地域の課題(本来と将来)」と②「真善美」(=深い知)がつながると、それが「使命(ミッション)」になります。そこを関係者全員で深く強く共通認識できると、その後の「共創と展開」はスムーズになります。
それは、その土台(=下半身)がしっかりすることで途中でぶれないからです。前職では、これをしないまま検討を進めて、ダッチロール(=迷走/不安定:飛行機が横揺れと横すべりを繰り返しながら左右に蛇行すること)する現場を何回かみてきました。
多くの会社/地域で、方向性を決める重要な上流で、同様の多くの時間の無駄・損失があり、それは「働き方改革の重要項目」となっています。

お伝えしたいことは、対象の問題・課題を是非「真善美」でとらえてみてください。それは経営理念に直結します。
上辺だけの、形式だけの「経営理念」が多すぎます。日本の再考・再興(第210~211夜)にも大きく関係してきます。

B.「①De、②Re、③Co」
SDGsに向き合うには、「①De、②Re、③Co」の視点が重要です。

①De: Delete、Depature、Decide等、離れる、否定するという意味です。今までの常識(考え方、やり方)から離れて自由になること
②Re: Reborn、Reuse、Recycle等、再び復活するという意味です。従来の良きところを今の時代に合わせて生み出すこと
③Co: Cooperation、Collaboretion等、力を共に合わせて協力する、強くなること。Companyは事業を共にする仲間が集まることですね。

この3つを、私たちは10年前から「DeReCo(デレコ)」と呼んでいます。自分(橋本)の造語です。
「DeReCo(デレコ)」の視点は、SDGsの「気立て・見立て・仕立て」(第21夜、第67夜)にたいへん役立ちます。

次夜は、「SDGs & DeReCo(デレコ)」の関係を具体的に綴ります。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs④

橋本元司の「価値創造の知・第248夜」:SDGs(持続可能な開発目標)③心からやりたいこと

2019年8月16日 何をゴールに見据えるのか

SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)の「17のゴール」は、世界の多くの人たちの「切実な望み(=ニーズ)」です。
人々の望みはそれこそ無尽蔵にありますが、「世のため、人のため、地球のために尽くす」に直結・連結している項目を絞りに絞って、セレクトしたのが「17のゴール」なのだと推察します。

なので、通常の経営会議や企画会議の中でよく議論される「いったい、その様なニーズはあるのだろうか?」
というステージはしっかりと抑えています。そこを恐れる必要はありません。

さて、前夜(第247夜)に綴りましたが、同じ目的・目標でも、結果や見え方が変わってきます。
それに向かう会社の『想い・生い立ち、生き様』が違うからです。個性があるからです。

一番大切なことは、「それが、心からやりたいことなのか?」ということです。
①その取り組みを会社の新しい儲けにつなげたい
②そのやりたいことを先導して、世界環境(地球・社会・人)をよくすることを成し遂げたい
①②のどちらに軸足があるのかによって結果が違ってきます。

つまり、「何をゴールに見据えるのか」によって見える風景が変わり、取り組むレベルと結果が変わってきます。
「ゴール」がやりたいことであれば、あらゆる行動・思考がそこにむかい、疲れを感じないで熱中します。好きなことをしているときに疲れを感じませんよね。

是非、「心からやりたいことなのかどうか?」という視点・視座で、SDGsの「17のゴール」をご覧ください。
それがSDGsに向かう私たちからの「最初のアドバイス」です。
(「不易流行」(第34夜、第245夜)でいう、「不易」でとらえるか、「流行」でとらえるかということも参考になります)

このようにアドバイスをすると不安な方たちから質問がきます。
「やりたいことに突き進むと、上手くいかない可能性のほうが高いのでは?」

その気持ちはよくわかりますが、
「心からやりたいこと」をやると、自分の思考・行動が変わり、自分の周りの世界が変わって見えてきます。
皆さんも経験があるでしょう。

自分(意識)が変わり、継続・努力すると、周りの世界が変わってきます。

これまで様々な業種業態の経営者をご支援してきましたが、一番成果が出やすいのが、

「心からやりたいことに突き進んでいる社長」です。

それは、周りからいろいろと言われても、「自分の想いが将来社会につながる、切り開く」という確信・自信があるからです。
そんなに自信があるのに、何故ご支援に呼ばれたかというと、やりたいことを実現するには、いくつかの壁があり、それを乗り越えたり、迂回する方法、そして羅針盤づくり等で水先案内する役目を期待されているからです。
呼ばれたことさえも、「社長の心からやりたいことの実現」が新しい出会いやご縁を導いたのだと思います。
①心からやりたいこと、②自分自身への確信・自信、③外部の水先案内 により、遠くにあると思っていたゴールが近くまで引き寄せるのです。

それとは反対に、新規取り組みが「心からやりたいこと」でない場合は、②自分自身への確信・自信、が不足しているので、いくつかの可能性の高い選択肢を共に検討しても、躊躇されることが多いですね。
そのような意味でも、社内の横断プロジェクトで「心からやりたいこと(WILL)・ミッション・ビジョン」を検討することで、メンバーが燃える集団となり、実行部隊である彼らの熱意・本気に背中を押されるという光景を何回も見てきました。
それが、「価値のイノベーション」につながります。その様な場合は、メンバーと経営陣が一体となるので、組織・風土もグッとよくなり、成長経営に進みます。

さてさて、本夜に、SDGsへのアプローチでお伝えしたいことは、二つです。
1.本当に「心からやりたいことなのかどうか?」という視点・視座でご覧いただくこと
2.それがあれば、自分が変わり、経営風景が変わり、個性(他との違い)の発現・発揮につながること

さて、前夜(第247夜)に綴った『1.自分事力』『笑顔想像力』の双方は、目に見えない『心・魂』を扱う領域です。
星の王子さま サン・テグジュペリの言葉に、
「いちばんたいせつなことは、心で見なくてはよく見えない」
とあります。
そう、SDGsには、心で観る力を身につける必要があるのです。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs③

橋本元司の「価値創造の知・第247夜」:SDGs(持続可能な開発目標)②目的

2019年8月14日 「世のため、人のため、地球のために尽くす」

本夜は、SDGs((エスディージーズ:持続可能な開発目標)に向き合うために、とっても重要な『目的・志・大義』について綴ります。

前夜(第246夜)では、「SDGsの17のゴール」を記載しました。その目的とは、いったい何でしょうか?

「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって持続可能な世界を創る」でしたね。

つまり、「世のため、人のため、地球のために尽くす」ということです。この大目的に寄り添えるか、熱意を持ち続けられるかどうかがとっても肝要です。

ここで、稲盛和夫さんの人生哲学、京セラフィロソフィである「世のため人のために尽くす」を引用します。
---------
人生の目的とは、「心を高める」ことです。「心を純化する」「心を浄化する」「人間性を高める」「人格を高める」。すべて同義語ですが、これらが人生の目的です。波瀾万丈の人生で、さまざまな現象に遭遇し対処しながら、人間性を高め、自分自身の魂を磨いていく。これこそが人生の目的なのです。

これをもっと具体的に言い換えると、世のため人のために尽くすということになります。人間ができていなければ、心が高まっていなければ、世のため人のために尽くすことなどできるものではありません。私は、世のため人のために尽くすのが人生の目的だと考えていますが、それは心を高めるということだったのです。

出典:『成功の要諦』
---------

この「価値創造の知」連載でも、『目的』の重要性を何回もお伝えしてきました。
「革新の7つの力」を第59夜~第74夜に亘って綴りましたが、それをまとめた価値創造イニシアティブ「価値創造・7つの秘訣」(第76夜)を紹介します。
1.自分を変える:危機意識・情熱力
2.他者を愛する:幸せ想像力
3.・・・
の「革新の7つの力」の最初の1.2.は、この『目的』が中心にあります。

イノベーションを起こすには、「新目的・志・大義」が重要な役割を示します。それは、必ず様々な障害が現れるので、それらを乗り越えるには、「新目的・志・大義」なくして進めないからです。

コーヒーショップの様に、同じような事業を運営しているようでも伝わってくるものに違いがありますね。それは、コンビニでもアパレルでも商店街でも、そして同業種の会社でも同様です。

それは、それぞれが大事にする『目的』への「想い」が違っているからです。個性(=想いの違い)があるからです。
当たり前のことなのですが、『価値(=人に役立つ)』は人が創ります。それぞれをよく観察すればわかるのですが、『会社の価値』は、そこの関わる人たちの「生い立ち、想い、生きざま」が息づいています。
『人』が変われば、内容も変化します。それが、商品やサービスを通して伝わってきます。

「目的・志・大義」の反対は、頭からソロバンばかりはじいている人です。
中途半端で熱意がないので、ここぞという一歩が踏み出せずに、「継続(サスティナビリティ)と「生き残る(サバイバリティ)」につながりません。
それは、熱量・覚悟が足りないので、「深く・高く・広くのイノベーション」(第21夜、第131夜)ができないからです。

さて、次夜は上記の「目的」から、どうやって「価値」に近づいていくのかを綴ろうと思います。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs②

橋本元司の「価値創造の知・第246夜」:SDGs(持続可能な開発目標)①

2019年8月2日 価値創造とSDGsの深い関係

SDGs((エスディージーズ:持続可能な開発目標)という言葉がメディアでもよく取り上げられるようになりましたね。
SDGsとは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。

この「SDGs(持続可能な開発目標)の『本質』」をしっかり把えることにより、ご支援してした多くの企業や地域が、これまでの閉塞を打破する構想を持って隆々と実践されています。

そこでよく言われるのが、このコラムの「価値創造の知」連載と「SDGs(持続可能な開発目標)」が鍵と鍵穴の関係(第78夜)にあるということです。
本夜から、「SDGsの歴史」と「価値創造のつながり」の必定について綴っていこうと思います。

それでは、少しSDGsの歴史をひも解きます。
2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)は、先進国による途上国の支援を中心とする内容でしたが、そうではなくて、2015年に新たに策定されたSDGsは、

→「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成」されているのが特徴
になっています。

その持続可能な世界をつくる17のゴール(目標)を記します。
1.貧困をなくそう: あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
2.飢餓をゼロ: 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
3.すべての人に健康と福祉を: あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
4.質の高い教育をみんなに: すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5.ジェンダー平等を実現しよう: ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
6.安全な水とトイレを世界中に: すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに: すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する
8.働きがいも経済成長も: すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
9.産業と技術革新の基盤をつくろう: 強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
10.人や国の不平等をなくそう: 国内および国家間の格差を是正する
11.住み続けられるまちづくりを: 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
12.つくる責任 つかう責任: 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
13.気候変動に具体的な対策を: 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
14.海の豊かさを守ろう: 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
15.陸の豊かさも守ろう: 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
16.平和と公正をすべての人に: 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
17.パートナーシップで目標を達成しよう: 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

上記の様な夢や理想を、目標に掲げて2030年をゴールにするという取組みには拍手を送りたいと想います。
個人や一国だけが頑張っても実現することは困難です。そして、何か一つ項目を実現しようとすると、他の項目も有機的につながっていることに気づきます。
このことについては、「3つのエコロジー」(第9夜)に綴りました。

さて、新価値創造研究所は、ここで重要な求心軸を2軸で把えてみました。
一つ目の軸は、「自己中心意識」ではなく、「公(おおやけ)」の認識と行動
二つ目の軸は、「改善」ではなく、「改革」の認識と行動。

「公(おおやけ)」と「改革(イノベーション)」の認識と行動です。これを前進させるための「意欲*当事者意識」が肝要ですね。

20世紀後半の日本は、「大量生産・大量消費」の時代でした。
人間の身体で云えば、「動脈産業」中心でしたが、今は善循環させるために、「静脈産業」をしっかりと構築するすることが求められるようになりました。
その最もわかりやすい例が、地球の気候変動です。大量生産・大量消費のやりっぱなしが氷河がとけたり、海面上昇等につながっているのでしょう。
海のプラスティックゴミによる生態系への影響も問題になっています。
クライアント先では、いいことばかりと思われていた「プラス」ティック事業が「マイナス」ティック事業に陥っているのです。把えかたの大転換が必要になってきています。
つまり、2030年に向けて「価値観の転換」が求められているのです。それを消極的に把えるのか、積極的に行動するのかで結果が大きく変わります。

→「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成されているのが特徴」

上記は、従来の延長線上では達成できません。熱量をもった本気の「構想」「改革」「イノベーション」が必要なのです。

さて、上記の17のゴールをみてください。
すべての「項目が、従来の延長線上のやり方では失敗してきていますね。

「2030年をイメージして、そのギャップをどのようにして詰めていくのか?」

それが問われます。大チャンスの到来ですね。

大企業には大企業なりの、中小企業には中小企業なりのやり方・構想があります。

ポイントは、「構想の立て方」です。「目標達成のイメージ」がつかめれば、日本企業は強いのです。
SDGsへのアプローチは、「中小企業のほうが向いている」のではないかとこの頃感じています。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs①