橋本元司の「価値創造の知・第248夜」:SDGs(持続可能な開発目標)③心からやりたいこと

2019年8月16日 何をゴールに見据えるのか

SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)の「17のゴール」は、世界の多くの人たちの「切実な望み(=ニーズ)」です。
人々の望みはそれこそ無尽蔵にありますが、「世のため、人のため、地球のために尽くす」に直結・連結している項目を絞りに絞って、セレクトしたのが「17のゴール」なのだと推察します。

なので、通常の経営会議や企画会議の中でよく議論される「いったい、その様なニーズはあるのだろうか?」
というステージはしっかりと抑えています。そこを恐れる必要はありません。

さて、前夜(第247夜)に綴りましたが、同じ目的・目標でも、結果や見え方が変わってきます。
それに向かう会社の『想い・生い立ち、生き様』が違うからです。個性があるからです。

一番大切なことは、「それが、心からやりたいことなのか?」ということです。
①その取り組みを会社の新しい儲けにつなげたい
②そのやりたいことを先導して、世界環境(地球・社会・人)をよくすることを成し遂げたい
①②のどちらに軸足があるのかによって結果が違ってきます。

つまり、「何をゴールに見据えるのか」によって見える風景が変わり、取り組むレベルと結果が変わってきます。
「ゴール」がやりたいことであれば、あらゆる行動・思考がそこにむかい、疲れを感じないで熱中します。好きなことをしているときに疲れを感じませんよね。

是非、「心からやりたいことなのかどうか?」という視点・視座で、SDGsの「17のゴール」をご覧ください。
それがSDGsに向かう私たちからの「最初のアドバイス」です。
(「不易流行」(第34夜、第245夜)でいう、「不易」でとらえるか、「流行」でとらえるかということも参考になります)

このようにアドバイスをすると不安な方たちから質問がきます。
「やりたいことに突き進むと、上手くいかない可能性のほうが高いのでは?」

その気持ちはよくわかりますが、
「心からやりたいこと」をやると、自分の思考・行動が変わり、自分の周りの世界が変わって見えてきます。
皆さんも経験があるでしょう。

自分(意識)が変わり、継続・努力すると、周りの世界が変わってきます。

これまで様々な業種業態の経営者をご支援してきましたが、一番成果が出やすいのが、

「心からやりたいことに突き進んでいる社長」です。

それは、周りからいろいろと言われても、「自分の想いが将来社会につながる、切り開く」という確信・自信があるからです。
そんなに自信があるのに、何故ご支援に呼ばれたかというと、やりたいことを実現するには、いくつかの壁があり、それを乗り越えたり、迂回する方法、そして羅針盤づくり等で水先案内する役目を期待されているからです。
呼ばれたことさえも、「社長の心からやりたいことの実現」が新しい出会いやご縁を導いたのだと思います。
①心からやりたいこと、②自分自身への確信・自信、③外部の水先案内 により、遠くにあると思っていたゴールが近くまで引き寄せるのです。

それとは反対に、新規取り組みが「心からやりたいこと」でない場合は、②自分自身への確信・自信、が不足しているので、いくつかの可能性の高い選択肢を共に検討しても、躊躇されることが多いですね。
そのような意味でも、社内の横断プロジェクトで「心からやりたいこと(WILL)・ミッション・ビジョン」を検討することで、メンバーが燃える集団となり、実行部隊である彼らの熱意・本気に背中を押されるという光景を何回も見てきました。
それが、「価値のイノベーション」につながります。その様な場合は、メンバーと経営陣が一体となるので、組織・風土もグッとよくなり、成長経営に進みます。

さてさて、本夜に、SDGsへのアプローチでお伝えしたいことは、二つです。
1.本当に「心からやりたいことなのかどうか?」という視点・視座でご覧いただくこと
2.それがあれば、自分が変わり、経営風景が変わり、個性(他との違い)の発現・発揮につながること

さて、前夜(第247夜)に綴った『1.自分事力』『笑顔想像力』の双方は、目に見えない『心・魂』を扱う領域です。
星の王子さま サン・テグジュペリの言葉に、
「いちばんたいせつなことは、心で見なくてはよく見えない」
とあります。
そう、SDGsには、心で観る力を身につける必要があるのです。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs③

橋本元司の「価値創造の知・第247夜」:SDGs(持続可能な開発目標)②目的

2019年8月14日 「世のため、人のため、地球のために尽くす」

本夜は、SDGs((エスディージーズ:持続可能な開発目標)に向き合うために、とっても重要な『目的・志・大義』について綴ります。

前夜(第246夜)では、「SDGsの17のゴール」を記載しました。その目的とは、いったい何でしょうか?

「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって持続可能な世界を創る」でしたね。

つまり、「世のため、人のため、地球のために尽くす」ということです。この大目的に寄り添えるか、熱意を持ち続けられるかどうかがとっても肝要です。

ここで、稲盛和夫さんの人生哲学、京セラフィロソフィである「世のため人のために尽くす」を引用します。
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人生の目的とは、「心を高める」ことです。「心を純化する」「心を浄化する」「人間性を高める」「人格を高める」。すべて同義語ですが、これらが人生の目的です。波瀾万丈の人生で、さまざまな現象に遭遇し対処しながら、人間性を高め、自分自身の魂を磨いていく。これこそが人生の目的なのです。

これをもっと具体的に言い換えると、世のため人のために尽くすということになります。人間ができていなければ、心が高まっていなければ、世のため人のために尽くすことなどできるものではありません。私は、世のため人のために尽くすのが人生の目的だと考えていますが、それは心を高めるということだったのです。

出典:『成功の要諦』
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この「価値創造の知」連載でも、『目的』の重要性を何回もお伝えしてきました。
「革新の7つの力」を第59夜~第74夜に亘って綴りましたが、それをまとめた価値創造イニシアティブ「価値創造・7つの秘訣」(第76夜)を紹介します。
1.自分を変える:危機意識・情熱力
2.他者を愛する:幸せ想像力
3.・・・
の「革新の7つの力」の最初の1.2.は、この『目的』が中心にあります。

イノベーションを起こすには、「新目的・志・大義」が重要な役割を示します。それは、必ず様々な障害が現れるので、それらを乗り越えるには、「新目的・志・大義」なくして進めないからです。

コーヒーショップの様に、同じような事業を運営しているようでも伝わってくるものに違いがありますね。それは、コンビニでもアパレルでも商店街でも、そして同業種の会社でも同様です。

それは、それぞれが大事にする『目的』への「想い」が違っているからです。個性(=想いの違い)があるからです。
当たり前のことなのですが、『価値(=人に役立つ)』は人が創ります。それぞれをよく観察すればわかるのですが、『会社の価値』は、そこの関わる人たちの「生い立ち、想い、生きざま」が息づいています。
『人』が変われば、内容も変化します。それが、商品やサービスを通して伝わってきます。

「目的・志・大義」の反対は、頭からソロバンばかりはじいている人です。
中途半端で熱意がないので、ここぞという一歩が踏み出せずに、「継続(サスティナビリティ)と「生き残る(サバイバリティ)」につながりません。
それは、熱量・覚悟が足りないので、「深く・高く・広くのイノベーション」(第21夜、第131夜)ができないからです。

さて、次夜は上記の「目的」から、どうやって「価値」に近づいていくのかを綴ろうと思います。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs②

橋本元司の「価値創造の知・第246夜」:SDGs(持続可能な開発目標)①

2019年8月2日 価値創造とSDGsの深い関係

SDGs((エスディージーズ:持続可能な開発目標)という言葉がメディアでもよく取り上げられるようになりましたね。
SDGsとは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。

この「SDGs(持続可能な開発目標)の『本質』」をしっかり把えることにより、ご支援してした多くの企業や地域が、これまでの閉塞を打破する構想を持って隆々と実践されています。

そこでよく言われるのが、このコラムの「価値創造の知」連載と「SDGs(持続可能な開発目標)」が鍵と鍵穴の関係(第78夜)にあるということです。
本夜から、「SDGsの歴史」と「価値創造のつながり」の必定について綴っていこうと思います。

それでは、少しSDGsの歴史をひも解きます。
2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)は、先進国による途上国の支援を中心とする内容でしたが、そうではなくて、2015年に新たに策定されたSDGsは、

→「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成」されているのが特徴
になっています。

その持続可能な世界をつくる17のゴール(目標)を記します。
1.貧困をなくそう: あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
2.飢餓をゼロ: 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
3.すべての人に健康と福祉を: あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
4.質の高い教育をみんなに: すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5.ジェンダー平等を実現しよう: ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
6.安全な水とトイレを世界中に: すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに: すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する
8.働きがいも経済成長も: すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
9.産業と技術革新の基盤をつくろう: 強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
10.人や国の不平等をなくそう: 国内および国家間の格差を是正する
11.住み続けられるまちづくりを: 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
12.つくる責任 つかう責任: 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
13.気候変動に具体的な対策を: 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
14.海の豊かさを守ろう: 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
15.陸の豊かさも守ろう: 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
16.平和と公正をすべての人に: 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
17.パートナーシップで目標を達成しよう: 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

上記の様な夢や理想を、目標に掲げて2030年をゴールにするという取組みには拍手を送りたいと想います。
個人や一国だけが頑張っても実現することは困難です。そして、何か一つ項目を実現しようとすると、他の項目も有機的につながっていることに気づきます。
このことについては、「3つのエコロジー」(第9夜)に綴りました。

さて、新価値創造研究所は、ここで重要な求心軸を2軸で把えてみました。
一つ目の軸は、「自己中心意識」ではなく、「公(おおやけ)」の認識と行動
二つ目の軸は、「改善」ではなく、「改革」の認識と行動。

「公(おおやけ)」と「改革(イノベーション)」の認識と行動です。これを前進させるための「意欲*当事者意識」が肝要ですね。

20世紀後半の日本は、「大量生産・大量消費」の時代でした。
人間の身体で云えば、「動脈産業」中心でしたが、今は善循環させるために、「静脈産業」をしっかりと構築するすることが求められるようになりました。
その最もわかりやすい例が、地球の気候変動です。大量生産・大量消費のやりっぱなしが氷河がとけたり、海面上昇等につながっているのでしょう。
海のプラスティックゴミによる生態系への影響も問題になっています。
クライアント先では、いいことばかりと思われていた「プラス」ティック事業が「マイナス」ティック事業に陥っているのです。把えかたの大転換が必要になってきています。
つまり、2030年に向けて「価値観の転換」が求められているのです。それを消極的に把えるのか、積極的に行動するのかで結果が大きく変わります。

→「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成されているのが特徴」

上記は、従来の延長線上では達成できません。熱量をもった本気の「構想」「改革」「イノベーション」が必要なのです。

さて、上記の17のゴールをみてください。
すべての「項目が、従来の延長線上のやり方では失敗してきていますね。

「2030年をイメージして、そのギャップをどのようにして詰めていくのか?」

それが問われます。大チャンスの到来ですね。

大企業には大企業なりの、中小企業には中小企業なりのやり方・構想があります。

ポイントは、「構想の立て方」です。「目標達成のイメージ」がつかめれば、日本企業は強いのです。
SDGsへのアプローチは、「中小企業のほうが向いている」のではないかとこの頃感じています。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs①