橋本元司の「価値創造の知・第232夜」:松下幸之助のことば「企業は社会の公器」④

2019年5月17日 「価値」とは「社会に役立つコト」

「道」「人」について引用してきましたが、それ続いて「企業」についての大切な言葉を「実践経営哲学」から引用します。

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『企業は社会の公器』

一般に、企業の目的は利益の追求にあると言われる。たしかに利益は健全な事業経営を行う上で欠かすことができない。しかし、それ自体が究極の目的かというと、そうではない。

根本はその事業を通じて共同生活の向上をはかることであって、その根本の使命を遂行していく上で利益が大切になってくるのである。

そういう意味で、事業経営は本質的には私の事ではなく、公事であり、企業は社会の公器なのである。

だから、たとえ個人企業であろうと、私の立場で考えるのではなく、常に共同生活にプラスになるかマイナスになるかという観点からものを考え、判断しなければならないと思う。

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「利益は手段であって、究極の目的ではない」ということを言っているのだと思います。

ビジネスとは何でしょうか?(写真参照)

それは、『顧客に「価値」を提供して、顧客から「対価」をいただくコト』です。
「価値」とは「社会に役立つコト」です。
顧客に「価値」を提供できなくなると、右肩下がりになり倒産にむかいます。
前職・パイオニア社も上記ができなくなって、リストラを繰り返して上場廃止にむかいました。

ピータードラッカーは、著書「マネジメント」の中で、
『企業の目的は。顧客価値を創ることである』
と綴っています。

松下幸之助は、「根本」「根源」という言葉をよく使います。
実用的なノウハウは一過性のもので盛衰があり長期的には役立ちません。根源的な知を身につけ思考の土台を作り、実際に役に立つところまで落とし込んでいくことを松下幸之助さんは実践されていました。

フォッサマグナの様な激変の曲がり角の時代には、上記の根源的な知を身につけ思考の土台を作る必要を痛感します。
その様な意味で、不祥事の多い時代に、いま多くの経営者に求められるのは

『企業は社会の公器』

という認識と実践と思います。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば④

橋本元司の「価値創造の知・第231夜」:松下幸之助のことば「事業は人なり」③

2019年5月16日 これからの時代に『適切な人』

本夜は、「道」「熱意が道を切りひらく」に続く松下幸之助のことばを「実践経営哲学」より引用します。

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『事業は人なり』

“事業は人なり”といわれるが、これはまったくそのとおりである。どんな経営でも適切な人を得てはじめて発展していくものである。

いかに立派な歴史、伝統を持つ企業でも、その伝統を受け継いでいく人を得なければ、だんだんに衰微していってしまう。経営の組織とか手法とかもちろん大切であるが、それを生かすのはやはり人である。

どんなに完備した組織をつくり、新しい手法を導入してみても、それを生かす人を得なければ、成果もあがらず、したがって企業の使命も果たしていくことができない。

企業が社会に貢献しつつ、みずからも隆々と発展していけるかどうかは、一にかかって人にあるともいえる。

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“事業は人なり”とはまったくそのとおりだと思います。

それはそのとおりなのですが、レールの上を走れば良かった20世紀後半の鉄道の時代と違って、激変する21世紀の航海の時代には、上記の企業が社会に貢献しつつ、みずからも隆々と発展して『舵を切る』ことのできる『人』が必要とされています。

ところがその様な人財を据えないことで、ここ数年、特に大企業の衰退や倒産を目の当たりにすることが顕著になっています。それは「人災」です。

言うことをきく可愛い「イエスマン」や鉄道の時代の「オペレーター」を新社長におくことで「革新・再興」ができないことによる悲哀が目立ちます。

その様な「人」は、オペレーションについては判断できても、舵を切る「イノベーション」についての判断がとても弱いのです。その様な経営陣を上にいただくと、再興・新成長の提案を通すことは極端に難しくなり、悪循環の道にはまり込んでいきます。

そこには、「革新性」「成長性」「生産性」が大きくからんできます。まさに、『事業は人なり』です。

社会や未来をみないで、上ばかりみている真面目な「平目人」達を私たちは、「良い子」と名付けていました。経営陣や経営戦略・経営企画が「良い子」ばかりだと危ういと思ってください。

どうしたらいいのでしょうか?

松下幸之助の言う、これからの時代に『適切な人』をよく把えること、据えることにあると思います。

そして、それに迅速に応えなくてはならない「日本の教育の大課題」でもあります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば③

橋本元司の「価値創造の知・第230夜」:松下幸之助のことば「熱意が道をきりひらく」②

2019年5月15日 自らハシゴをつくること

本夜は、前夜の「道」に深く関連する松下幸之助のことば②です。

『熱意が道を切りひらく』

早速、「社員稼業」より引用します。

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『熱意が道を切りひらく』

私は今までたくさんの人に働いてもらっておりますが、なるほど偉い人、というとおかしいが、ほんとうに間に合うという人は熱心です。熱意のある人です。

早く言えば、この二階に上りたい、なんとかして上りたいという熱意のある人は、ハシゴを考えましょう。
非常に熱意のある人は、どうしたら上れるのか、ということでハシゴを考える。
この二階に上ってみたいなあ、というくらいの人ではハシゴは考えられません。
おれの唯一の目的は二階に上ることだ、という熱意のある人であればハシゴを考えると思います。

仕事の上の熱意がなかったらお豆腐みたいなものです。人間はなんといっても熱意です。皆さんの習った技術、知識というものも熱意があればぐんぐん生きて決ます。

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上記テーマについてこの「価値創造の知」連載では、

・第44夜: 危機意識・情熱・本気
・第45夜: 自らハシゴを創る&リオリエンテーション
・第61夜:(前編)1.自分事力@7つの力
・第62夜:(後編)1.自分事力@7つの力

に綴っています。

第44夜を編集しますので、参考になれば幸甚です。

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—人口減少社会、AIot社会で人々の価値観や市場そのものがが激変する中で、如何に事業を創生するか、地域を創生するか、ということが喫緊の課題となっています。

企業や自治体をご支援する時に、トップが「本当に本気で強い危機感を持たれているいるのかどうか」が最大のポイントになることを痛感しています。。そのような本気の当事者意識を持っているトップやメンバーがプロジェクトに参加しているかどうかが成否の鍵を握ります。いいプランも実践もそれがなければ間に合いません。

トップに、「他(他社や他地域)も同じだ。リストラでまだ何とかなる、国が手が差し伸べてくれる」等というぬるい意識があるときは、だいたい上手くいきません。それは、従来のやり方や考え方で進めるほうが面倒がなく「楽」だからです。けれど、そのままの延長では、惨な方向に向かう数々で溢れています。

現在のやり方、考え方の、延長線上に未来はありません。その重いツケは、次世代の若い人達に向かいます。

そう、「事業創生、地域創生」のスタートで肝要なのは危機感の共有であり熱意です。創生に向かって変化対応の意志のある「企業・自治体」だけが道を切り拓いていることを痛感しています。

強い危機感・熱意があれば、従来のやり方・考え方に固執することなく、顧客・市場の今と未来に真摯に向かいあうことができます。そして、そこから顧客・市場との双方向のコミュニケーションが始まります。

成功のポイントは、先ずこれまでの対象の中心にあるやり方・考え方から意識的に離れることです。それは「守破離」(第5夜)です。

変革・進化は、通常「中心」から起こすのは難しく、「周縁」から音連れるからです。外部が必要なのはその視点・視座を持っているからです。「中心」にはこれまでの制約や言い訳があるから変革できないのです。ここがジレンマであり大きな問題です。周縁や未常識から観るメガネと熱意があれば乗り越える道が必ずみつかります。

常識の枠を外すと、対象の将来成長に向けた「鍵と鍵穴」が見えてきます。これまで業種の違うベンチャー企業をいくつかご支援してきましたが、彼らの鍵穴を見つけるスピードは迅速です。危機感・熱意があり本気モードだからです。—

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「事業創生・地域創生」の道筋は、

・本気(パッション)⇒本質(ミッション)⇒次の本流(アクション)

にあります。

次の本流を切り拓くには、最初に、『本気・熱意・当事者意識』が必要なのです。

『熱意が道を切りひらく』 とは上記を引き寄せ、手繰り寄せるためのはじめの大きな一歩を言っているのではないでしょうか。
これまで綴ってきたことで皆様ももうお気づきのことと思いますが、「事業創生・地域創生」の前には「人財創生」が必要なのです。

・自分が変わること
・自らハシゴをつくること

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば②

橋本元司の「価値創造の知・第229夜」:松下幸之助のことば「道」

2019年5月14日 休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる

今年3月の中旬に、「チーム創発」のメンバーで関西圏ツアーに出遊しました。
2日目、3日目は、大阪パナソニックミュージアム(大阪)、PHP研究所(京都)を訪問しました。

「チーム創発」のメンバーの一人が、松下幸之助のエバンジェリスト(伝道師)第一期生ということがあり、その真髄と多くの学びを得られた素敵な旅となました。

それまでの自分の松下幸之助氏のイメージは、「経営の達人」が占めていたのですが、

・モノゴトの根源に身をおいている道(タオ)の人(第177夜・老子の知)

であることに気づかされ、「商術ではなく、商道からの本質」を学ぶことができました。

本夜から、そこにある「知」を言葉足らずですみませんが、そのエッセンスの複数をお伝えすることで、皆様に何かのお役にたてれば幸甚です。

最初のワードは、「道」です。
大阪パナソニックミュージアム(大阪)の入り口(写真参考)に足を踏み入れるとそれが目に飛び込んできます。
それでは引用(出典『道をひらく』)します。

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「道」

自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、他の人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。坦々とした時のあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。

この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまる時もあろう。なぐさめを求めたく時もあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。

あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、ともかくもこの道を休まずに歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか。

他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道はすこしもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならなぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。

それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。
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冒頭に、「チーム創発」を記しました。
会社を退職や早期退職した「志のあるメンバー」が集まって、この変化の時代に、会社や地域の右腕となって、再興・成長のご支援を通して社会に役立つことを目的としています。

「人生100年の時代」「少子高齢社会」「AIot・ロボット社会」等は、従来の延長線上に未来がありません。
それを企業の現場で体験・実践・革新してきたメンバーが共創・革新に並走します。

・思案にくれて立ちすくんでいても、道はすこしもひらけない。

退職して「年金リタイア」するだけでは、若い人達から「嫌老」に見える時代になります。「リボーン」するのが、令和の時代の基準です。
さて、ビジネスの現場では、従来のマーケティング・マネジメントだけでは太刀打ちできなくなっています。

激変に対応するには、イノベーション・イメジメント(構想)のwillとskillが必要です。そこに新たな道が拓けてきます。
「商術」というテクニックではなく、「商道」という深い知が源、根源となって将来が拓けてきます。

もうとっくに単なるアドバイザーのご支援の時代は終わりました。
水先案内人としてのナビゲーター、パートナーが求められているのを実感してきました。

・道をひらくためには、まず歩まねばならなぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。

不易流行で歩みます。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
松下幸之助ことば①