SDGsシフト57「価値創造の知・第302夜」:『ハーフandハーフ レボリューション』

2020年11月13日 ハーフandハーフ変革

 実務にかまけて、本コラム執筆がおろそかになってしまいました。大反省です。 ただその時間の分、より深く・高く・広く考え、行動したことで、自分の中の「質」が大幅にバージョンアップしたと思います。

 さて、第102回文化経済研究会の動画配信の中で、谷口正和師匠が「ハーフandハーフ変革」というコンセプトを話されているのを視聴し、その言葉が自分の脳の中に響き、駆け巡りました。
 先ず、『ハーフandハーフ レボリューション』を自分の中では「HX」と命名しました。『X』とは、「トランスフォーメーション」のことです。 メディアを騒がせている「デジタルトランスフォーメーション」をDXと言っているのはご存じかと思います。 (=デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital transformation)とは「デジタルによる変革」を意味し、ITの進化にともなって新たなサービスやビジネスモデルを展開することでコストを削減し、働き方改革や社会そのものの変革につなげる施策を総称したもの) 『DX』については、どこかの夜に、その本質を綴ります。
 さてさて、「トランスフォーメーション(=X)」とは、変容や変革とも訳され、それは、①「さなぎが蝶になる」、②「オタマジャクシがカエルになる」ように後戻りできない進化のことをいいます。  同様に、『SDGs』の肝(きも)は、「トランスフォーミング」です。 SDGs採択文書の正式タイトルは「Transforming Our World(我々の世界を変革する)」 つまり、『SDGs』とは『SX』(サスティナブル・トランスフォーメーション)と命名できます。  本年のコロナ禍を通して、これから何を「変容・変革・トランスフォーミング」するのかが見えてきました。 このコロナ禍で、身近な事例を上げましょう。  職場は「リモートインテリジェンス(DX)」を、飲食店は、「テークアウト(HX)」を、レジでは、「プラスチック製レジ袋の有料化(SX)」があります。 それらはほんの一部で、「HX」「DX」「SX」が地下茎のように時代を動かしていきますが、それは別の夜に綴ります。
 本夜は、首記待望の本が上梓されたので、駆け巡った中心となる『ハーフandハーフ レボリューション(二分の一革命)』の内容にフォーカスして綴ります。  まず、<はじめに>より抜粋します。 「コロナ・パンデミックから我々がどう立ち上がり、次のパラダイムのためにどのように行動すべきなのか。 ①この危機を逆転的に活用し、むしろチャンスだという理解を促進するための本として、 ②そして我々は未来に対して何ができるのか。  「ハーフandハーフ」とは、全てを半分にせよ、という地球からのメッセージである  そのヒント集として出版されました。  さきほど、身の回りの「テークアウト」を事例にあげました。 私たちの多くは、換気の保てないお店の中で食事をとることに躊躇してしまいます。 そこで、生き残り(サバイバル)をかけて「テークアウト(テークアウェイ)」というサスティナブルな新業態があちらこちらで現れました。 従来のメニューにはないものを試しているお店を複数見かけ、また、様々な業種業態でもハーフandハーフの新業態が一般化していることがわかりました。
 皆さん、屋形船でクラスターが発生したのを覚えておられますか? 従来の業態のままでは、経営が立ちいかないのは明らかでしたが、今年7月に下記ニュースが飛び込んできました。 ラ・ローズ・ジャポネのスイーツを楽しむ東京湾クルーズ 創業100年の老舗の屋形船「あみ達」が人気スイーツ店「パティスリー ラ・ローズ・ジャポネ」とコラボした「屋形船×アフタヌーンティークルージング」の航行を2020年7月11日(土)より開始する。 ・ご家族やご友人と!コロナ対策が行き届いた屋形船のゆったり空間で【東京湾クルーズ×スイーツ】をお楽しみください!!  そこでは、顧客ターゲットもメニューも内装も変わっていました。(従業員の方たちは同じ) 不易流行に挑戦したした「新業態」には、トランスフォーミングする知恵と行動がありました。
 それは自分の身の回りで見聞きした事例ですが、新著の「序章」にエッセンスが記されていますので、序章の<変化をポジティブに活用する>から引用します。
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 情報社会の理解にとって、まず必要なのは、「変化の活用」という認識である。—次々にやってくる変化を積極的に活用していくことが求められるということである。 —人々はその中で、情報を学習のツールとして活用し、理解促進し、そして自分自身の思いを変え、その結果、それぞれがその思いを現実化するような行動をとれば、社会構造が変わる。 しかし、変化を恐れ、不安の要因としてしか受け止められないのであれば、それは自らの中に現状への依存体質が染みついてしまっているのかもしれない。—  変化によって甚大な被害を受け、悲しみに打ちひしがれようとも、過去を変えることはできない。変えられるのは未来だけなのである。だからこそ、ビジネスもライフスタイルも、従来のものを復元させる、あるいは取り戻すという発想ではなく、その変化自体を活用し、『新しい生活・市場・社会の創造』に向かって前進していくという認識が重要である。
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 従来のものを整理し、それらが本当に必要かを繰り返し問い直していくことで本質(深い知)へと近づいていく。余剰のそぎ落としと未来への変革の種まきが「HX」です。 コロナの影響で加速度的に進んだ「ハーフandハーフの単位革命」を過去にUターンすることなく、問題意識を持って促進していくことが求められています。 「全てを半分にする」、その認識とそれでできる「余白」「構想」が未来へ進むエンジンになると実感しました。 本章にはそのヒント群が大満載されています。

是非とも、老若男女問わず、全政治家・全商売人・全学生に見てもらいたいと思いました。 参考に、新著の章立てをアップします。
・序章  <現在>原点への問い直しから始まる新しいチャンス
・第一章 <過去)>時代のエンディングノート
・第二章 変化の谷を飛べ ・第三章 <未来>変革の種まき
・第四章 ホーム・インベストメント そのヒント集

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