WASEDA NEO@日本橋キャンパス

2019年1月31日 WASEDA NEO “「何」かを変えたい”
素敵な出会いがあり、早稲田大学・日本橋キャンパスに本日の午後、打合せにいってきました。パイオニアコミュニティーとして3つの特徴を掲げ“「何」かを変えたい”そう考える人たちのまなびと交流の場を展開されています。
早稲田OBとしてパイオニア実践のOBとして、少しでもお役に立てればと思っています。
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橋本元司の「価値創造の知・第205夜」:「落合陽一:オープニングレセプション」①

2019年1月29日 デジタルから『質量への憧憬』

『質量への憧憬』というテーマで落合陽一さんから招待状が届きました。
そのオープニングレセプションに、細君と先週末(1/25)に天王洲アイルamana squareに行ってきました。

その視座の一部をご紹介します。
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きっと今の時点での僕は、ここに右脳で捉えたい世界があって、それは質量とデータの間にあるある種のノスタルジアなのだ。憧憬でもある。
データ化する質量のない世界の中で質量のあるものやフィジカルな機能を質量のない世界から見た時に感じる物質性を求めているのだと思う。
デジタルなものは永続性を持つが失われるのも一瞬だ。
エイジングすることもなければ、メディア装置それ自体と切り離されることがほとんどだ。

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このような新しい視座、視点が新しい価値創造に繋がってきます。
それについては後に綴ります。

さて、デジタルとアナログの関係について自分の関わりを記しますが、その内容と今回の視点が結合することで新しい世界が拓けてくるかもしれないのでワクワクしています。

西暦2000年前後の20年ほど前、自分は前職・パイオニア社で、社長直轄で新事業創造に社内横断の開発企画をプロデュースしていました。
そこでは、「アナログ→デジタル」の先を把えること、それがパイオニア社や業界の将来につながるために非常に重要と想い、のめり込んでいました。

結果、その進化の形は、

①アナログ→②デジタル→③キュービタル

と洞察しました。
キュービタルとは、キュービット(量子力学)とデジタルの造語です。

当時のカーナビの将来(車の運転)を検討した時の簡易的な事例では、
①アナログ:実際の運転席で、「次の交差点を右に曲がると六本木」という標識を観て進行先を判断する
②デジタル:カーナビのディスプレイの中にあるデジタル情報を見て、「次の交差点を右に曲がると六本木」という判断をする
③キュービタル:実際の窓の外の風景(アナログ)を見ながら、空間上にデジタル情報(⇒矢印や3次元の疑似車)が浮かび上がり、アナログとデジタルがインタラクティブに融合する世界。

という具合です。そのようなカーメディアが10数年後に発売されました。
それはまだまだ未熟なものでしたが、目を転じると現在スマホを覗いている姿がなくなり、キュービタルな世界に移行していくこと等と同様であり、その進展は間違いありません。
この「キュービタル」という将来世界をいろいろな視点・視座から検討していたのが20年前です。

さて、そのようにデジタルの将来を弁証法(第10夜、第15夜)やシナリオプランニング(第86夜、第147夜)で観ていたのですが、今回のレセプションでは、

①アナログ⇔②デジタル

の「間(ま)」からの視座なのでした。

それは、「②デジタル」を質量のないもの、エージングのないものとして把えて、そこから「①アナログ」を観るというものでした。

「アナログ」には、質量があり、エージングとしての朽ちていくはかなさがあります。
松岡正剛師匠(『日本という方法』引用)によると、
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「はかなし」のハカという言葉はもともと「はかどる」「はかばかしい」などのように「計」や「量」をさす言葉であり、「はかなし」は「はかどらない」という意味だった。
平安時代の女房たちは「はかなし」という言葉の中に美や深みや奥行を発見し始める。「はかなく」ないものなんてないのだと考えるようになった。人生は「はかない」ものよと考えるようになったのである。
しかし、そこに文化的な充実が生起することになるのである。

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そう、「質量」と「はかなさ」は関係があるのです。
「はかなさ」とつながる「面影」「うつろい」「無常」ということが浮かび上がってきますね。
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ウツロイの感覚はやがて、「無常と」シンクロし始める。「無常」とはそもそも「非定常」と云う意味である。
しかし、「無常」というとなにも「あきらめ」のような否定的な厭世感やニヒリズムにばかり結びつくわけではない。「負」や「無」と見えていたものの中から新たな価値が見い出されたりする。
見えていない神々が「影向」したりする。見えないことやマイナスは別のプラスを生む可能性を持っている。この途中のプロセスこそウツロイである。

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そう、それは「wabisabi(詫び寂び)」とも繋がってきます。
次夜は、その辺りを綴ろうと思っています。

価値創造から。「事業創生・地域創生・人財創生」へ

落合陽一①

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橋本元司の「価値創造の知・第204夜」:「全豪オープンテニス:どんな状況でも最善を尽くす」①

2019年1月28日 ベストを尽くせばチャンスが来る

一昨日(1/26)の大坂なおみ選手の全豪オープン(英語:Australian Open)優勝(四大大会連続優勝)はフルセットにもつれ込む痺れた試合でした。
長女夫婦も事務所に集まり、ミニスポーツバーの趣きとなり、全員で手に大汗をかきました。

第2セット第9ゲームで、相手サーブの0-40で、チャンピョンシップポイントを握りながら勝ちきれず、勝敗の予想のつかない第3セットに入り込みましたが、見事なメンタルとフィジカルでメジャー連覇を果たしました。

全豪OP優勝から一夜明けて、大阪選手がインタビューに心境を語られた放送内容が「価値創造の知」とリンクするのでそれを綴ります。

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――全豪オープンで学べたことは?

「どんな状況でもベストを尽くせばチャンスが来ることを全豪で学んだ。
全米の時は自分でもちょっと驚きでした。誰も私が優勝するなんて予想していなかったし、良いプレーをしたいという気持ちでいたら優勝した。
でも、今回は自信を持って勝てるんじゃないかと思ってやっていた」

――ラケットのガットを変えることは選手にとって大きいことだが、迷いはあったか。

「みんな、変えるのは不安がある。ちょっと心配した」(大坂なおみ選手)

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「どんな状況でも、ベスト(最善)を尽くせば、踏ん張れば、チャンスが巡ってくる」

まさしく、第2セットのまさかの逆転で落ち込んでから、第3セットに気持ちを切り替え、
その時にできるベストを尽くしていたら、第3ゲームにチャンスが巡ってきたのを目撃しました。

勿論、この大会のずっと前から、辛いフィジカルトレーニングを積んだり、ラケットのガットを変えるという大変な『用意』を語られていました。
そのことで、『卒意』(第4夜、第75夜)がありました。
(卒意:主客一体となって、場をつくりあげること。その場の空気や出来事に応じて、とっさに判断・行動すること)

そして、それは「人生でいちばん大事なこと」(第55夜)にも通じます。
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「自分の運命を変える天からの“一本のロープ”」

何か「これは」と思うものをやろうとするとき、人は二つの壁にぶちあたる。それは、自分の能力的な壁と環境の壁である。
能力的な壁とは、自分の問題、「内なる壁」と言っていい。自分の側の力不足であるから、これは自分次第で何とでもなる。
これに対して環境の壁は物理的な壁であり「外なる壁」と言ってよい。今の時点ではどうにみならないこともあるから、とりあえずは時期を待つことにすればいい。
私の経験から言って、今はちょっと難しくすぐに実現できずとも、「いつか必ずやれる」という気持ちを持って「やるための理由」を掲げて努力を絶やさない人には、不思議なことに、天の一角から“助けのロープ”が下りてくるものである。
できない理由を押さえて、あえてやってみれば何とかなるということを信じられるかどうかは、その人の覚悟次第であるが、この覚悟によって世に云う「運命」も変え得るということを覚えておいてほしい。
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人生でいちばん大事なことは何か、一つ上げよと問われたら、私は躊躇なく、
『できない(やらない)理由を探すな』と言いたい。
もしたったこれだけのことでも・・・・・・、おそらくあなたの人生に新しい一面が開かれるのではないかと思う。

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そう、
・『どんな状況でも、ベスト(最善)を尽くせば、踏ん張れば、チャンスが巡ってくる』
・『できない(やらない)理由を探すな』
・『用意と卒意』

それが今回の全豪オープンで、人生に、価値創造には肝要なことを脳と心に刻み込んでくれました。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

理解大阪なおみ

橋本元司の「価値創造の知・第203夜」:「理解の秘密:テルマエ・ロマエ」⑧

2019年 テルマエ・ロマエと価値創造

土曜日の番組「サワコの朝」を毎週録画して、「価値創造の研究素材」として楽しく観ています。
先週は、[漫画家ヤマザキマリの風呂論]でした。

実は、彼女の映画・漫画「テルマエ・ロマエ」を題材として、セミナーの中で良く活用します。
皆さんは、映画&漫画「テルマエロマエ」をご覧になりましたか。第1作、2作と連続大ヒットとなりました。
それは、原作者・ヤマザキマリさんの「古代ローマと現代日本」の新結合と新視点の絶妙にあります。

内容をご紹介します。
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すべての“風呂”は、“ローマ”に通ず。 「マンガ大賞2010」と「第14回手塚治虫文化賞短編賞」をW受賞、実写映画(主演:阿部寛)も記録的な大ヒットとなった超ベストセラー・爆笑コミック!
紀元前128年、第14代皇帝ハドリアヌスが統治し、かつてない活気に溢れているローマ。すべてに斬新さが求められるこの時代、古き良き浴場を愛する設計技師のルシウス・モデストゥスは、生真面目すぎる性格が時代の変化に合わず、職を失ってしまう。
落ち込むルシウスは友人に誘われた公衆浴場から、突然現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまい……!?
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この映画(漫画)の構成を第197夜の「インストラクションの理解」の構造に当てはめることで、ヒット商品(第14夜:社長直訴そしてヒット商品緊急開発プロジェクトへ)の構図が見えてきます。
前職・パイオニア社のヒット商品プロジェクトでは、
①ウィスキー(サントリー)とパイオニア
②ファッション(ラフォーレ原宿等)とパイオニア
③インテリア(無印良品、フランフラン等)とパイオニア
④お風呂とパイオニア
という異業種コラボレーションで連続ヒット商品をプロデュースしました。

上記、異業種コラボレーションを①で説明すると、サントリーとパイオニアの共通項を見つけることです。
お互いの接点は、「響(ひびき)」にありました。(サントリーさんのデジタルロゴは、「響」であり、パイオニアは「音響」)
「響き合う」ということが重要なメッセージでした。

異業種連携により、樹齢100年のウィスキーの樽材で響く「ピュアモルトスピーカー」が生まれました。
それが、余白(第22夜)を創る秘訣の重要な一つです。そこには、「ものがたり&ものづくり」の融合があり、顧客の心を掴むことに繋がります。

その新結合(第32夜、第75夜)の方法を「テルマエロマエ」に当てはめて、その一部を解説します。
最初のポイントは、第197夜の図解の「分母のコンテクスト:インストラクションを届ける場面、背景)にあります。
それは魅力的な基盤となる「共通項」です。

「古代ローマ」と「現代日本」の接点は、いったいどこにあるのでしょうか?

全く接点がないようでありながら、「お風呂にどちらも浸かる文明」という共通点がありました。
古代ローマは、水のインフラが整い、水の文化(浴場)があったのです。

そう、「古代ローマ」の浴場文化が、日本のお風呂文化に似ていることに作者は気づいたのです。
それは、作者が風呂好きであり、温泉数寄なことが背景にありました。
映画の中でも「お風呂の魅力」が、古代ローマの良き浴場を愛する主役の設計技師のルシウスの目を通して良く描かれています。

その双方で、お風呂を綺麗に使い、リラックス・リセットする神聖な場所として表現されています。
2000年経った現代のローマでも使われている水のインフラやお風呂の魅力を語りたい、伝えたいという作者の想いが伝わってきます。

そしてそこには、
・進化した現代の日本の風呂文化に驚く古代ローマ人の目線の面白さ、楽しさ
・古代から来た人から私たちが学べる気づき(温故知新)
の双方が表現されていました。

さて、「インストラクション」構造(第197夜)に目を向けると、「図:分子」の伝達手段・チャネルは、「漫画・映画」でした。
・コンテクスト(分母)
・情報の送り手
・情報の受け手
・内容(メッセージ)
・チャネル(メッセージの形式)

それらの五つを意識することで、様々な領域で応用・活用できることを実体験してきました。

そう、それはヒット商品・新規事業や働き方改革にも実証済みです。

事業や地域活性に、そしてコミュニケーションに行き詰まりを感じた時に、是非上記を意識して実践してみてください。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
理解テルマエロマエ

マーケティング&戦略制定実践セミナー(@東大)

2019商道・商術」と不易流行

 
中国のIT企業の30名強の方達に、首記セミナーのオブザーバーとして参加しました。
 
メインテーマは、『マーケティング』
マーケティングも守備範囲と攻撃範囲が広いのですね。
更に、マーケティング2.03.04.0と進化していますので、いったい何を前提にするのかで、人それぞれに解釈が異なります。
 
本来のマーケティングを大きく二つに分けてお伝えすると、
① 商道
② 商術
となります。
 
①の商道とは、「理念(天の理を念じた)・目的・使命」を持った商いの道理です。
②の商術とは、狭義のマーケティング、広義のマーケティング、マーケティング2.0N.0等といわれる手段ものです。
 
巷のセミナーは、「②商術」のマーケティングが殆どなのですが、今回のセミナーでは、「①商道」を松下幸之助とパナソニック社を実例として説明されました。
 
ここで、関連して「価値創造の知・第34夜:不易流行(ふえきりゅうこう)」を引用します、
 
・「不易(変わらぬもの)と流行(変わるもの)」
 
不易流行の『不易』とは、時を越えて不変の真理をさし、『流行』とは時代や環境の変化によって革新されていく法則のことです。
上記と関連付けると、
 
・『不易』が「①商道」(下半身)
・『流行』が「②商術」(上半身)
 
となります。
その双方を「二つでありながら一つ」(価値創造の知・第82夜 ビジネスで最も大切なコト)でビジネスを実践することが重要なのです。
 
さて、日本のビジネスマンはますます短期の視点が多くなり、時代の波に流され、飲み込まれやすい傾向にあります。
そのような意味でも、これからの「デジタルトランスメーション(DX):デジタルによる事業構造などの変革」の時代には、下半身である足腰のしっかりした「①商道」が肝要な視点となります。
 
さてさて、セミナーの後半は理念(行き先)から戦略制定実践セミナー」(行き先)という流れでしたが、前半・後半と、濃厚な2時間を受講生はみな熱心に聴かれていました。
それから、真剣な質問が飛び交いました。
さて、ここで蒔いた種が、将来の社会の役にたつようになることを期待しています。
 
本当は、日本の多くのビジネスマンにもっとお伝えしたいのですが・・・。
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橋本元司の「価値創造の知・第202夜」:「理解の秘密:ニッポンのジレンマ元日SP」⑦

2019年1月9日 コスパの先にある幸せ

2019年元日の「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」をご覧になりましたか。
それは、東日本の震災の翌年の元日から始まった新世代討論です。

「価値観の大いなる転換期に、若者はどこに希望を見出すのか?」

1975年以降生まれ以外「立ち入り禁止」の新鮮なスタジオで、新世代がジレンマを解いていく番組なのです、毎回関心を持って視聴しています。

本夜は、この放送と関連付けて、これまで6回続けて記してきた「インストラクション」の使い方を綴ろうと想っています。

今回の「ニッポンのジレンマ」メインテーマは、図にある様に、「“コスパ社会”を越えて@渋谷」
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平成とは「コスパ=万能物差し」時代だった?

何につけてもコスパは大事、その気分はわかります。
でも「コストパフォーマンス至上主義」となると、
なんだか世知辛い気がしませんか?

その差は一体どこにある?

コスパでは測れない価値とは?
コスパを越える物差しとは?
そして、コスパのさきに幸せはあるのか?
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あなたであれば、このテーマにどの様に向き合い議論を組立てますか?そして、進めますか?

上記のジレンマを持った「コスパの先の幸せ」に向かうには、やはり「革新」が必要となります。
「革新の7つの力」は、第59夜~第74夜に亘って綴ってきましたが、その構図・体系は第60夜にまとめています。
その7つ力と流れを引用します。

1.自分を変える:危機意識・情熱力
2.他者を愛する:幸せ想像力
3.余白をつくる:本質創造力
4.舞台をつくる:仕組構想力
5.関係をつくる:伝える力・伝わる力
6.信頼をつくる:巻き込む力・巻き込まれる力
7.成功をつかむ:すぐやる力・やり抜く力

さて、自分であれば、「コスパ(コストパフォーマンス)」は手段であるので、『大目的』は何なのかを共通認識してから議論することをお薦めします。

・そもそも、それは何のために?なぜ?

それは、上記「革新の7つの力」の『2.他者を愛する:幸せ想像力』のステージにつながります。
「手段」の奥や先にある「将来の幸せ」について議論することが重要です。それは、「事業」や「教育」の分母になります。
ただし、理想ばかり話しても先には進めません。

ジレンマがあるということは『壁』を越えるビッグチャンスだという認識と道筋が必要です。
それには、本質を把えて、今の常識という分母『再定義』することで次の道を拓くことができます。。
それを、第105夜では、「事業創生・地域創生」の為には、『本分』という「分母」を明確にすることとして綴っています。
更に、その事例については、第106~107夜に『本分(分母)』の再定義実例を掲載していますので関心のあるかたはご覧ください。

目的や再定義に議論が向かないと、手段である「コスパ」の問題ばかりが議論されて枝葉(えだは)の方に意識が飛んで時間の多くが取られてしまいます。それは、とっても勿体(第50夜、第103夜)ないことです。
それは、上記「革新の7つの力」の「1.自分を変える:危機意識・情熱力」ですませておきたいところです。

重要なステージは、「3.余白をつくる:本質創造力」、「4.舞台をつくる:仕組構想力」に控えています。
その論議の時間が多く露出・放映されるともっと「実りのある議論」になること請け合いです。

放送の中で、
・目的を明確にする
・再定義
・時間軸
・聴く力

という言葉が、そこに集った論客(パネラー)から紹介されたので期待と希望が持てました。

さてさて、やはり、送り手と受け手の「インストラクション」のリテラシーを大幅にアップさせることが、より良い未来を創っていくことに繋がります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
理解ジレンマ

橋本元司の「価値創造の知・第201夜」:「理解の秘密:一流のインストラクター」⑥

2018年1月8日 一流のインストラクター:師匠

私たちの生活や仕事は「コミュニケーション」で成り立っています。
そのコミュニケーションを推進する役目を担っているのが、「インストラクション」です。

その「インストラクションの構造」については、第197夜に図解しました。
インストラクションの送り手も受け手も、そのを構成要素を知っておくことで、送り手として自分のインストラクションを評価し、受け手としてそれを修正するための手がかりとなります。自分にとって欠けている部分、間違っている部分が分かってきますね。

それでは、スポーツクラブにおける自分の「インストラクションの経験」を記します。
もう50年くらい前、自分が中学に進み、新人勧誘の部活動選択で色々な部の練習を見に行ったときのことです。
体育館に行くと、バドミントン部顧問の先生の俊敏で流れるような身体の動きと、シャトルコックを自在に操る技と風姿に釘付けになりました。
後で聴くと、国体で3位の若い先生だったのです。

そして、それが担任の先生だったことも驚きでした。早速、バドミントン部に入門しました。
我流のウェスタングリップをイースタングリップに直し、一流の先生の指南・指導を受けることで、メキメキ腕を上げました。
ただ、目前の先生の「型」や「動き」を真似るだけでよいのです。中学3年では、東京都大会でベスト4になりました。

その様な「師匠」がいることは、たいへんラッキーなことでした。
「師」のテクニックと心得を真似て、一流を自分自身に取り入れることができます。
さて、高校受験の最終面接の先生が「バドミントン部」顧問の方でした。これも『ご縁』ですね。

高校一年から、東京都の一部リーグに出させてもらって、団体で2位の貢献をしました。
前職パイオニア社では、社会人リーグに参戦して楽しみました。
それもこれも「バドミントンの師匠」に出逢えたからです。

「守破離」でいえば、
守:中学
破:高校、大学
離:社会人
と成長していくことができました。

やはり、「守」(第197夜:図解の分母)で「一流の型」を身につけることが重要なのです。
それから、自分の得意技を磨き上げる。

さてさて、その「バドミントンの師匠」は理科の先生でもありました。
その教え方の絶妙で、自分は「理科」という学科に開花して、理工系につながる道筋が出来上がりました。

ここにも「理解の秘密」が息づいています。

さて、冒頭に戻ると、
私たちの生活や仕事は「コミュニケーション」で成り立っています。
そのコミュニケーションを推進する役目を担っているのが、「インストラクション」です。

一流のインストラクションが「豊穣の人生」に繋がってきます。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
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