価値創造の知・第79夜 ブルーボトルコーヒーの本来と将来

2017年10月17日 バッハ・スタバ・ブルーボトル

雨の中、ブルーボトルコーヒー新宿Cafeに行ってきました。ブルーボトルコーヒーの日本での最初の店は清澄白河で、2店目が表参道・青山でした。
コーヒーの第3の波(サードウェーブ)ということで、大きく取り上げられました。
そして、次々に、日本で店舗展開されましたが、先月(9月)食品世界最大手のネスレ(スイス)が米ブルーボトルコーヒーを買収というニュースが入りました。

さて、本夜は上記ブルーボトルコーヒーを取り混ぜながら、「高い知:Foresight」の演習風景を私の数寄なコーヒー店で取り上げてみます。
①自家焙煎コーヒー バッハ
②スターバックスコーヒー
③ブルーボトルコーヒー

 

さてさて、ブルーボトルコーヒー清澄白河の日本第1号店は、2015年2月でした。
新価値創造研究所では、その年前の2014年3月に「バリューイノベーション研修」の中で、下記『スタバの未来:コーヒーの本来と未来』というお題で研修を行っていました。
「トリニティイノベーション」の第2ステージ(高い知)で、対象の『本来と将来』をワークショップで読み解くというものです。

図(螺旋型弁証法)の様に、真ん中の緑の楕円に、スターバックスを置きます。そして、その下にある「GOOD! BAD!」を書き入れます。次に、過去はどうだったのかを同様に記入します。
私の中では、数寄な南千住の「自家焙煎コーヒー バッハ」が思い浮かびました。ここに何を入れるかという選定で将来のイメージが変わってきます。
例えば、怪しげな喫茶店を入れると、GOOD!が変わりますね。

将来を豊かにするには、過去と現在を豊かにすることが必要です。
・「コンビニエンスストアの本来と将来」
・「学習塾の本来と将来」
・「デジタルの本来と将来」
・「エネルギーの本来と将来」
・「・・・・の本来と将来」

という様々なテーマをご支援してきましたが、これにより豊かな将来のイメージを手に入れることができます。
そのテーマに関係のある参考ビデオも複数ご覧いただくことで、将来への強い確信が生まれてきます。
このプロセスを行うことがとっても重要です。

上記のテーマの過去の事例としては、
・よろづや:コンビニエンスストア
・寺子屋:学習塾
・デジタル:アナログ
・エネルギー:自家炭火焼

が挙げられます。
若い人達は、それらを知らないことが多いので、是非歴史から学んでください。
そのことで、過去と現在から、豊かな将来が浮かび上がります。ポイントは、過去のGOOD!にあります。
それが、現在無くなっているのです。是非、それを形を変えて現在に蘇らせてみてください。

その「価値創造の知」を身につけるだけでも、きっと貴方・貴女の将来は変わってきます。
少しでもお役に立てれば幸甚です。

最後に、「サードウェーブコーヒー」の「Great!」をご覧ください。
ここからブルーボトルコーヒーは、まだまだ高みを目指せることが分かります。まだ余白がいっぱいあります。
メインのお客様を誰にするのか、仕組み構想力で大きく変わってきますね。
個人的に、ブルーボトルコーヒー店では、表参道・青山Cafeが一番数寄です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

コーヒー弁証法
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価値創造の知・第78夜 創発とは?

2017年10月13日 創発とは何か

「創発」(emergence:発現)という言葉を見聞きされたことはありますか?

田坂広志さんが著した『複雑系の知』(第36夜)という本が1997年に発刊され共感・共鳴しました。
「21世紀に求められる7つの知」という副題ですが、後述する実践にフィットするものでした。そこには、

・世界は複雑化すると新しい性質を獲得する。
・複雑なものには心が宿る。

という複雑系を理解する刺激的な鍵穴が潜んでいました。

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「創発」(emergence)とは、「部分の単純な挙動が全体の高度な秩序を生み出す」というプロセスであり、言葉を変えれば、「個の自発性が全体の秩序を生み出す」というプロセスである。
さらに、このプロセスは、視点を変えれば、「自然に秩序や構造を生み出す」という自己組織化(Self Organization)と呼ばれるプロセスでもある。
こうした性質を「創発性」と呼び、これは、複雑系の基本的な性質にほかならない。
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ちょうど発刊された20年前の私は、前職で社長直轄「ヒット商品緊急開発プロジェクト」のリーダーとして異業種コラボレーションによるヒット商品(第14夜、第18夜)を連発していました。
その最中に、田坂広志さんにお会いしました。(第27夜)
これまでの「オーディオ」を超えて新しいライフスタイルである「オルタナティブ・オーディオ」を創るための二つの仕掛けをしました。

①社外創発:異業種とコラボレーション
・音楽*ウィスキー
・音楽*インテリア
・音楽*ファッション
・音楽*お風呂
②社内創発:社内横断の一気通貫チームによるイノベーション
・プランナー、デザイナー、マーケター、R&D、エンジニア、プロデューサー。

このヒット商品緊急開発プロジェクトのプロセスは、まさに『創発』そのものでした。
新オーディオ・オルタナティブビジョンの元に、全てを異業種コラボレーションの創発により、足し算では到底発現しない『新しい性質』『新しい物語・ライフスタイル・文化』を紡ぎ出してヒット商品になりました。
また、社内の一気通貫チームも通常の仕事には見られない「秩序や構造」が生まれてきたのが驚きであり、嬉しい発見でした。

この「ヒット商品」実践時代とそれに続く研究所時代「未来シナリオづくり」の双方における「社内外の創発」体験が自分にとってのかけがえのない財産となりました。
それが、現在の独立を決意した『価値創造プロセス』の核心・確信・革新となりました。ご支援している「事業創生・地域創生・人財創生」(鍵穴)も創発をベースとした「トリニティ・イノベーション」(鍵)が成長・成功のエンジンになっています。

さて、複雑系・創発のわかりやすい事例を上げます。
『世界は複雑化すると、新しい性質や命を獲得する』

例えば、“iPhone”です。
それまで、ポータブルな情報機器として、
「iPod、デジタルカメラ、携帯電話、インターネット」
と複雑化してきたものが、“iPhone”に統合されたことで、新しい性質を持ち、新しい文化を創りました。

“人間”を事例にすると、
人間の要素をバラバラに分解すると、目、鼻、耳、脳、心臓、手、足、神経・・・となりますが、それらが集まることで、“命”が生まれます。

如何ですか?
『新価値創造研究所』は、多くの方達のより良き将来と幸せを目的にして「新しい性質、新しいライフスタイル、新しい文化、新しい命」づくりを皆さまと創発で実践しています。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

 

 

創発とは何か

価値創造の知・第77夜 新価値創造イニシアティブ

2017年10月12日 新価値創造イニシアティブ

「新価値創造イニシアティブ」とは何でしょうか?

この頃、このテーマで研修やセミナーを開催することが多くなりました。時代が要請しています。
いったい、どうしてでしょうか?

 20世紀の価値創造の中心は、「高い性能、高い信頼性、安い価格」でした。グローバル化、AIoT化、及び近隣諸国の進化・変化によって、日本のその優位性は大きく揺らいできたことが挙げられます。

21世紀は、新しいステージ、新しい局面を迎えています。
その時に必要なのは、従来のやり方や考え方の制約や固定観念を破り、超える必要があります。

一例をあげます。
「性能」でいうと、
性能<機能<効能
のように、「効能」から入り、機能、性能を把える時代です。順番が違うのです。
経営も従来の「オペレーション&マネジメント」ではなく、「革新・イノベーション&構想・イメジメント」が牽引する時代です。

新価値創造研究所は、上記の常識の殻を破る3つの視座・視点を
① 深い知:ミッション
② 高い知:ビジョン
③ 広い知:イノベーション
として、その構造・心得・方法を提示してきました。

また、それらは別々に存在しているのではなく、三位一体(トリニティ・イノベーション)で把えることによって、
「バリュープロポジション(第37夜、第69夜)」から、お客様から選ばれ、囲まれる「コンセプト」が芽生え、新成長シナリオが紡がれていきます。

そして、前夜(第76夜)にも記しましたが、①②③に日本の方法(禅思考・守破離・間)を組込むことで、世界を凌駕する価値創造につながります。
結果として、大きな効能・成果・成長につながっていきます。

気をつけなければならないのは、価値を創ることと同等に、「価値を伝える力&価値が伝わる力」、「巻き込む力&巻き込まれる力」が重要だということです。
そして、AIoT時代に重要なコトは「全ての産業は、サービス業化していく」という認識です。
ここで云う「サービス」とは、「企業・地域等と顧客・社員・住民・社会・地球と心地よくつながる仕組み」のことです。
「革新・7つの力」の「4.仕組構想力」(第67夜)に記した『仕組み』です。

①深い知:ミッション、②高い知:ビジョン という「やるべきコト・やりたいコト」が明確になると、それに導かれるように③広い知:イノベーションに向かいます。
そこでは、「すぐやる力&やり抜く力」が試されます。

私たちの想いは、「新価値創造で多くの人々が幸せになって欲しい」
日本は、「新価値創造イニシアティブ」の時代です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

 

新価値創造イニシアティブ

価値創造の知・第76夜 価値創造の秘訣

2017年10月9日 革新の秘訣公開

価値創造の秘訣とは?

「革新の7つの力」を第59夜~第74夜に亘って綴ってきました。その構図・体系は第60夜にまとめています。
本夜は、その7つの力の奥に潜む「価値創造の秘訣」を公開します。

1.自分を変える:危機意識・情熱力
2.他者を愛する:幸せ想像力
3.余白をつくる:本質創造力
4.舞台をつくる:仕組構想力
5.関係をつくる:伝える力・伝わる力
6.信頼をつくる:巻き込む力・巻き込まれる力
7.成功をつかむ:すぐやる力・やり抜く力

如何でしょうか?
どんなに強い想いや危機意識があっても、それを構想・具現化する力・方法がなければ行動に移せずに空回りします。
多くの人たちに伝えたいと思っても、それに相応しい創造・構想がなければ伝わりません。
いろいろ挑戦していても、今考えているコト、やりたいコト、進めたいコトに「自信がない」方達をいっぱい見てきました。

上記で、特に難しそうに見えるのは、「余白をつくる」「舞台をつくる」のステップに思います。
「余白をつくる=殻を破る」ことです。一見、八方ふさがりにあるようでも「余白・間(ま)」(第3夜、第22夜)は必ずみつかります。そこで大事なことは、『できない(やらない)理由を探すな』(第55夜)ということです。先ず一歩踏み出してみましょう。そのことで新しい一面が拓かれてきます。
次は、「舞台をつくる=顧客・社員・住民は『ドラマに参加したい!』ということ。顧客は、「素敵なドラマやストーリーがあれば参加しますよ」と言っています。そのための『舞台』を構想してつくることです。
それは大それたことである必要はありません。「工場」であれば、「工場見学会」を拓く。「WEB」であれば、人が集まりたくなる小さなプラットフォーム等です。
それを実行しようと思った時に、貴方・貴女は何をしなければならないか、何をしたいかというステージに立ちます。

その時を後押しする力の源泉はどこからくると思いますか?
それは、「1.自分を変える、2.他者を愛する、3.余白をつくる」から湧き出てきます。

さて、『革新』には上記1~7の全てのステップが必要なのですが、現状の行き詰まりを超えて「自信を持って実行・革新する」には、
・3.本質創造力:余白をつくる=トリニティ・イノベーション
・4.仕組構想力:舞台をつくる=一気通貫・成長シナリオ
の『創造力・構想力』の二つがポイントになります。

数ある企業革新のどの型や方法を選ぶかによって、アウトプットは大きく変わってきます。ここがとても大事です。欧米で使っている方法・型だけ使っていては、日本の独自性は生まれることはありません。
新価値創造研究所では、世界に誇れる日本の独自の方法を「深い知(禅思考)」「高い知(守破離)」「広い知(間・ま)」をここに組込んでいます。

前職の複数の外部コンサルティングが提示したパターン化した欧米の方法・型は、経営の改善はできても『革新』には程遠いものでした。その欧米の方法・型は、今でも多くのコンサルティング・ファームが使っているものです。

核心・革新の本質的な方法については、前夜(第75夜)に記しました。
それを体系的に、三位一体にまとめたのが、価値創造を基盤にした「3.本質創造力」と「4.仕組構想力」です、
日本流価値創造を組込んだ方法・型で、『幸せ』溢れる日本、地域、会社、そして世の中にしたいと想います。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

価値創造の秘訣

価値創造の知・第75夜 価値創造とは何か?

2017年10月7日 新価値創造イニシアティブ

価値創造とは何か?
新価値創造研究所は、「価値創造」を次の様にわかりやすく定義しています。
・「価値」とは、世の中に役立つこと。
・「創造」とは、未来を先取りすること。

「価値がない」とは、世の中に役だたないということです。しかし、ここで間違えてはいけないのが、同じモノ・コトが「時と場所と場合」の違いによって役立ったり、役だたなかったりすることです。
昔は役立っていたが、今では役立たない。今は役立たないが、将来役立つかもしれない。「同じ水」でも砂漠の中と水豊かな自然という環境の違いで役立つ度合いが変わってきますね。数えきれない事例があります。
そして、「価値」は主観的であり、段階的に変化するものです。

「創造」とは、今まで気づいていないモノ・コトを見つけ、磨き上げることにより、新しい価値として社会的に受け入れられて、経済が発展した状態のコト。つまり「イノベーション」のことです。
新しい価値を見つける方法は2種類あります。
一つ目は、不要なものを削いで取り除いて核心に辿りつく方法です。(方法A)
二つ目は、モノやコトを新しく結びつけて革新に辿りつく方法です。ここには、時間(過去、現在、未来)を結びつける「縦の新結合」(方法B)と、空間で複数のモノ・コトを結びつける「横の新結合」(方法C)があります。

新しい価値を創造する基本の方法は、この3つの方法(A・B・C)でほとんど網羅できます。それを新価値創造研究所では、「(三位一体)トリニティー・イノベーション」として取りまとめ、商標登録しました。(第57夜・第67夜:トリニティイノベーション体系)
それをご覧いただければ、『深い知(本来)・高い知(将来)・広い知(縁来)』の三位一体価値創造の構造が見えてきます。それを誰でも習得・体得できるように、分かり易い説明と事例、そして簡単な演習を用意・卒意しています。

「価値創造」とは、『世の中に役立つことを創り、未来を先取りするコト」です。イメージできたでしょうか。

この「価値創造」という言葉がメディアによく登場します。
それは、日本・自治体・企業等、従来(20世紀型)のやり方・考え方では太刀打ちできなくて、「新価値創造」が求めれれているからです。
企業(事業)の目的・本質は、「顧客価値を創る」ことにあります。今は、改善ではなく革新の時です。
『事業創生・地域創生』の本質は、その「新価値創造」にあります。「新価値創造イニシアティブ」の時代です。この頃はこのセミナー・テーマでよく講演しています。

この「新価値創造」という言葉は、丁度30年前に自分が創った造語でした。
それは、価値創造の知・第13夜「倒産、そして新価値創造」に詳細を記していますが、
「変化に対応できなければ、会社は倒産する」
という危機感から、前職の「技術発表会」事務局長の時に創ったコンセプトです。長く使われています。

それから、26年後に早期退職して「新価値創造研究所」を立ち上げました。
これを磨き上げ、世の中に役立つように貢献することが自分の使命と想っています。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
価値創造とは何か

価値創造の知・第74夜 「すぐやる力」@革新の7つの力

2017年10月5日 「すぐやる力」の3要素

「すぐやる力」と「やり抜く力」はコインの裏表です。
「すぐやる力」は必要だと頭では分かっていても、実際の現場では「すぐやる組織」と「すぐやらない組織」があります。

ご支援企業は、「老舗企業からベンチャー企業」、「サービス業から製造業」、そして自治体まで多業種・多業態にわたります。
その中で、数多くの「バリューイノベーション・プロジェクト」を推進してきましたが、「すぐ動くプロジェクト」と「なかなか動かないプロジェクト」があります。

さて、改善ではなく、改革における「すぐやる個人・組織」には3つの要素があります。条件といってもいいかもしれません。
それは何だと思いますか?思い浮かべてみてください。

一つ目は、すぐやれる「組織風土力」です。
「バリュープロジェクト」をナビゲートしているとすぐにわかります。それは、リーダーにその風土をつくる意識があるかどうか、評価してあげるかどうかです。

二つ目は、すぐやれるための「情報編集力」です。
内外や将来の情報を集め、それを編集し、磨く力です。
それがないと、その対象がすぐやったほうがいいのかどうかわかりませんよね。

三つ目は、すぐやるための「判断決断力」です。
判断をしないのであれば、決断しないのであれば、プロジェクトは先に進めません。

どうでしょうか?何が足りないのか見えてきましたか?
すぐやるには、「組織風土力」・「情報編集力」・「判断・決断力」の3つの力が必要です。

さてさて、実際の現場ではどうでしょうか?

ベンチャー企業の殆どは「機動力」が必要で、ゆっくりやっている余裕はありません。また、目指す姿も明確になっているので「スピード」が武器になります。法規制等があれば、素早く対応や変身・変態が求められます。
逆に、じりじりと右肩下がりになっている老舗企業があります。いろいろチャレンジしてきたのに上手くいかなくて沈滞している姿も多くみられます。
周りの動きを見ていて、旨くいった先行事例をみながら動き出すところが多いですね。失敗はしたくないので、先送りして様子を見ていることで、更に遅れをとってしまいます。
それは、中腰で動く組織風土か、どっぷり腰かけている組織風土の違いでわかります。

また、「事業創生・地域創生」に向けて、「バリュー・プロジェクト」のワークショップを行いますが、「3.本質創造力」・「4.仕組構想力」のステージに差し掛かるところで、だいたい「次の一手」が見えてきます。
併せて、同業種・多業種・先行業種でとても参考になる「考え」「仕組み」をご紹介した時に、担当者やプロジェクトメンバーをすぐに調査に向かわせるか、それをなかなか決断しないかの二つがあります。
その時に、リアクションと結果に差がでてきます。どうしてでしょうか?

それは、経営陣が「行き詰まりを打破すること」「仕掛けること」を本気で、真剣に考えていて、その複数のイメージに「引っかかる」「ピンとくる」ものを感じられるかどうかにかかってきます。
判断する準備ができていない時は決断できません。判断・決断できないリーダーでは困りますね。いったい、どうしたら良いのでしょうか?

それを多面的に価値創造の知・「革新の7つの力」で順を追って説明してきました。
「すぐやる力&やり抜く力」の元になるのは、「3.本質創造力」・「4.仕組構想力」です。ここが「肝」であり、「要」です。この二つのステージを飛ばして判断・決断・行動はできません。「急がば回れ」です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
すぐやる力00

価値創造の知・第73夜 「7.やり抜く力」@革新の7つの力

2017年10月4日 諦めない心・粘り強い心

いよいよ「革新の7つの力」の最終章となりました。やはり、連載という努力してやり続けるといいことがあることを実感しています。

さて、「7.やり抜く力」です。
「革新の7つの力」の一番目は、「1.自分事力」でした。
それは、何かへの熱意・情熱・本気から生まれます。そのことで、それまでの自分から変身します。「自分が変わる」のです。すべては、そこから始まりました。

望む「結果」に近づくには、上記「原因」に対して決意することです。それが核心です。そうすると、現状と望む結果の間(あいだ)には、大きなギャップがあることを認識します。
そのギャップを埋めようと思えば、もがき苦しみ、必死にその本質に辿り着こうとします。それが「3.本質創造力」です。それを実現する「4.仕組構想力」も掴み取らねばなりません。
(失敗や諦めにつながる大きな要素が、MISSIONとなる3.本質創造力」・「4.仕組構想力」への確信が構築できないことにあります)

そして、「5.伝える力・伝わる力」・「6.巻き込む力・巻き込まれる力」という行動(ACTION)につながりますが、最初の『熱』が伝わっているかが重要です。
残念ながら、大きな組織の場合は、その熱が奪われることが多いのです。 そして幸運なことにここまでたどり着いても、新しいコトであればあるほど、すぐに望む結果はすぐに手にはいらないことが大半です。

成功した多くの人たちが挫折を味わっています。神様は簡単にご褒美はくれません。 そこに必要なのは、「諦めない心」「粘り強い心」そして、下記「柔軟にやり続ける努力・行動」になります。
第45夜
①自らハシゴを創る&リオリエンテーション
第55夜
①チャンスの女神の前髪を掴め
②人生でいちばん大事なこと:『できない(やらない)理由を探すな』
ということを実践してきました。

さてさて、「1.自分事力」と「7.やり抜く力」の違いは何でしょうか?
共通項は、原因となる『熱』を持っていることです。このみえないモノがとっても重要で伝播します。

違いは、「諦めない心」・「粘り強い心」・「柔軟にやり続ける努力・行動」にあります。そのことで、間違いなく『成長』はします。
是非、「天の一角から“助けのロープ”」(第55夜)を引き寄せてください。

追記: 上記の「柔軟にやり続ける努力・行動」の中でお伝えしたいコトがあります。それは、『機動力:迅速に行動する能力』です。
「やり抜く力」と「機動力」はコインの裏表です。次夜は、「機動力」を綴ります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

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価値創造の知・第72夜 「6.巻き込まれる力」@革新の7つの力

2017年10月3日 選ばれる力

「巻き込む力」には、「巻き込まれる力」が必要で、同様に、「巻き込まれる力」には、「巻き込む力」が必要です。
この二つの力が相乗して、成長・成功に向かいます。

それでは、実例として「社長直訴そしてヒット商品緊急開発プロジェクトへ」というコラム(第14夜)を取り上げます。
それは、39歳の時に社長直轄「ヒット商品緊急開発プロジェクト」のプロジェクトリーダーとしてご指名いただいたコトから始まります。

早速、全社経営会議でプロジェクトの「①ポリシー、②スタイル、③プラニング」をプレゼンテーションすることになります。 その経営会議の前に、新社長に「自分はこのプロジェクトが失敗したら会社を辞めます」と本気の覚悟を伝えました。
経営会議後に新社長から呼ばれ「辞めなくていい。その代わり、入口(プラン)から出口(販売)まで責任を持て。そして思い切ってやれ」と言われました。
プロジェクトの立ち上げ時は、自分含めて3名(総務・企画)だけでした。新社長に「責任をとるために、社内から選りすぐりメンバーを一本釣りしたい」とお願いに行き了承いただきました。それから人買いを始めるのですがこれはこれで大変でした。その凄まじい話はさておいて、「マーケ・販売」の逸材を説得に、とある営業所に行きました。
彼は自分と同期なのですが、「提案内容は了解した。ただし、今まで筋のいい提案が経営に上がるときに、そこで口出しされて、捻じ曲げられたことで何度も失敗している。
一気通貫で自分たちの想いが入口から出口までできるのなら引き受ける」と。
この一気通貫が、私達の重要な「スタイル」の一つになりました。

社内で、選りすぐりのメンバーを探す時に、あなたならどうしますか?
それが「巻き込まれる力」に関係してきます。
「じんざい」は下記の4つに分類できます。
①人財: 動きを起こす人(仕掛け型)
②人材: 動きに巻き込まれた人(こなし型)
③人在: 動きを見守る人
④人罪: 動きが起こったことすら知らない人

さて、あなたはどこに所属していますか?

「動きを起こす人」には「巻き込む力」が必要です。人は一人では何もできません。
リーダーに必要なのは、上記事例の自分の同期の様に、キラリと輝くポリシーと経験を持ち、提案力・行動力をも併せ持つ「巻き込まれる力=選ばれる力」を持つ人材です。そのような人材と『共創・創発』することで大きな力が発生します。
そのようなメンバーを集めました。このパートナーたちがいなければ、連続のヒット商品は生まれませんでした。
ポイントは、パートナーたちが活躍できる『舞台をつくる』ことです。
リーダーがすることは、志・覚悟・ミッションを持って、変わるべき方向・ビジョンを示し、それを実現する「舞台」をつくり、そこで沢山の人たちに喜んで演じてもらい、「囲い込むことではなく、囲まれるプラットフォーム」をどう創るかです。

さてさて、「巻き込まれる力」に戻りますと、用意・準備ができている人に「白羽の矢」が立ちます。この「巻き込まれる力」を持っている人が育っていなくて、少なくなってきているように思います。
「効率」ばかりに目がいっていると、そのような人材は残念ながら育ちません。
多くの会社をご支援してきて実感したことですが、経営戦略部や戦略企画部からの選出メンバーは、ほとんど「良い子」です。この「良い子」は上記②人材: 動きに巻き込まれた人(こなし型)のためトップからは従順で可愛くみえますが、「仕掛け」ができません。
彼らを「こなし型」から「仕掛け型」に変換することが、こちらの腕の見せ所であり、価値創造企業・価値創造地域にはそれが必要です。

「巻き込む力」と「巻き込まれる力」がタッグを組んで、新しい大きい価値が創造されます。
ただ、絶対的に不足しているのが、「巻き込む力」です。
ここまで記してきて、改めて「革新」を実現するには、7つの力の『一気通貫』の必要性を確信します。

第60夜の図解の様に、核心は「熱意・愛」(内側)です。そこから本質を極めて「創造・構想」による確信の元(縁側)が生まれ、「伝わり・巻き込む」(外側)ことで革新に至ります。
あなたは、「巻き込む力=仕掛ける力」と「巻き込まれる力=選ばれる力」のどちらに関心がありますか?

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

巻き込まれる力00

価値創造の知・第71夜 6.巻き込む力・巻き込まれる力@革新の7つの力

2017年10月2日 人間力と経営力

革新の7つの力も終盤に近づいてきました。
「巻き込む力」があっても「巻き込まれる力」がないと大きな力になりません。実は、この二つの力は、コインの表と裏です。
これらを私の経験とご支援先の事例を踏まえて記しますが、本夜は「巻き込む力・巻き込まれる力」の前半の『巻き込む力』を綴ります。

 ここまで「革新の7つの力」を順番に記してきましたが、大事なことは、その1~6の各力に『熱』が伝わっているかどうかです。
その『熱』は、「1.自分事力(Mission)」「2.幸せ想像力(Vision)」です。そして、それを持ちながら、「3.本質創造力」「4.仕組構想力」を見つけ、磨き上げ、それが、「5.伝える力・伝わる力」になります。
それがあってこその「6.巻き込む力・巻き込まれる力」です。

「熱意」が「志」となり、「2.幸せ想像力(Vision)」「3.本質創造力」「4.仕組構想力」で将来ビジョンへの確信が生まれます。
それを関係者・顧客・社会に伝えていく、伝わっていくのです。

つまり、『巻き込む力』とは、「1.自分事力(Mission)」~「「5.伝える力・伝わる力」の集大成になります。
そこには、「志」「覚悟」「責任」「信頼」という『人間力の源』と「幸せ・笑顔想像」「創造」「構想」という『経営力の源』が醸成されます。
『熱意』がなければ、その『熱』は伝わらず、巻き込む力に繋がりません。前職の「ヒット商品緊急開発プロジェクト」ではそのように進めて、異業種コラボによる連続ヒット商品に繋げました。
参考に、その時の『イメージとマネージ』の世界を添付図に上げます。

さて、上記の『人間力の源』と『経営力の源』に是非挑戦してください。
もともと『創始者』にはあったのですね。また、不足している場合は、ベスト・パートナーとの二人三脚がありました。
そのような目線で貴方・貴女が関係する『経営』を見ると、そのどちらかが不足している『経営の姿』が見えてくるかもしれません。時代『変化・波』を乗りこなせず、飲み込まれているのですね。

そこには、『事業創生・地域創生・人財創生』が必要です。
次夜は、「巻き込まれる力」を綴ります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

イメージとマネージ00