橋本元司の「価値創造の知」第312夜:「2+1(ツープラスワン)」

2024年 11月13日 一対にあと一つを加える

 第308夜から、「価値創造の知・『バージョン2.0』」を開始しました。

その流れを俯瞰することで、「価値創造の知」の理解が進む一助になれば幸いです。

・第308夜:「一隅を照らす」ために、

 (比叡山で、心に火が点灯)

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・第309夜:価値創造とイノベーション(半分×半分)

 (自分のミッションの再確認)

   ↓

・第310夜:現状を「半分」と見切るコト

 (ものの見方を提示:現状は中途半端、途上である)

   ↓

・第311夜:「間(MA)」とイノベーション

 (新しい全体:「間」の構造を理解する)

   ↓

・第312夜:「2+1(ツープラスワン)」

 (一対プラス1で、新しいものを生み出す)

 本312夜は、 「一対(二つの要素)に、あと一つを加えて『別のもの』を生み出し、新しい全体をつくる方法」の前半をお伝えします。

松岡正剛師匠の講義を加筆引用します。

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 ・・・簡単に言ってしまえば、

二つのものが目の前にあって、

そこにもう一つ加わると、

何か別のものが生まれるということです。

 たとえば、Aという子がフリスビーを持っていて、

Bという子が砂場で遊んでいる。

 それだけでは何も起こらないけれど、

そこにCという子がホースを持ち込むと、

ホースから水を出して、砂をこねてお団子を作り、

フリスビーをお皿に見立てて、

「ごっこ遊び」が始まったりするとか、・・・

・・・「お母さんとカレーライス」という一対に「買い物(プラス1)」を入れるか、

「お母さんとカレーライス」に「弟(プラス1)」を入れるか、

いろいろ変わってきたときに何かが見えるんじゃないでしょうか。

プラス1というのは、変化の多様性なんです。・・・

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 ルネサンス三大発明に、グーテンブルクの『活版印刷』(1450年頃)があります。

グーテンブルクの家は、「A.刻印機」をつくっていました。

そして、その途方には、「B.ぶどう絞り機」がありました。

 AとBだけでは何も起こりませんね。

『活版印刷』により、手作業(書き写し)ではできない「大量印刷が可能」になり。

世界に聖書や歴史、技術などが広く知れ渡るようになりました。

 そう、一対(AとB)だけでは何もおこらず、そこに「C.様々な術(わざ)」

を組み込むことによって生まれてきました。

 「何をしたいか」、「何をつくりたいか」というイメージが先にあり、

あるものとあるものの関係性の発見能力、つまり、意味のある情報どうしを

とってきて、組み合わせ、組み替える能力の両方が必要です。

 これを松岡師匠は、「イメジメント」と言いました。

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 多くの会社は、「マネジメント」はそこそこできているのだけれど、

新しい価値の創造には、「マネジメント(能力)」ではなく、

「イメジメント(能力)」が肝要なんだ。

 「パイオニア社」と「イメジメント」は相性がいいんじゃない。(笑)・・・

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 前職パイオニア社の本社に来ていただいた時の懐かしい言葉です。

 次夜(第313夜)は、この具体的実例を「サントリー社とパイオニア社」の新結合を通してお伝えしたいと思います。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ