橋本元司の「価値創造の知」第316夜:日本人の味覚に合うスパゲッティを届けたい!

2024年11月23日 「2+1」:“たらこスパゲッティ”の誕生

 本夜は、どんなきっかけで、「2+1」が誕生していくのかを、
渋谷でよく食べに行く「壁の穴」というスパゲティ専門店を通してお伝えします。
「2+1」理解が進む事例として、多くの講演、研修で紹介しています。
とっても参考になり、喜ばれるいいお手本です。

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「壁の穴」
https://www.kabenoana.com/
スパゲティ専門店「壁の穴」が開店したのは、昭和28年。
当時は、日本ではイタリア料理はなじみの薄い時代でした。
そこで、日本人の味覚にあうスパゲティを独自に研究。
「たらこ」「うに」「納豆」など、さまざま日本の食材を使ったメニューを開発していきました。
それは「壁の穴」の定番となり、やがて“和風スパゲティ”として日本に広まっていったのです。
また、ヨーロッパと日本では水質が違いますから、イタリアのレシピでスパゲティを作ってもうまくいきません。
日本人の口に合う、旨味を出す方法はないものか。試行錯誤を重ねて、ついに昆布粉を発見。
あらゆるパスタソースに昆布粉を入れることによって、素材の味を損なわずに旨味を引き出すことに成功したのです。
料理の基礎を大切にしながら、少しずつ独自の改良を加え『和風スパゲッティ』を完成させました。
スパゲティが日本人にとって身近なものとなるよう、独自の研究を重ね、さまざまな日本の食材を使ってスパゲティを作り上げました。
こうして誕生したメニューは壁のの定番となり、やがて「和風スパゲティ」として、日本中に広まっていったのです。
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A.スパゲティ(半分)
B.たらこ(半分)
C.コンブ粉の発見(プラス1)

 という構図ですね。

 ここで一番のきっかけになるのは、

①「日本人の味覚に合うスパゲッティを届けたい!」

 という想いです。
それが源流にあることです。

 そして、実現するために開発したのが、

② 「コンブ粉の発見」

 です。

 そして、それが、

③ 「新しい文化&物語」

 につながります。文化経済(文化が先行して経済を引っ張る)です。(第314夜)

 上記を図解したのが、
新価値創造研究所オリジナルの『ダイヤグラム(DG)』です。

この図解の下半分の『偶有性』と、上半分の『戦略・物語性』については、次夜に綴ります。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ