2024年12月16日 「色即是空」・「空即是色」
前夜は、『価値創造』における『数寄』の関係を「2+1」にまとめました。
正剛師匠が示された『数寄』を、私の前職の挑戦や新価値創造研究所発足後の経験(ヒット商品緊急開発プロジェクトや企業創生・地域創生ご支援等)から導き出したオリジナルの図解です。
第332夜にして、正剛師匠と私の新結合である体系図を組み立てました。
これから「イノベーション/価値創造/アントレプレナーシップ」等のセミナー・研修の中級編に組み込もうと構想しているので楽しみです。

さて、本夜は前夜の内容と関連する正剛師匠との新結合「2+1」を綴ります。
それが、“ here → there → another ”です。
2011年に新潟未詳俱楽部の夜、新潟特有の雪が降っていました。
私と正剛師匠が露天風呂に二人きりになり、湯けむりの中、雪をみながら深い話をすることができました。
その幽玄の趣の中で、自分の「瞑想体験」「空即是色」と「編集」を聴きたくなってしまいました。
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・・・私は、「超越瞑想」(第33夜)をすると自分の自我や欲望がなくなって、そこでは現実の雑念を引いて引いて「大元(おおもと)」に戻る、包まれる感覚になります。
「色即是空」の「色」とは現実(here)であり、「空=モノゴトの大元(there)」と見立てるとしっくりきます。

「色即是空・空即是色」(第6夜、第162夜)というのは、「現実=色」に問題・課題があるのなら、先ず心を無にして、「大元=空=大切なこと=真心」に戻りなさいと教えてくれているように思います。
そして、「空=大元=真心」に戻って従来のしがらみや常識から解き放たれて、その本質(=コンセプト=核心)を把えてから「現実=色」を観ると新しい世界(=現実=色=確信)が観えるということではないでしょうか。その確信を革新するのがイノベーションであり価値創造と思っています。
スティーブジョブズは、禅寺に通っていたことを知った時に、「iPhone」は「核心→確信→革新」に至ったと確信しました。
「色」と「空」は違うので、「色即是空」「空即是色」と繰り返していると思うのです。「色」と「空」が同じであれば、繰り返す必要はないと思っています。
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夜の露天風呂は、師匠が未詳俱楽部でよく話される「here(此岸)」と「there(彼岸)」がぴったりの状況でした。
そして、後半の「空即是色」の「色」はどのように伝えたらいいのでしょうか、と正剛師匠に聴くと、
最初の「色」は「here」、後半の「色」とは『別・another』だね、と。(第17夜、第33夜、第311夜)
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・・・その「真」のコンセプトは「二」を意味していて、
それも一の次の序数としての二ではなく、
一と一が両側から寄ってきて
つくりあげる合一としての「二」。
「真」を成立させるもともとの「一」は「片」と呼ばれていて
この片が別の片と組み合わさって「真」になろうとする。
「二」である「真」はその内側に2つの「片」を含んでいる。
それなら片方と片方を取り出してみたらどうなるか。
その取り出した片方と片方を暫定的に置いておいた状態、
それこそが「間(ま)」です。
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そこでは、「色即是空」と「空即是色」の「色」は異なるもの、別であるという共通認識が得られました。
それは、hereとthereが両側から寄ってきてつくりあげる『真(ま)』(第17夜、第311夜)であること。
それで、、
“ here → there → another(別) ”
そこには、絶妙な「間(ま)」「縁(えん)」と「却来・ジャンプ」がありました。
新潟未詳俱楽部から帰ってすぐに、前職パイオニア社の人事部と連携して、「イノベーター養成講座」の「新バージョン」を作成して公開講座に仕立てました。
2000名くらいの受講があり、「パイオニア・スピリットの人財創生」につながりました。
それをバージョンアップしてきたたものが、今でも私の講座・研修の中心で継続しています。
そして、その構造を見立てて仕上げた講座が、「SDGs成長経営セミナー」につながります。
直近でそれを活用した「京都銀行定例講演会」や「川崎市主催・SDGs経営セミナー」では、やはり受講者からの嬉しい反応がありました。
次夜は、『here → there → another』から、松尾芭蕉の『虚に居て実を行ふべし』を紐解こうと想います。
価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ