2024年12月21日 『左斜め上の経験』:「一生懸命」から「一所賢明」へ
前夜は、組織外の「斜め上の師匠」が、「価値創造」の飛躍・実現を並走・指南してくれた体験を綴りました。
「夢を“目標”に変えるとその夢は叶う」、と未詳俱楽部(第26夜・第119夜)の友人が伝えてくれました。
若い時の漠然とした「夢」・「情熱」が、二人の師匠に出逢うことで、「目標」に進化し、「夢」が叶っていきました。
本夜は、図の左半分の組織内なのですが、若くして組織のトップと同じ目線で組織全体のマネジメントと接し、また、組合という「横のつながり」と“組合員の声”という「ボトムアップ」を両利きで体験した、「左斜め上の経験」を綴ります。
そして、その経験による「問題意識・切実」とつながる「不足の認識」が「右斜め上の師匠」とつながっていくきっかけになりました。
結論からいうと、是非若いうちに、「左斜め上の経験」をすることが「価値創造」を迅速にしていくということを知って欲しいと想います。

ここ数年、依頼が増えてきた「アントレプレナーシップ/スタートアップ講座」でも、その経験とエッセンスを受講者にお伝えしています。
現在、複数の「ベンチャー企業」をご支援していますが、若い時に自立・自律し、成功体験、失敗体験をたくさんすることが財産になります。
それでは、両師匠(半分・一対::第312夜)に出逢う前の、自分の30才前後の「状況、心持ち」(半分:第312夜)をお伝えして、それが新しい全体(「2+1」)につながっていく源流の一端をお伝えします。
■キーワードは、「守破離」(第5夜、第34夜、第330夜)と「一所賢明」(第38夜)
・全力投球:ヒット商品設計で目の前の仕事にガムシャラに向き合って仕上げていました(守破離の「守」)
・ご褒美:上記によるご褒美なのか、より挑戦的な大きな仕事(OEM)が舞い込むことになりました
・違和感:上記の困難な日程設定による「大幅な残業継続、徹夜作業」による疲れ
・変える:上記の会社の仕事のやり方、仕組みを大きく変える必要性の痛感(守破離の「破」)
・転機:上記から、労働組合(2000人規模)からの組合書記長の要請
・役目と役割:組合書記長の視座と経験
→変更:「一生懸命」から「一所賢明」へ
→新しい視座:ボトムアップ(Lower)、トップダウン(Upper)、外部つながり(Outer)
→社外のつながり:「変化に対応できなければ、会社は倒産する」(第13夜)
・新機軸:事務局長(技術統括):「技術発表会(年一回)」と新しいコンセプト(第13夜)
→「新価値創造(NVC)の時代」への取組み
・新舞台:本社異動: 情報企画、開発企画
・社長直訴: ヒット商品緊急開発プロジェクト(守破離の「離」)
■『懸命と賢明』(第38夜、第287夜)
労働組合書記長時代の自分の経験の一部を加筆引用します。
価値創造の知・第38夜(懸命と賢明、そして“働き方改革”)
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・・・就職してから8年後に、(前職・パイオニア社の)2000人規模のセンター工場の労働組合の支部書記長になりました。
その前は、設計部門にいて、緊急の3か月連続120時間以上という徹夜連続の猛烈の超過勤務がありました。その3ヶ月連続後は心身が疲弊したことをいまでも心と身体が覚えています。職種にもよりますが、自分の体験では、残業時間をMAX40時間にした方がいいと思います。それは、現状を放っておくと人間は「知恵・叡智」を使わないからです。
第1夜(創造性にる生産性向上と働き方改革)では、価値創造の「資質(WILL)と能力(SKILL)」について記しましたが、
集中が必要な100時間を超える連続超過業務は、「一生懸命」では無理があることを自ら体験しました。
そのような経緯も含めた支部書記長指名だったので、本格的に「残業(超超過勤務)問題」に取り組みました。
自分が30才くらいの時の話になるのですが、今で云う「働き方改革」を断行しました。大局的に経営陣の意識を変える必要がありました。
組織は何か大きな事故等がないとなかなか着手しないのですね。
残業に対する規制の新制度は、2年前に労組の先輩たちが創ってくれたのですが、ただ数値を規制するだけでは歪や悲鳴が出てきます。
書記長として、会社との交渉で事前準備して使った言葉は今でも覚えています。
“もう私たち組合員は、通常のレベルを超えて十分以上に「一生懸命」に仕事をしています。
今必要なのは、足りないのは、「賢明」ではないでしょうか。
「懸命」を超えるには「かしこく明らか」にする賢明の知恵が必要です。
会社は組合員の「一生懸命という精神力」に頼ってしまうのではなくて、「賢明」という“知”で働き方を改革する必要があります。共創しましょう”

という提言をして、「懸命」と「賢明」を合わせた取組み、仕組み(システム)を会社と労組でタッグを組んで進めました。
叡智を集めて、仕組みを創ることがとても重要なのです。
工場部門だけではなく、本社企画・マーケ・開発・生産技術も含め、関係部門の業務のやり方・進め方を見直すことでを働き方を変え、生産性も大幅に向上しました。
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いま、時代の価値観のトップは、「サスティナビリティ=あり続けたい」です。
「生命の時代」が本質です。それによって、企業・自治体の役割も大きく変わっています。
「生命の時代(SDGs)」を本業につなげて、「一所賢明」に探求し、解決・実践する時代を私たちは生きています。
視点・視座を変えていくことが求められています。
■「変化に対応できなければ、会社は倒産する」(第13夜)
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・・・前職労組の書記長をしていた同時期に、同じ地域にあるお菓子会社の労組の委員長と書記長が尋ねてこられました。
「会社の経営が危ないので、緊急にお菓子を斡旋していただけないか」と。
年末だったのですが、お引き受けしてすぐにチラシを作成して、組合員にたくさん購入して貰いました。
その一年後に、同じ二人が来られました。
・「昨年は本当にたくさんのご支援、有難うございました。しかし、力及ばず会社は倒産することになりました」
・「今、私達が悔やんでいるのは、3年ほど前から会社を立て直す機会が数度あったのですが、そのままにしてしまったことです。
あの時に本気で労組が再建の行動をとっていたら、このようにはならなかった」

まだ若いその時に、お二人の後悔の言葉を聴いたときに、とっても大事なコトを学びました。
「変化に対応できなければ、会社は倒産するのだ」と。
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その認識が深く強く自分の中に棲み込んでいて、前職でも今でも企業や学校・自治体ご支援の「錨(いかり)」になっています。
それが、前職でも現職でも背中を押します。
そのご支援のレベルを高めるために、更なる「知」・「匠」を探索・探求しています。(第335夜)
・『知』の流儀:「社会力・経済力・文化力」
・『匠』の流儀:「編集力、洞察力、自在力」
・そして、『世界観』と『体系知』
まだまだ両師匠の領域には及ばないのですが、
「事業創生・地域創生・人財創生」の中にしっかりと注入して完成度を高めています。
さてさて、元に戻らない変化を「トランスフォーメーション」といいます。
・「蛹(サナギ)」から「蝶(チョウ)」へ
・「おたまじゃくし」から「カエル」へ
服を変えるチェンジングではなく、後戻りしない変化です。
■「変化に対応できなければ、会社は倒産する」②
SX、DXという言葉があります。
それと本業とのイノベーションご支援「2+1」が、私のミッションの中心です。
・SX:サステナブル・トランスフォーメーション
・GX:グリーン・トランスフォーメーション
・DX:デジタル・トランスフォーメーション

上記「トランスフォーメーション」を「本業」にスマートに組み入れることを正面から検討されてください。
価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ