2025年2月5日:「リオリエンテーション」の時代の展開事例
前夜、前前夜と、大きなテーマである「『日本の再成長』を構想・図解する」を綴りました。
ここで必要になるのが下記の3項目です。
1.予測:未来がどうなるのか?
2.洞察:未来をどう洞察するか?
3.構想:未来をどうしたいのか?
この「予測・洞察・構想」に手を動かし、心と脳と足を使うことが求められています。
■ 質問①:「自社の未来をどうしたいのですか」
・質問②:「あなたは事業・会社を伸ばすためにどのような努力をされていますか」
是非、ペンを握って、白紙に書きだしてください。
現場にいって、上記を経営者の方たちに質問すると、
・従業員による改善提案
・従来の「やり方」の改善
・新しい事業の元になって欲しい試作品やサービスの開発
等々を聴かせていただけるのですが、
・「どうしたら事業・会社を成長させていけるのか」
・「やり方ではなく、自社の将来の“あり方”について」
という『構想』(第341~344夜に記述)を描けていないことが大半です。
その原因と方法を第308夜から綴ってきましたが、
本夜は、「3つのRe」の視点とセミナーで経営者からの反応が高い「具体的事例(:佐藤製作所)」(第314夜)をご紹介します。
■「リオリエンテーション:“進むべき方向”の抜本的見直し」(第147夜)
1991年にバブルは崩壊し、日本経済は長期の経済停滞に突入しました。
その頃、妹尾堅一郎先生が「真の企業再生のための3つの切り口」を提唱・整理されていましたが、その切り口を参考に加筆引用します。
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「行き詰まりの打破や、新たな成長を目指して、企業再生に取り組む切り口は3つあります。
①リストラクチャリング
「構造」の見直しを意味しますが、企業を縦串で見た時に必要のない部門を削除するものです。
②リエンジニアリング
「機能」の見直しを意味しますが、企業を横串で見た時に必要のない仕事を削除するものです。
③リオリエンテーション
「進むべき方向」の抜本的見直しを意味します。
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バブル崩壊(1991年)から、①リストラクチャリング、②リエンジニアリングについては、どの会社も取り組まれてきましたが「失われた30年」と言われる様に、
③リオリエンテーション(:進むべき方向の抜本的見直し)については、なかなか進まなかったのが現状です。
・「農業社会→工業社会→情報社会→脳業社会→○○社会」
前夜(第345夜)に、上記の「社会の進展」と「3C(Computer、Communication、Control)」について綴りましたが、
待ったなしで、「工業社会→情報社会→脳業社会→興(幸)業社会」(SDGsシフト55「価値創造の知・第300夜記念」)に大きく移行(シフト)していくことが洞察されます。
そして、次述する「後戻りしない変化:トランスフォーメーション」と本業の両立による収益化が成長するか、しないかの大きな分かれ道になります。
そのような大変化の中で、
・「どうしたら事業・会社を成長させていけるのか」
が中心の課題になります。
■ 「成長経営」の3つの視点
その課題を解決するために、私の「成長経営セミナー」では、大きく3つの視点と方法でお伝えしています。
A.後戻りしない変化(トランスフォーメーション)
⇒2020年10月に、菅・元首相の所信演説で、下記GX、DXがこれからの日本の成長の柱であると表明して、大規模なお金が注ぎ込まれることになりました。
・SX(SDGs): サステナブル・トランスフォーメーション(=気候変動、人権等、17の社会的課題)
・GX:グリーントランスフォーメーション(カーボンニュートラル等)
・DX:デジタルトランスフォーメーション
上記の後戻りしない変化であるトランスフォーメーション(SX.GX.DX)を、どう本業と「2+1」(第312~314夜)させるのかが重要になります。

B.「本業と社会的課題」の両立(=イノベーション)のよる価値創造
⇒上記Aの「SXやESG評価」(第257夜)に関連して、「“環境・社会・経済”の三位一体経営」への本格的取り組みが重要です。


C.「価値創造の3つの知」(第122夜、第149夜、第323夜)
⇒上記Bを具体化する方法が、「深い知・高い知・広い知」になります。
図中では隠れているのですが、①②③の3つの赤枠の空白・余白を見つけることで、価値創造につながります。

■ 成長の具体的事例: 佐藤製作所(東京都目黒区)
⇒詳細は、第314夜をご覧ください。
お伝えしたいことは、高齢男性だけの職場が、積極的に女性新入を採用し、活用し、活躍する環境をつくったことで、異なる能力を活用することで、「Reオリエンテーション」への道が拓かれたことです。

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「(株)佐藤製作所(東京都目黒区)」は、令和3年度・東京都女性活躍推進大賞、令和4年度・第20回勇気ある経営大賞特別賞を受賞された会社です。
https://www.city.meguro.tokyo.jp/sangyoukeizai/shigoto/sangyou/satouseisakusho20210216.html
金属加工、特に銀ロウ付け溶接の展開を得意とされている会社ですが、10年前は、連続赤字で倒産を考えられていました。
取引先が5社(B2B)だった10年前から、現在は約500社(B2B、B2B2C、B2C)の取引先となり、7年連続の賃上げを実現されています。つまり、佐藤製作所は、「B2B(既知)」と「B2C(未知)」を両立されて成長している会社です。
10年前の倒産危機の『切実』から、全社員の反対を押し切って女性新入社員を採用し、活用し、活躍という『逸脱』を推進されました。

そのことで、『別様』の新しい事業展開の道が拓けました。
(現状は、10年前の高齢男性だけの職場から、現在は社員数16名のうち、半分が20代、6名が女性に代謝さています)

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・10年前の赤字状態が 「会社バージョン1.0」
・現在の連続賃上げ状態が、「会社バージョン2.0」
・これからの10年の経営が、「会社バージョン3.0」
という次のバージョンアップが楽しみな成長企業に脱皮されました。
成長の一手、道筋は、「切実→逸脱→別様」(第333~334夜)にあります。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ