2025年8月29日: 生成AIはチャットレベルを超えて、業務プロセス刷新の局面へ
■『農業→工業→情業→脳業→幸業→・・・』
一昨日、有楽町の「東京国際フォーラム Summer2025」に行ってきました。
そこでは、生成AIはチャットレベルを超えて。「生成AIのビジネス実装」の段階に入ってきていることを実感します。
この出来事を感慨深く見ていました。

それについて、「価値創造の知」コラムの第300夜(2020年8月)から引用します。
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・・・さてさて「記念の300夜」なので、10年先の2030年も踏まえながら、自分がどのように時代を洞察しているのかの筋を披露します。
[時代の流れ]
・貞業→農業→工業→情業→脳業→興業(幸業)→浄業→
上記は、28年前の前職パイオニア社の経営会議(1992年)で、これからの時代の流れを自分が発表したものです。
時代は、工業(製造)の時代から、工業が進化した情業(2005年~)にシフトして、その先には、脳業(AI)の時代(第109夜、第209夜)がくるというものです。
その「情業の時代」に適応した会社に変容しましょうというという基本的な考えと具体策を提案しました。・・・
・・・その後、シナリオプランニングの第一人者のJ・オグルビー氏を東京・目黒本社に招聘し、直伝のもと、将来洞察と具体策に磨きをかけました。(第15夜、第86夜、第126夜)
時代の流れを俯瞰すると、現在は「AI」が牽引する『脳業』の時代です。
と同時に、工業時代・情業時代・欲望の資本主義に傷ついた地球環境・社会環境を取り戻す『SDGs』の時代でもあります。
マクロ(世界)でとらえれば、(添付図のように)『SDGs×脳業』の両輪を融合させた『価値創造』がこれからの本筋(メインストリーム)になることは間違いありません。
ミクロ(世間)については、どこかで綴ろうと思います。そのキーワードは『匠』です。
[時代をけん引するトライアングル]
(図のように)このステージでは、
・力 技術:Computation
・愛 環境:Environmentation
・知 価値:Value Innovation
の3つの調和が肝要であることがわかります。
自分は、それらへの挑戦・調和を『SDGsシフト』と名付けました。
これまで「54夜」の連載で、その「心得と方法」を綴ってきました。
これから、マクロでみると産業や生活は、2030年に向かって、この『SDGs×脳業×価値』が新機軸、求心軸になって動いていくと妄想・確信しています。
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前職パイオニア時代の1992年には、「脳業(AIデジタル)」の時代がくることが洞察できていました。
(*その時の洞察よりも、AIが人間の知能を凌駕する「技術的特異点」が10年前倒しになっています)
■『日本の再成長』を構想・図解:第345夜引用
日本の再成長の最も大きな原動力となるのは、「テクノロジー」です。
「農業社会→工業社会→情報社会→脳業社会」と時代は、積み重なり、進展してきています。
「情報社会→脳業社会」が、産業のコアとなり、それが「新農業」「新工業」(第N次産業等)へと影響を与えます。
そこでは、3C(Computer、Communication、Control)というものを考えていく必要があります。
→「人間を最も人間らしく遇する道は、その介在をなくすことができない仕事だけを人間に残して,機械にできることはすべて機械にやらせることである」
(オムロン創業者・立石一真氏 引用)
3C(Computer,Communication, Control)を人間の機能で表すと、
・①Computer:「脳」
・②Communication:「神経・通信」
・③Control:「手足」
になります。


■令和時代の「3C」で最適化社会を創る::第345夜引用
工業社会時代は、“③Control:「手足」”が中心でしたが、
現在は、“②Communication:「神経・通信」”、“①Computer:「脳」”が大きく進展したのはご存じの通りです。
それを科学技術の言葉で表すと、
①Computer:「脳」→ AI、量子もつれ
②Communication:「神経・通信」 → “IOWN 6G”
③Control:「手足・ロボット」 →AIロボティクス
「脳業時代」はこの「3C」が原動力となり、新しい産業や生活が芽吹いてくると洞察します。
日本は、「3C」を三位一体にして、優位性と継続性を創れるかどうかが肝(きも)になります。
そして、上記の「B]と前(第344夜)の[AとC]の三つを大胆に交錯させて、どのように「最適な三位一体」にするかが、「日本成長の鍵」を握ると思います。
■そして、生成AIのビジネス実装へ
上記、「工業→情業→脳業」の情業時代では、インターネット、スマホ、クラウドがなくてはならないインフラになっていますが、「生成AI」が必要不可欠なインフラになることは間違いありません。気になるのは、「大企業」の取組みの遅さです。大企業が率先して活用すれば、中堅・中小企業も取組むのです。
「情業時代」に、ITビジネス対応で後れをとって、経済停滞(失われた35年)に陥った轍を踏んではいけません。「まだ様子を伺っている」経営陣は退陣をお薦めします。
さて、今回の「AI博覧会 Summer 2025」では、
『AIという超優秀な社員が、従来の働き手にとって代わっていく未来』が多くの職種でリアルに感じられました。
実際、そうなると思います。
アメリカの大学卒が、「上記AI社員」と比較されて就職難になっている、というニュースが届きましたが、これは他人事ではありません。
ホワイトカラーは勿論のこと、AIロボティクスで、ブルーカラーも同様です。(将来の移民政策にも影響を及ぼすと洞察します)
■「AI維新の時代」に
明治維新に、武士という存在が時代の波に消えていったように、私たちには「劇的で大きな変化」が待ち受けています。
いま、日本や私たちに必要なのは、「仕事が無くなる」ことだけに右往左往するのではなく、その先に向けて、価値創造を起こし、素敵なライフスタイル、ワクワクするビジネススタイルが立ち上げることを、想像・創造・構想して、双方を両立させる力です。(これに対応するコンセプトと体系的な社長教育、社員教育、自治体教育、学校教育等々が必要不可欠です)
価値創造の兆し・予兆は、現在のあちらこちらに点滅・明滅しています。
『時代の波に飲み込まれずに、時代の波に乗っていけるか』を深く高く広く洞察しましょう。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ