2025年10月3日: 『生命サステナブル・AIデジタル・日本流コネクタブル』の統合
本夜は、一昨日「地域幸福度(Well-being)指標活用ファシリテーター」に登録(登録番号:WB07018)されたこともあり、「A.地方創生(Well-being)」と「B.事業創生(新ルル三条)」を組み合わせた内容をお伝えしたいと思います。
この「A.地方創生(目的:何のために)」と「B.事業創生(手段:どのようにして)」はコインの裏表です。
その目的と手段を何回も行き来(リバース)して検討することで、変革・改革する姿が浮かび上がってきます。

後述しますが、
1.目的:日本のこれまでのまちづくりでは、『街全体の目指す価値観の明示が不十分』であり、目的や取り組みも十分に整合はされていないことにあったコト
2.手段:変革と成長に不可欠な『3大要素の洞察・実装』が、「地方創生・事業創生・人財創生」に不足しているコト
の二つが大きな課題です。
この二つの課題解決について順番に綴っていきます。
◆「地域幸福度(Well-being)指標活用ファシリテーター」登録
前夜(第359夜)に、「デジタル庁の「地域幸福度(Well-being)活用指標」ファシリテーター」の資格取得について綴りました。
そして昨日、「デジタル庁の地域幸福度活用指標ファシリテーター」として登録されました。私の登録番号は[WB07018]です。
https://well-being.murc.jp/facilitator/WellbeingFacilitatorList.html
地域幸福度活用指標とは、と
⇒市民の「暮らしやすさ」と「幸福感(Well-being)」
を客観的なデータと主観的なアンケート調査の結果から数値化し、可視化する指標です。
デジタル庁が推進する「デジタル田園都市国家構想」において、
①「心豊かな暮らし」
②「持続可能な環境・社会・経済」
の実現に向けた取り組みを支援するための共通言語として活用されており、まちづくりの企画・立案や、多様な関係者の連携強化に役立てられています。
背景には、これまでのまちづくりでは、街全体の目指す価値観の明示が不十分であり、目的や取り組みも十分に整合はされていないことにありました。
地域のWell-beingの向上にあたり、指標を利用することで、『価値観や目的をすり合わせ、それぞれの取り組みの円滑な連携を図ること』ができるようになることを狙いにしています。
出典:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai7/shiryou5-1.pdf
「暮らしやすさ(客観)」 と「幸福感(主観)」を数値化・可視化することで、共通感覚・共通言語を共有して、その地域の街づくりの企画立案や、いろんな立場の人たちがつながるきっかけをつくることが可能になってきます。
◆ 日本新成長の変革(トランスフォーメーション=X)に不可欠な3大要素(新ルル三条)
前夜(第359夜)にも綴りましたが、後戻りしない変化をトランスフォーメーション(X)といいます。
あらゆる場面で、日本新成長を構想する時に、服を着替える様な「チャンジング」ではなく、蛹が蝶になるような後戻りしない「トランスフォーミング」を検討・洞察・実装することが肝要な時代です。
新価値創造研究所が考えるその「3大要素(トランスフォーメーション)」を記します。
1.「生命・サステナブル」:SX⇒あり続けたい(Outer)
2.「AI・デジタル」 :AX⇒知能技術活用(I/F)
3.「日本流コネクタブル」:JX⇒見たて・仕立て(Inner)

これまでの財・アセット(経済的価値のあらゆるものすへて)と上記の「1~3」を組合わせて新しい化合物(=イノベーション)を創ることが、日本の「価値創造」の本流です。
1,「生命サステナブル」
地球沸騰が切実なものとして、人類を襲っています。
キーワードは、『あり続けたい』。
気温が、破滅的な50度C、60度Cに近づいています。
この「生命サステナブル=あり続けたい」は、2015年、150を超える国連加盟国首脳が参加した「国連持続可能な開発サミット」で採択となった国際社会共通の「持続可能な開発目標」のことです。
私は上記に賛同して、2015年から「企業創生、地方創生、人財創生」を伴走支援、講演をしてきました。
この「価値創造の知」コラムでは、「本業×SDGs」について多くの心得と方法と実例を記してきました。
これから5年で、さらに切実なコトになるのは間違いありません。
ポイントは、「社会価値(社会課題解決)と経済価値(利益)」の両立(イノベーション)にあります。
その架け橋になるのが、「価値創造」です。
2.「AIデジタル」
「AI革命」です。
前夜、前前夜(第358~359夜)に、記してきましたのでご覧ください。
好むと好まざるとにかかわらず、「AI革命」が大きく、世の中(世界)をライフスタイル(世間)を変えていきます。
失われた30年の大きな原因は、「本業×IT」のシフトができていなかったことです。
いまだに、FAXを使っていることが、その象徴です。
「AIデジタル」は、米国・中国から2周遅れの状況です。
そして、ここに「AIデジタル」のトランスフォーメーション(X)が本格化してきました。
ここで、「AIシフト」ができなければ、失われた30年を繰り返すことになります。
ポイントは、「AIはドラえもん化(智慧×慈悲)」するということです。
『空海』の二つの曼荼羅図(智慧×慈悲)に学ぶことが肝要になります。
3.「日本流コネクタブル」(ジャパネスク・トランスフォーメーション)
上記1.2.は、これからの人類の「光と影」を映し出しています。
いずれにしても、「切実」が目の前に現れて、取り組まなければならない「2トップのX(トランスフォーメーション)」になります。
そのピンチをチャンスに変えることができるかが、日本の経済成長に大きな影響を及ぼします。
さて、上記の1.2.は、世界のどの国も取り組まなければなりません。
そして、だんだんコモディティ化(一般化)していきます。
その前に、どのようなフィルターをかけて、価値のある化合物(イノベーション)を創るのかが重要になります。
その方法を、松岡正剛師匠は、「苗代的思考(第119夜)」と表現をしました。
第119夜から加筆引用します。
ーーーーーーーーー
本夜お伝えしたいキーワードは、「苗代(なわしろ)的思考」と「コードとモード」です。
・・・「苗代(なわしろ)的思考」ですが、今の日本、これからの日本、そして、あらゆる会社や地域に有効です。
『いま日本に足りぬものは苗代(なわしろ)であり、グローバリズムの直植えではありません』
さて、苗代(なわしろ、なえしろ)とは何でしょうか?
苗代とは灌漑によって育成するイネの苗床である。 もともとは種籾(イネの種子、籾殻つきの米粒)を密に播いて発芽させ、田植えができる大きさまで育てるのに用いる狭い田を指した。
「苗代」は日本特有の文化で、苗を直植えしないで仮の場所で育ててから植え換えをする方法です。

「外来のコード」をつかって、これを日本文化にふさわしい「内生のモード」に編集しなおす、植え換えをするという方法が脈々と受け継がれています。
古代から、 日本は外国から「コード」、いわゆる文化や技術の基本要素を取り入れて、それを日本なりの「モード」にしていく、様式にしていくということが、たいへん得意な国だったのです。
・・・重要なことは、『外からのコード(基本要素)をそのまま受け取らずに、自分の中で編集してモード(様式)化』していくことが肝要である。・・・
---------
松岡正剛師匠からは、未詳俱楽部(第17夜、26夜、119夜、136夜)というプライベート倶楽部で、「日本流」「日本の方法」「手続きの知」等を、20年に亘る『格別・別格の一流人』との出会いを通して体感し、学ばせてもらいました。
松岡正剛師匠の「日本という方法」「日本流」「日本力」「匠の流儀」「別日本で、いい。」「空海」という別格の本がありますので参考にしていただければと思います。
・知
・縁
・一対
・間(ま)
・守破離
・数寄
・余白
・日本流
・おもてなし
・苗代思考
・無常迅速
・別様
・虚実
・バロック
・フラジャイル
・イメージメント
・連想
・コードとモード
・鍵と鍵穴
等々の「視点・視座」や「型」を、一流の現場(未詳俱楽部)を通して、直伝で授かってきました。
上記、「1.生命サステナブル(SX)」と「3.日本流コネクタブル(JX)」の化合物、連携、組合せ(イノベーション)については、このコラムで多くを綴ってきました。
次に、「2.AIデジタル(AX)」と「3,日本流コネクタブル(JX)」の組合せ(イノベーション)についても、キュービタル(第40夜、205夜、350夜)というキーワードを使ってお伝えしてきました。
さてさて、これからですが、上記1~3のSX・AX・JXを新結合(イノベーション)した価値創造を進めていこうと思います。
それが、日本成長の核心・確信・革新です。
3つのトランスフォーメーション(SX/AX/JX)の語尾(サステナブル・デジタル・コネクタブル)の「ル」をまとめて、「新ルル三条」と命名しました。
この様なネーミング編集の重要性も松岡正剛師匠から学びました。

◆「地方創生」・「事業創生」・「人財創生」を融合・統合・組織化
「地域幸福度(Well-being)指標活用」の苗代的思考として、「新ルル三条」は不可欠なトランスフォーメーションと確信しています。
そして、「地方創生」には「事業創生」「人財創生」が不可欠です。
「新ルル三条」は、「地方創生・事業創生・人財創生」のすべてに必要不可欠です。
上記を、新価値創造研究所の特徴として推進していきたいと思います。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ