橋本元司の「価値創造の知・第131夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑲将来の価値観から創りなおす

2018年4月11日 「次の一手」「次の柱」を創る

私たちが招聘される理由の70%くらいは、
・成長のために、「次の一手」「次の柱」を見つけたい
・成長のための「将来の価値観」を明確にしたい
・「将来の構想」を描きたい
にあります。

「答え」がわからない時代、不確実な時代と云われます。
そうでしょうか?
「従来のやり方・考え方のメガネ」で見ればそうなのですが、「新しい価値観のメガネ」で見れば輪郭は観えています。
それは、環境が変わり「経営の質(次元)」が変化しているのに、「新しい価値観」に追いついていないことが大きな要因の一つです。
それに伴って、売上/利益が右肩下がりになり、組織や従業員に「軋み」が現れています。

それは、
・改善する
・悪いところをなくす
という処置では対応ができません。

「将来の価値観(北極星)」に向けて、会社/地域を創りなおすことが肝要なのです。

そのために必要な作法があるのですが、それが
前々夜(第129夜)の「なぜ?」であり、前夜(第130夜)の「新しい意味」です。
図解で説明しますと、トリニティイノベーション(「深い知・高い知・広い知」)の上方の二つ(深い知・高い知)の洞察(Insight・Foresight)です。
そう、洞察(=物事の本質を見通すこと。見抜くこと)であり、「アブダクション」(第123夜)です。
そして、その能力の「おおもと」は、「禅的思考」(第33夜、第76夜)、「深い知」(第85夜)にあることを綴ってきました。

この「本質を見抜くコト」が、特に経営陣には望まれます。
実は、ベンチャー企業の社長には「本質を見抜く洞察力」を持つ方が多く、私たちとの二人三脚で「構想⇒行動⇒更新」が迅速です。

ここで過去の成功体験に引きずられる最近の例を示します。

今、日本相撲協会や日本レスリング協会の問題が連日メディアを賑わしています。
この両協会に共通するのは、
「協会を守る、或は、自分を守る」
というスタンスが、世の中の価値観と大きくズレていることにあります。

「開かれた、拓かれた協会」

という「将来の価値観」を共有したいのです。
相撲協会でいえば、私たちは今までのやり方(八百長、暴力体質等)を排除してゆきたいのですね。でも、今の親方衆は「従来のやり方」で生きてきたのです。これがなかなか改革できない難しいところです。しかし、日本柔道協会は改革できましたね。できないハズがありません。
「ナゼ?」から考えてみてください。

さて、上記の問題の両協会のことは他人ゴトでみていられますが、それが自分ゴトになったときに、やはり「守り」に入ってしまうのです。
それは、今の会社・事業の成功者達が経営陣だからです。それが成功のジレンマです。「既得権」を持っていたくて、「新しい価値観」には重い腰です。
自分のスキルが通用しない可能性が高いからです。

そのような中での「革新・改革」には難しいところがあります。この人的問題には、丁寧に誠を持って対応することが必要です。その方達と「将来の価値観」を共有することが、その後の展開にはとても重要です。

そして、「将来の価値観」を図解のトリニティイノベーションで共有してから、
①Small:最初は、小さく
②Open:世の中に共感されるように「開く、拓く」
③Share:それをインターネット的(第114夜~116夜)に
されると成長・成功に向かう確率が高まります。

本当に、本気で成長・成功を望むのであれば、従来のしがらみ・考え方を超えて、
「将来の価値観」に基づいて、会社・地域・協会は創り直していかなければなりません。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
将来の価値観

橋本元司の「価値創造の知・第130夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑱EU中小企業「意味のイノベーション」

2018年4月9日 「デザイン思考の進化」と「意味のイノベーション」

本夜は、「デザイン思考」と「価値創造」の関係から、貴社の貴地域の「イノベーション」を感じていただければと思います。
それは、「デザイン思考」についての私の体験・感想と、「デザイン思考の進化とビジネスイノベーション」の関係からの「価値創造の知」についてです。

10年ほど前、「デザイン思考(design thinking)」という言葉が流行して、ビジネスのイノベーションを起こす方法として注目を浴びていました、
私もその方法の専門家(IDEO、ユーザー中心デザイン、ラピッドプロトタイピング等)の方達を複数招聘して、幾つか試してみましたが何かしっくりきませんでした。
それは、対象の「改善・改良」にはつながるのだけれど、「革新的なビジネス」には辿り着かないというものでした。

2016年、「ハーバードビジネスレビューApril 2016」の「デザイン思考の進化」特集で以下が記されていてたいへん共感しました。
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一般にいわれる「デザイン思考」で本当に革新的なビジネスは生まれるのだろうか?
世界的デザインファームZibaのエグゼクティブフェローであり、ビジネスデザイナーの濱口秀司氏は、
「本来、デザイン思考は二つに分類できるのだと言う。
①改善、改良のための「デザイン思考」
②イノベーションを生み出す「デザイン思考」

一般的にいわれるデザインファームの「デザイン思考」というものが、本来はイノベーションを生むためのものでは「ない」。
(ニーズ視点のプロトコル(手順)は改良・改善で成果を上げる)
そして、「真のイノベーション」を起こすためのプロトコル(手順)までを示したい。
イノベーションは、バイアスを視覚化して破壊する・・・
(バイアスとは、思い込みや思想などから考え方等の偏り。偏見)
・・・
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後者は、イノベーションの「余白」(第50夜、第89夜)の創り方の有力な一つです。
デザイン思考の進化を志す方達は是非ご覧ください。

そして次に、図解の「デザインの次にくるもの-意味のイノベーション」です。
「EUの政策」の一つに、地方の「技術を売りにしない中小企業のイノベーション」を推進することを念頭に置いたプログラムがあり、「デザインの次にくるもの」の中には、そのプログラムに採用されているアプローチ「意味のイノベーション」について記されています。
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「EU」はクリエイティブ産業の育成に予算を注ぎ込んだ時代があります。しかしながら、あまり芳しい結果をもたらすことができませんでした。
他方、生産性の向上をどう図るかは、長い間の懸念でもありました。しかし、中堅以下の企業にとって生産性の向上は、実践と効果を考慮すると無理難題が多いと考えられます。
そこで、EUのイノベーション政策立案者が考えた選択肢は二つです。
①テクノロジー開発の背中を押すか
②市場に“新しい意味”をもたらす土俵をつくるか
テクノロジーの推進をやめたわけではありません。しかし、それと同時に“新しい意味”を創る中小企業を増やすことが欧州にイノベーションを起こし、長期的な資産を築き上げることに貢献すると考えたようです。
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技術が「どうやって?」を求めるのに対して、“新しい意味”は「なぜ?」を追求します。
(これは、第84~86夜「meaning-深い知」、第118夜「核心・確信・革新が道筋」と同じことを云っています)
つまり、「意味のイノベーション」です。
事例の一部を引用します。
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「電気のない時代、ロウソクで夜、灯りをともしていましたよね。でも電灯が普及するとロウソクは不要になりました。もちろん停電のなったときの緊急用としてのロウソクは必要です。
でもそれ以外の目的にいまもロウソクは使われています。「なぜ」でしょうか?
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併行して、、
「あなたの家族が、家で夕食をとるとき、そこにはどんな意味を求めていますか?」
という設問と共に、ぜひ考えてみてください。

・どの様な“特別な意味”があるのでしょうか
・どの様な“新しいな意味(目的)”があるのでしょうか

ロウソクだけを直接見ていると、改善・改良になりがちです。家族の夕食における意味を問いかけます。深い「なぜ」から独自の「意味」を発見するのです。
「問い」の深さ・高さ・広さによって「価値」が変わってきます。

上記の様な新しい意味を生み出す、「意味のイノベーション」に中小企業は注力すべきだ、というわけです。
新価値創造研究所では、それをトリニティーイノベーション「深い知・高い知・広い知」の最初(第86夜)に組み込んでいます。
これが、改良・改善ではない、「創造的な問題解決=価値創造」のファーストステップとなります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
意味のイノベーション

橋本元司の「価値創造の知・第129夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑰自己受容と価値ぬ

2018年4月7日 アドラーと価値創造

「すべては自己受容から始まる」
「自分に価値があると思える時だけ、勇気を持てる」(Adler Speaks)

「自己受容の重要性」についてのアドラーの言葉です。皆さん「アドラー」はご存知ですね。
フロイト、ユングと並ぶ「心理学の三大巨頭」と云われ、図の「嫌われる勇気」はベストセラーとなりました。

前夜(第128夜)では、
⇒「価値創造」に向かうためには、周囲から「認められる」ことが不可欠です。
ということについて綴りました。

本当はその前に、「自分に価値がある」と思えたらそのような自分を受け入れることができるのです。
上記で云っている「勇気」とは、対人関係の中に入っていく勇気のことです。

対人関係は悩みの源泉にもなりますが、生きる喜びや幸せも他者の関係の中でしか得ることはできません。
人間は一人では幸せになれないのです。だからこそ、アドラーは対人関係の中に入っていく勇気が必要だと云っています。
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「人生の意味は全体への貢献である」
「人生の意味は貢献、他者への関心、協力である」

アドラーここでいう「全体」は「共同体」のことですが、もしもこれが既存の共同体であれば、「全体主義」になっています。
先に、所属感は人間にとって基本的な欲求であることを見ましたが、
「全体の一部でありたい」
と思えるからこそ、他者に貢献したいと思えるのです。
全体主義という言葉が悪い連想が働くのは私益しか考えていない一党一派が全体の益を考えていると欺き、全体を支配するということが、歴史上何度もあったからですが、
アドラーのいう、人は全体の一部であるというのは、それとはまったく意味が違います・・・
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なぜ、貢献感を持つことが必要なのかを3つの観点でとらえています。
1.「自己受容性」
⇒ありのままの自分を受け入れるということです。
2.「他者貢献(感)」
⇒生きているだけで、あなたは誰かに貢献している
3.「他者信頼」
⇒他者を「仲間」であると信頼できなければ、他者に貢献しようとは思えません。

ここで記していることをどこかで観ませんでしたか?
前夜(第128夜)の「マズローの欲求6段階」です。
21世紀は、「⑥第6段階・自己超越欲求:自分のためだけでなく、他の人々や他の者を豊かにしたいという欲求」から検討する時代です。
その理由は、どこかの夜に綴ります。

さて、自分が役立たずではなく、役に立てている、貢献していると感じられる時に、そんな自分に価値があると思え、自分を受け入れることができます。
そのことを私たちは「バリューイノベーションプロジェクト」ではとても重要視しています。
全員の力を結集して、イノベーションに向かいたいのです。

そのために、他者貢献、社会貢献を考えようとする時に、「自分に価値がある、自分でも貢献できる」と確信できる『場』『環境』が必要です。

・こんなことを云ったら笑われる
・こんなことを云ったら馬鹿にされる
・こんなことを云ったら評価が悪くなる

通常の職場では、こんな場面が多いのではないでしょうか?
それは「マネージメント」の世界です。

しかしながら、イメージメントの「想像⇒創造⇒構想」(第122夜)という価値創造の場面では、「常識から逸脱する」「従来の殻を破る」ことが必要です。
なので、
・「笑われるくらいがちょうどいい」
ということを何度もお伝えするのです。
ただ、そこでは『センス』が必要となるのですが、これもどこかの「夜」に綴ります。

さてさて、そのうち皆さんセンスも磨かれて、キラリ!と光るアイデアや発言が続々と出てきます。
それを上手に掬い取ります。
そこに、「深い知・高い知・広い知」のスキルも身に付きますから、その「型」の上で大胆に演じることができるようになります。

そうすると、
「自分に価値があると思えて、勇気を持てる」
という(人財)ステージを自動的に迎えることができるのです。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
自己受容

橋本元司の「価値創造の知・第128夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑯笑われるくらいがちょうどいい

2018年4月5日 マズローの欲求6段階説

「価値創造」に向かうためには、プロジェクトメンバーが周囲から「認められる」「認めあう」ことが不可欠です。

東洋経済オンライン(4/5)に、「期待の新人を辞めさせない、たった1つのコツ」
~新入社員は「認められる」ことに飢えている~
が載っていたので、参考に引用します。
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入社後3年以内に中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が離職するという「七五三」現象はよく知られているが、
企業の採用増と少子化で超売り手市場のいまは、若者の早期離職にいっそう拍車がかかっている。
アンケートなどで離職の理由として上位にあがっているのは、「仕事が合わない」「成長できない」「労働条件がよくない」ことなどである。
しかし、実際には「承認」の不足、すなわち周囲から認めてもらえなかったことが深くかかわっているケースが多い。

バブルのころ、日本を代表する大企業の人事担当者から、つぎのような話を聞いた。
入社間もない若手技術者がつぎつぎと辞めていった。おそらくライバル企業から高給で引き抜かれたのだろうと思われていた。
ところがその後、離職者への追跡調査で辞めた理由を聞いてみると、大半の者が、上司や先輩が認めてくれなかったことを理由にあげたそうだ。
好況で上司や先輩は仕事に忙殺され、新人を認めてやる余裕がなかったのである。

この事実は、上司や先輩が若手をしっかり認めてやれば、早期離職をある程度防止できることを意味する。・・・
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新入社員のことを記していますが、「認められる」「承認される」ことは、家族であれ、夫婦であれ、友人であれ、とても大事なことですよね。
しっかりと向き合うことが重要です。ただ、「褒めればいい」というのとは異なります。
特に、未経験で不安いっぱいのルーキーの場合は尚更です。同期の横のつながりがその不安を解消してくれたりします。
通常のオペレーションで上司や周囲から認められないという状況には辛いものがあります。

皆さんご存知の「マズローの欲求五段階説」というのがあります。
①第1段階・生理的欲求:生きていくために必要な、基本的・本能的な欲求
②第2段階・安全欲求:安心・安全な暮らしへの欲求
③第3段階・社会的欲求:友人や家庭、会社から受け入れられたい欲求
④第4段階・承認欲求(尊重欲求):他者から尊敬されたい、認められたいと願う欲求
⑤第5段階・自己実現欲求:自分の世界観・人生観に基づいて、「あるべき自分」になりたいと願う欲求
⑥第6段階・自己超越欲求:自分のためだけでなく、他の人々や他の者を豊かにしたいという欲求

21世紀に必要なビジネススタイルでは、欲求第6段階の「自己のためだけでなく社会全体を良くしたい、豊かにしたいという欲求がおおもとにあること」が求められています。
世の中の「質・次元」(第124夜)が大きく変わっています。小手先の欲求対応では、事業の持続・継続が難しい時代という認識が求められます。
それが「わかる」ことは、「かわる」ことです。(第8夜)

「次の一手」「次の柱」を検討する時に、是非「自己のためだけでなく、社会全体を良くしたい、豊かにしたいという欲求がおおもとにあること」のステージに立って挑戦してみてください。
そうすると、下記の二つのことが現れます。
1.そのことで「温かい気持ち」が心の中に流れるコト
2.それにより「本質を見極める」ことが必要と感じるコト

上記2.の「モノゴトの本質」を見極め、且つ、価値創造する方法は、下記「3つの知」(第89夜)しかありません。
1.「深い知」
2.「高い知」
3.「広い知」
それは、①「本質」を把えながら、②「常識」から逸脱することです。
そうすることで、「お客様から選ばれる理由」(第37夜:バリュープロポジション)を掘り起こすことができます。

さて、その「3つの知」をバリュープロジェクト・メンバーに習得してもらい、「想像⇒創造⇒構想」を辿っていただきます。
それは、「想像・創造」という、現状の壁を超えて「構想」にいたる舞台です。
その「殻を破る」「常識を超える」時に、メンバーに必要な心得は、

「笑われるくらいがちょうどいい」

ということです。
これを、研修・プロジェクトでは何回、何十回も私がメンバーの方達に言います。

そして、それは全員参加なのですが、「突飛」「突発」な発言には、最初は全員に拍手を強要します。
それが、常識を覆し、「新しい文化」の創造につながってゆきます。それを水先案内します。
そのうちに、自然に全員から拍手がおきます。これは、メンバーから「認められる」「承認される」成果です。

これを繰り返し行うことで、周囲が驚くほどの「アイデア」「企画」「ビジネスシナリオ」が続出します。
「人材」が「人財」に変身する瞬間です。(特に、参加された女性の伸びが著しい)

何故でしょうか?

私もサラリーマン生活が長かったのでよくわかりますが、
発言しても通らない時に、人はだまります。そして、そのまま考えないようになっていく人もいます。

経営陣が従来のやり方・考え方に固執して、時代から取り残されていくのは残念なことです。

前職(パイオニア社)でも何回か経験しました。
・1992年:そんなふうになるわけないじゃないか。(CD⇒通信2005年)
・1996年:それが成功するなんてありえない(ヒット商品プロジェクト)
・2006年:10年後のことなんて意味がない(10年後のパイオニア:2017)

上記のことは、常識という枠を超えて、私たちが想ったように、描いたように実現しました。価値創造がイノベーションになりました。

①世の中に役立つコト、新しい文化を創ること
②モノゴトの本質を把えること

上記①②を「二つでありながら一つにすること」(第33夜)
これが最も重要な方法なのです。

ただ、ここに辿り着く前に、ルーキーのメンバー達を従来の常識から解放させる必要があります。
それが、「笑われるくらいがちょうどいい」から始めることです。
人材を将来の人財にするために。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

マズロー

橋本元司の「価値創造の知・第127夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑮権限委譲と価値創造

2018年4月4日 エンパワーメンとインストラクション

前夜(第126夜)の「相互理解(インタラクション)」に引き続き、参加者の「想像力・創造力・構想力」を引き出すためには、意識的に『権限委譲(エンパワーメント)』することにあります。

つまり、「あなたが主役です」ということを直に伝えることです。

「権限委譲」とは、参加メンバー(従業員)に「権利と責任」を与えることであり、プロジェクト(仕事)の発言権(インプット)と実践を認め、それに報いることです。
それは、人的資源を育成・開発すると共に、マネージャーがタスク(課題)の支援者であるという見方に変わります。

上記では、「マネージャー(管理者)」という言葉を使いましたが、「想像・創造・構想」というステージ上でコーチに必要な能力は「マネージメント=こなし型」ではありません。

「現状のやり方・考え方からの延長上に未来はない!」
という認識の元に、「次の柱」を検討・構想しようとするステージに必要なのは、「イメージメント=仕掛け型」の能力です。仕掛け型のメンバーを1/3以上選定することをお薦めします。

「イメージメント」については、第7夜(イメージメントとマネージメント)に綴りました。
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「イメージメント」を簡単に言うと、「想像・創造・構想」を紡ぎ出すコーチング能力のことです。
現状のマネージャーは、それをどうコントロールされているのかが課題です。

イメージメントは「知」の組み合わせである。「知」は、「個別知=パーソナル・ナレッジ」、「共同知=コミュニティー・ナレッジ」、「世界知=グローバル・ナレッジ」の3つに分けることができる。
この3つの「知」のアドレスをまず認識し、その境界をまたぐことによって「知」を新しい関係によってつなぐ。
これを「編集脳」と言う。すなわち「組み合わせ能力」、または「連想力」、英語でいうと「Association(アソシエイション)」のことである。(「セイゴウちゃんねる」より抜粋)

多種多様な企業をご支援していますが、「次のイメージ」「次の柱」「次の一手」は、「マネージメント」ではなく、その前段の「イメージメント」の構想世界になります。
多くの経営者・管理者の方達は「マネージメント」は得意なのですが、「イメージメント」が残念ながら苦手です。その環境(色)に染まってしまった社員の方達も同様です。
「新たな知を紡ぎだすイメージメント」は、なにせ学校や企業で教えてもらったことがないのですから・・・。
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とすると、それを監督・コーチする人は、「マネージャー」ではなく、「イメージャー」となりますね。因みに、私たち(新価値創造研究所)は、新たな知を紡ぎだす「イメージメントのプロフェッショナル」です。

さて、「次の一手」「次の柱」を検討・構想する際に前提となるのは、メンバーに権限を受け渡し、努力の結果が自分達のものになると本気で感じさせる点にあります。
そうなると当事者意識を持ち、やる気のある「燃える集団」に変身します。

私自身が、社長直轄で「ヒット商品緊急開発プロジェクト」(第14夜)の「権限と責任」を与えられました。また、多様なプロジェクトをご支援している中で、「何が問題なのか?」「何が壁・ネックとなるのか?」を様々なプロセスで見て対応してきました。
どう「権限委譲」するかということの答えは「ひとつ」ではありません。

大手企業の場合は、社長自身が「プロジェクト」に参加することが見受けられないため、最初のプロジェクト・キックオフでトップの方から参加メンバーへの「権限委譲」をことを話していただきます。
それを直に聴くこと、そして激励で、本人たちの「やる気」はぜんぜん違ってきます。

中小企業の場合は、社長自ら参加されることが多いのです。
そのことで報告する必要がありませんから、意思決定のスピードは、猛烈に速いです。ここで新たな範囲の権限委譲が言い渡されることもあります。社長の想いもその中で語られているので「相互理解(インタラクション」が格段に違うのです。

さて、ここで注意をしておくことがあります。
「権限委譲」とは、メンバーに絶対的な自由を与えることではありません。「権限委譲」の限度は、上記の場合では、通常「経営陣の視野」によって決定されます。その視野を多方面に、多角的に拡張したり、場合によっては選択肢を狭めたりすることが私たちの重要な役割のひとつです。
ここで気づかれた方も多いと思いますが、上記の「視野」というのは、第105~107夜に綴ってきた「本分」のことです。この「本分」をどう再定義するのかで、結果が大きく左右されます。そのために、決定者であるトップ(社長)と「バリュープロジェクト」のスコープ(視点・視野・視座と範囲)及び、「本分」を検討し、明確にする必要があります。

ここで「視点・視野・視座」(第77夜)について少し説明します。

・視点とは、「注目しているポイント」
・視野とは、「見る範囲」
・視座とは、「見る場所、目のおきどころ」

ここに経営陣とプロジェクトメンバーとのあいだに、ズレがあると問題なのですね。最初の打合せではどの会社や地域でも「ズレ」があるのが当たり前です。それをこちらが図解しながら「相互理解」で詰めてゆきます。どのようなスコープ・本分にするのかを気合いを入れて協議してゆきます。
(「権限委譲」とは、「顕現委譲」でもありますね)

そして、
・「視点・視野・視座」(分母)をメンバーに明確に提示するすること
・その範囲の中で、「想像・創造・構想」を重文に発揮すること

こうように、「権限委譲(第127夜・エンパワーメント)」「スコープ・本分の相互理解(第126夜・インストラクション)」を進めることで、「価値創造」につなげてゆきます。

私たちの経験で、この「権限委譲」されたメンバーは、殆どが燃える集団になり、イノベーション&経営革新のスピードと確率もグーンと高くなります。
そして何よりも、「人材」が「人財」に変わることが「喜び」になります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
権限委譲

橋本元司の「価値創造の知・第126夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑭理解の秘密・価値創造インストラクター

2018年3月30日 「相互理解=インストラクション」

私たちが「新事業創出/地域創生のご支援」で気をつけていることがあります。
それは、不確実性の高い未来に向けて、価値創造・イノベーションを達成するには、クライアントの皆様との『相互理解=インストラクション』を如何にはかるか、ということが不可欠です。その「相互理解」がなければ、配慮のない情報のやりとりになり、実践・解決の方向に向かいません。

いま、世間を賑わしている『働き方改革』の大きな部分を占めているのも『相互理解=インストラクション』です。
仕事の中には、コミュニケーションのロスやトラブルで溢れていますね。

・「何が重要か」についての管理者と従業員のあいだの不一致
・多くの会社がいまだに従業員と機械を同じように扱っている
・何も決まらない会議にウンザリする
・「言ったじゃないか」と声を荒げることは?
・やっかいなマニュアルを放り投げたことは?
・仕事の成果が見えにくい
・働く人々の多様化が進む
・「わかったね?」「ええ、わかりました」というやりとりはあるが、いっこうに理解してもらえない
・・・

如何ですか?
上記は、1993年「理解の秘密」リチャード・ワーマンが著した中に記している一部です。もう絶版なのですが、「今また、その本が脚光を浴びています」と友人が話していました。
この「理解の秘密」は、松岡正剛師匠が監訳していたので、1998年に購入していました。

本書は、コミュニケーションロスを解消し、相互理解をはかるために、インストラクションの働きとその活用法を教えるはじめての指南書になります。

組織変革のためのリストラクチャリングや資源節約するより、まずインストラクションの仕組みを変えたほうがよほど効果的であるとすら思えるのだ。(引用:松岡正剛あとがき)
是非たくさんの日本人に読んで欲しいと思います。

さて、その後半に『模範的なインストラクター』という項目があります。
①大きな絵、すなわちインストラクションを与えられるコンテクストを説明できる人間
②ある分野の知識をほかの分野に応用できるように、パターンを見つけさせることのできる人間
③信頼感を植え付けることのできる人間
④ひとつのアイデアをいろいろに表現すること、つまり3次元的な像を示すことのできる人間
⑤自分の関心対象に熱意を持つ人間
⑥誤りを認め、リスクをおかすことを奨励する人間
⑦指導のためには、ときには慣習とは逆の方向にすすむことのできる人間

もう20年前の会社勤めの時に、上記に近づきたいと修練してきました。図らずも「価値創造~イノベーション」の「インタラクション」には上記のスキルが全て必要なのでした。
この「価値創造の知」シリーズには①~⑦を散りばめているのもそれが一因です。

是非、新事業創出・地域創生の多くの価値創造インストラクターを輩出できればと思います。
そうしたら、もっともっと日本は、会社は、地域は、人は元気になるのではないかと想っています。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
インストラクション

橋本元司の「価値創造の知・第126夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑬未来は既にここにある

2018年3月29日 将来洞察と価値創造

本夜は、「将来を洞察し、確信する価値創造の方法」を綴ります。

先ず、「二つの言葉」をあげます。

一つ目は、「未来は既にここにある。全ての人に均等に配分されていないだけだ」
“The future is here, it’s just not evenly distributed yet.”
ジャック・ドーシーやティム・オラオリーが好んで引用するウィリアム・ギブソンの言葉です。

二つ目は、『すでに起こった未来』
「政治、社会、経済、企業のいずれにせよ、およそ人間に関わることについては、未来を予想してもあまり意味がない。だが、すでに起こり、後戻りのないことであって、一〇年後、二〇年後に影響をもたらすことについて知ることには重大な意味がある。

しかもそのような『すでに起こった未来』を明らかにし備えることは可能である」
P.F.ドラッカー(経営学の巨人)の言葉です。

◆未来は既にここにあるコト
◆すでに起こり、後戻りのないことであって、一〇年後、二〇年後に影響をもたらすこと
について自分は大納得です。
ここのポイントは、本質となる「どれが」、「何が」なのかを抽出することです。その本質を取り出す感覚を多くの方達に体得していただきたいと思います。

前職(パイオニア社)の拙い自分の二つの体験をご案内します。
1.ヒット商品緊急開発プロジェクト
その構造は、第82夜(ビジネスで最も大切なコト)にあるので、それをご覧になってから下記を読み進めると理解が速くなります。
(『違い』をつくるのは、「技:イノベーティング」で、『共感』を生み出すのは、「心:マーケティング」です)

1990年代のオーディオの行き詰まりを打破することを考えていました。それは、それまでの「オーディオ世界」(縦串)に「オーディオ世間」(横串:ライフスタイル)を通すことでした。このイメージは、当時のフィギアスケートを見ていて思いついたものです。

その採点は、「テクニカルポイント(技術点)」と「アーティスティックポイント(芸術点)」の合算でした。その昔は、「テクニカルポイント」中心で、それが上手な人が「ゴールドメダル」をとれたのです。でも、上記の合算の時代に変わりました。質的転換です。

政治・経済も1940年体制から縦割りに限界を感じ、横串を模索しているところでした。今の行政がなかなかそこから脱皮できないで時代遅れになっていることは皆さんご存知のところです。

当時、周りを見渡すとそのような横串(生活発想)からの機運の高まりの兆候がありました。
現状突破のために、思い切って、新社長に直訴して緊急開発プロジェクトを承認して貰いました。

1995年、異業種コラボレーションを見かけない時代に「横串」による『新しい文化』をプロデュースしました。
・味覚:ウィスキー*オーディオ
・視覚:ファッション*オーディオ
・聴覚:インテリア*オーディオ
・触覚:お風呂ライフ*オーディオ
「異種がつなげる」「異種がつながる」ことで「新しい文化を創る」ことがキーワードです。連続のヒット商品になりました。

そのつなぎ方の秘訣については、「大三角形」第40夜、「広い知」第83~84夜に綴っています。ビジネスで最も大切な構造を当てはめることで、「質的転換」を実現しました。

2.2017年の将来パイオニア
研究所に呼ばれて、10年後(2017年)の将来パイオニアの世界と世間を研究者たちと創発してまとめました。
2006年に作成した10年後の4つの世界(ビデオ)は、ずばり2017年を言い当てていました。

それは、シナリオプランニングの第一人者のJオグルビー氏と紺野登氏からの直伝を日本流に編集した「苗代的(第119夜)シナリオプランニング」(第15夜、第86夜)を活用しました。

ポイントは、10年後の世界に影響を与える因子、軸を抽出することです。ここで出てくる「何を」「どれを」抽出するのかが成否を決めます。

ここで少し関係のある寄り道をします。これが『将来洞察、将来シナリオ』の「核心・確信」に繋がるきっかけを創ってくれました。
それは、2000年の松岡正剛師匠主宰の未詳倶楽部で音連れました。目から鱗が落ちた瞬間です。
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私は20世紀までは主題の時代だったが、21世紀は「方法の時代」であると考えてる。日本はいま、日本を語り、日本を考える方法を失っている。
日本の面影を取り出せなくなっている。面影とは、目の前のモノが去っても、なおそこに残るもののことである。

「面影」はうつろいゆくものである。「うつろい」の「うつ」とは、「移」であり「映」であり「写」でもあって、そして「空」でもある。
そのようにして変化していく面影をとらえ、うつろいを美意識にした方法が「数寄」である。「数寄」とは、「漉く」であり「透く」であり「鋤く」であり、「好き」でもある。
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「将来洞察」を確信する心得と方法が欲しかった時期でした。上記の「面影」と「数寄」のあいだに注目しました。
そこで、「将来の面影」を「数寄」で埋めていく道筋が見えました。「数寄」とは、「漉いて」「透いて」「鋤いて」「好いて」いくものです。「漉いて」「透いて」「鋤いて」「好いて」いくと観えてくるのです。
これは自分で知の大汗をかかないと分かりません。イチゴを食べたことのない人には「イチゴの美味しさ」は伝わりませんね。

そうやって、「10年後(2017年)のパイオニアの世界と世間」を2006年に作成しました。そして、「核心と確信」を持つことができました。第118夜に綴りましたが、「核心と確信」があれば、「革新」に向かえるのです。

それ以降、多様な業種・業態から依頼がくるようになりました。ご支援している数々のシナリオはお見せすることができないので、機密の問題のない、2007年に作成した「広告の将来シナリオ」をアップします。

2015年にご縁があって、丸善株式会社様からの依頼で、「harappa日本橋×丸善夜学」の講師になりました。
仕事と人生にいかす3つの力「プロのクリエイティビティー力」をみにつける、というのがメインテーマでした。
そこでは、会社も年齢も性別も全く異なる「日本橋ビジネスパーソン」が集まりました。

ここで、最初の三回で、「トリニティイノベーション」(第66夜、第21夜、第75夜)の「深い知・高い知・広い知」を習得していただいて、後半の3回で、「ワクワクする日本橋の将来シナリオ」を3チームで挑戦していただきました。

彼らは、異業種でありましたが休日も集まって熱く語り合っていました。夜学という限られた時間で仕上がるかどうか心配もありましたが、どこにでも誇れる「素晴らしいシナリオ」が出来上がりました。

そう「未来はもうここにあるのです。それは、全ての人に均等に配分されていないだけなのです」
その本質を把えて、「漉いて」「透いて」「鋤いて」「好いて」未来の面影を創るのです。
それは、「すでに起こった未来」として眼前に現れます。

もうお分かりの様に、「フィギアスケート」や「面影&数寄」がトリガーになっています。その様な「苗代的思考」(第119夜)が将来を引き寄せます。

多くの方達に、そのWillとSkillを身につけて欲しいと思います。少しでも皆様の参考になれば幸甚です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
観察洞察
広告シナリオプランニング①
広告シナリオプランニング②

橋本元司の「価値創造の知・第125夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑫「質」が変わる、「世界」が変わる

2018年3月28日 質的転換、経営革新

前夜(第124夜)では、「次元が変わると経営危機が訪れる」ことを記しました。
例えば、「オーディオ事業」もカセットテープやディスクのメカニズムの時代は成長しましたが、
それが、iPod、iPhoneの様に、通信やiTunesの「ソフトウェア・ビジネスウェア」が三位一体となる「質的転換」があると、
従来のやり方、考え方(ビジネスモデル)では太刀打ちできなくなります。(新価値創造研究所HP参照:オーディオの定義を革新する)
質的転換したその世界も、数年のうちには新しい「質的転換」が起きるでしょう。

 そのように、「質」が変わり、「世界」が変わることを『次元』が変わると表現しました。皆さんの業界、地域にとっても「質的転換」は何でしょうか?その「本質」「流れ」を察知することがとても重要です。

“ある固定した考え方を続けていくと、鬱血(うっけつ)が起こってきて、床ずれし始めます。その始まりのサインは軽い不快感です” 先人達が決めた先入観、常識を疑い、この床ずれに気づくのが「問題の発見」になります。 (第36夜)

さて、今の「質的転換」の事例をご紹介します。
「AIoT」の進展では、多くの業界が下記の前後を意識せざるを得なくなると思います。(第105夜、第112夜)

①センシング(イメージング)⇒②プロダクティング⇒③コンサルティング(インテグレーティング)

下記の違う描き方(第91夜)で「ピン!」とくる方も多いと思います。
PREPARE(用意)⇒ PERFORMANCE(料理)⇒ PROMOTION(配膳)

製造業であれば、②プロダクティングが中心でしたが、
これからは、①センシング・イメージングという五感部分が間違いなく大きく進展します。そこは、生活や現場と直結する「センサー(部品)」であったり、「ビッグデータ」であったりします。
それは、「活動量計」「ルンバ」「自動運転」「SNS」「スマホ」等を観ればすぐ分かります。

「ルンバ」「自動運転」であれば、その奥底には、「本当は、掃除や運転なんかしたくない」という「在り様・意味(Meaning)」(第85夜)があります。

そのような「在り様・意味」を片手に持ちながら、「①センシングを使った、②新しい価値のプロダクティング」を幅広く実践していると、③コンサルティング(インテグレーティング)が視界に入ってきます。

そして、この①②③を一気通貫で先行してプロデュース、実践できるところが、「質的転換」を図れる「企業革新の会社」に仲間入りします。そして、その企業はもう「製造業」ではありません。それは「新サービス産業」になります。
このような「質的転換」を果たす会社や企業群がこれから続々とメディアに登場するでしょう。

その時に重要なのは、「製造業」の視点で観ないことがヒントです。この「ズラシ」ができるかできないかがポイントです。それについては、分母の再定義(第105夜~第108夜)に綴りました。

実際に、私たちがご支援している「製造業」の半分以上は上記関連のご支援です。現在は、①②③の一気通貫の先を見据えた戦略も必要になっています。その先に向かうには、上記の前後だけでなく、「左右」「上下」を把えることです。

自分達にとっての「顧客価値」&「使命」を認識していれば見えてきます。そして、それは「深い知・高い知・広い知」をメンバーで共有していれば観えてくるものです。(第89夜:「本質的な違い」を生み出す3つの抽象化能力)
その次のステップへの将来シナリオづくりは、皆さんワクワクされながら挑戦されています。

上記を「製造業」のことと想っているとそれは大間違いです。私たちは、サービス業のベンチャー企業~老舗企業をご支援していますが、構造は同じです。全体的にサービス業の方達の意識が高く、取り込みが「急」です。

「IT」「AIoT」「Industory4.0」の世界は、様々な業種・業態に影響を及ぼします。例えば、「ビッグデータ」を活用するとビジネスが変わる業界は全て関係してきます。
その時、それまでの「市場」は、質的転換を起こします。

そのような視点・視座で把えると、私たちには、

「99.9%」

が該当するように思われます。現在の延長線上で観ない事です。その時に必要なのが、「価値創造」と「経営革新」です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
質が変わる

橋本元司の「価値創造の知・第124夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑪「次元」の変化に適応する

2018年3月26日 世の中の「次元が変わる」から経営危機が訪れる

前職(パイオニア社)の後半では、何度か『経営危機』がありました。

そのような中にあって、エンジニアだった自分が、下記の様に転身しながら、
①センター工場:設計、技術企画、組合書記長
②本社:情報企画・開発企画
③本社:ヒット商品企画、新事業創造室
④総合研究所:新価値創造センター
⑤本社:「次の柱」新事業プロジェクト、「次の人財開発」プロジェクト

その只中の当事者として、様々な職種(プランナー、マーケター、プロデューサー、R&D、HRD、コンサルタント)を体験してゆきました。
特に③④⑤では、多くの異業種の方達とお会い、お付き合いがあり、世界が拡がりました。その交流の中で、社外講師として出向いたり、社外シナリオプランナーとしても活動してきました。
それは今の自分にとってはかけがえのない貴重な体験でした。
そして現在、それらが多様な企業/地域をご支援する中で役立っています。

世の中の「次元が変わる」から、経営危機が訪れるのです。

少しおさらいしてみましょう。
1880-90年代に栄えてきた企業が21世紀に入ってのきなみ凋落している姿は枚挙にいとまがありません。地方も銀行も同様ですね。
2000年の前と後では、経営環境が大きく変わり、思いもよらぬ競合相手も出てきました。それはリーマンショックの前からです。

市場や業界の境界が消滅しました。
本質は、「第115夜:インターネット的」に綴りました。「インターネット的」という3つの軸(リンク、シェア、フラット)が「世界と世間」(第80夜)を変えてゆきました。
さらに、『脳業』(第109夜)にシフトしています。その「世界と世間」が変わっているのに、それを用意しない、適応していない企業/地域が多くあるということです。

それは、平昌オリンピックのマススタートという競技に似ているように思いました。
自分から前に出るコトがなく、後ろについていく姿です。鎖国をやっているうちに、外国競合と大きく差がついていってしまう危険があります。
そうでなくても、上記の時代の波に飲み込まれて軒並み凋落している反面教師がいっぱいです。

このような時は、その業界の盟主が変わっていく姿を期待してしまいます。
前職の時は、自社を『盟主』と想い、プランニングしました。
しかし、人と将来の価値観を共有するのは難しいものがあります。
将来世界を拡げて見せて、魅せても「人」は自分の知識、情報や体験以上の発想や判断ができません。

トップとメンバーに求められるのは、「次元の変化」を内包した第122夜「想像力⇒創造力⇒構想力」です。

第93夜では、モノづくり⇒コトづくり⇒つながりづくり
ハードウェア⇒ソフトウェア⇒ハートウェア
第109夜では、農業⇒工業⇒情業⇒脳業
AIoT、Industory4.0
を図解等でご案内してきました。

バリュー・プロジェクトでは、「深い知」「高い知」「広い知」の各ステージに挑戦、習得していただくのですが、
それぞれに、『次元』を自ら超えるステージがあります。
それを乗り超えることで、新しい「顧客価値の創造」、「自己革新」「経営革新」があります。

次元が変わらなければ、「改善」「改良」でやっていればいいのです。
次元が変わるから、「革新」「価値創造」が必要なのです。

今の皆さんは「改善」と「革新」のどちらでしょうか?
「改善」をしているということは、「現状維持」と同じで後退モードです。

前職の業界で言えば、もう従来の「製造業」のままでは隆々とした将来を描くのは難しい時代になっていました。
そしてそれは、多くの業界に及んでいます。

はっきりと『次元』が変わっていることを認識することです。

質的変化、次元変化が起きた時に、迅速にそれを察知して、それを乗り超える「WillとSkill」(第52夜、第63夜)を持って、企業革新していくことが『持続性』の条件です。
持続性には、「新顧客価値の創造」「イノベーション」「企業革新」が企業の能力として求められるのです。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
次元

丸善夜学×harappa日本橋×新価値創造研究所

2018年9月18日 仕事と人生にいかす3つの力をみにつける!!

『日本橋の丸善×新価値創造研究所』がお届けするビジネスパーソンのためのクリエイティビティ力アップ講座です。
簡単な参加型ワークショップで、ワイガヤしながらあなたも3つの力を学びませんか?

テーマ: 創発する3つの力 成功する企画には原則があった!
~『リアル価値創造法』タニタ食堂、旭山動物園、iPhoneから学ぶ“自律成長の方法”~

◆お薦めのビジネスパーソンとは?
・自分を成長させたい
・多くの人と交流したい
・社会にお役立ちしたい

◆講座のねらい?
現在、ビジネスパーソンに求められている資質とは、新しい時 代に適応した発想・構想を生み出すクリエイテビティ力です。 その力を向上させる『3つの力』(イノベーティブスキル)を学ぶ ダイジェスト版講座になります。

◆3つの力(イノベーティブスキル)とは?
①深く(人を読む):Insight
②高く(先を読む):Foresight
③広く(全体を読む):Gestalt

◆全6回+ダイジェスト版
①第1回: 深い知(禅的思考)
②第2回: 高い知(守破離・弁証法)
③第3回: 広い知(間・新結合)
④第4回: 新価値創造ダイアグラム
⑤第5回: シナリオプランニング
⑥第6回: 発表

 

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