橋本元司の「価値創造の知」第327夜:中川政七商店「日本の伝統工芸を元気にする!」

2024年12月6日 「どうありたいかを徹底的に追求し、強いビジョンをみつけ、熱を持って語る」

2011年11月の第56回文化経済研究会(谷口正和師匠主宰)に中川淳氏(株式会社中川政七商店 十三代代表取締役社長)が登壇されました。
テーマは、「経営をデザインする、ブランディング」

私の家族の女性陣が立ち寄る「好きなお店」です。

 株式会社中川政七商店)は、享保元年(1716年)に現在の奈良県で創業されました。
生活雑貨工芸品の製造小売業。2009年から工芸メーカーへのコンサルティング業も行っています。
「日本の工芸を元気にする!」を目的にして、「工芸品に関わる他のメーカーや産地が補助金に頼らずに黒字経営化し、経済的な自立や工芸メーカーとしての物作りの誇りを取り戻す」ことを目標に掲げています。

 前夜(隈研吾氏)との共通点は、
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① どうありたいかを徹底的に追求し、
② 強いビジョンをみつけ、
③ 熱を持って語る
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 ことにあります。
まさに、『価値創造の心得・セオリー』そのものです。

 もう、13年前の文化経済研究会の講演でしたが、『不易流行』(第34夜、第245夜)を実践されていました。
(不易流行の『不易』とは、時を越えて不変の真理をさし、『流行』とは時代や環境の変化によって革新されていく法則のことです。
不易と流行とは、一見、矛盾しているように感じますが、これらは根本において結びついているものであると言います。)
 研究会受講のあと、私も「中川政七商店」を見かけると、自然に店舗の中に足が向いてしまいます。

 さて、講演の『肝(キモ)』となる一部をお伝えします。

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■何を、いかに正しく、伝えるか

・・・「自分起点とは、どうありたいかの追求ではないか」と思っています。
 会社として、経営トップとして、自分がどうありたいかを掘り下げていくこと。そしてその伝えるべきことをいかに正しく伝えるか、その作業がブランディングだと思います。
どうありたいかを会社レベルで言い換えると“ビジョン”であり、ブランドレベルで言うと“コンセプト”です。軽い気持ちの“張りぼてのビジョン”は要りません。

 例えばよくあるのが「地球環境に優しく」。企業の業績が傾いたときに、1番先に切られるところです。ビジョンは会社の一番上に掲げ、それに対してすべての事業活動を向けていくもの。そして個人的な“思い”からくるものでないといけないのではないか。
 どうありたいかを追求していく「自己欲求」「社会性」「熱を持って語れる」、この3つを満たすものでないと、社内外に伝えていけません。

 中川政七商店のビジョンは「日本の伝統工芸を元気にする!」

 2006年から掲げて行動しています。これが腹に落ちるまで、悶々とした時期が3~4年はありました。うちの会社は300年間に伝わる家訓やビジョンが一切何もないのです。会社に入社して、売上を上げて、それなりにやってきましたが、それ以上にやる意味を見い出せず、自分のモチベーションをかき立てるものがなかった時期がありました。

 「何ができるのか、何をやらないといけないのか、自分たちの使命は何か。」

やっとたどりついたのが

『日本の伝統工芸を元気にする!』。

 社会性はあると思うし、自分のやれること・やりたいことでもあるし、社内外に熱を持って伝えることできる。すべての事業活動をこれに向けてやっていこう、と。逆に言えば、これに向かわないものはやらない。これが判断基準として見えるようになり、経営はやりやすくなり、会社もよくなったと思います。・・・

 ものづくりには多くの方々に協力していただいていますが、毎年2~3軒と廃業の挨拶に来られます。何とかしたいと「日本の伝統工芸を元気にする!」と掲げて、仕入れ業態を立ち上げ、その人たちのものを買うことで支えましたが限界があります。
ではどうするか。直接的に経営に関わり改善していくしかないのでは、と思い至り、 2009年に「業界特化型の経営コンサル」を始めました。
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 「経営」のバージョンアップです。
いったい、どういう想いを抱えて、どのような方向性を見つけられたのかという、そのプロセスに着目してください。

 是非、「2+1」をご覧いただき、自社の『価値創造』を想像・創造されてください。


このような経営者の「2+1」をいっぱい見ること、洞察すること、検討することで、皆様の中に潜んでいる「経営力」「自分起点」が磨かれていきます。
私は、この文化経済研究会でそれを浴び続けました。ww

 「価値創造の知」のこれまでの図解には、『判断基準』、『成長経営』のヒントが詰まっています。
是非、その『知』の数々を読み取られて、将来のお役に立てれば幸いです。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

橋本元司の「価値創造の知」第326夜:建築家・隈研吾氏「負ける建築」

2024年12月5日 「負の美学」「引き算の魅力」「禅の感覚」

2005年10月の第19回文化経済研究会に隈研吾氏が登壇されました。
テーマは、「成熟時代の建築におけるデザイン戦略」

 隈研吾さんとは、谷口正和師匠、松岡正剛師匠の両仕事場で5回ほどお会いして『一流の匠』を拝見・拝聴させていただき、そのことが私の『知の財産』になりました。
それは、引いて引いて価値を創造する「負の美学」「引き算の魅力」「禅の感覚」です。

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 「負の美学」として、藤原定家の有名な歌があります。

「見渡せば花も紅葉のなかりけり浦の苫屋の秋のゆふぐれ」

 浜辺でまわりを見渡しても何もない寂しい秋の夕暮れだというのが表向きの意味です。しかし、定家は何もないのならそれでいいのに、わざわざ花(桜)や紅葉がないと言っています。「花も紅葉のなかりけり」と言葉の上で否定した表現によって、かえってそこから花と紅葉が現出することを可能にしたのです。

 「ないもの」をイメージする力にプラス(クリエイティビティ)が潜んでいます。
これは「逆転の見方」であり、「負(余白)の美学」です。これと同じ日本の方法が枯山水であり、俳句であり、長谷川等伯の「松林図屛風」です。

 「枯山水は、水を感じたいがゆえに、あえて水をなくしてしまっている。つまり、そこには『引き算』という方法が生きているんです。それが新しい『美』を生んだ。・・・」
(松岡正剛師匠談 加筆引用)
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 私達は、ついつい足すことで「価値」を付加しようと発想しますが、元々日本には「負(マイナス)」することで新しい文化を創るというDNAを持っています。あの「わびさび」の世界も同様です。禅寺に通っていたスティーブジョブズ氏(第321夜)は、引いて引いて「iPhone」文化を創りました。
隈研吾氏の「負ける建築」も同様に新しい文化をつくられました。

 本夜は、隈研吾氏「負ける建築」を通して、『負(マイナス)の美学』『逆向きの発想』『アートに潜む「負の想像力」』による価値創造を感じていただけたらと思います。
後方で、本書「負ける建築」を「2+1」で表したいと思います。

■著書『負ける建築』の“はじめに”から引用します。
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 ・・・象徴にも、視覚にも依存せず、私有という欲望にも依存しないで何かをさぐっていきたい。
「強い」建築をたちあげる動機となった、それらすべての欲望から、いかにしたら自由になれるか。
そんな気持ちを込めて「負ける建築」というタイトルをつけた。
 ・・・・突出し、勝ち誇る建築ではなく、地べたにはいつくばり、さまざまな外力を受け入れながら、しかも明るい建築がありえるのではないか。
・・・
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 私の建築のファンにはある共通性がある。
それは、「反中心」という人が多いということだ。
マルセイユの人はパリの建築家がきてマルセイの建物を建てるのが嫌なんです。
 だから、私といっしょにくんでマルセイユらしさを出したいとなる。
その場所を大事にしたいという人たちが隈研吾の建築のファンになる。
 私はこれからも、一生懸命その場所を理解し、その場所を活かし、そして楽しんで建築を作っていきたい。(松岡正剛「匠の流儀」引用)

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 「Why?:『建築』という存在自体に何か問題があるのか?」
という素朴な疑問から、その要因を上げています。
 
「建築」は確かに嫌われて然るべき、さまざまな『マイナス』『宿命』を有している。
1.まず、大きいこと。大きければ当然目障りである。
2.途方もない物質の浪費
3.一度つくったら取り返しがつかないこと。そのふてぶてしさ。

 「建築のヴォリューム」がある臨界値を超えると、人は建築に対して警戒し始めます。
『Why?』と自分自身にたえず問いかけて、自分でそれに答えてゆくという「深い知」(第85夜)がここに記されています。

■めざしているのは「負ける建築」
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 ・・・建築のテーマが「居心地のよさ」になり、建築家がこういうテーマで話すようになったことは、時代だなぁ、と思います。建築というのは、国づくりの基本的な方針をつくるとか、インフラとか、合理性とか機能性とか・・そういう言葉で語られてきたもので、居心地などという言葉で建築を語るなんて、やはり時代が変わったんだなぁ、と思うわけです。

要するに、建築というのが「経済成長のシンボルの時代」ではなくなった。「成熟化の時代の建築のあり方」が問われるようになったのだということだと思います。日本の建築はバブルの後、確実に成熟時代を迎えています。今日は、成熟時代の建築とは何かというお話をしたいと思います。

 結論から言えば、それは「場所性に根づいた建築」です。場所の個性とか力とか時間とか、そういうものを引き出していくような建築でなければいけない。中央の文化を地方にばらまくといったような建築ではなく、逆にそれぞれの場所場所に埋もれている力を引き出していくような建築であって、『成長期に比べるとまったく逆向きの建築』です。中央からの建築ではなく末端からの建築です。建築家のデザインの手法も変わってきます。自分のデザインをばらまくのではなく、それぞれの場所に合わせて建築家も変わっていく。そうありたいと思います。

 岩波書店から昨年出した『負ける建築』という本に、このことを書きました。建築が場所に勝ってはいけない。場所が建築に勝ってくれるほうがいいし、そこに住む人が建築に勝ってくれるほうがいい。それでは「負ける建築」とは実際どういうものなのか。今日は映像を中心にお話したいと思います。・・・
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 経済成長のシンボルの時代ではなく、「成熟化の時代」の建築のあり方を根本的に自らに深く問い、考えられていることに共感しました。

 「大切なものを引く」ことで新しい価値を生み出してきた日本人

 改めて、「価値創造」するときに、日本人がもっとも得意としているのは「引くこと」です。
アルコールフリーのビール系飲料は「ビールからいちばん大事なアルコールを抜いた」ものだし、NHKのアンケートで「見たい国宝」の1位になった長谷川等伯の『松林図屏風』は西洋画のようにびっしりと描き込むことがなく、見る者がその世界に入り込める余白が設けてあります。龍安寺石庭に代表される枯山水は「水を感じる」ためにあえて水を抜いてある。カラオケもまた「歌=ボーカル」という大切なものを抜いたことで大ヒットし、ひとつの文化となった。これらはすべて「禅の思想」。執着や先入観といったものを取り払う、あるいはいちばん大事なものを手放す。実はそうすることで新しいものはできていきます。

 第235夜で「経営理念を明確に持つ」を綴りましたが、そこに必要なスキルは「WHY:深い何故」でした。

 それは、禅(ZEN)や瞑想の世界に通じています。引いて引いて、『大元(おおもと)』『空』に辿り着く。
自分は35歳の時に、ビートルズにも影響を与えた「マハリシ・ヨッギの超越瞑想」の門をご縁によりたたきました。(第6夜)
そこに入って驚いたのは、大手の企業経営者が多いことでした。彼らは、「心を空にする」ことで経営の方向性や生き方を見出しているようでした。(空即是色)
「引き算」をすることで、何かが見えてくることを体験をして、それが「3つの知」の一つである「深い知」の体系につながりました。

そう、そこでは雑念をなくす、私心をなくすことを体得して、大事なコトは何か?そして、大事なものにつながることを体験してきました。
その体性、知性、心性を澄まし、磨いたことが自分の将来に大きな影響を与えました。

 この「引き算」「負の想像性」の『一流人の言葉と実践』を両師匠から学び、それを事業で実践してきました。
いまは、それらを多くの方たちに、セミナーや各種ご支援(事業創生・地域創生・人財創生)でお伝えしています。
本夜もその一環です。

 それでは、「負ける建築」、アートに潜む「負の想像力」を「2+1」で表します。
何かのお役に立てれば幸いです。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

橋本元司の「価値創造の知」第325夜:クックパッド「価値共創4.0」

2024年12月3日 クックパッド「家庭に“楽しみ”を創る料理サイト」(両利きの経営)

前夜に続き、15年前の2009年に文化経済研究会で講演された『ベンチャー企業:クックパッド』を「2+1」で紐解きたいと思います。
 第98夜・「新価値創造イニシアティブ」で、クックパッド価値共創4.0を綴っていますので、詳細は是非そちらをご覧ください。


「インターネットを駆使したベンチャー成長企業として、私のセミナーや研修の「事例・演習コンテンツ」としてよく活用していました。
そこには、ネットによる「両利きの経営」の初期モデルがありました。

 現在は、2012年から3年続いて業績不振(第3ステージ:競合サービスの激化、プレミアム会員の減少等)なのですが、当時は「日の出の勢いのある眩しい会社」でした。
前職パイオニア本社(目黒駅)と当時のクックパッド本社(白金駅)は歩いて10分くらいの近さで、私は何回か白金本社に訪問して、異業種コラボレーションを検討していました。

 2009年当時の講演を加筆引用します。
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「文化経済研究会」第44回定期セミナー・ゲスト山岸延好氏 クックパッド株式会社  執行役 副社長兼COO

家庭に「楽しみ」を創る料理サイトの戦略
■“おうちご飯”志向が急増するなか、料理レシピの閲覧・投稿サイトを運営する「クックパッド」は、今年7月マザーズ上場を果たし注目を集めます。 月間利用者数680万人、60万品を超える料理レシピが投稿されており、競合がひしめくレシピサイトの中でNo.1の支持を集める人気サイトとなった 原動力とは何か。
膨大なレシピと投稿による相互コミュニケーションだけでなく、料理の伝承ネットワークが食卓の意思決定メディアとなったいま、主婦の買い物動線に情報を載せてメーカーや流通の広告支援へと事業の幅を広げている。人気サイトの原動力とその戦略、今後の構想を学びます。
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■日本最大の料理サイト

 ・・・クックパッドのミッションは『毎日の料理を楽しみにすることで心からの笑顔を増やす』です。
これは社長の佐野が10年前に会社を始めたときから変わりません。

 彼は世の中に対して
『自分にできることは何だろう、心からの笑顔を増やすために何ができるのだろう』
と考えていました。
 佐野は学生時代に、ソーラーパネルを使った電動自動車の研究もしていました。地球を見渡したときに食糧問題、エネルギー、水、とにかく色々なことが変化している中で
「僕たちが変えていかないと世の中まずいぞ」
という危機意識が彼の中にありました。
 例えば原子力エネルギー、「あれはよいことなのか」と「なぜ」を20回くらい繰り返すとどこかで行詰まるのです。でも彼が一つだけ確信を持てたことが「料理が楽しくなると間違いなく笑顔は増えるよね」。どんな側面から見ても「なぜ」を30回、40回繰り返しても、誰かが不幸になるとか、破綻することはなかったのです。
 『世の中で料理を楽しみにすることだけの会社が1社くらいあってもいいのではないか』
ということで、クックパッドという会社はスタートしました。

 われわれのゴールは『すべての家庭のあらゆるシーンで料理が楽しみになるきっかけを提供する』です。
すべての家庭というのは、全世界の家庭です。日本はいま4700万世帯あるのでしょうか。世界は60億人ですから数十億世帯あります。
あらゆるシーンというのは、朝起きてから夜寝るまでの間、通勤したり、週末であればドライブしたり、冷蔵庫を開ける瞬間、買い物に行く瞬間、とにかくすべてのシーンに、料理が楽しみになるきっかけを事業として埋め込み、実現していこうというのがゴールです。会社は1997年、大学を卒業した年にスタートしました。
 いま月間816万人(10月末現在)の利用者がいます。

 「若い人は料理をしなくなった」と、よく耳にするかと思います。「料理をしなくなった」とは一体何でしょうか。「料理をしたくない」のでしょうか。でもクックパッドの利用者は増えています。816万人のうち30代の女性が30%前後、日本の人口で割り戻すと40%の人が利用している計算になります。この実態、あるいはユーザー1人ひとりのクックパッド内での行動を見ると、

 じつは「料理をしたくない」のではなく、「わからない」だけだと思います。

つまり料理が伝承されず途絶えているのです。祖母から母へ、そして子どもへと家庭の中で伝承されてきたものが途絶え、若い主婦がいざ料理をしようとしたときに、そのやり方がわからない。例えば大根1本、カボチャ1玉あったときに「これ、どうやって食べたらいいの」と。自分の中にレシピの引き出しがない状況なのです。

利用者の声を見ると、クックパッドが料理の伝承を解決していると実感します。
・「結婚して17年。料理は苦手で嫌いでした。仕事をしているので料理を作ることを逃げてばかりいました。これまで本は何冊も買いましたが中途半端。でもクックパッドに出会ってから変わりました。たくさん載っているので、1つのメニューでも好みのものを選べます。お料理が楽しい。主人も喜んでいます。
・「感謝」「毎日利用させてもらっています。参考にしながら毎日の食卓が少しでも豊かになるように、楽しみながら作るようにしています」
・「家族みなが『おいしい』の連発。ここのところマンネリ化で何を作ろうかと悩む時間が、クックパッドのおかげで楽しくなっています」
・「アメリカに住んでいます。作る料理は日本食が多いのですが、材料に限りがあります。料理本もなかなか手に入りません。でもクックパッドを友人に教えてもらい感激。ニューヨークの日本人の間でも流行っています」
・「見ているとお料理意欲がふつふつと沸いてきます。どんな高級料理店よりもおいしいレシピがいっぱいだと思います」
・「芸能人のブログで紹介され、知りました。外食から自炊へと変わりました」「気が重かったお料理が、クックパッドのおかげで楽しくなりました」。
・・・
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『価値創造の知』からの着目は、ゴールを

『すべての家庭のあらゆるシーンで料理が楽しみになるきっかけを提供する』

 に設定されたことです。

それを「2+1」で表します。

 そうすると、『B』で何をすべきか、何をしたらよいのか、ということに集中できますね。
新しいミッション・ビジョンを設定することが、新しい成長につながる格別な事例でした。

そして、若い女性は「料理をしたくない」のではなく、「わからない」だけだ
という仮説を持ちました。

 料理サイトを通して、「顧客との響きあい、共創」が始まりました。


その時に、私が作成したのが「クックパッドのビジネスモデル」です。
当時、これは画期的な事例と発見でした。

・顧客は『ドラマに参加したい!響き合いたい!』
・「素敵なドラマ、ストーリーがあれば参加しますよ!」 

 というように私は解釈してその後の「価値創造」「事業創生」「地域創生」に活用していきました。

 このようなビジョン、インサイト、仮説が、重要なところです。
結果として、この会社は、

「B2C」の会社が「B2B」の両利きの会社(第314夜)になりました。
ここから大きな成長が始まりました。
上記をベースに、「クックパッド・ビデオ観察」でセミナー研修を行ってきました。

 さて、私は異業種コラボレーションで「ヒット商品」を創出していましたが、
この「クックパッド」と連携する「パイオニア・サウンドパッド」があると、ワクワクするコラボと事業成長ができると妄想しました。

・こだわりの料理に合わせた、音・音楽を提供することで、料理ウェアが更に楽しくなる。
 たとえば、エスニック料理に、エスニック音楽が流れるのです。
 それを世界中のライフスタイルにする。

 そんな構想をして社内提案しましたが、パイオニア社内がそれを検討・推進する環境ではありませんでした。

いまでも、このコラボモデルは『イケル!』と思っています。
残念!

「温故知新」です。是非参考事例にされてください。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

橋本元司の「価値創造の知」第324夜:「第3の道のつくり方~Third Way」

2024年12月2日 (株)マザーハウス「まずやってみる、そして夢中になる」

前夜に、谷口正和師匠/文化経済研究会の「新しい物差し」をお伝えしました。
文化経済研究会に招聘される講師の方たちは、皆さん「新しい物差し」を持って邁進されていました。
 と同時に、その内容は、「2+1(ツープラスワン)」の事例の宝庫でもありました。
研究会で語られる「心得と方法」群は、自社の中では絶対に聴けないものでした。

 本夜は、「2+1(ツープラスワン)」の最適事例の一つをご紹介します。
それは、2015年11月19日の第80回文化経済研究会のセミナー第2部で講演された、株式会社マザーハウス代表取締役兼チーフデザイナー山口絵理子さんです。

 
 その講演レポートを引用します。
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 「途上国から世界に通用するブランドをつくる」をミッションにバッグ
づくりを始めた山口氏。爆弾テロや天災に遭いながらも、誠実にビジネスを
進め信頼できる生産体制を確立した。ハーバードビジネススクールクラブ・
オブ・ジャパンアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2012受賞。可能性を信じ、
夢を実現した同氏の市場を作る力に学ぶ。

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・・・マザーハウスは途上国から先進国に通用するブランドを作るというコンセプトのもとにバングラディッシュの工場でバッグを作り、今やその販路は日本だけではなく台湾や香港などアジアに広がっていこうとしています。
途上国の開発にもともと興味を持っていたために、ワシントンの国際機関での勤務やバングラディッシュの大学院での勉強を経ますが、その中で「フェアトレード」という活動の持つ歪さに気付きます。

「途上国の人が作った製品を、先進国の人はそこまで欲しくも無いにもかかわらず『可哀想だから』と憐れんで買う、これのどこがフェアなのだろうか?」

 バングラディッシュでも大学はあり、そこに通える人は高い家柄と能力を持った人ばかりですが、バングラディッシュの状況を変えられるかもしれない彼らはコンサルタントやIT技術者を目指し、自国の産業であるジュードやモノ作りの分野は敬遠される傾向にあるそうです。前者の方が報酬が圧倒的に良いであろうことからそれは致し方ないのかもしれませんが、そこで山口氏はなんとかしてバングラディッシュの特産品であるジュードで「カッコいい製造業はできないだろうか」と考え、先進国の人々がお情けではなく本当に欲しいと思えるようなブランドをバングラディッシュから発信しようと決心します。

「ビジネスとして成立しなければ生き残れないし、真の途上国・生産者支援にはならない」と考えたのです。

マザーハウスは今やバングラディッシュのバッグ製造業としては国内4番目の工場を抱えており、そこで働いているということは現地社員の方々にとっても誇り。
例えば、日本では会社に勤めている人であれば当たり前のように首から下げている社員証。
現地社員の方はこれを親戚に見せびらかすぐらいに嬉しいものだそうです。写真を撮ったり撮られるということもあまり無いために自分の顔写真やIDの入っている社員証が自分の社会的地位を示すものとして尊厳の一つになるのだとか。

 バングラディッシュで作られたそれらの商品の数々はクオリティ的にも第一線のブランドに全く劣らないものばかり。質が均衡しているとすれば、支持されるのはストーリーや背景です。あるいは、マザーハウスの活動によってバングラディッシュなど途上国が盛り上がればそれは新興国の経済効果となって結果的に誰もがメリットを得ることができる。この
グローバルな三方一両得の構図に気付いている人が徐々に増えていっているのかもしれません。・・・

・・・心が若くある限り、会社全体もそうあることができます。いつも考え続けることで、私たちは若いままでいられます。もっと成長できるのです。もうグローバル企業になるスタートは切っているのです。最初のステップはアジアにもっと進出すること。本当に夢を達成できたといえるのは、世界のあらゆる場所にマザーハウスができたときです。それがお店であっても生産地であっても、マザーハウスの存在感も商品も両方、世界中に広めたいのです。それがマザーハウスと叶えたい私たちの夢です。本当にたくさんお客様にお伝えしたいことはありますが、一番伝えたいのは、お客様に満足いただくために私たちはここにいて、いつもベストを尽くしているということです。デザインや品質、生産過程、素材、すべての面で。だからお客様にはこれからも共にあり続けることをどうかお願いしたいです。成長のパートナーとなってくださることを。この会社は本当に特別です。特別な目的・目標・哲学を持っています。ビジネスのためだけでなく、社会全体の発展を目指しています。皆様にご満足いただける商品を作っていきますので楽しみにしていてください。・・・
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「自分のやりたい事で世界を幸せにしている」山口氏の笑顔が印象的でした。
講演が終わってからは来場者の皆さんが口々に「感動した」と仰り、講演会場であったアイビーホールから徒歩で3分程度の場所にあるマザーハウス青山骨董通り店に押し寄せたため店内は大賑わいの状態になりました。


 その中の一人が私であり、気に入った商品を即購入しました。ww

 それから4年後の2019年に、「Third Way:第3の道の作り方」を上梓されました。


是非、読まれることをお薦めします。
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 25才で起業したときから掲げた言葉は、

『途上国から世界に通用するブランドをつくる』

それを「2+1(ツープラスワン」に表します。
図中の「B」をどうするか、その取組み、障壁、実践が記されています。

●「途上国」と「世界」
「途上国から」と「ブランドをつくる」
それぞれ相反する二つのモノを組み合わせています・(=「2+1」)

●「大量生産」と「手仕事」
 →手仕事を“効率的”にやるには?

●「社会性とビジネス」

●「デザインと経営」

●「個人と組織」

●「グローバルとローカル」

 →『今年、来年の数字を見る姿勢では何も生まれない』

 私たちは、ついつい「妥協点を探る行為」を求めがちだけれど、きっとそれだけでは消耗していく。
私は両者の交差点で生まれるアイデアや共感、相互作用が『もう一段高い次元での解決策を、広く社会に提供するもの』であると信じている。
 何より、その方が楽しい。ワクワクする。無理がなくて、長続きする。
だから、サードウェイという考え方を一人でも多くの人に知ってほしいと強く思った。・・・
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 「2+1」「価値創造DG」を構想し、実践、成長されてきました。

 2019年は、私がSDGsイノベーション」の心得と手段を、本格的に企業・学校・自治体に「啓蒙・啓発・啓行(しる・わかる・かわる)」している時でした。


この「山口絵里子」さんの“決意・生き様・方法”を図解して、いろいろな「場」でお伝えしてきました。

 是非、参考にして活用していただければ幸いです。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

橋本元司の「価値創造の知」第323夜:「新しい物差し」

2024年12月1日 谷口正和師匠の言葉を伝えます

 前夜は、
価値創造/イノベーション実現で大事なことは、『心のフェーズ』と『ものの見方のフェーズ』を変えることをお伝えしました。

 本夜は、それを「谷口正和師匠」(第313夜)がどのように語っていたのかを記すことで皆さんのご理解が進むことにつながれば幸いです

 1997年頃、私が前職パイオニア社で「ヒット商品緊急開発プロジェクト」で、『本気』で異業種コラボによるヒット商品を創出していた時に、谷口師匠のところによく相談に行っていました。

その時の言葉を紹介します。

 前夜の『心のフェーズ(本気・覚悟)』を谷口師匠は、『本気のポリシー』と言い換えていました。

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・・・「本気のポリシー」を持ち、独自なる企業創造、事業創造に賭けたものだけが生き残ります。
未来を自ら計画し、実践し、我が「本気のポリシー」の意志の現れとして行動した者だけが生き残るのです。
・シュガーレディ(冷凍食品・宅配サービス)
・東都観光バス(車椅子利用者・観光バス)
・ミグロ(スイス最大の小売業)
 等々の事例も上げていただきました。

 我々は企業経営を「次なる未来への大局観」にシフトして現在を経営しなければなりません。
企業哲学、理念、指針を「本気のポリシー」そのものとし、顧客と市場に公開しなくてはなりません。
・・・
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 当時の自分の心性と知性に大きな影響を与えてくれました。

 師匠主宰の勉強会「文化経済研究会(2002年から2017年の間に計75回開催)」(第313夜)には、上記の『本気のポリシー」』を持って実践している講師(経営者)の方たちが、毎回2名(年6回)来られて講演されます。


 そのうちの100人くらいの講師(経営者)の方と懇談・面談する機会があり、その後の自分の「知(インテリジェンス)」と「人的ネットワーク」の大きな得難い財産となりました。
30歳半ばから、そのような機会に継続的に参加(15年間)できたことに「感謝」しなければなりません。

 さて、重要な認識は「文化が発生して、その後に経済が起こるコト」にあります。

「小手先の儲かることよりも、文化を発生させて新しい市場を創り経済を起こすコト」を重要視してきました。
 その為に、自分の思考や行動が「新文化づくりのヒット商品(新ライフスタイル創造)」や「新市場/新事業開発」のほうに大きくシフトしました。
(前職パイオニア社では、ヒット商品緊急開発プロジェクトを成功させた実績を元に、上記活動を認めてもらえるようになりました)

 さて、当該事業の行き詰まりを突破するために、「新市場づくり、新文化づくり」を突き詰めて検討していくと、そこで観えてくる将来の風景・構想から、自社の「本来と将来」の見直しが必要とわかってきます。

 1997年、まだ一課長の分際で、そんな生意気なことを考えて実行に移していきました。
その過程で、結構な摩擦・軋轢と役員からの反対の声もありました。これも必ず起きることです。

 それでは、次の「新しい物差し」に移ります。
 1997年、谷口師匠が『新しい物差し』という本を上梓されました。
それは自分にとって、とっても痺れる内容でした。

 プロローグの一部を引用します。
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 私たちは今時代の大きなカーブを曲がろうとしている。
しかもそのカーブは非常に大きく、しかも猛スピードで曲がり切らなければならないカーブである。
曲がり切れなければ次なるニューパラダイムの遠心力で吹っ飛ばされるだけだ。
 「古い物差し」を捨てよう。『新しい物差し』を使おう。
新しい価値観を示す『新しい物差し』、その物差しで時代を、社会を、生活者を計ろう。
 我々には、『新しい物差し』が必要であり、その物差しによって次なる想像力を喚起し、行動を速めることができる。
それが今、何よりも大切なのだ。
 波のように押し寄せる新しい価値観をなんら恐れる必要はない。手に一本の「新しい物差し」さえ持っていれば、新しい出来事の意味と解釈、その対応策まで見えてくる。
・・・
 転換期はややもすると声高に叫びすぎたり、過去の事例に引っ張られて慎重になりすぎたりする。当然ながら、混乱はつきものである。
この混乱の中から次なる新しい物差しが出てくるのであり、我々はそのことに対して素直になればいいのである。むしろチャンス到来とばかりに、爽やかに変化を迎え入れればいいのである。
 この時期、この混乱をお互いに身の保全ではなく、生まれ変わるチャンスと認識すれば、混乱もまた楽し、である。企業だけでなく、国家も個人も、みな第2の創業期なのである。
・・・
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 27年前の本ですが、全く色褪せることなく直球で、心と頭に入ってきます。

 『新しい物差し』とは、いわば新しい判断基準であり、判断の根拠です。
 それを探求、発掘、実践しながら、「本来と将来の羅針盤」となる『3つの知』を体系化していきました。

「深い知」「高い知」「広い知」を体系化した方法『3つの知』は、谷口正和師匠、松岡正剛師匠の『知』と自分との合作で仕上がりました。

 さてさて、現在は、

「学生の、企業の、地域の、国家の『新しい物差し』は何だろうか」

をよく観察、考察、洞察して、『心のフェーズ』と『ものの見方のフェーズ』の変化をベースにしてご支援しています。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

橋本元司の「価値創造の知」第322夜:「なんとかしなければならない!」

2024年11月30日 「強い想い・情熱 (本気)」と「新しい視点・視座 (本質)」

 価値創造の知・第308夜からここまで、『価値創造・イノベーション』の基本構造である「2+1」、「価値創造DG」を図解と事例をお伝えしてきました。
うすうす感じられてきたのではないかと推察しますが、これらの図解を「ものにする」には、テクニックだけでは超えることが困難です。

 ほんとうに大事なのは、

『心のフェーズ』、『ものの見方のフェーズ』を変えることにあります。

  大元にあるのは、

 『なんとかしたい!、なんとかしなければならない!』

 という強い『切実・想い・意志』
を持っていることです。

 つまり、『本気』です。

・アップル社(第321夜):スティーブジョブズ
・旭山動物園(第313夜):坂東元
・佐藤製作所(第314夜):佐藤修哉
・パイオニア社(第318夜):橋本元司

 等の実例で、それをお伝えしてきました。
セミナー、研修、企業ご支援では、更に多業種業態の実例をご覧いただいています。 

・「経営とは変化に対応するコトである」
・それを実現するための強い『切実・意志・覚悟』という『本気・危機意識』があるコトです。

 多くの「企業創生」「地域創生」のご支援をしてきましたが、やはり、壁を乗り超えて「成長・成功」するところは、『本気』のリーダーと燃える集団が立ち上がっていることです。

 逆に、
・今の延長で、まだ何とかなるかもしれない
・何か、新しい道がみつかるかもしれない
 
 といような危機意識の薄いリーダーの「~かもしれない」レベルでのご支援は、乗り越えるいくつかの障壁が必ず出てくるので、「改善レベルの成果」はできても、「改革:イノベーション」には進まないのが実情です。

 数か月、「会社創生プロジェクト」に参加してきたメンバー(社員)は、検討して創り上げた『構想』を「実現したい、やりたい、変わりたい」と目を輝かせているに、やはり変わりたくない、変わることができないトップが「GO」を出さない場面に出くわすことがあります。全メンバーの残念な落胆した顔がいまでも思い起こされます。

 その会社のプロジェクトキックオフで、最初に、経営者と全員に確認したことは、
・「従来の延長線上に未来はないコト」
・「経営とは変化に対応するコト」
 でした。

 前述のように、リーダーの強い「本気・覚悟」「モチベーション(何かをする際の動機づけや目的意識)」のないところにイノベーションは生まれない痛い経験をしてきました。
ただし、「3つの知(本質)」「価値創造DG」の策定途中から、「~かもしれない」から、「やり遂げたい、成し遂げたい」に変わるリーダーの方が多くおられることも申し添えたいと思います。

 ほんとうに大事なコトは、

・『心のフェーズ』 ⇒【本気】
・『ものの見方のフェーズ(視点・視座)』 ⇒【本質:3つの知】
 を変えることにあります。

 上記、本気モードの上で、本質的な
・「新しいものの見方」
・「新しい視点・視座」
 のスキルを持つことが重要です。

A.【切実】⇒【逸脱】⇒【別様】
B.【本気】⇒【本質】⇒【本流】

 【切実】とは、【本気】の元であり、
 【逸脱】から、【本質】を炙り出して、
 【別様】から、【次の本流】が生まれてきます。

 イノベーション/価値創造は、「心のフェーズ」と「ものの見方のフェーズ」を変えることが肝要です。

 参考に、「君たちはどう生きるか」を引用します。
冒頭は、ものの見方をテーマに「コペルニクスの地動説」から始まります。
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・・・君は、コペルニクスの地動説を知っているね。コペルニクスがそれを唱えるまで、昔の人はみんな、太陽や星が地球のまわりをまわっていると、目でみたままに信じていた。
これは、一つは、キリスト教の教会の教えで、地球が宇宙の中心だと信じていたせいでもある。しかしもう一歩突きいって考えると、
「人間というものが、いつでも自分を中心として、ものを見たり考えたりするという性質を持っている」ためなんだ。
・・・
しかし、君も知っているように、この説が唱えはじめられた当時は、どうして、どうしてたいへんな騒ぎだった・・・
今日のように、小学生さえ知っているほど、一般にこの学説が信奉されるまでには、何百年という年月がかかったんだ。
・・・
------------

「いつでも自分を中心として、ものを見たり考えたりするという性質」として思い出されるのは、
前職(パイオニア社)に勤めていたときに、ある白物家電企業の企画マンと話したことです。

「パイオニアさんが、居間にセパレートオーディオを置いているように、居間に洗濯機をおきたいのです」と。
まるで、洗濯機が宇宙の中心だと信じているようでした。その気持ち、よく判ります。その熱意の目が忘れられません。

そう、私たちは目の前にあるものを「天動説」としてとらえやすいのです。
しかし、会社/地域の魅力が右肩下がりのステージでは、「天動説」から「地動説への視線・視座の転換」が必要なのです。

それは、今の眼前の現実が「欠けたモデル」「途中/中途のモデル」だと思うことです。
第310夜で、それを綴りました。

橋本元司の「価値創造の知」第321夜:経営とは何か?

2024年11月29日 スティーブジョブズの思考

前夜に綴りましたが、iPhoneのコンセプトは、

『創造的な人々の知性を増進する道具を届けたい』

でした。

 2007年に販売された「携帯電話」と「iPhone」の様相は明らかに違いますね。

携帯事業各社が販売した携帯電話は、「コモディティ化」していました中に、『iPod』の流れをくむ『iPhone』が登場しました。
携帯電話とiPhoneは、様相・コンセプトが根本的に違います。

 図にあるように、
・携帯電話は、コモディティ化した「やり方」に邁進したコト
・iPhoneは、上記コンセプトの「あり方」を変えたコト
 の違いがあります。

 「あり方」は『目的』であり、「やり方」は『手段』です。

コモディティ化とは、「やり方」で行き詰まっているのです。
「あり方(目的)」を変えることが成長経営の源(みなもと)であり、イノベーションにつながります。
でも、それへの移行がなかなかできないのですね。

 『経営とは何か?』

 図のように、『経営』の『経』とは「縦糸(あり方・目的)」のことです。
それを横糸の『営(やり方・手段)』を通して織物になります。
繰り返しになりますが、多くの会社・地域が、「やり方」で行き詰っています。
その様なビンチの時にこそ、「あり方」(=イノベーションの元)に目を向けてチャンスを掴む時です。
 それが『令和の時代』にやるべきことです。
 それが、滞ることで日本の産業力が大沈下しています。
そのツケが積もり積もって「日本の大赤字」になっています。

 それは、業界(他社)の中ばかりを見ていて、将来の「あり方」を探索、探求していないことが大きな要因です。

(何とかしたいと思う気持ちが、この「価値創造の知」や「SDGs経営塾」の発信です)

 それでは、『SDGs経営塾・第6回 大切なコトは何か』
から、「あり方」への参考事例を提示します。
私のセミナー、研修で活用する定番です。
https://www.kiraboshi-consul.co.jp/column/sdgs_vol6/
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・・・北海道旭川市にある旭山動物園です。
時を1997年にタイムシフトします。その頃、全国の動物園の来園者数は右肩下がりで減り続けていました。
 当時、旭山動物園の獣医係長(現園長)の坂東元さんは、従来の“パンダやコアラという奇獣、珍獣で来園者を集めるやり方や動物の姿を見てもらうための「形態展示」”ではなく、“普通の動物の本来の行動や生活を見てもらう「行動展示」”へと転換を図りました。メディアにたびたび取り上げられ、国内外からたくさんの観光客がくるようになりました。
 さて、坂東園長が転換を決意した“最も大切にした想い”は何でしょうか?
ここは大事なので、皆さん少し考えてみてくださいね。

 旭山動物園が掲げる永遠のテーマは、「伝えるのは命」です。
そこには、坂東さんが獣医として“動物の命”の大切さにずっと寄り添ってきたことが込められています。そのテーマによって、これからの時代の主役になる子どもたちが、動物たちの未来や地球の未来を真剣に考える場所になっています。
 旭山動物園が大事にする赤枠の中に入る言葉は「伝えるのは命」でした。
 ここで重要なことは、経営の“あり方(目的)”が変わることで、“やり方(手段)”が変わることです。それまでの「形態展示」から、「普通の動物の“行動展示”」というやり方に転換しました。そのことで、右肩下がりの来園者数が急激な右肩上がりになり、旭川市を含めて経済価値(利益)が上昇しました。

 ここに、SDGs成長経営の大きなヒントがあります。
「経営」の“経”という字は、縦糸のことを表しています。“経”という縦糸(あり方)と“営(いとなむ)”の横糸(やり方、行動)で織物が紡がれます。
 経営が行き詰っている時は、それまでの横軸の“やり方”が行き詰っていることが多いものです。是非、そのような時は経営の縦軸の“あり方”(目的、道理)に目を向けて、再定義することにトライされてください。その再定義の挑戦の場が赤枠です。・・・
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「あり方(縦糸」を変えることで「やり方(横糸・営み)」が変わる。
 「旭山動物園」創生と「iPhone」は同じ構図を持っています。
この「あり方(あり様)」を見つけることは、「3つの知」の中の「深い知」です。
(価値創造の知・第85夜に詳細を記していますのでご覧ください)

『問題』の「あり方」に踏み込んだ「旭山動物園「iPhone」は、事業環境、産業環境を変えてゆきました。

『切実(やり方の行き詰まり)』→『逸脱(あり方の発見)』→『別様(新しいやり方、新しい価値、新しい文化)』

というプロセスです。

 『逸脱』『別様』がポイントです。

それでは本夜の最後に、私の大数寄な「スティーブジョブズ氏の言葉」を引用します。

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シンプル」が私のモットーだ。

それは「複雑」より難しい。

考えを研ぎ澄ますという

大変な努力を要するからだ。

だが、そうするだけの価値はある。

そこに至りさえすれば、

山をも動かせるのだから。
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 山をうごかしましょう!

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

橋本元司の「価値創造の知」第320夜:iPhoneの衝撃

2024年11月28日 スティーブジョブズとiPhone価値創造DG

「2+1」「価値創造DG」を解説してきましたが、現代のNo1イノベーターである『スティーブジョブズ氏』と『iPhone』をそこに埋め込んでみることで、皆様の理解の度合いが劇的に変わることを経験してきました。『自分創生、企業創生、地域創生』のヒント満載です。

 ジョブズ氏の生年月日は、1955年2月24日です。今生きていれば69歳。自分の誕生日とはたった一か月の違いで、色々な意味で親密感を持っていました。
前職パイオニア社の時に一回だけですがいい出逢いをしました。「イノベーションのカリスマ&権化」のオーラがありました。

 さて、「スタンフォード大学卒業式辞」には、3つの話があります。
①点を繋げること
いまやっていることが何かに役立つと信じること。その点がどこかにつながると信じていれば、他の人と違う道を歩いていても自信を持って歩き通せる。それが人生に違いをもたらす。

②愛と喪失
自分を見失わない。あなたも仕事にも恋愛にも愛せるものを見つけましょう。

③死について
死は古き者を消し去り、新しき者への道をつくる。他人の雑音で、心の声が掻き消されないようにしてください。そして、最も大事なのは、自分の直感に従う勇気を持つとこです。直感とは、あなたの本当の求めることを分かっているものです。

この3つの話を通底するものは、「禅の思想」です。ジョブズ氏が「禅寺」に通っていたことは有名です。『禅・ZEN』という視座をもっているかどうかで観え方がぜんぜん変わってきます。
「価値創造の知」連載では、『禅』について、
第6夜:「色即是空・空即是色」
第33夜:禅と価値創造
第76夜:価値創造の秘訣
にて綴っていますので関心のある方はご覧ください。

それを観ていただければ、下記がつながってきます。
①革新:点を繋げること(イノベーション)
②情熱:愛と喪失
③覚悟:死について

『禅(ZEN)』の修行で一番大切なコトは、“二つでありながら一つ”ということです。(第33夜)
イノベーションの本質は、“新結合”(第32夜:イノベーションと価値創造)ですが同一です。

 「The second story」のテーマは、「love and loss=愛と敗北」
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アップルを追われなかったら、今の私は無かったでしょう。非常に苦い薬でしたが、私にはそういうつらい経験が必要だったのでしょう。最悪のできごとに見舞われても、信念を失わないこと。自分の仕事を愛してやまなかったからこそ、前進し続けられたのです。皆さんも大好きなことを見つけてください。仕事でも恋愛でも同じです。仕事は人生の一大事です。やりがいを感じることができるただ一つの方法は、すばらしい仕事だと心底思えることをやることです。そして偉大なことをやり抜くただ一つの道は、仕事を愛することでしょう。好きなことがまだ見つからないなら、探し続けてください。決して立ち止まってはいけない。本当にやりたいことが見つかった時には、不思議と自分でもすぐに分かるはずです。
すばらしい恋愛と同じように、時間がたつごとによくなっていくものです。だから、探し続けてください。絶対に、立ち尽くしてはいけません。
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④偉大なことをやり抜くただ一つの道は、仕事を愛すること
⑤最悪のできごとに見舞われても、信念を失わないこと
⑥探し続けてください。絶対に、立ち尽くしてはいけません

 『挫折・切実』→『逸脱』→『別様』

 という『イノベーション・セオリー』
の最高のお手本です。

 それでは、上記を背景にしながら「2+1」でiPhoneを紐解きましょう。

携帯、カメラ、レコーダー等、持ち歩く情報機器をシームレスにして、一つ上のレベルにイノベーション・ジャンプしています。
iPhone以前、私はそれらをいつもカバンの中に入れて持ち歩いていました。
それがシームレスにつながった時の感動を今も忘れません。

iPhoneのコンセプトは、

『創造的な人々の知性を増進する道具を届けたい』

新しい組み合わせによる新しい価値創造の基盤です。

それでは、上半分を入れ込んだ価値創造DMを見てみましょう。


①Problem:次のアップル社の柱をつくりたい
②Insight:イノベーターマインドの提供

④自社の強み:三位一体のシステム
⑤顧客の幸せ:コンシェルジュ
⑥新しい文化:全世界にスマホという新しい文化、ライフスタイルを創造しました。

 当時、日本のソニー社、パイオニア社はいいところまで近づいていましたが、
④スティーブジョブズ氏が三位一体の仕組みを創り上げたことが「未来の先取り」であり、成功の礎になりました。
 前夜にも綴りましたが、私たちの生活、仕事、「知」、「未来」を大きく変えました。

 ビジネスで最も大切なコトは、「④違いを創るコトと、「⑤共感を生み出すコト」を一緒にして、継続的に新結合することです。
これが、「戦略・戦略・新文化の肝(キモ)」になります。
参考になれば幸いです。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

橋本元司の「価値創造の知」第319夜:非常識と未常識

2024年11月27日 イノベーションへの壁(反対、痛み)

 本夜は、イノベーションを提起するときに起こる関係者の障壁と軋轢(あつれき)をお伝えします。それは、自分が経験してきた「反対の大声」と「痛み」でもあります。

本研究所のコラム「価値創造とは何か」でお伝えしたように、

『創造』とは、“未来の先取り”です。

 それは、これまでの「常識」を変えていくもの、超えていくもの、です。
なので、まだ「未常識(未だ常識になっていない)状態」なのです。

 さて、令和の時代の日本成長の「2本柱」を2020年12月に菅首相が発表したのが、
「グリーン(GX)とデジタル(DX)」です。
 それをセミナーで説明したスライドが下記です。

 そのため、これまでの成功してきた過去の「常識」をオペレーションしてきた多くの既得権者にとっては、「変えたくないモノ」であることは理解できます。
その既得権者の多くが現在の経営陣です。「イノベーションのジレンマ」(既存事業の経営者にとって、延長線上にない新しい技術、ビジネスモデルは非常に困難な意思決定をともないます)に記されたベストセラーには、そのジレンマが起こる理由が記されています。

 ただ、そのオペレーションで「成長」しているステージではいいのですが、そのオペレーション(やり方)が通用しない行き詰まりのステージでは、「イノベーション(あり方)」が必要です。対象(事業等)が、右肩下がり、衰退に向かっている時に、従来の「常識」「オペレーション」の一本足打法では、船は沈んでしまいますね。
それが、「両利きの経営」(第314夜)の源流です。

 行き詰まりから『逸脱』して、『別流』『別様の可能性』『オルタナティブ』を用意することが経営には肝要です。
(行き詰まりを早く予知できて、手を打つ経営者が[持続的経営(サステナブル&サバイバル)]に向かいます。
これまでお伝えしてきた「2+1」「価値創造DG」はそのための方法、体系を記しています。

いま私が生業(なりわい)としている「事業創生、地域創生、学校」等の仕事の依頼は、まさに上記の[オペレーションからイノベーションへ]が中心です。

 『非常識と未常識』については、多くのセミナー・研修の『場』でご紹介してきました。
前職パイオニア社での私の提案と反対(壁)の流れを知っていただくことで、皆さまの決断や行動の今後のお役に立てれば幸いです。

 時代は「アナログ→デジタル→キュービタル」(第303夜)と進展しています。(2000年に作成しました)
この『進展の方向(別様の可能性)』が分かっているかいないかで「モノゴトの見え方」が変わってきます。

 それでは「図」を見ていただきながら私の経験してきた事例で「常識と未常識」を説明します。

1.オーディオ業界の衰退
  1989年オーディオ業界はピークを迎え、ここから衰退に向かっていきました。
 その「オーディオスタイル」がコモディティ化したからです。
 製造する場所を人件費の安い東南アジアに移していきました。
  その傾向が明らかになった時(=赤字)に二つの委員会が1993年に発足しました。
 ①オーディオ活性委員会
  →「オーディオ」を復活、活性化するにはどうしたらよいか?
 ②超高密度(パッケージ系)メディア委員会
  →SDカード、メモリースティック等が進展した時に、コストでCDメディアを凌駕するのはいつ頃か?
   また、それはどのような可能性と変化をもたらすのか?

 その二つの委員ともに選ばれてメンバーと検討を重ねました。
・①で検討したホップ・ステップ・ジャンプの「ホップ」が、「ヒット商品緊急開発プロジェクト」(第314夜)の『異業種コラボレーションによる連続ヒット』につながりました。
・②の検討、シミュレーション(1993年)で、超高密度(パッケージ系)メディアが、2005年前後に、「CD」を凌駕する可能性が出てきました。
 同時検討で、2005年前後は、放送系・通信系が大きく変わることが洞察され、そこに、このパッケージ系が加わることで、これまでのCDメディアが安泰でないことがメンバー間で確認されました。
・たまたま、私が二つの委員会を兼ねていたこともあって、12年後の2005年前後に、経営に大きなインパクトが起こることが洞察されること。そのため、7年後の2000年くらいまでに次の「稼ぎ頭」開発に注力することが求められる旨の発表を経営会議で行いました。
 当時は「CD全盛」であり、ある役員に呼ばれ、「橋本よ、そんなことは起きないよ」と言われました。
2005年のパッケージ系・放送系・通信系の変化は、『未常識』だったのです。

・その後も、社長直轄の「ヒット商品緊急開発プロジェクト」「新事業創造室・室長」で、インターネットの進展等も含め上記の行く末が気になっていました。
 2005年にアップル社から『iPod』が発売されたときに、「これは大変なことになる」と上申し、
2007年に『iPhone』は発売されたときに、オーディオ業界の崩壊が頭に浮かびました。
 それほど、1993年に経営会議で①②をプレゼンした自分にとって、『iPod』『iPhone』の登場は衝撃でした。
(ただ、ソニー社[ネットオーディオ]、パイオニア社[携帯]も結構いいところまで、iPhoneに近づいていたのです)

 結果、カメラ業界、携帯業界、ボイスレコーダー業界、オーディオ業界が大きな打撃を受けました。
数兆円の事業が蒸発しました。
「iPhone」出現の「インパクトと行方」が様々な業界を変容させていきました。

先日、東京メトロの始発に載りましたが、目の前に座った人たちの全員が「iPhone(スマホ)」を触っていました。
「新しい文化」を創造したのです。
次夜は、上記をご理解いただきながら、「iPhone・価値創造DG」を見ていただけると、もっと深く、広い風景が見られるのではないかと思います。

 さてさて、「iPod」登場した2006年、総合研究所から、
インターネットが進展する時代の行く末、可能性を
・10年後の将来をシナリオプランニングで洞察したい
・5年後、10年後の研究テーマを探索したい
 という要望、オーダーが私(新事業創造室)のところにあり、
6つの研究室から、若手各1名参加してもらうプロジェクトを発足させました。
4象限で作成したそのシナリオプランニングを10分ビデオと各象限を4枚の模造紙でまとめ発表しました。
10年後の2017年の「インターネット×パイオニア社」の新結合(2+1)でまとめたものは、10年後の変化をびっくりするほどピタリと言い当てました。

『未常識をしっかりと洞察・解明』したのです。

 しかし、10年後の新提案に、新しい所長の反応は鈍いものがありました。
私と若手メンバーの落胆は大きいものがありました。


 前述の「常識と未常識」の壁がそこにはありました。

ただ、その提案を見た事業部長から、シナリオプランニング策定の依頼があり、その事業部は大きな飛躍を見せました。
 前職と現職の社内外で、『人』が将来を左右する事例を数多くみてきました。

 いまは、「こなし型(オペレーション)」から、「しかけ型(イノベーション)」への移行(認識と構想、実践)が急務です。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

橋本元司の「価値創造の知」第318夜:ピュアモルトスピーカー「価値創造DM」

2024年11月26日 「ピュアモルトスピーカー」開発の全体像

 前夜で、「たらこスパゲティ」をモデルとして、『価値創造DM』の企画開発の流れと全体像を提示しました。
「企画開発・プロセス」の大要約ですが、

1.『想い』と『PROBLEM』
  ↓
2.『2+1(SERENDIPITY)』へ展開(下半分)
  ↓
3.『戦略・物語性(STORY)』の確立(上半分)

 となります。

 この『価値創造DG』を、次夜以降の「ピュアモルトスピーカー」、「iPhone」という事例で続けて綴りますので、
是非、皆さまの気になる対象(自分の人生、事業創生、地域創生等)に、「価値創造ダイヤモンドグラム」を置き換えて検討されることをお薦めします。
 入り口は、やはり、「1.『想い』と『PROBLEM』」への『切実さ』(「価値創造とは?」参照)にあります。
(経営者の『切実さ』が弱い場合は、なかなか最後(上半分)までたどり着かないのが残念なところです)

 それでは、ピュアモルトスピーカー・価値創造DMを提示します。
「ピュアモルトスピーカー」開発については、“第313夜・新しい物語”をご覧ください。

第1図は、ピュアモルトスピーカーの「2+1(プラス1)」
「2+1」の「2」の基盤は、『テクニカルポイント×アーティスティックポイント』による新しい価値創造の一対です。
 「プラス1」が、新しい価値創造の触媒であり、新しい物語の元になります。
サントリー社とパイオニア社の新しい組み合わせが、新しい価値を引き寄せる配置です。
両社の共通項は、『響』です。
・サントリー社:サントリー社の企業理念は、「人と自然が響きあう」。デジタルロゴは、『響』。
・パイオニア社は、『音響』
相性が抜群ですね。コラボレーション先では、共感・共有・共存が迅速になります。

第2図は、ピュアモルトスピーカーの①PROBLEM、②Insight、③新結合を追加しています。
 ①と②の両立を考えること、両立するスキルがポイントです。
①パイオニア社の「右肩下がりを何とかしたい」、「オーディオ業界を何とかしたい」、という『切実さ』が私にはありました。
 このパッションの有無が、後々の壁を打ち破り、社内外の仲間をつくる、開発を進める原動力となります。
②顧客にとって、「価値があるもの」「魅力があるもの」「他社との違い」があることが肝要です。
 この①②の本質を捉えることが、成功に大きく関わります。
この「ピュアモルトスピーカー」開発が、私の人生を大きく変えていきました。

第3図は、ピュアモルトスピーカーの価値創造ダイヤモンドグラムです。
 赤枠の「ど真ん中」のダイヤモンドを『ストライク(Strike)』にすること。
・左上のSMILE:顧客の喜び、幸せ
・右上のSTYLE:自社の強みは何か?
・真上:上記があって、新しい物語が創造されます。

 商品開発、事業創生、地域創生等の参考になれば幸いです。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ