価値創造の知・第35夜 “やってみなはれ”

2017年3月12日 ピュアモルトスピーカー

写真は、20年前に「ピュアモルト・オーディオ」を佐治敬三会長にプレゼンテーション(@赤坂)した時のものです。

私は、サントリー様とコラボレーションして創った「スピーカー&オーディオ」に“ピュアモルト”という名前をどうしても付けたかったのですが、鳥井 信吾・サントリーホールディングス代表取締役副会長のサポートをいただいて、想いが実現したスーパーショットです。

 佐治敬三会長が大好きな曲を、ウィスキー樽で造ったピュアモルトスピーカーの響きでお聴きになり大変喜んでいただきました。
私から、「“やってみなはれ”をコラボレーションでやってしまいました」とお伝えすると、
「ピュアモルトスピーカー、いいものをつくられましたな」
と素敵な笑顔と握手で応えてくれました。忘れられません。
そして、「ピュアモルトスピーカー」のネーミングにOKを出していただき、サントリー創業100周年記念ウィスキーのプレゼントがありました。我が家のお宝です。感動・感激・感謝でした。
伝え方が重要なことを直に教えていただきました。

さて、「やってみなはれ」について記されたことを綴ります。
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「やってみなはれ、やらしてみなはれ」の精神で、父親から譲り受けた会社を世界有数の洋酒メーカーに発展させたサントリーの佐治敬三。「生活文化企業」を目指し、新規事業に次々と進出。彼の経営人生はまさに挑戦の連続であった。

「やってみなはれ」というのは、おやじがわたくしに、もう百万回も言うとったわけです。耳にタコができるほど。

で、社長になって考えてみましたら、やっぱり小理屈を並べておっても、物事は運ばない、ともかく実行をまず第一に考えて、それからその中でいろいろ学びながら、第二段階のアクションを考えていったらいいんじゃないかということなんですね。

で、上司といいますか、管理職が、部下に対して「やってみなはれ」と、こう言うわけですね。
それと同時に、その「やってみなはれ」だけではいかんので、やったあとの結果については、「おれがその骨を拾ってやるぞ」「失敗してもいいじゃないか」と、それはおまえの責任ではないという意味で、この「やらしてみなはれ」というのを加えまして、主としてその管理職に対する希望でございますから、役員室に掲げてあるんです。
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「価値創造」を使命とする身にとって、“やってみなはれ”の環境は垂涎の的なのです。

在職中は、日本初のモルトウィスキー、そして「ウィスキー文化」を創られ、世界最高峰のビールに向けても挑戦と改革を続けられました。
サントリーホールやラグビーも含め、遊び心いっぱいの自由人・文化人で、その格別のお人柄とイノベーターとしての情熱の高さにずっと憧れていました。

サントリーの社員の方達とのお付き合いは今でも続いていますが、常にどんどんチャレンジしていく風土があり、恐れずに新しいことを提案されていて、とっても羨ましく思います。

さて、「ピュアモルトスピーカー」の異業種コラボレーションのおかげで、サントリー友人のアドバイスから、売上の一部を「国土緑化推進機構」に寄付をし続けました。
そして、その商品がパイオニア社初めての「エコマーク商品」となりエコプロダクツ展への出品とつながりました。コラボレーション効果です。

さてさて、私の中では、「ピュアモルトスピーカー」の未来形が頭に浮かび、サントリー様とのコラボレーション第2世代の進化形が明滅し、そのポリシーとライフスタイルをご一緒に展開する構想があります。
“やってみなはれ”の精神で、いつか実現させることを愉しみにしています。

第35夜 価値創造から経営革新へ

佐治敬三