橋本元司の「価値創造の知・第234夜」:松下幸之助のことば「経営理念を明確に持つ」⑥

2019年7月4日 「ミッション→ビジョン→イノベーション」

「栄枯盛衰」とは、人や国家、企業などが盛んになったり、衰えたりすることを意味する言葉です。
栄えたり衰えたりを繰り返す人の世のはかなさをいう時によく使われます。

 前夜にも綴りましたが、先週、前職・パイオニア社が950人のリストラを行いました。
1993年と2005年の二回、自分がパイオニア社の大きな危機を感じて、経営会議で提言を行いました。
それは従来の延長上のやり方、在り方では危ない、持たないということ。そのための方向転換をまとめたものでした。

栄枯盛衰の真っ只中でそのような思考や革新実践をしたことが、いまの自分の貴重な土台になっています。
まさに、「人間万事塞翁が馬(「何かが起こった時、一見幸福でも後の災いに、一見災いでも後の幸福になることがある。人間の幸不幸は解らないものである)」ですね。

現在、「行き詰まり」を感じられている会社は多くあります。
ご支援先では、
『これまでの延長線上には未来がない』
ということを共通認識するところが出発点になります。

その時に重要なことは、
・HOW:「どうやったらいいのか?」
という手段からいったん離れていただくことです。

・WHY:「深いなぜ?」
という思考から独自の「意味(新しい目的)」を見つけることです。
そこに前夜(第233夜)に綴った「再継続のための新しいコア」があります。

それが凝縮されたのが行き詰まりを超える「新しい経営理念」です。
本夜は、その「経営理念」について松下幸之助さんの言葉を引用します。

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『経営理念を明確に持つ』

創業者の求められる資質なり条件というものは、統率力とか決断力、先見性や実行力、さらには責任感など、いろいろあげられましょうが、なかでもきわめて重要なのが、しっかりとした経営理念を持つことだと思います。

「自分の会社は何のために存在しているのか」
そして、
「この会社をどういう方向に進め、どのような姿にしていくのか」
というような企業の基本的在り方についての考え、それが私のいう経営理念ですが、そういうものを明確に持つことが非常に大事で、そうしてこそ初めて、いまあげたようなさまざまな要件も、生きてくるのではないかと思うのです。

出典「松下幸之助・経営の真髄」
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上記を編集すると、
ミッション:「自分の会社は何のために存在しているのか」
ビジョン: 「この会社をどういう方向に進め、どのような姿にしていくのか」

ここには深い「なぜ」と「構想力」が求められます。
ここを真剣に考えて実行にうつす企業とそうでない企業には大きな差が着きます。
それは、「人」についても同様です。

上記を航海に例えれば、
ミッション=船の錨
ビジョン=北極星
となります。
そして、その後に上記に基づいた「イノベーション(革新)」が続きます。

つまり、「ミッション→ビジョン→イノベーション」です。
それがないまま、「どうやって?」に入ってしまうことで方向の定まらない表層の内容になってしまうのです。

さて、ミッション・ビジョンの「深いなぜ」を見つけるには秘訣・コツ(要領、ポイント、要点)があります。
それをしっかり体得することが「ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)」につながります。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ

松下幸之助ことば⑥