橋本元司の「価値創造の知・第92夜」:企業間連携/業務提携への用意・卒意

2017年12月19日 企業間連携/業務提携への用意:「要素・機能・属性」

明珍火箸・明珍風鈴をご存知ですか?
兵庫県姫路市の明珍家は、平安時代から続く甲冑師の家系ですが、現在はその鍛造の技術を進化させ、シャリンと澄んだ音の火箸風鈴などを制作しています。
時代の変化により、「甲冑」の仕事は激減し、また、明珍「火箸」の受注も減りました。経営危機です。その鍛造技術の火箸から、世界のミュージシャンが愛用する響きを持つ3~5万円の「火箸風鈴」が生まれました。

 「どこに新しい事業の元(もと)があるのか」を知っておくことが「次の柱づくり」「企業間連携・業務提携」や「コンサルティング」には肝要です。
それを見つけ出す優れた方法があります。それが「プランニング編集術(松岡正剛監修:第26夜)」にある「要素・機能・属性」です。
自分の会社・団体の「要素・機能・属性」を考えることで、その対象の持つ特徴を検出することができます。是非、トライすることをお薦めします。

①「要素」=対象を構成する部品、パーツ、部分
物理的に分解したり腑分けしたりできるかどうかは、問題ではない。部分を指摘することができれば、「要素」である。
②「機能」=対象が提供する価値や効能
場合によっては可能性ととらえてもいい。人々がそれを何のために、どんなふうに使っているか。どんな使い道があり得るか。
③「属性」=対象の性能・性質・特徴。
そのモノのもっている姿かたちや、様子に関することがら。 形態やデザインなどもここに入る。

上記「明珍火箸」の「音の響き」に着目することで、新しい事業が芽吹きました。そのような意味で、事前に「要素・機能・属性」を事前に整理しておいたり、その情報をオープンにすることが企業間連携や業務提携には有効であることがおわかりいただけるかと思います。
他社・他団体が自分たちのどの対象に着目するかはわかりません。前職でパイオニアとサントリー様の異業種コラボレーションでは、ウィスキーの樽材『ピュアモルトスピーカー』(第14夜)をプロデュースしました。
サントリー様は、まさか自分たちのウィスキー樽が響きの優れたスピーカーのキャビネットになるとは思わなかったでしょう。創発することで「偶有性(コンティンジェンシー:Contingency)」(第19夜、第54夜、第80夜)が次々に出現します。

そのため、事業創生・地域創生の「バリュー・イノベーション・プロジェクト」では、必ず「要素・機能・属性」を全員に書き出してもらいます。自分たちでは当たり前だと思っていることが、外部の目からは優れた技術や仕組みであったりします。全員でやると一人では気づかない特徴が次々に出てきてそれだけで盛り上がったりします。
特に重要なのが、②「機能」です。いったいどんな可能性があるのか、どのような使い道があるのかということです。これは「新しい目的」をつくる(第28夜)ことと同じです。明珍本舗は「火箸風鈴」という新しい使い道を見出しました。

そして、もう一つ重要なのが、第90~91夜に記した、「想い、夢、妄想」です。それには、ミッション(深い知)とビジョン(高い知)が大きな役割を果たします。

用意したその二つを持って、お互いが「異業種との実践的仮想企業間連携/業務提携(卒意)」に望むのです。
成功の確率がグーンと高くなること、間違いなし!

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
要素・機能・属性
明珍本舗

橋本元司の「価値創造の知・第91夜」: 使える「実践的仮想連携シート」

2017年12月18日 実践的仮想連携シート:「2+1」

前夜(第90夜)に引き続き、企業間連携具体化のきっかけをつくる「実践的仮想連携シート」をご紹介します。
播磨国際協議会セミナーでも使用した「広い知・感動ダイアグラム」と原理は同じ「2+1(ツープラスワン)」という松岡正剛師匠の情報編集術です。
詳細の考え方は、「第57夜『本来・将来・縁来』」にありますが再度記します。

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僕はまず一対の情報というものが「分かる」ということにとって大きくて、私たちがふだん意識せずに使っている抽象概念などでも、父母から始まって、夫婦、浄土と穢土、天国と地獄、善と悪、生と死、黒と白、いろいろなものがまず一対になっている。そこに第3の要素が加わると必ず次の思考が生まれるのだろうと思います。
たとえば、「おかあさんとカレーライス」というのが一対ですね。問題はそれだけだと好き嫌いで終わるので、それに一つのことを加えて、誰かに伝えましょう、というふうにやるんです。
「おかあさんとカレーライス」に「買い物」を入れるか、「弟」を入れるか、いろいろ変わったときに何かが見えるんじゃないでしょうか。それは変化の多様性なんです。
簡単に言ってしまえば、二つのものが目の前にあって、そこにもうひとつ加わると何か別のものが生まれるということです。(出展「情報編集力」)
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協議会セミナーでは、会員企業同士の一対をお引き合わせします。
そこに何を加えると素敵な物語が生まれるのかを実際に検討していただくのです。
それは『触媒』といってもいいかもしれません。その『触媒』によって、新しい化合物が生まれてきます。

身近な例では『料理』があります。買ってきた食材はそのまま置いておいても勝手に料理にはなりません。そこで、皆さんには料理人になっていただきます。
食材はそのままでは食材のままですが、料理人が調理をすることで料理に変化します。どのように混ぜたらいいのか、何を加えたらいいのか、それを『想い』から引き出します。

PREPARE(用意)⇒ PERFORMANCE(料理)⇒ PROMOTION(配膳)

この3つの『P』を一気通貫で意識することが重要です。
ここに、新しい事業・産業を生み出すヒントがあります。『問い』の立て方次第で「事業創生・地域創生」につながります。

さて「2+1」ですが、そこの「もう一つ」に、「海外展開」「スマホ」「インバウンド」「教育」「東京オリンピック」「AIoT・ロボット」「再生可能エネルギー」等々、気になることを入れてみます。
それも一社だけで考えるのではないのです。様々な時と場所で経験を積んできた、私たち価値創造コンサルもいるのです。
すぐに、いままでの常識の枠、制約の壁を吹き飛ばします。イメージの中で新しい化合物、物語が生まれ、そのうちに、リアリティを持って輝き出します。

そうやって、連続ヒット商品、未来シナリオ、事業支援・地域支援の結果を出してきました。

幾つかの「2+1」サンプルを載せますので参考にしていただけると幸甚です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
171206②2+1演習

2+1サンプル①

2+1サンプル②

橋本元司の「価値創造の知・第90夜」: 使える「実践的仮想企業間提携」

2017年12月17日 実践的仮想企業間提携

先日の「本質的な違いを創る」セミナーでは、播磨国際協議会様のご要望により、セミナー後半では「本質的な違いを生み出す実践的仮想会員間提携(企業間連携)」をご用意しました。

普段は、それほど関係性の強くない会員企業・団体同士の急な(粋な)組合せにより、写真の演習シートにお互いの『想い』を馳せながら、意識を集中して、焦点を見出して全員に発表していただきました。

結果は、30分強の短時間でありながら、実際の企業間連携につながる事業コラボレーション案が続々と生まれました。

発表する時の会員様の、「今までにない何か創造した」実感を持って、イキイキワクワクされた表情が印象的でした。一社単独でできることには限界があります。その限界を突破することの〝お試し”に、挑戦いただくことに意味があります。

ここでは元々同じ目的を持った会員企業の協議会であることが、良い結果につながる大きな要因であったと思います。

もう一つの大きな要因は、前半の1時間で第82夜~89夜の「『本質的な違い』を生み出す3つの抽象化能力」を短時間で演習していただいたことにあります。

①ここで、「深い知・高い知・広い知」という、常識・限界を破る3つの方法を知ることで、頭の中が「『わかる』から『かわる』」モードに切り替わっていたコト。
②そこでは、現状の常識の枠にとらわれずに、夢・理想・妄想を優先するコト。
③更には、「播磨の地(あるいは日本)からのニュース発信」というイキイキワクワクする物語を生み出すコト。

お互いの想いを語り合っていただくコトがポイントです。この「想いを語り合える」環境・場をつくることが重要です。そのような『場』が日本には少ないことが問題です。

さて、お互いの想いから、同じ目的が〝交差”することから物語が始まります。そうすると、写真の大三角形の中の線が消しゴムで消すように消えていきます。素敵な『物語』を紡ぎ出すことに集中することです。

この「素敵な『物語』を紡ぎ出す」方法については、どこかで綴りたいと想います。

その実践演習では、2社間だけではなく、3社間、4社間同士の検討と、勝手にいろいろな形態が生まれました。それでいいのです。多くの企業・団体が連携することで、シナジーが生まれます。

実際に、異業種「合同研修」を開催してきましたが、ここでは半日コースから半年コースと様々です。やはり、半年コースになると「出来映え・仕上がり」が大きく違い、参加者たちの大幅スキルアップ(人財創生)、繋がり、絆の深さが次のステップと成長を楽しみにさせてくれます。

さて、今回セミナーの次の展開で、本協議会と友好の協議会や関係団体との協議会連携・会員間連携による「実践的仮想企業間提携」をチャレンジされるとさらにダイナミックな展開が可能になります。そこで生まれる結果が素敵で大事なニュースになります。それらを国に頼らないで地域に根差した信用金庫(金融機関)等が主導するのがこれからの道筋と思います。

やはり、この日本には、この『場』と『方法』が決定的に不足しています。何が問題なのか、どうしたらいいのかは、わかっているのですが・・・。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
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播磨国際協議会セミナー

2017年12月6日 企業間連携ワークショップ

姫路が本拠地の「播磨国際協議会」に招かれて、「違いを生む方法&異業種コラボ実践」のワークショップを行いました。

最初に、本質的な違いを創り出す「3つの知」を演習を交えてご案内します。知らず知らずのうちに自分達が勝手に作り上げて縛られている「常識の枠」を外すことから始まります。「枠」を逸脱する日本流の「3つの型」を習得することで全員の五感が、脳が活性化してゆきます。固まっていたカーソルが自由自在に動き出します。
その基礎と応用の実例をご紹介することで、大きく意識が拡がります。

後半は、会員同士の実際の組合せによる、『広い知』を基盤にしたダイアグラムを使って、30分ほどで、お互いの想い、夢、妄想が交差するところを検討していただきました。そこには、自分達も驚く点滅・融合があり、将来の光の筋(コラボ)が見えてきます。

それは、たった一回のリアルな企業間連携の体験なのに、素敵なコラボレーション(ご縁)がその『場』で生まれてしまうことが偶有性です。その手ごたえを実感されたようです。
将来事業と将来人財の誕生を目の当たりにします。

結果を発表する全員から、イキイキワクワクした表情が伝わってきて、協議会の未来の息吹を感じることができました。
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橋本元司の『価値創造の知・第89夜』:「本質的な違い」を生み出す3つの抽象化能力

2017年11月30日  ミッション・ビジョン・イノベーション

ビジネスで最も大切なコトは、『本質的な違いと共感』を生み、創ることを第82夜に綴りました。それから6夜に亘り『本質的な違い』を生み出す3つの抽象化能力(『深い知』『高い知』『広い知』)について、その構造と方法を明示しました。

それは、従来のやり方、考え方、常識を超える方法です。そして、その方法は、決して特別なものでなく『革新』を起こすために様々に使用されてきた価値創造の『知』です。
ただ、それを構造としてまとめ、トリニティイノベーション体系(第67夜)として、3つの関係性を明確にした図解は史上初ではないでしょうか。(第77夜)

 本夜の図解をご覧いただくと直ぐにおわかりいただけると思いますが、赤い枠線(▽・〇・◇)の中が「空白・余白」になっています。そうなんです。課題や対象に向けて、意識的に『空白・余白』を設定することで、そこの中身をしっかり検討し、イメージングすることになります。

松岡正剛師匠は、よく『余白』の重要性を話してくださいました。それが意識的、無意識的に自分の中に組み込まれてゆきました。
この『空白・余白』の凄さ・意味・効能については、第22夜(「余白」が大数寄)に綴りましたのでそちらを是非ご覧ください。

ビジネスの「行き詰まり」というのは、余白(=新しい可能性)が思い浮かばないことです。
でも、クライアントのお話しに耳を傾けていると、「自ら制約を設けてしまって、モノゴトの見方や視座を狭くしてしまっていること。本当はこれまで通りにして、変わりたくないこと」を感じます。

その『制約』や『常識』の殻を丁寧に剥がさせて貰って、下記3つの余白から、新しい補助線を差し上げた時に、そこにはワクワクする視界が広がっていることを認識される喜びを数多く経験しています。

さて、「3つの知」を進める順番なのですが、『深い知』⇒『高い知』⇒『広い知』で行うことをお薦めします。

『深い知』は、事業の再定義につながり、ミッション(使命)を生み出します。自分達が何に「命を使う」のかに関わってきます。当然、ワクワクするものに命を使いたいですよね。
それは第85~86夜に綴りましたが、大元(おおもと)に戻ることです(=色即是空)。そのために、違う業種業態の幾つかの納得する分かりやすい事例をお示しします。禅や瞑想の方法もお伝えします。

茶、枯山水、わびさび、俳句に代表される、『深い知』へ至る方法は、日本人が本来得意とするものです。是非、自信をもって挑戦してください。
それらのヒント、演習を体験した後に、「自らの課題・問題」のテーマに当てはめると、今までの制約・常識と異なるワクワクの新しい風景が見えてきます。それが、船でいう錨(アンカー)です。

実際のプロジェクトでは、これで30~40%の到達になります。場合によっては、50%を超えることもあります。

次に、ワクワクする拠り所・錨の元に『高い知』のステップに移ります。
その詳細は、第87~88夜に綴りました。『高い知』のポイントは、「温故知新(故きを温ねて新しきを知る)」です。現在と過去を豊かにすることが将来を豊かにすることに繋がります。それがないままに、未来に向かうおうとするので失敗することが多いのです。

「故き」をどこに設定するのかも重要です。この設定がこちらの腕の見せ所になります。それは課題をお聴きし、現在の変化の元(もと)がどこにあるのかを一緒(デュアル)にして捉え編集するのがコツです。そのために、『深い知』『高い知』の多くの経験が必要です。

プロジェクトでは、『高い知』の、複数の分かりやすい事例を提示し、ビデオも数本見て観察いただき、演習で慣れていただき、自らのテーマ・課題に向かうと目指す将来の姿が見えてきます。これが『ビジョン』となります。

これが、船・航海で例えると、「北極星」を見つけたことになります。そして、『深い知』からの新しい形(世界と世間:第80夜)を見つけることに繋がります。(=空即是色)
私自身が、複数の将来を捉えるのが得意な「シナリオプランニング」のプロでもあるので、これが共有できると、プロジェクトは60~70%は到達したようなものです。
バリュー・メンバーの参加者達の目が輝きます。

上記の『深い知』『高い知』を結ぶ軸が、ビジネスの新機軸になります。ミッションとビジョンがつながります。それをメンバーと一緒に、「シナリオマトリクス」「成長マトリクス」に展開して、其々一枚のシートにまとめます。将来を「見える化」「魅せる化」するのです。

そうすると、将来に向けてやらなければならない自分たちの不足が見えてきます。それを自分たちだけで捉えるのか、パートナーと異業種コラボレーションするのかの見極めが必要になってきます。外部コラボには、いい『ご縁』が必要です。

ここの詳細は、第83~84夜の『広い知』に綴りました。『深い知』『高い知』と同様に、多くの事例をプロジェクトでご紹介し、これまで紹介してきた大三角形「新しい命・物語」を創る方法と心得をお伝えし、自分達でも扱えるようになってきます。

前職の異業種コラボの「連続ヒット商品」で培った失敗と成功をお伝えすることも役立つようです。勿論、実行に移す時は、異業種連携のプロですので、実践のコラボレーションのお手伝いもします。
この「広い知」が、新しい市場・文化・スタイルを創る「イノベーション(新結合)」です。

これまでの3つの余白を埋めることで、「ミッション」「ビジョン」「イノベーション」が三位一体でつながります。経営戦略の基盤の出来上がりです。

さて、本夜は「本質的な違い」を生み出す3つの抽象化能力の全体像をお伝えしてきました。これまでの整理でやっとお伝えできるのが、第60夜・第76夜に「価値創造の7つの秘訣」をアップしました下記3番目の項目です。

『3.余白をつくる:本質創造力』(第65~66夜)

これが、「ビジネスで最も大切なコトは、『本質的な違いと共感』を生み出し創ること」の本丸です。それは、その後の「4.舞台をつくる~7.成功をつかむ」の大元(おおもと)になるからです。

是非、多くの方達にその方法と心得を習得いただいて、「本質的な違いづくり」「幸せづくり」に挑戦していただけますと幸甚です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

3つの抽象化能力

価値創造の知・第88夜 『高い知』②=『守破離』

2017年11月26日 世阿弥の「風姿花伝」

前夜(第87夜)では、『高い知』のマンダラ図をアップしました。
本夜は、その図の左側の『守破離』をご案内します。
右側の『弁証法』が思考の知性に向かうのに比して、『守破離』はそれをも含んで、「心性・体性」の高みに向かうものです。

『守破離』(図解)とは、
守って破って離れる、のではない。
守破離は、
守って型に着き、
破って型へ出て、
離れて型を生む。
この思想は仏道の根本にも、それをとりこんで日本的な様式行為をつくった禅にも茶にも、また武芸にも、開花結実していきました。(第5夜)

そこの奥には、『自分を更新する』ことが中心にあるように思います。

『自分を更新することで、違いを生み、創ることができる』

何かとテクニックだけ真似て結果を出そうとする人がいますが、だいたい結果が出ません。
本当の本質の『違い』は、「継続的な努力からの更新」にあります。そのコトをお伝えしたかったのです。

「読み書きそろばん」を反復訓練するなど、プロはみな「守」からスタートします。書道・華道・柔道・大相撲・打ちそばの達人でも「守」からです。
自分の「型」を持つことも必要です。そして、『一剣を持して起つ』のです。「守破離」というのは、人がある道を究めるのに歩むべき3段階のことを言っているのです。

さて、「守破離」に関係のある世阿弥の『風姿花伝』のことを記し、そこの『花』と『違い』が同じであると思っていることを綴ります。
先ず、松岡正剛師匠の千夜千冊1600夜「守破離の思想」から抜粋します。
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観阿弥・世阿弥の序破急は、能構成をさしていた。序は初番がカタの一貫した曲想曲趣で、二番はそのカタとクセが強くなる。破は三番で基本から精細のほうに移って、四番・五番はあたかも序を砕くほどに放埒だ。こうして挙句の能となるのが急である。この急は連歌でいえば名残りの折にあたる。極限に向かって出でて、急になる。
このように観阿弥・世阿弥の能構成はあくまで序破急なのである。だから守破離は出てこない。出てこないのだが、すでに「離」を重視していたはずである。そこが注目なのだ。
世阿弥(118夜)は『花鏡』に我見と離見をくらべ、「我が目の見る所は我見なり。見所より見る所の風姿は離見なり」と説いて、場における「離見の見」をみごとに集約してみせた。世阿弥にとっての「離」とは“見所同心”なのである。自分だけでは離にならない。「離見の見」は場とともにある。心はその場の見所のほうにおいていく。世阿弥はそのことをすでに指摘した。この見方を「目前心後」(もくぜんしんご)とも言った。
こうして、いつしか能の序破急と守破離の「破」がちょっとだけだが、しかしかなり深々と交差した。また世阿弥の「離見」が能の分野の外に流れだした。・・・
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自分には、『序破急』『守破離』について学ぶことが『違い』や『イノベーション』を知ることにとても役立ちました。『価値』があったのです。
風姿花伝の中で、世阿弥の革新を象徴する概念として、「花」という言葉があるので、「100分で名著・風姿花伝(土屋惠一郎さん)」からご紹介します。

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「花」は世阿弥が能楽論で使った言葉の中で、現在でももっともよく使われている言葉である。
「あの役者は花がある」などという言い方を皆さんも聞いたことがあると思います。
世阿弥は、能にとってもっとも大切なものを『花』という言葉で象徴しました。それは何かというと、ずばり「新しいこと」「珍しいこと」と言っています。
花と言えば、四季折々の花がある。季節が変わって咲く花であるからこそ、その花は珍しいものとなり、人々も喜ぶ。能も同じである。人にとって珍しく新しいものであるからこそ、おもしろいと感じるつまり、「花」と「おもしろい」と「珍しさ」とは同じことなのだ。
これは、人気に左右される芸能で勝つために、世阿弥が至った核心です。常に新しいもの、珍しいものを創り出していくことが大切だということです。例えば、毎回同じ演目を演じていては、観客に飽きられてしまいます。観客は今まで見たことがないものを見たいわけですから、もっとも大きな珍しさに値するのは新作です。ですから世阿弥は、自ら作品を創ることが大事だと繰り返し説きました。また、世阿弥が創り上げた複式夢幻能というパターンも新しいものの創造に大きく役立っています。・・・
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能がなぜ六百年も続いてきたのかを考えれば、それは世阿弥が言い当てた「珍しきが花」という核心を脈々と受け継ぎ、止まることなく創造を続けてきたからだと言えるでしょう。

上記のことで、第87夜の図解左側がご理解いただけたのではないでしょうか。
『高い知』を日本と欧米の双方の視点から引いて視ることで、豊かに深みと高みにある違いを感じていただければ幸甚です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

高い知 守破離

価値創造の知・第87夜 『高い知』からの「抽象化能力」③

2017年11月25日 弁証法

本夜から、『本質的な違い』を創る3つ目の「抽象化能力」を綴ります。
第83夜~86夜を読んでいただいた方達には、もう察しが付かれていると想います。

それは、『高い知』です。それにどのようなイメージを持たれますか?
現在は皆さんご承知の様に、これまでの境界が変化する、或は、消滅する「多様性と流動性」が加速する「不確実性」の時代です。
「不確実性」の時代に、将来を観る精度が上がれば、『違い』づくりに自信が持てて、早く着手できますね。
いったい、どうすればいいのでしょうか?

それをこれから本夜、次夜の2夜に亘り綴ります。
では最初に、図解の右側の「ヘーゲルの弁証法」から入ります。将来の「本質的な違い」を創りだす優れものの方法です。

ここのポイントは、「温故知新」です。『故きを温ねて新しきを知る』。大事なコトは、過去に潜んでいます。将来を観るのに、いったん過去に遡ります。
「現在と過去をつなぎ合わせ、核心(PASSION)し、本質を確信(MISSION)し、将来を革新(ACTION)する方法です。
それでは、わかりやすい事例を「コメント①」に載せます。

現在を1980年と思ってください。皆さんのお宅に設置している***ではなくて、ピンポーンという呼び鈴がありました。
その前の1960年には、「呼び鈴」がなくて、「ハシモトさーん、御届け物ですよー」と配達人さんが外で大きな声を出して呼びかけていました。
その声が誰のものかはわかる(GOOD!)のですが、ご近所迷惑(BAD!)でもありました。
それが、「呼び鈴」の時代になると、ご近所迷惑を解消し、家の中だけ聴こえる(GOOD!)ようになりましたが、一体誰が、呼び鈴を押しているのかが分からない(BAD!)状況でした。
それは、過去の「誰だかわかる(GOOD!)」機能がなくなっていたからでした。

さて、ここに「現在」と「過去」の情報が揃い踏みしました。
昔、皆から支持されていたモノゴトが、現在のBAD!を解消しながら将来に立ち現れてくるのが、「螺旋的弁証法」です。
「インターホン」はすぐイメージできますね。これが本質的な将来の違いを創る基本の一つです。

これで、多くの業種業態や地域創生の将来をイメージすることが可能です。ついつい未来だけを観ようとして迷走するのが通常です。「温故知新」なのです。
ポイントは、どこまで過去の事象をさかのぼるのかですね。会社や地域のご支援では、必ず行います。それは、「寺子屋」、「よろず屋」、「炭焼きによる自給自足」・・・だったりします。
「会社」の場合は、創業のときにそのヒントがあったりもします。

前職(パイオニア社)の2000年の時点での自部門の事例をご紹介します。
「オーディオ」で見てみましょう。
過去は、「アナログ」です。アナログレコード(カセット)プレーヤーでオーディオは成長しました。
次に登場したのが、皆さんご存知の「デジタル」です。
これで、「現在」と「過去」は出揃いました。その次の世界は、「キュービル」です。

アナログ ⇒ デジタル ⇒ キュービタル

詳しくは記しませんが、その世界をイメージ(認識)しているかどうかで、次の一手は違ってきます。

ポータブル ⇒ ポケッタブル ⇒ ウエアラブル ⇒ ハータブル(Heartable)

2000年から、オーディオに限らず、3年先・5年先・10年先の将来像を企画し、ビデオにまとめました。
以前にも綴りましたが、2006年にまとめた「10年後のキュービタル世界」のビデオ(4つの物語)は殆ど現在(2017年)の世界を言い当てていました。
この『高い知』から、テーマである『本質的な違い』が生まれ、創られるのです。

その時(2000年)に、一緒に提示した世界は、

ローカル ⇒ グローバル ⇒ グローカル
パブリック ⇒ インディデュアル ⇒ ソーシャル

です。

それらを横並びで観ると、隆々とした複数の将来像が観えていました。過去のGOOD!が革新と一緒に将来に甦るのです。
ただ、それは従来のやり方や考え方ではないので、これまでのイナーシャを超える経営革新が必要です。

CHANGE(変化) ⇒ CHANCE(機会) ⇒ CHOICE(選択)

大事なことをお伝えします。
将来・未来は、今・現在の中に点滅・明滅しています。もう既にここにあるということ。
そして、CHANGE・CHANCE・CHOICEを一気通貫で捉えるコトです。

・上記を認識していると将来は観える
・これまでの思い込み、常識にこだわると、将来は観えない

という認識が重要です。

この『高い知』を実のあるモノにするには、前夜・前々夜の『深い知』のスキルが必要なことがおわかりいただけたと想います。
船出に例えると、『深い知』は、錨(アンカー)、『高い知』は、北極星になります。これを軸にして『広い知』は意味のあるものになります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

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高い知99

価値創造の知・第86夜 『深い知』トレーニング方法

2017年11月20日 「シナリオプランニング」「禅・瞑想」

前夜(第85夜)は、『深い知』(=「抽象化能力」②)の考え方(型)を記しました。
本夜は、その『深い知』に辿り着くためのエクササイズ方法の一部を綴ります。

ポイントは、図解の「所有・使用」のこれまでの常識を疑うということから始めます。
これまでのやり方や考え方が、上手くいかずに行き詰っていても、なかなかこれまでの慣習・常識から離れられないのが通常です。

これまでの会社経営、地域経営環境は、ハードウェアをベースにした確実で合理的な意志決定が中心でした。
ところが、ITをベースとした「ソフトウェア*ハードウェア」、及び、ビッグデータを扱うAIoTでは、「ハートウェア*ソフトウェア*ハードウェア」をプロデュースする時代です。
それは、ズバリ『不確実性』を扱う時代になります。

前職(パイオニア社)の自部門では、2001年に『不確実性』に対応するために、「シナリオプランニング」を導入しました。(第15夜:不確かな時代を読み解く方法・シナリオプランニング)
『不確実性』にどう向き合うのかというのが、経営の中心課題になっていたからです。
旧来のやり方・考え方を突破する『イノベーション(=新価値創造)』は、確実で合理的なものではないことを認識する必要があります。それは、新しい価値、新しい解釈、新しいスタイルを創造するからです。
過去の成功体験を持っている方達は、従来のオペレーション、マネジメントに縛られます。なので、「イノベーション」が大の苦手です。
「これまでは、こうやっていた。それでうまくいっていた」というやり方や考え方の「常識を捨てる覚悟」が必要なのですがなかなかそれができません。
しかし、これまでの「行き詰まりの常識の厚い壁」を打ち破り、その奥にある「本質」を掴み取るのです。(第29夜)

それが、図解の『在り様=Meaning=本質的な内容』です。
ここに辿り着く方法は、『座禅』『超越瞑想』と同じです。(第33夜)
欧米では、『禅・瞑想』が最強のビジネスツールと言っている人もいます。心の中が、「雑念」でいっぱいになっていて、例えていうと、透明な水が雑念でポカリスエットのように濁っている状態です。
そのような状態の時に『禅・瞑想』をすると、「雑念」がどんどん出てきます。それを真言(マントラ)等で心の外に追いやるのです。それを続けていると、だんだん濁った水が透明になっていきます。
削いで削いでいくことで、その奥にある新しい境地に近づきます。

それと同じことを、「禅・瞑想」ではない方法で、チームで行う方法があります。
それまでの常識、欲望を集団で認識して、そこから離れ、おいやり、追い込むのです。図解の様に、「モノ⇒コト⇒イミ(Meaning)」の順番(色即是空)です。
すると、そこに「ワクワクする新しい解釈・常識・スタイル(型)・市場」が浮かび上がってきます。
この「ワクワクする」ということがとっても重要です。ここに、対象への『自信』が生まれてくりからです。

それが見えてきたら、
「イミ(Meaning:価値)⇒新しいコト⇒新しいモノ」(空即是色)で拡げてゆきます。
それを繰り返すのが、「シナリオプランニング」です。

さて、だんだん慣れてくると、図解の一番下の三角形(「在り様」)に辿り着くことが早くなります。
そして、そこに扱いづらかった「不確実性」を自分のものにする『余白』があることがわかってきます。(第22夜)
あとあとに綴りますが、この「余白」が『本質的な違い』を生み出す『場』です。

是非、「シナリオプランニング」と「禅・瞑想」に挑戦してみてください。目に前の風景が変わり、人生が変わってきます。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
『深い知』=「抽象化能力」演習

価値創造の知・第85夜 『深い知』=「抽象化能力」②

2017年11月18日 「問い」の立て方

第83夜・第84夜の2夜で、『広い知』=「抽象化能力」①を綴りました。
本夜は、その基盤(=船の錨)、分母となる『深い知』をひも解いていきます。

私には二人の娘がいますが、次女は平成元年生まれです。特に、彼女の行動をよく観察していると、「モノ」に対して自分達の価値観とずいぶん変わっていることが分かります。
私は「所有」することが好きで部屋にはモノが溢れていたのですが、家族から「いい加減処分して」という声が高まり、かなり整理してきました。
次女には、下記「インターネット的」価値観が顕著に見られます。

「所有」の時代の背景には、「モノの不足」があり、そこでは何馬力、何ワット、何デシベルというように『性能』が重視されていました。
それが満たされてくると、次の充足は『機能』に移りました。生活空間には、使わない機能でいっぱいの機器が溢れていますね。
現在は、「モノからココロ」へと、よりインナーへの欲求に移っています。
それを表現すると
性能 < 機能 <効能
となります。私たちは『性能』からではなく、『効能』から捉えていく時代を生きています。
そして、前夜(第84夜)に綴った、3つのインターネット的特徴(①リンク、②シェア、③フラット)の浸透により、「所有」しないで、借りる、シェアするという「型」で「使用・体験」する時代になっています。

このような時代には、どのように「違い&共感」を創り出せばいいのでしょうか?
第4次産業革命(インダストリー4.0)は間違いなく進展していくでしょうが、その時に、時代の波に巻き込まれない方法の二つ目が『深い知』=「抽象化能力」②です。

参考の一例として、前職(パイオニア社)の25~20年前の体験を記します。
対象は、「オーディオ」事業です。「オーディオ」のピークは1988年で、そこから衰退の時代に入りました。(もう30年前ですね)
それまでは、『性能』の時代でしたが、一転、低価格競争になりました。もう、ハイファイデリティーという「忠実再生」だけでは経営が難しくなりました。
1992年ですが、「オーディオ活性化」「超高密度メディア」の両委員だった自分には、2005年にCDメディアに代わるパッケージメディア、通信革新、心理革新が点滅してる風景が観えました。
図解(『深い知』=「抽象化能力」②)の『使用』の奥にある『在り様』を探り出す必要性を感じていました。

それは、「オーディオをどうするか?」からではなく、「『「音・音楽と人との関わり』に将来どのような道(可能性)があるのか)」という「問い」を変えることでした。
『問いの立て方』をズームアウト(深く、高く、広く)することで、新しい目的・目標が見えてきます。その時に、技術進化と心理学から、「5つの進化の階段(ステージ)」が浮かびました。
そのファーストステージが、枯れた技術による「ライフスタイル異業種コラボ・連続ヒット商品」(第14夜)です。まだ、その上の複数ステージがあるのですが、「問い」の立て方と共通認識がポイントになります。

これは、「オーディオ」事業に限ったことではなく、殆どの事業・地域に応用できます。
これが、「在り様=Meaning」です。「Meaning」の中には、「Being(在る)」~「Becoming(なる)」が内包されています。
このように説明すると、「ピン!」ときた方達がいるかもしれません。

それは、『所有:色即是空 ⇔ 在り様:空即是色』です。「色即是空・空即是色」(第6夜)に記していますが、
「色即是空」というのは、「現実=色」に問題・課題があるのなら、先ず心を無にして、「大元=空=大切なこと=真心」に戻りなさいと教えてくれているように思います。
そして、「空=大元=真心」に戻って従来のしがらみや常識から解き放たれて、その本質(=コンセプト=核心)を把えてから「現実=色」を観ると新しい世界(=現実=色=確信)が観えるということではないでしょうか。その確信を革新するのがイノベーションであり価値創造です。

もう少し説明します。これは、「第33夜・禅と価値創造③」の内容とダブります。日本人がもっとも得意としているのは「引くこと」。
アルコールフリーのビール系飲料は「ビールからいちばん大事なアルコールを抜いた」ものだし、NHKのアンケートで「見たい国宝」の1位になった長谷川等伯の『松林図屏風』は西洋画のようにびっしりと描き込むことがなく、見る者がその世界に入り込める余白が設けてあります。
龍安寺石庭に代表される枯山水は「水を感じる」ためにあえて水を抜いてある。カラオケもまた「歌=ボーカル」という大切なものを抜いたことで大ヒットし、ひとつの文化となりました。
これらはすべて「禅の思想」。執着や先入観といったものを取り払う、あるいはいちばん大事なものを手放す。そうすることで『深い知』=「抽象化能力」が身につきます。

そうなんです。上記の「Next・オーディオ」も、執着や先入観といったものを取り払うという「オーディオが大事にするもの」そのものを手放すことから、新しい「違い&共感」が見えてきます。
・貴社は?
・クルマは?
・スマホは?
・照明は?
・エネルギーは?
・教育は?人財は?
・政治は?行政は?・・地域は
・資本主義は?
・自分は?
・・・・・

この「問いの立て方」の方法と、そこからの課題解決については、「バリュー・イノベーション・プロジェクト」で基本から応用まで演習とビデオを用意して、誰でも取り扱うことができるようになるようにお伝えしています。

さて、「AIoT・ロボティクス」「少子高齢化」「地方衰退」等が進展する時に、上記の方法がとても重要になります。そこに必要なのが「物語・ストーリー」(第54夜、第69夜、第70夜)になります。それは、第83夜図解の「新しい命・物語」のダイアグラムも同様です。
『深い知』=「抽象化能力」②に興味・関心が湧きましたら幸甚です。

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『深い知』=「抽象化能力」②

価値創造の知・第84夜 『違い』をつくる実践演習①

2017年11月17日 「物語・新しい命」を紡ぎ出す方法

前夜(第82夜)は、「広い知」により、『違い』をつくる「抽象化能力」の一つをご紹介しました。
本夜は、その組み合わせから昇華する「物語(新しい命)」を紡ぎ出す実践演習をお伝えします。

 これまでの過去の成功例やビデオをご覧いただいても、『違い』創出ワークショップで実際に自社や自地域の「新しい物語」を紡ぎ出そうと思っても手がとまり、頭が回らないのが通常です。
それは、それまでが「スタンドアローン(他に依存せず単独で運営する環境)」で、何とか自前の制約の中で答えを出そうとする習慣・慣習があり、逸脱とオープンな環境からの発想・構想を実践していないためです。

さて、私たちの生活環境を変えた「インターネット」の特徴を「インターネット的:糸井重里著」では下記3つを上げています。
①リンク
②シェア
③フラット
好むと好まざるとに関わらず、これらがライフスタイルや企業経営・地域経営の中に沁み込んできます。
第4次産業革命、AIoTがそれを加速させます。それは、従来の「スタンドアローン」の環境とは真逆です。

そこで、これからの時代の波に巻き込まれず、波に乗りこなすための能力が「広い知=抽象化能力①」です。
難しいことではありません。好きな人が出来た時に「何としてでもこの人とお付き合いたい、結婚したい」と想い、本気で行動するプロセスと同じです。
そのために考えることは、
①二人の共通項(嗜好、趣味、人生設計等々)は何か?
②二人でできる幸せの物語・世界観をどう語るか?
です。
これが、「大三角形・感動物語」の下方の「共通項」であり、上方の抽象化・昇華の「命・物語」です。
二人の間に赤ちゃんができれば、それは新しい命の誕生となります。

必要なのは、対象がワクワクすること(=恋心)であり、その対象との結合に「本気・情熱」があることです。(第51夜、第61夜)
さて最初は、統合・結合するための簡単だけれど重要な「3パターンの基礎演習」を挑戦していただいてから、添付図の応用に辿り着き、ここで頭が痺れるような「2~3時間ノック」をチームで創りあげます。
それは、事務局が事前に二つの山となるカード(トレンドワードとライフスタイルワード)を用意します。貴社・貴地域の「解決すべき課題」と上記の引いたカード(ワード)を組合わせて、10分間で物語を紡ぎ出し、発表し、何回か休憩を挟みながら2~3時間行います。

そうすると検討時間、まとめる時間もぜんぜん不足しているので、「エイヤー」と想いも寄らない発想・物語・構想の卵が出てきます。いつもの自分達の「常識・枠」からの逸脱が始まります。
このノックを「対象」毎に行うことで、「抽象化能力」が大幅に鍛えられます。
スポーツをする時に、ビデオを見ただけでは上達しませんね。それと同じように「知」も訓練しないとそのための筋肉がつきません。
ただ、自分一人で闇雲にやっても上手くいきません。やはり、その道のプロにナビゲートして貰うのが一番です。関係者がその「知の汗」を一緒に流すことで、信頼感とレベルの高い「知」が生まれてます。

ただ、前夜(第82夜)にも記しましたが、これは「対象」をもっと深く(深い知)、高く(高い知)を捉えてから行うのが有効です。
多くのコンサルティングは、これ(再定義)をやらないで行うので、ワクワクするものを創れません。つまり、『違い』のレベルが低いものになります。
「対象」をワクワクするためには、「対象を深く&高く再定義すること」がポイントになります。

それでは、次夜(第85夜)は、「深い知の『抽象化能力』」を綴ります。

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