SDGsシフト:橋本元司の「価値創造の知・第269夜」㉔『巻き込む力・巻き込まれる力』

2019年11月6日 攻めのツール

本夜は、「巻き込む力・巻き込まれる力」と「SDGsシフト」の関係について綴ろうと思います。

みなさん、「RE100」という国際イニシアチブをご存知でしょうか?
それを「サスティナブルジャパン」から引用します。
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RE100とは、事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟するイニシアチブで、「Renewable Energy 100%」の頭文字をとって「RE100」と命名されています。2014年に発足したRE100には、2019年2月16日時点で、世界全体で164社が加盟。この164社には、食品世界大手スイスのネスレ、家具世界大手スウェーデンのイケア、アパレル世界大手米NIKEなど、日本でもよく知られれている企業が数多く含まれています。

事業運営を100%再生可能エネルギーで行うなんて話は、日本では一笑に付されてしまうかもしれません。日本では、東京電力や関西電力など、電力事業者によって差はあるものの、大半の電力は天然ガスや石炭などの化石燃料を電源としています。化石燃料の削減のための方策として日本の産業界から話題に上がるのも、再生可能エネルギーより原子力。再生可能エネルギーを推進しようという勢いは、まだ経済界で強くはありません。

この夢物語に聞こえそうな「100%再生可能エネルギーでの事業運営」を、実現に移そうとしているのがRE100です。電力を再生可能エネルギーに切り替えることで、二酸化炭素の排出量を削減し、低炭素社会への移行を実現することを目指しています。RE100の加盟企業には、「事業電力を100%再生可能エネルギーにする」というコミットメントが求められます。それでも、RE100に加盟する企業は増加し続けており、今日では欧米にとどまらず、中国やインドの企業にも広がりを見せています。その上、多くの加盟企業は、達成目標年も宣言しています。

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「Apple、Google、Amazonなどの企業はいち早く、自社で使う電力を100%再生エネルギーでまかなう『RE100』を宣言。日本企業にも追随する動きが出ています。Appleではさらに、自社のサプライヤーに対しても、このRE100をはじめとするサステナブルな対応を求めている。対応が遅れた企業とは、取り引きしなくなる可能性もあるということです」

第260夜(SDGsシフト:『How SDGs?』)で「ESG投資」を取り上げた内容を引用します。

「世界各国で広がる環境破壊や、労働者を酷使する人権問題。これらを防ごうと急拡大しているのが“ESG投資: 環境(Environment)、社会(Social)、 ガバナンス(Governance)”です。
“環境・社会・ガバナンス”に力を入れる企業への投資が急増する一方で、“十分に配慮していない”と見なされた企業からは資金が引き揚げられ、厳しい対応を迫られるという」

このような動きが加速していることを認識して、次のアクションに迅速に移行することが経営者には求められます。

さて、『SDGs』の使い方には二つあります。、
①従来の「CSR」に様に社会的責任を果たすという“守りのツール”
②将来に向けて、新しい事業成長への機会を創造する“攻めのツール”

もともと、「SDGs」17ゴールは、人類社会の課題(=ニーズ)であり、それは「実現されるのを待っている未来」(第252夜)ですから、そこには多くのビジネスチャンスが眠っています。
まだ、「SDGs」にトライしていない会社は、①の“守りのツール”から入門されるのがいいと思いますが、そこでとどまっている多くの会社・地域が多いのが日本の社会課題と思っています。

例えば、「RE100」の様に果敢に挑戦している会社は、

「この指とまれ」

でプロデュースする「巻き込む力」を発揮します。
そこに素早く対応している会社には、当然お声がかかる確率が高くなります。
それは、「巻き込まれる力」です。

第71夜・第72夜に、「巻き込む力・巻き込まれる力」について綴っています。
少し長くなりますが、実際の現場を知っていただくと理解が進むと思いますのでそこから引用します。
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—「巻き込む力」には、「巻き込まれる力」が必要で、同様に、「巻き込まれる力」には、「巻き込む力」が必要です。
この二つの力が相乗して、成長・成功に向かいます。

それでは、実例として「社長直訴そしてヒット商品緊急開発プロジェクトへ」というコラム(第14夜)を取り上げます。
それは、39歳の時に社長直轄「ヒット商品緊急開発プロジェクト」のプロジェクトリーダーとしてご指名いただいたコトから始まります。

早速、全社経営会議でプロジェクトの「①ポリシー、②スタイル、③プラニング」をプレゼンテーションすることになります。 その経営会議の前に、新社長に「自分はこのプロジェクトが失敗したら会社を辞めます」と本気の覚悟を伝えました。
経営会議後に新社長から呼ばれ「辞めなくていい。その代わり、入口(プラン)から出口(販売)まで責任を持て。そして思い切ってやれ」と言われました。
プロジェクトの立ち上げ時は、自分含めて3名(総務・企画)だけでした。新社長に「責任をとるために、社内から選りすぐりメンバーを一本釣りしたい」とお願いに行き了承いただきました。それから人買いを始めるのですがこれはこれで大変でした。その凄まじい話はさておいて、「マーケ・販売」の逸材を説得に、とある営業所に行きました。
彼は自分と同期なのですが、「提案内容は了解した。ただし、今まで筋のいい提案が経営に上がるときに、そこで口出しされて、捻じ曲げられたことで何度も失敗している。
一気通貫で自分たちの想いが入口から出口までできるのなら引き受ける」と。
この一気通貫が、私達の重要な「スタイル」の一つになりました。

社内で、選りすぐりのメンバーを探す時に、あなたならどうしますか?
それが「巻き込まれる力」に関係してきます。
「じんざい」は下記の4つに分類できます。
①人財: 動きを起こす人(仕掛け型)
②人材: 動きに巻き込まれた人(こなし型)
③人在: 動きを見守る人
④人罪: 動きが起こったことすら知らない人

さて、あなたはどこに所属していますか?

「動きを起こす人」には「巻き込む力」が必要です。人は一人では何もできません。
リーダーに必要なのは、上記事例の自分の同期の様に、キラリと輝くポリシーと経験を持ち、提案力・行動力をも併せ持つ「巻き込まれる力=選ばれる力」を持つ人材です。そのような人材と『共創・創発』することで大きな力が発生します。
そのようなメンバーを集めました。このパートナーたちがいなければ、連続のヒット商品は生まれませんでした。
ポイントは、パートナーたちが活躍できる『舞台をつくる』ことです。
リーダーがすることは、志・覚悟・ミッションを持って、変わるべき方向・ビジョンを示し、それを実現する「舞台」をつくり、そこで沢山の人たちに喜んで演じてもらい、「囲い込むことではなく、囲まれるプラットフォーム」をどう創るかです。

さてさて、「巻き込まれる力」に戻りますと、用意・準備ができている人に「白羽の矢」が立ちます。この「巻き込まれる力」を持っている人が育っていなくて、少なくなってきているように思います。—

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上記は、「人」について記していますが、それは、「会社・地域」でも同様です。

「巻き込む力・巻き込まれる力」は表裏一体です。その両方が必要なのです。
新価値創造研究所では、「価値創造の7つの秘訣」を第76夜に綴っています。
その6番目が、『信頼をつくる:巻き込む力・巻き込まれる力』です。

1.自分を変える:危機意識・情熱力
2.他者を愛する:幸せ想像力
3.余白をつくる:本質創造力
4.舞台をつくる:仕組構想力
5.関係をつくる:伝える力・伝わる力
6.信頼をつくる:巻き込む力・巻き込まれる力
7.成功をつかむ:すぐやる力・やり抜く力

是非、「SDGsシフト」に向かって、「②将来に向けて、新しい事業成長への機会を創造する“攻めのツール”」のモードに入られることを切望します。
その方法について、次夜に綴ろうと思います。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs巻き込まれる力

SDGsシフト:橋本元司の「価値創造の知・第268夜」㉓『緒方貞子さん&人間力』

2019年11月4日 『人間の安全保障』

先週の10月29日、僕が尊敬する「世界で最も尊敬された日本人」緒方貞子さんがご逝去されました。
「SDGs(持続可能な開発目標)」と緒方貞子さんの生き様は深い関係にあります。本夜は、是非それを皆さまにお伝えしたいと思いました。

先ず、2000年に国連欧州本部の会議場でスピーチされた言葉(https://bunshun.jp/articles/-/15058?page=2)を引用します。
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難民問題で必要なのは、3つの『リスペクト(尊厳)』です。
①まず、家を追われて最も貧しい境遇にある人々を守らんとする国々の献身に、尊厳を。
②次に、各国の協力体制の下で難民に寄り添い、第一線で人道支援に従事する者たちに尊厳を。
③そして一番大事なのは、難民に対する尊厳です。

会場の人たちは総立ちになって、拍手を送ったそうです。日本では難民を「助けてあげる」という発想ですが、それは違う。
自分の手に負えない原因で不幸な境遇に置かれているのだから、難民の人権は絶対に尊重しなければならない。「それは近代国家の義務ではないですか」と緒方さんは言います。

国際協力では、その活動のトップの人生観が大切です。
10年にわたって務めた国連難民高等弁務官時代には、予算や職員の数を2倍にしました。歴代の国連事務総長はみな緒方さんの人柄に魅せられ、全面的にバックアップしたのです。
何せ緒方さんは防弾チョッキを着込み、イラクやサラエボ、ルワンダなどの紛争地帯へ率先して出かけて行くのですから。—

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生前緒方さんは、「自分達の正当性ばかりを掲げ、弱い人々を排斥する世界の現状」に警鐘をならされていました。

「正義だけ追求すれば、全部そこで相争った民族の間で共存ができるかと言ったらそうはいかなくて、やはり何らかの形での「許し・和解・理解」こういうものが必要で、そういうものと「正義」のバランスがやっぱり「平和」ということを考える時に必要じゃないですか。

従来の「国家主体の軍事力による安全保障」ではなく、紛争や貧困等、「あらゆる脅威から人びとの安全や尊厳を守る人間の安全保障」という理念を掲げ世界に訴えられました。
その結果、2012年の国連総会では、「人間の安全保障」を重視する決議が全会一致で採択されました。

「軍事力による安全保障」ではなく、『人間の安全保障』へ

「大事なのは、“人びと”です。“人間”です。
“人びと”というものを中心に据えて、安全においても、繁栄についても考えていかなきゃならない。
“人びと”というものを頭に置かないで、威張って国を運営できる時代ではないのです」

そう、「人びと」「人間」を中心に置いているのです。
さて上記の内容は、SDGsの下記ゴールズに深い関係があることがお分かりいただけるとわかります。
①貧困をなくそう
②飢餓をゼロに
③すべての人に健康と福祉を
④質の高い教育をみんなに
⑩人や国の不平等をなくそう
⑫つくる責任、つかう責任
⑯平和と公正をすべての人に
⑰パートナーシップで目標を達成しよう

「SDGs17ゴール」の半分近くがターゲット(開発目標)です。そう、「SDGs」は「環境領域」だけではないことがわかりますね。
そのために、本連載の「価値創造の知」第252夜に「三つのエコロジー」(第9夜:フェリックス・ガタリ)をアップしました。

“従来のエコロジー運動がいわゆる「環境問題」(自然環境を中心とした)に限定されてきたことに疑問や不満を感じ、それだけでは現代世界の全面的危機に対処しえないとして、「環境のエコロジー」に加うるに、「社会のエコロジー」と「精神(心)のエコロジー」の三位一体理論を提唱する”
図の様に、「心」「人間が中心にいるのですね。そして、「心(人)×社会×地球環境」を三位一体で把えることが肝要です。

さらに、緒方貞子さんにとっての重要は、
「抽象的な議論では意味がない。できない、やらない理由をあげるのではなく、『let’s do it(やりましょう」)』

そうなのです。
私たちに求められているのは、「人間×SDGsシフト」を通して、緒方貞子さんの素晴らしい活動と遺志をも継ぐことにあると思っています。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs緒方貞子

橋本元司の「価値創造の知・第267夜」:SDGsシフト ㉒『船場商法』

2019年11月2日 「商道ビジネス」の時代へ

みなさん、「船場商法」という言葉を聴かれたことはありますか?

関東出身の自分にはあまり馴染みがなかったのですが、今年の春(3/17~3/19)、「チーム創発」の仲間と共に、関西方面(神戸・大阪・京都)に知の出遊の時に出会いました。
それは、大阪パナソニックミュージアム「松下幸之助歴史館」、京都の「PHP研究所」を訪問して、松下幸之助氏を体感した後に、パナソニック出身のチームの彼から熱い言葉で聴きました。

それは、「松下幸之助氏」の原点だそうです。
経営の神様にして、松下電器産業はじめ松下グループの創業者。和歌山県和佐村の生まれであるが、大阪・船場で丁稚奉公、大阪市内で独立開業されました。

船場商人の原形をつくったのは太閤秀吉で、大坂を商都とすべく、京都より伏見商人、堺より堺商人、河内より平野商人を集めてきたのが起こりで、この3者を総称して船場商人という。
この時代から昭和のはじめに至るまで商人街を支えていたのが、丁稚奉公制度で、厳しい修業と独立・暖簾分けという仕組みが活力の源であったそうです。

松下幸之助も自らの船場での奉公時代をこう表現されています。
上方商人の3要素は、始末・才覚・算用。いまの言葉でいえば、「始末」はムダを省いて節約する一方で必要な投資は惜しまないこと、「才覚」はアイディアと戦略、「算用」はコスト計算にあたる。また船場の気風としての開拓・挑戦の精神と独立自営の精神、そして商人の基本としての挨拶・立ち居振る舞い。高等小学校や中学をでたばかりの丁稚は、毎日、一日中みっちりとこれらを叩き込まれた。もちろん住み込みで、もちろんすべてが(現在の言葉で言うところの)OJTである。
経営の神様とよばれるほどの創業社長は、こういう“学校”で学んできている。

そこには近代ビジネスの前の「商い」「商道」の理念と実践がありました。参考に「船場商法の構成図」をアップします。

そのエッセンスを「語り継ぐ船場商法」(和田哲株式会社・和田亮介会長)から加筆引用します。
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—「天道」と一番上に書いておりますが、いま殆ど口にすることはありませんが、船場商人は「お天道さん」という事を言っておりました。祖父も「お天道さんが見てはるで」は口ぐせでした。お天道さまとは、神、仏、先祖で、そのお天道様のお蔭で商いができる。
ですから、天道の下に天職とあります。いまは天職という言葉は死語になりましたが、昔はどんな商人や職人でも皆誇りを持っていました。それは、こういう仕事ができるのは、神仏の加護、祖先のお蔭だと、手の届かない上の方から見られているという。
—船場商法の構成図をご覧いただくと、私は40年間船場で生活しまして、船場の祖父や古老、特に私は創業者が好きだったものですから、私よりもはるかに年配の方々の話を聞いて、船場商法と何だろうと、私なりに作ったのが、この構成図です。
一番下の始末・才覚・算用は、皆様がいつもお聞きになっている大阪商法の三つのキーワードであります。日本永代蔵という小説を書き元禄時代に活躍した井原西鶴が大阪商法とは一番下の始末・才覚・算用であると言っております。

・「始末」とは、本来の言葉の意味は始めと終わりをきちんとするという計画性で、計画性を持ってやれば、思いつきでやるよりもはるかに無駄が少なく倹約になります。
・「才覚」とは、人の真似をしないで、どうして成功するか。自分で編み出す。それが、戦前の才覚でした。何とかして永続させようと才覚をはたらかせ、のれんを降ろさないように努力します。
・「算用」とは、算盤に合うということですから、せっかくいい計画を立てても、黒字に繋がらなければ何の意味もない。だから、商法として算盤に合う、採算が見込まれるというものでなければなりません。

この三つを先ず組み合わせることによって、時間の経過によって、信用というものが生まれるわけです。銀行の応接室などにはこの三つの横に、信用という言葉が額に入れてありますが、この三つと信用とは本質的には違う。三つの結果が、信用になっていくわけです。—

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いかがでしょうか。
自分も小さいころに、母から「お天道さんが見てはる」と何回も云われたことを覚えています。

「近代ビジネス」というのは、そこからずいぶんと離れてしまいましたね。

「船場商法」とは、古き良き「商い」「商道」でした。
松下幸之助から一番学んだことは、「商い」と「道」の心得と方法でした。

構成図の「奉公・体面・分限」は理念であり、「始末・才覚・算用」は実践で、それを併せて、「商道」に昇華しています。

温故知新で将来のビジネスを観ると、
①商い・商道 → ②近代ビジネス →③商道ビジネス

に進化するのではないでしょうか。

第246~266夜に綴ってきた、「SDGs」(2030年の国際目標)は、

→「お天道さんが見てはる、③商道ビジネス」にピッタリはまるように思います。

「船場商法」の『始末・才覚・算用』は、まさにSDGsが求めているそのものです。

そのような意味で、関西方面は、関東方面よりも「SDGsシフト」する地盤・基盤ができているように思います。
先日、播磨・姫路に伺いましたが、上記が無縁でないように感じました。

関西方面の方達の出番です。
顔晴って頑張っていきましょう。全力で応援します。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs船場商法

橋本元司の「価値創造の知・第266夜」:SDGs(持続可能な開発目標)㉑『SDGsシフト』

2019年10月21日 令和時代の成長経営は「SDGsシフト」。

姫路方面に招かれて、午前・午後と2回講演をしてきました。
テーマは「SDGsシフト」
上記は、新価値創造研究所の造語です。
これからこの言葉がメディアに登場するのではないでしょうか。

この頃、テレビでは、
・小泉進次郎環境大臣
・吉野彰さん:ノーベル化学賞
で胸に「SDGsバッジ」を着けていました。
都心ではこのバッジ姿をよく見かけるようになりました。

実は、今年から、「SDGs」は啓蒙から本格的実践(アクション)に舵を切っています。
ビジネスをしている方達(経営者)は、この「SDGs」に敏感でないと、時代の波に乗ることができないと確信しています。

そう、今回はビジネスに敏感な方に招かれての講演でした。
その方とランチをご一緒しましたが、とても刺激的で有意義な時間でした。
ここで重要な認識は、CSR(社会的責任)というこれまでの片手間な取り組みではなくて、2030年に向かって、ありたい姿を描いて

・「本業×SDGs」

を融合して、本気で取り組む覚悟が必要なことです。

そして、
・深い知:ミッション
・高い知:ビジョン
・広い知:イノベーション
という順番で、在りたい姿と「SDGs用の新しいエンジン」を創ることがポイントです。

さて、首記のセミナーの次第は、
①第一部:
・演題:「関西SDGs貢献チャレンジ」(近畿経済産業局)
②第二部
・演題:「SDGsシフト」(新価値創造研究所)
③懇親会
という恵まれた順番でした。

やはり、経営者の方たちは真剣に臨まれていました。
できるだけ、SDGsの本質を絵や図解や表でご用意したことが良かったようです。
懇親会では、目からウロコ、腑に落ちたという複数の声があって嬉しくなりました。
このようなコメントをいただくことで、もっとわかりやすく注力して次の講演に役立てていくモチベーションにつながります。

さてさて、少しでも迅速に皆様のお役に立てればと思っています。
新しい視座(めがね)については、画像から読み取れるでしょうか?
これだけではわかりませんね。
でも「価値創造の知」第246~265夜をご覧いただいた方なら、きっとわかっていただけるはず。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGsシフト

橋本元司の「価値創造の知・第265夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑳『超現代史のススメ』

2019年10月12日 『超現代史のススメ=温故知新』

前夜(第264夜)に引き続き、価値創造に深く関わる「ノーベル化学賞 吉野彰さんの“開発秘話と未来への思い”」をピックアップします。
一昨日のNHKのクロズアップ現代+(10月10日放送)で、「吉野彰氏ノーベル賞秘話を語る」を特集していましたが、その中で重要なキーワードである『超現代史のススメ』と『シーズの糸をニーズの針穴に通す』の二つを本夜と次夜に引用します。

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武田:今夜は、サラリーマンとして研究を続けてこられた吉野さんが、いかにしてノーベル賞受賞決定に至ったのか、知られざる苦闘を伺っていきます。
そして、こんなキーワードも。「超現代史のススメ」。そして、シーズというのは、種という意味ですね。「シーズの糸をニーズの針穴に通す」。これまた、それぞれどういう意味なんでしょう?

吉野さん:まず超現代史というのは、まさに「超」とありますように、ここ10年、20年ぐらいの歴史がどうだったかということを、ちゃんと理解すると未来が見えてきますよ、という意味なんです。
—要するに、未来を予測しようとしたら、今現在から未来を見ると、どうしても、ぼけちゃうんです。ああでもない、こうでもないと。いったん10年前、20年前に戻ると、現在までの部分についても事実としてのデータがありますよね。それの延長線上に未来がありますね。ですから、10年、20年前から今現在を見ると、その先が自然と見えますよという、そういう意味合いです。—
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・「ここ10年、20年ぐらいの歴史がどうだったかということを、ちゃんと理解すると未来が見えてきますよ」

そうなんです。私たちの講座、プロジェクトでは必ずそのプロセスで将来を見通すことをしています。
(テーマによっては、50年前、100年前を理解することでよく視えるようになることがあります)
多くの会社や地域では、すぐに未来を検討しようとしますが、過去をよくみることで『現在が豊か』になります・
過去と現在が豊かになることで、やっと未来が輝き始めるのです。

それは、『温故知新』です。
・故きを温ねて新しきを知る

様々な業界や関連の業界の事例(過去・現在・未来)をご用意して、未来を観る、見通す訓練をしていただくことで世の中の先行きが見えるようになります。
それから、自分の業界を検討していただくことで、目指すべき将来、ビジョンが全員で共有できるようになります。
(多様な業種業態をご支援してきたことがお役にたっています)

例えば、価値創造講座でピックアップするのは、
・コンビニの未来
・コーヒー事業の未来
・再生可能エネルギーの未来
・教育の未来
・製造業(**事業)の未来
・音・音楽事業の未来
・文房具の未来
・**地域の未来
・働き方改革の未来
・SDGsの未来
等々、クライアント先に合わせてご用意します。
それは、将来を価値創造する『3本の矢(深い知・高い知・広い知)』(第75夜:トリニティイノベーション)の二番目のプロセスです。
「ミッション(深い知)→ビジョン(高い知)→イノベーション(広い知)」のビジョンのプロセスに当たります。
いったい何を目指すのかという「北極星」(第65夜、第66夜)を手にすることで自信ができますね。

それは、実践プロジェクト全員の「心」を強くします。
過去をよくみることで、「柔軟性」が増します。

前夜の研究で大切にしている『柔軟性と執着心』の「執着心」「柔軟性」の大元(おおもと)になります。
特に「高い知」については、この「価値創造の知」連載の第27夜、第87夜、第176夜、第228夜に綴っていますので、関心のある方は参考にご覧ください。

さて、二つ目の『シーズの糸をニーズの針穴に通す』は次夜に綴ります。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs温故知新

橋本元司の「価値創造の知・第264夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑲『柔軟性と執着心』

2019年10月11日 “二つでありながら一つ”

2019年10月9日に、吉野彰さんのノーベル化学賞の受賞が決まり、日本中がその快挙に沸きました。
「リチウムイオン電池開発」は、スマホ、車、航空、宇宙等への貢献は勿論なのですが、太陽発電、風力発電という非常に変動が激しい発電技術が、普及しやすくなってくる中で、大きな環境問題への貢献だと吉野さんは語っていました。
インタビューから引用します。

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—「リチウム電池というのは電気を蓄えるのがいちばんの機能で、普及すると変動の激しい発電技術が普及しやすくなる。研究者としては、今後は再生可能エネルギーと組み合わせることで、新たな発電システムを使っていかなければならない」—
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そう、それは「ノーベル化学賞」なのですが、「ノーベル環境賞」「ノーベルSDGs賞」でもあるのです。
今後、本テーマの「SDGs」を核(コア)とした「ノーベル賞」が多く選定されると洞察します。

・吉野さんは、どんな研究者ですか?
・研究で大切にされていることは?
との問いには、

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—研究者ていうのは、基本的に1つは、やっぱ頭が柔らかくないと、いけないんですよね。、柔軟性ですね。
もう一つが、その真逆のいわゆる執着心というんでしようか、しつこくしつこく最後まで諦めない執着心ですね。

この二つが必要です。

「未来の人たちはこういうものを必要とするはず」。それさえ自分で自信を持っていれば少々のかべにぶち当たっても必ず乗り越えていけます。
マラソンの42.195キロのように、自分で目標、ゴールを決めること。そのゴールが変わらないから頑張れる。

一生懸命考えて頑張りぬくは絶対必要ですが、それだけだと人間めげてしまうので、まあ、なんとかなるという柔らかさが必要です。
大きな壁にぶち当たったときも「まあ、なんとかなるわね」とそういう柔らかさが絶対いるんじゃないのかなと思います。

この二つ(『柔軟性と執着心』)をどうパランスさせるかが重要です。

そして、基礎研究では無駄な研究が必要です。—
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第33夜(禅と価値創造③)で、“二つでありながら一つ”を綴りました。
イノベーション(新結合)の本質もここにあります。(第17夜)
参考に、少し引用します。

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『禅(ZEN)』の修行で一番大切なコトは何だと思いますか?
それは、「二つ」にならないということにあります。
座禅の姿勢は、「結跏趺坐(けっかふざ)」という右足と左足を組んでいますね。

この姿勢は、『二つではない、一つでもない』という「二元」性の「一者」性を表わしています。
これが、もっとも大事な教えです。(引用:禅マインド)

もし私達の心と身体が二つである、と考えるとそれは間違いです。心と身体が一つである、と考えるとそれも間違いです。私達の心と身体は、“二つでありながら一つ”なのです。
私達は普通、もし何かが一つ(単数)でなければ、それは二つ以上(複数)であると考えます。けれども実際の人生の経験に照らしてみましょう。
私達の人生は、複数であるばかりではなく、単一です。私達は、互いに支え合うと同時に自立しています。—

—「色即是空」というのは、「現実=色」に問題・課題があるのなら、先ず心を無にして、「大元=空=大切なこと=真心」に戻りなさいと教えてくれているように思います。
そして、「空=大元=真心」に戻って従来のしがらみや常識から解き放たれて、その本質(=コンセプト=核心)を把えてから「現実=色」を観ると
新しい世界(=現実=色=確信)が観えるということではないでしょうか。その確信を革新するのがイノベーションであり価値創造です。—
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如何でしょうか。
何かに行き詰ったときに、“二つでありながら一つ”であることに想いを馳せることで解決のヒントが必ず湧き出てきます。
「二つが何かを理解していること」が前提です。
このことを体得することで将来が変わってきます。

さて、吉野彰さんは、胸にSDGsのバッジを着けてられましたね。
私も公用の時に、そのバッジを着けて出向きます。その様な人たちが増えてきました。

令和は、「SDGsシフト」の時代なのです。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs

橋本元司の「価値創造の知・第263夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑱『4.「新しい舞台」を構築するⅡ』

2019年10月4日 『お客さんから友達へ』

「舞台をつくる=顧客・社員・住民は『ドラマに参加したい!』ということ。
顧客は、「素敵なドラマやストーリーがあれば参加しますよ」と言っています。
それが不足しています。そのための『舞台』を構想してつくることです。

それは大それたことである必要はありません。失敗を恐れず、小さいところからチャレンジすること。
「工場」であれば、「工場見学会」を開催する。「WEB」であれば、人が集まりたくなる小さなプラットフォーム等です。
外界(アウター)に向かって実行しようと思った時に、貴方・貴女は何をしなければならないか、何をしたいかというステージに立ちます。

それは、これまでの
1.「新しい常識」を深堀する
2.「新しい感動」を想像する
3.「新しい結合」を着想する

という順番で準備してきましたね。
その土台があるかどうかで将来は変わってきます。

第97夜で、「価値共創とクラブ財」について3つの実体験を綴りました。
A.「クラブ財」
B.顧客参加による「一大組織の誕生」
C.「顧客を囲い込む」のではなく、「顧客に囲まれる」

それぞれが、「4.「新しい舞台」を構築する」には大きなヒントになります。
その中で、C.「顧客を囲い込む」のではなく、「顧客に囲まれる」を引用します。

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—2009年に谷口正和師匠主催・文化経済研究会に「クックパッド」の副社長がプレゼンされました。
今のように成長する前の時でしたが、そのお話を伺い、この顧客参加と情報収集・編集のビジネスモデルに感動しました。

早速翌週に、目黒白金台にあったクックパッドの本社を訪問しました。
その打ち合わせで、クックパッドのビジネスモデルを異業種の「パイオニア社」に編集して組み込めば、新しい感動・新産業になると確信しました。

そして、それは「クックパッド社」と「パイオニア社」の異業種コラボレーションにもつながる話で、それを「クックパッド社」に提案したところ、とてもいい反応がありました。
ただ、この企画提案は残念ながら実現しませんでした。

私なりに、価値創造4.0の基盤となるビジネスモデルを図解します。
一番重要なのは、STARTとして、「顧客価値の本質」を捉え明確にすることです。それがないと先に進めません。
それを基盤にして、顧客が準社員の様に存在して、「クックパッド」は顧客に囲まれています。その集まった情報の編集による「お宝」とサプライチェーン外の連携・提携が重要です。

顧客は、『素敵なドラマ・ストーリー・舞台』があれば、参加したい!評価されたい!のです。

やはり、クックパッド社は思った通りにビッグになりました。まだまだ伸びしろがありますね。このビジネスモデルの先にあるものを、是非みなさんイメージされてください。—

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この時から10年が経ちましたが、
いま、SDGsに関連付けて思うのは、

『お客さんから友達へ』

という感覚です。

「心と物語と舞台」が揃うことです。

2030年にむけて、会社・地域の将来を想ってください。
ワクワクする宣言がイメージできたでしょうか。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs素敵なドラマ

橋本元司の「価値創造の知・第262夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑰『4.「新しい舞台」を構築する』

2019年10月2日 気立て → 見立て → 仕立て

本夜は、「SDGs取組みの5ステップ(基本編)」の第4ステップである『「新しい舞台」を構築する』を綴ります。
前半のステップは、「こころ」をたっぷり使い、後半のそれは「頭と身体」を使います。この両輪が不可欠です。
「こころをたっぷり使えるかどうか」が後半の出来に大きくかかわります。

1.「新しい常識」を深堀する
2.「新しい感動」を想像する
3.「新しい結合」を着想する
4.「新しい舞台」を構築する
5.「新しい価値」を創造する

(1.)(2.)で「気を立て」て、(3.)で世の中に役立つ新しい価値を「見立て・構想」してきました。
(4.)(5.)は、それの頭と身体を使う「仕立て」のステージです。(第21夜、第67夜)

参考に、第21夜(:トリニティイノベーション)で綴った一部を引用します。
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—「気立て・見立て・仕立て」の三つは新価値創造研究所が企業をご支援する時の重要な心得・指標を表しています。
その現場に行くと、これまで何回か現状突破に挑戦した後の行き詰まり感があり、淀んだ空気が流れて「横」に停滞していることが多いのです。原因は「構想」が立っていないこと、「行動力」に繋がらないことにあります。常識を疑い時代を突破するするためには、横のものを縦にしていく『構想力』(想いを組み立てる力)を体得していただいています。

ゴール(目標)は、クライアントの『目的』を再定義して、その『新しい目的』に向かって行動・更新し、やり抜き、創り上げ、成長・成功に導くことにあります。
なので、『発動』(行動・更新)するための「仕立て」が後方(三番目)にいます。

その前段階(二番目)には、現在の非常に不確実で不透明な時代を生き抜くための『仮説力』の体得が必要です。「見立て」とは、見て選び定めることです。選定です。—

—さて、その「見立て」・「発見」につなげるには、その前段(一番目)で社会(人)に役立ちたいという心の在り方・持ち方がとっても重要です。そこに集まるメンバー全員の心が奮い立っていてやる気があること、当事者意識があることが必要条件です。
このステージは横になっていた『気』を立てることであり、自ら心を奮いたてて大いに努力しようとする『発奮』に向かいます。
これが『気立て』であり、『発奮』です。
つまり、価値創造(=バリュー・イノベーション)には、
・気立て → 見立て → 仕立て

のように、現状突破するために「立て」るためには、
・発奮  → 発見  → 発動
という燃える状態、燃える集団の「発~」が求められます。

ここに、時代の変化に対応した「新しい物差し」「プラットフォーム」(第20夜)を私達が用意することで、
卒意(第4夜)につながり、市場創造と文化創造の道筋が観えてきます。—

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さて、上記引用の後部にある「プラットフォーム」が、本夜のメインテーマである『舞台』であり、『場』です。
参考に、来年に近づいた「東京オリンピック」をイメージしていただけると少し理解が進むかもしれません。
4年に一度の舞台があるとないとでは盛り上がりが欠けますね。そして、注目度が違います。
その舞台に向けて、心を一つにして「しつらい、ふるまい、ころろ遣い」の用意と卒意があってドラマが次々に生まれます。

先月(9月)から、ラグビーワールドカップも日本開催で日本テームの活躍で観客やメディアがフィーバーしています。
「目標」があるので、ベクトルが合わさり、今までは隠れていた才能がその舞台の上で花開きます。
そこには、役者(選手)がいて、観客がいて、演出家、舞台監督等々、多くの人たちが関わります。
SDGsとは、2030年の目標を掲げ、そのギャップをイノベーションとプラットフォームで埋めていきます。

『新しい舞台の構築』とは、

「多くの関係者を『場(=プラットフォーム)』に乗せることによって、外部ネットワーク効果を創造して、新しい事業のエコシステム(生態系)を構築する」

と「ビジネス現場」では表現しています。

さてさて、「SDGs」に目を移せば、2030年に向けて、どのような『舞台づくり』をすればいいのでしょうか。

市場構造の分析に基づく競争戦略論大家マイケル・ポーターは指摘しています。
「CSR(企業の社会的責任)は偽善である。企業の事業戦略と社会的価値の創造との融合が競争優位の源泉となる。Creating Shared Valueがゴールである」と。

それは、「自社の事業戦略とSDGs(社会的価値の創造)との融合が競争優位の源泉である」と置換できます。

『新しい舞台の構築』では、「価値創造の知」シリーズでは何回か引用した参考事例を次夜に綴ります。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs新しい舞台

橋本元司の「価値創造の知・第261夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑯『企業人/大人の意識改革』

2019年9月29日 SDGs・日本企業の現場

グレタさんの地球の温暖化対応怒りの国連スピーチ(第259夜)は、大人への意識改革を促すものでした。
彼女の魂の叫びが、「地球・人類はターニングポイントにある」という一人一人のマインドセットを突きつけました。

さて目を転じて、「日本企業の現場」はどうでしょうか。
実は、現場に行くと、大企業で「利益起点」(第260夜)に軸足を置いていて、SDGsの「課題起点」には届いていないところが多いのです。
SDGsへのアプローチでは、CSR(企業の社会的責任)としての取組みで体裁を整えているのが現状です。
挑戦的な中小企業の方たちの方が情熱と本気ではリードしています。

先週半ばに、SDGs関連のカンファレンスで登壇された大手のCEOの方たちが、自社の取組みを図解で説明されていました。
そこでは、CSRとSDGs17のゴールを結び付けて整理されていたのですが、
「いろいろやっています」という表面的なレベルに感じてしまいました。
一緒に同席した友人にそれを聴いたら、「自分もまったく同じ印象だ」と云っていました。

彼と話して不足を感じたのは、大企業の「本気と社会に対するコミットメント(お約束)」でした。
私たちが大企業に望んでいるのは、2030年に向けた「SDGsの明確な目標&お約束」です。
「大きな宣言」をして欲しいのです。

「構想」が不足しているように感じています。
新価値創造研究所が定義する「構想」は、

・事象の本質を見極めて、理想の姿を描くこと

です。

上記カンファレンスのプレゼでは、本業とのかかわりの中で、「事象の本質」と「理想の姿」が明確に伝わってこなかったのです。
企業の構想と社会へのコミットメントが成長・成功の前提なのです。

先ず、「利益起点」から「本気の課題起点」へ視点・軸足を動かすことです。
課題解決を先取りすれば、利益はあとからついてきます。

社長が変わらなければ、会社は変わりません。社長が変われば、力が結集されます。
社会課題に本気で対応する、挑戦することが求められています。

ここで、

・「企業は、社会を変革するプラットフォーム(舞台)である」

というフレーズがトップの心に響いたら将来の可能性が高まります。

さてそれを受けて次夜は、「SDGs取組みの5ステップ(基本編)」の

・4.「新しい舞台」を構築する

に進もうと思います。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs意識改革

橋本元司の「価値創造の知・第260夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑮『How SDGs?』

2019年9月28日 SDGsの大きな目標を宣言すること

ちょうど今から二年前に、NHK・クロースアップ現代で「ESG投資」の特集がありました。
少し長くなってしまうのですが、SDGsと深い関係があるので、そのプロローグを引用します。
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—世界各国で広がる環境破壊や、労働者を酷使する人権問題。これらを防ごうと急拡大しているのが「ESG投資」だ。
「環境・社会・ガバナンス」に力を入れる企業への投資が急増する一方で、「十分に配慮していない」と見なされた企業からは資金が引き揚げられ、厳しい対応を迫られるという。
3年後の東京五輪を前に、世界の投資家がいま、日本企業への監視を強化。2500兆円を超えた「ESG投資」の最前線を追う。—

(ESGは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉です。
投資するために企業の価値を測る材料として、これまではキャッシュフローや利益率などの定量的な財務情報が主に使われてきました。
それに加え、非財務情報であるESG要素を考慮する投資を「ESG投資」といいます)

—世界的なうねりに企業は、どう対応すればいいのか。日本で開かれるESG投資のセミナーには、多くの企業関係者が押し寄せています。
「ここに投資家とあります。彼らがものすごい勢いで、いま働きかけています。企業を見る目っていうのは、単なる売上高、そういうものの規模の経済だけではない。
社会に対して、どのような負の影響を皆さんの会社が、どこで及ぼしているのかというのを見ていかなきゃいけない。」—

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上記のESG投資の拡大や政府・経団連等によるSDGs達成に向けた取組みを推進する機運の高まりがあり、大企業を中心に自社の経営にSDGsを取り込む動きが急になっています。
しかしながら、SDGs達成に向けた中小企業の取り組みは多くないのが現状です。その中小企業の方たちが、SDGsを取り組まないと時代において行かれてしまう危惧を綴ります。

添付スキーム図は、SDGs関係のカンファレンスによく登場される「SMBCグループ」のものを引用しています。
◆ How SDGs?(どのようにSDGsに取り組むのか?)
①お客様のSDGsへの取組みを金融面からサポート
→持続可能な事業に向けた金融支援
②お客様のSDGsへの取組みに伴走
→持続可能な事業実現に向けた伴走

という方針が出されています。

SDGs融資を利用するには、SDGs達成につながる自社(各企業)の取組について経営計画書を作成し、借入期間中には、経営計画の達成に向けて、各種情報提供等のサービス提供を受けられる。また、保証料の一部について東京都から補助が受けられます。

そこでは、
・SDGs経営計画提出
・融資判断、サポート
・評価基準のアップデートとデータ管理
のステップになります。

重要なことは、「SDGs」に取り組まない中小企業は融資が受けられなくなるという認識です。
いま、「SDGs達成」とは、各企業の「成長経営戦略」に直結しているのです。

展開上では、、
・「SDGsの大きな目標を宣言する」
・その将来の目標から現在をみて、そのギャップを埋めていく(=バックキャスト)
ことが求められます。

それは、SDGsの目的である「2030年のあるべき姿に向かっていくこと」につながります。
そして、革新的な取組みを先取りができれば、「企業成長につながる」ということです。

その実現にむけてリーダーは
①イノベーション
②レギュレーション
③キャピタリゼーション
をしっかり把える必要があるのです。

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