橋本元司の「価値創造の知・第258夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑬『3.「新しい結合」を着想する Ⅱ』

2019年9月17日 マザーハウスの山口恵理子社長

前夜(第257夜)を受けて、前々夜(第256夜)の補足として、『3.「新しい結合」を着想する Ⅱ』を綴りたくなってしまいました。

自分が講座や研修で取り上げる先進的でインクトのある幾つかの「事例」をご紹介することで、皆様の理解が進むことが多いので、その一例、特例をご案内します。

それは、(株)マザーハウスの山口恵理子社長です。
最初にお会いしたのは、4年前の文化経済研究会(谷口正和師匠主宰)でした。会社(マザーハウス)としては導入から成長期にしっかり入ったタイミングに思いました。
その後の成長は素晴らしく、現在では途上国5か国に生産拠点、世界に直営店38店舗、13年連続売り上げ増を実現されています。

2015年12月のセミナーのイントロの一部を引用します。
---------

—途上国に生産部門を設け、販売は先進国で行うというビジネスモデルです。24歳のときに起業しました。会社のミッションは「途上国から世界に通用するブランドをつくる」です。当時、アジアの最貧国だったバングラデシュで思ったことがきっかけです。この理念を持つまでは会社を起業することも、バッグを作ることも私の中にはありませんでした。でも10年続け、自分が心から思い、根底に流れていることが自分を救ってくれたなと思います。
その原点としては、小学校のときにいじめられて学校に行けなかったころから、私は学校や教育に興味を持っていました。大学4年生のときにワシントンの国際機関で、少しだけ援助に携わる機会がありました。そのときにお金が実際に現地にどのくらい届いているのか疑問を持ち、実際に行ってみようと思いました。「アジア 最も貧しい国」と検索し、当時「バングラデシュ」と出たので、バングラデシュの大学院に2年間通いました。やはり日本の大学を卒業して、現地の大学院に行くのはとても勇気のいる決断でした。でも私にとっては現場で何が起きているのか、そして何より何のために働くのか、腑に落ちなくて就職活動もできず、ここで何かを見つけて帰ろうと思っていました。しかしテロやデモ、洪水、非常事態宣言の発令など、旅行で行くのとは違う厳しい現実がありました。悪いことばかりではなく、バングラデシュの人々の生きる力に魅力も感じました。政治が不安定な中、ビジネスの世界はどんなかと思い、現地の三井物産でアルバイトさせてもらいました。
たくさんの工場を回り、私の目に飛び込んできたのが、ジュート(黄麻)という麻でした。ジュートだけはインドよりも生産できることを彼らは誇りにしていました。それまでの私は絶望感から「帰りたい。でも何も見つかっていない」と、ずっと悩みを抱えていました。そんなときに誇れるものがあることがとても新鮮で、すぐにジュートの工場に行きました。—

---------

24歳で起業したときから掲げてこられた言葉は、
「「途上国から世界に通用するブランドをつくる」でした。
①「途上国」と「世界」
②「途上国から」と「ブランドをつくる」
上記は、それぞれ相反する、二つのものを組み合わせています。

ここで、今年8月に山口代表が上梓された「サードウェイ」から引用します。

---------

—もともと、対立軸にはさまれているブランドだ。
そのミッションを掲げながらものづくりを必死で続けてきた道のりの中で、「中間地点を探るだけでは不十分だ」と何度も何度も、涙し、苦しんできた。

直面する問題、反発、軋轢、格差、それらを乗り越えて一歩先に進むとき、私にとっての「最適解」は「中間地点」ではなかった。

常にこころがけてきたことは、
「かけ離れたものだからこそ、組み合わせてみよう。離れていた二つが出会ったことをむしろ喜び、形にしてみよう。これまで隔たりがあった溝を埋めて、新しい地をつくろう」
つまり、バランスを取るのではなく、新しい創造をする思考だ。—

---------

いかがでしょうか。
SDGs取り組み事例としては、格別の内容です。
「SDGsの17のゴール」はその多くが相反する組み合わせです。
そこには、「価値創造」のヒントが満載です。その考え方、取り組みを自分の対象事業に置換されてみてください。
是非、「サードウェイ(第3の道のつくり方)」をご覧いただくことをお奨めします。
さて、前夜(第257夜)では、「SDGs取組み」は環境省だけでは無理で経済産業省、復興省、財務省、文部科学省等々の横串の連携がマストということを綴りました。
これらを横串する「プロデューサー及びその機能」が必要なのです。これは「横をまたいだ結合」です。

わかりやすい例を第80夜(世界と世間)から引用します。
---------

—「20年前の通産省の廊下の話(出典:田坂広志「これから市場戦略はどう変わるのか」)」が浮かび上がりました。
通産省の廊下の部屋の前の部局の看板には、「鉄鋼課」「繊維課」「産業機械課」「自動車課」「電子機器課」・・・が並びますが、期待されている産業は何だったのでしょうか?
当時のニーズは、「環境産業」「シニア産業」「教育産業」「Eコマース産業」であり、それぞれ、
・快適な環境に住みたい
・豊かな老後を過ごしたい
・子供に楽しく学ばせたい
・手軽にショッピングがしたい
といった生活者の「ニーズ」を中心として形成される「ニーズ型産業」なのでした。

それは、決して「鉄鋼課」「産業機械課」等の『縦串』では対応できません。世の中の将来を洞察して、『横串』でなければ実現できません。
そんな時代に、「横串でできる事業の型(ビジネスモデル)」を実現したくて、23年前に社長に直訴して創ったのが、「ヒット商品緊急開発プロジェクト(第14夜)」でした。

「縦串」と「横串」の構図は、今でも根強くあって、「ビジネス4.0、ビジネス5.0」というのは、横串でなければ対応できません。そこには、一気通貫で横串する構想力・プロデュース能力が求められます。縦串の中にいては世界と世間が見えないので、外部の力を活用する時代です。
上記の「世界」と「世間」で云えば、「世界」は縦串(1~2割)で、「世間」は横串(2~9割)です。世界と世間の間(ま)となる『継ぎ目』をどう編集するかにかかっています。私たち(新価値創造研究所)はそこを仕事にしています。—

---------

上記の「通産省の廊下」は、いまでも行政や会社のあちらこちらに現存しています。それを「縦串化」「サイロ化」と呼んでいますが、横の連携を阻むのですね。
「SDGs17のゴール」を観てみましょう。それらはすべて「ニーズを中心として形成された『ニーズ型テーマ』」なのです。
『ニーズ型テーマ』であると認識すると、そのニーズに強い情熱があるかが重要になります。従来の縦串とは違うやり方、考え方であり、多くの壁や試練が待ち受けているので、それをやりきる継続的な情熱をもっていなければゴールにたどり着くことができません。

本夜は、「(株)マザーハウス」「通産省の廊下」を取り上げました。
通底するのは、「『新しい結合』を着想する」にあります。あらゆるところで、着想・展開・実現するのには、「新しい結合」が不可欠なのです。
ただ、その奥にはどんな困難にも負けない「情熱」と、幸せになってもらいたい「感動物語」があることを添えておきます。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs⑬

橋本元司の「価値創造の知・第257夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑫『小泉進次郎 新環境大臣』

2019年9月12日 環境と成長の好循環

昨日(9/11)の内閣改造で、小泉進次郎衆議院議員が新環境大臣に任命されました。
これまで主題のSDGs(持続可能な開発目標)を11夜綴ってきましたが、小泉進次郎氏が環境大臣になったことで「日本の将来の飛躍」の可能性が高くなったように思います。
まず、昨日の会見のエッセンスを二つ(AとB)にまとめたので引用します。

---------

—安倍総理からは
①地球温暖化対策
②海洋プラスチックゴミ対策の推進
③復興の更なる加速化
という課題の結果を出すことを期待されている。

A.私(小泉進次郎)はSDGS大臣である。
G20合意 海洋プラスチックゴミ対策など、日本がまさにこの分野では世界に売っていける、これこそ日本でしかできない世界に対する貢献ができる分野だと思う。
海外への発信、国内では国民運動にしていかないといけない課題がいっぱいあるので環境省イコール社会変革担当省という想いがある。
また、いまSDGsのバッジをつけているが、環境省こそがSDGS省である、私はSDGS大臣、そういった風に進んで行くように取り組みを進めていきたい。

B.SDGsは、イノベーションなくしては達成はありえない。
大変野心的な環境問題、地球温暖化対策というのは、イノベーションなくしては達成はありえません。
なので、いまさまざま、環境省の中で、イノベーションの後押しをしているので、次々にイノベーションが、生まれてきて日本こそが新たな脱炭素社会、そして環境問題に取り組むことが、経済や雇用を悪影響を及ぼすことではなくて、それこそがビジネスチャンスを生むのだと、
まさに環境と成長の好循環をESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの。今日、企業の長期的な成長のためには、ESGが示す3つの観点が必要だという考え方が世界的に広まってきています)の投資の更なる日本への投資の呼び込みを、含めてやっていきたいと思う。—

---------

整理すると、
・SDGs(環境問題等)を解決するのは、経済にとって負(マイナス)なのではなくて、正(プラス)と把える。
・SDGsの達成には、イノベーション(新結合)が必須であり、それこそがビジネスチャンスを生み、経済と雇用の良循環につながる。
・環境と成長の好循環をESGの投資の更なる日本への投資の呼び込みで長期的な成長をはかりたい

という表明です。
これを達成するには、環境省だけでは無理ですね。
経済産業省、復興省、財務省、文部科学省等々の横串の連携がマストです。
前夜(第256夜)に綴った『3.「新しい結合」を着想する』そのものです。

SDGsを梃(てこ)にして、イノベーション・成長・再興をはかる、というシナリオです。
そこには、東日本大震災の復興ともつながり、日本再興への道筋が目に浮かびます。
不足(マイナス)を新結合(イノベーション)で、経済成長と雇用促進の良循環を実現する。

新価値創造研究所は、小泉進次郎 新環境大臣を全面的に応援します。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs12

橋本元司の「価値創造の知・第256夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑪『3.「新しい結合」を着想する』

2019年9月11日 『新結合ダイアグラム』

いよいよ『3.「新しい結合」を着想する』のステージですが、ここからは「具体化・具現化のモード」になってきます。
そのための「基礎」「心得」を先に綴ります。後々に効いてきます。

それではご案内します。
『SDGs』を1ランク上の視点から観ると
・それは、「3つのエコロジー」(第9夜)という哲学・思想を「17のゴール」にまとめ、具体化しようとしたもの

として把えること。
そのことで、SDGs取組みの全体像(SDGsの本来と将来)が浮かび上がってきます。

その中身は、
「人間は下記3つの世界(エコゾフィー)の中に生きている」という認識の元に、
①地球環境   :物の公害
②人間社会環境 :社会の公害(テロ、離婚等)
③心の環境    :ストレス
これを別々に切り離すのではなく、三位一体で直視して展開すること。
上記の①②③を『生態系』と見なすことです。

上記の「三位一体で直視して展開すること」をそのまま納得していただくことがポイントになります。
その理由として、会社/地域の「SDGs」取組みの数多くをみてきましたが、「SDGsの17のゴール」のどれか一つを単独でやり通すことには限界があることを痛感してきました。
「SDGs17のゴール」それぞれが独立しているのではなく、つながり・関係の中にあるという認識です。

単独としてではなく、
・急がば回れ
なのです。

それは共生(エコロジー)そのものなので、「つながり」の中で次々に「つながり合う」ことで、他にない「新しい価値創造(=新しい感動・化合物)」が生まれます。
「つながり合う生態系」を創るところと創らないところでは、その魅力・価値に大きな差ができます。
観光地でも一箇所だけでなく、3箇所を用意することで魅力的な『物語』が生まれ、『面』のシナジーが生まれます。

点・線から面に展開する。
私自身(橋本)が、前職・パイオニア社で異業種コラボレーションによる「ヒット商品」(第14夜、第78夜)でプロデュースした内容と全く同じ構図です。

サントリーとパイオニアが異業種コラボレーションした実例をあげます。
---------

—そして、もう一つ重要なのが、“物語”です。
上記、“ピュアモルトスピーカー”の物語は、“樽物語”でした。(第18夜)
「100年の樹齢の水楢をウィスキー樽に使い、まだ木としては50年使えるその材が魅力的な響きを持ったスピーカーに生まれ変わる」という物語に多くの顧客が共感されました。
“モノづくりとモノがたり”の新結合が人々に幸せをもたらします。—

---------
それらの図解は、第39夜(一人ではできない「命&物語」を創出する)、第40夜(新しい時代の価値観は?)の『新結合ダイアグラム』で明らかにしているので、興味関心のある方は是非ごらんください。

さてさて、
・「1.「新しい常識」を深堀する」で、業界や自分自身のこれまでのやり方、考え方の殻を取り払う
・「2.「新しい感動」を想像する」で、多くの人たちと共有したい感動する物語を想い描いてみる

1.2.では、「知性・心性」が重要な働きをしていることがわかりますね。
「大切なこと」は目に見えないのです。そこには、素直・実直な情熱・当事者意識が必要です。

「感動する物語」がイメージできてくるということは、「将来の構想」「将来の価値」の輪郭が見えてきたということです。
その構想・価値を実現するには、、自分たちに『不足』があることが明らかになってきます。「不足」を埋めるのが、新結合であり、コラボレーションです。
その不足ををチャンスと把えるか、悲観するかで結果が変わるのは自明です。

ここで重要なことは、「従来の会社/地域のやり方・考え方の重心が移る」ことです。

従来から抜け出て、『重心が移る』という認識の有無がその後の展開、結果に大きな影響を与えます。
「将来の確信」がなければ「重心」は移りません。「重心」が移らないということは本気でないこと、覚悟がないことを意味しています。
「相撲」「柔道」「剣道」でいえば、下半身を鍛えないまま上半身だけのテクニックで相手にのぞむようなものです。

そのためにも、次のステップ(3.4.5.)に進むために、上記1.2.を充実することが肝要なのです。

さて、「SDGs」を把えるときに下記二つの軸をイメージすると整理しやすくなります。

・縦軸:革新(ちがい、現状を超える)
・横軸:結合(つなげる、横串を通す)

1.「新しい常識」、2.「新しい感動」は、『縦軸:革新(現状を超える、突破する)』に包摂する「違い」です。
その「将来の構想」を実現には、前述しましたが単独ではできません。

上記で触れた様に、
①SDGsには、「17のゴール」がありますが、それぞれが独立しているのではなく、密接なつながり・関係があること
②実現・展開するためには、様々な場面で、『コラボレーション・アライアンス』が必要なこと

構想から感動物語を創り、重心を移し、新しい結合から実行に移す。

・感性→心性→知性→体性

という流れです。

そこに、会社/地域の「新しい価値&将来」が生まれてきます。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs⑪

橋本元司の「価値創造の知・第255夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑩『2.「新しい感動」を想像する』

2019年9月4日 「感動する物語」

前夜(第254夜)は、SDGsに取り組みステップの第1『「新しい常識」を深堀する』を綴りました。
本夜は、第2のステップ『「新しい感動」を想像する』です。

さて、前夜『1.「新しい常識」を深堀する』の中で、「未常識と非常識」(第29夜)をお伝えしました。
自分が「未常識」という言葉を初めて意識したのは、前職・パイオニア社時代の1992年の経営会議の時です。もう27年も前ですね。

「未常識と非常識」には、大きな違いがあります。自分の実体験を第29夜に綴りましたが、人々の喜び、共感が想像されているかいないかがポイントです。
数年前、テレビのCMによく流れていたのが、DNPさんの「未来のあたりまえをつくる」(2015年8月)がありました。これが「未常識」の事例です。
たいへん参考になるので、一部を引用します。

---------
~社会課題の解決につながる新しい価値の創出に向けて~

DNPはいま、「未来のあたりまえを作る。」ことを目指しています。
「未来のあたりまえ」とは、企業や生活者、社会の課題を解決する製品やサービスを開発して、
それらが私たち一人ひとりの身近に、あたりまえに存在するようにしていくこと――。
そしてその実現に向けては、どのような「未来」になるのかではなく、
どのような「未来」にしたいのかというビジョンを持ち、そのために解決すべき課題を明らかにし、
DNPが主体となって多くのパートナーとともに挑戦し続けていく必要があります。
例えば、高度情報化社会、超高齢社会へとすでに変化しているなかで、持続可能な社会、
多様性を認め合う社会の実現が求められています。望まれる社会に生きる人々に寄り添うことで、
“大切な情報を守りながらコミュニケーションを深めたい”、“安心できる食生活を続けていきたい”、
“環境に対する負荷を減らしたい”、“教育の充実と知恵の継承によって次世代を育てていきたい”、
“医療の進歩と普及のなかで健康な暮らしを続けたい”、“安全な生活空間で心地よく暮らしていきたい”、
そんな「あたりまえ」を望む声が聞こえてきます。
私たちDNPは、自分たちの、そしてパートナーの強みを組み合わせて、
そのような要望に先んじて、効果的な解決策を示していきたいと考えています。—

---------

そして、DNPさんは「4つの成長領域」を具体的に設定されていました。
①「知とコミュニケーション」
②「食とヘルスケア」
③「環境とエネルギー」
④「暮らしとモビリティ」

さあ、ここからが本題です。
それは、「未来のあたりまえ(=未常識・新常識)」には「新しい物語(=新しい感動)」が必要だということです。

その体験を綴ります。
自分が39歳(25年前)の時に、次期社長に直訴して、「ヒット商品緊急開発プロジェクト」を任されました。
経営会議では、従来オーディオの行き詰まりを打開する「新しい切り口(=新しい常識)」と「新しい物語(=新しい感動)」を提案しました。

「新しい物語(=新しい感動)」がないと、「新しい切り口(=新しい常識)」が納得されないのですね。

第57夜(『本来・将来・縁来』)にも記していますが、
--------------------
人間は「心」で「つながり」をつくる生き物なので、
人間は、「物語」を介在させないことにはつながり合うことができません。
物語とは、新しい現実を受け入れる形にしていく働きです。(第54夜)
--------------------

人に、新しい現実を受け入れていただくためには「物語」が必要です。つまらない「物語」では理解・納得してもらえませんね。

どうしても「感動する物語」が肝要なのです。

でも無理やり「感動する話」をでっち上げる必要はありません。
もう、自分の中に想像する「感動」を取り出し、磨きあげればいいのです。
(自分の中に感動がなければ先に進めませんね)
そのような意味で「感動」する感性と「絶対に実現できる」という心性(信念)が絶対に必要です。

「感動する」ということは「自分の心に響く」ことです。
「感動」を伝えるということは、「心が響きあう」ということです。

自分にとって、とってもラッキーだったことは、前職・パイオニア社の企業理念が

・「より多くの人と感動を」

だったことです。それは創業の精神を表しています。
全社の新ビジョン策定委員にもなり、『感動』の求心軸にして、「パイオニアの本来と将来」を深く高く広く洞察しました。

そう、「感動とは何か?」
ということを脳性・知性・体性から考え、実践してきました。
『感動』を「手段」としてではなく、「目的」「価値」「意味」として把えることがポイントです。

さて、実際の「ヒット商品緊急開発プロジェクト」ではどうだったのでしょう。
「新しい切り口(=新しい常識)」と「新しい物語(=新しい感動)」を提示したのですが、これまでの常識に固まっている役員の人たちの反応は鈍いものでした。

料理で言えば、メニューで見る「絵・画像」(バーチャル)では全く判断できなくて、口の前まで試作品という料理(リアル)を持っていって、やっと反応するという状況でした。

そうなんです。「新しい切り口(=新しい常識)」と「新しい物語(=新しい感動)」の大元がなければ始まらないのですが、それだけでは前に進めないことが多いことがフツウです。
それは、前職・パイオニア社に限ったことではありません。多くの業種・業態(中小企業・大企業)と地域をご支援してきましたがどこも一緒なのです。

さてさて、SDGsには、「17のゴールと169のターゲット」があります。
是非、前夜・本夜の「新しい切り口(=新しい常識)」と「新しい物語(=新しい感動)」という視点で把えてみてください。

是非、多くの方たちがチャレンジして開眼されることを楽しみにしています。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs⑩

橋本元司の「価値創造の知・第254夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑨『1.「新しい常識」を深堀する』

2019年9月3日 エゴロジー(経済) vs エコロジー(共生)

職業柄あちらこちらの地域や会社を巡りますが、現場を自分の目で見て「他地域/他社にはない『豊かな価値』が存在しているコト」をお伝えすると驚いた顔をされることが多いのですね。
その環境の中にずっといると「それが当たり前のものと脳が認識していて、価値になるとは思わない」という認識のズレがあります。
何もないところから「里山の葉っぱや花を収穫し、料理の“つま”として出荷する『葉っぱビジネス』」で脚光を浴びた徳島市上勝町「いろどり」は、町に新しい産業を築き、高齢者に生きがいを取り戻されました。

松岡正剛師匠主宰の未詳倶楽部でお会いしたエバレットブラウン氏は、「現代のフェロノサ」と言われていますが、そこで披露されたコンテンツと共にお話しされた「本来の日本の豊かさ」の深い洞察と見識には驚嘆しました。
そう、私たちは目の前のことに追われ、その風景を当たり前のものとして「脳」が認識していて、「本当に大切なこと」「価値のあるもの」に気が付かないのです。

2003年ベストセラー『バカの壁』(養老 孟司著)を読まれましたでしょうか?
私たち人間は自分にとって興味のある情報しか見ようとせず、かつニュースなどの情報を鵜呑みにして「わかったつもり」になっている人が多いと養老氏は指摘します。
『前提となる常識』についてスタンスが異なることに気づかず、「わかっている」と思い込んでいるのだと喝破します。
自分を含めて、この「わかっている」という思い込みには注意が必要なのです。

私たちは「当たり前と思い込んでいること」「前提となる常識」について“疑い”を持つことが必要です。
「地球温暖化」に対するアメリカ・トランプ大統領の「パリ協定離脱」、いま話題になっている「プラスチックごみ」等、様々な場面で

エゴロジー(経済) vs エコロジー(共生)

が対立しているように見えます。

私たちは、『経済』が発展しないとブーメランのようにわが身に降りかかってくると思うと身構えてしまうのです。
これまで安くて利用しやすく重宝されていた「プラスチック」は「マイナスチック」になっているのです。

SDGsと私たちの付き合い方は、

「エコノミーとエコロジー」のWinWinの視点が長続きする秘訣です。

それを実現するためには、
A.3つのエコロジー(思想・哲学)
B.価値のイノベーション(技術・実践)
C.できない理由を探さない(大義・信念)
が必要になります。

A.「3つのエコロジー」(第9夜、第252夜)
「人間は下記3つの世界(エコゾフィー)の中に生きている。
①地球環境   :物の公害
②人間社会環境 :社会の公害(テロ、離婚等)
③心の環境    :ストレス
これを別々に切り離すのではなく、三位一体で直視して展開すること」

B.「価値のイノベーション」(第32夜、第111夜)
ノベーションとは、技術の分野に留まらない「一見、関係なさそうな事柄を結びつける思考」がその本質にあります。
それは、『「モノやコト」が新しく結びつき、それが新しい価値として社会的に受け入れられて、経済が発展した状態のコト』と定義されます。
SDGsで求められるのは、「モノ・コト・ヒト三位一体づくり」を分母にした『新結合(neue Kombination)による革新』です。

C.「できない理由を探さない」(第55夜)
何か「これは」と思うものをやろうとするとき、人は二つの壁にぶちあたる。それは、自分の能力的な壁と環境の壁である。
できない理由を押さえて、あえてやってみれば何とかなるということを信じられるかどうかは、その人の覚悟次第であるが、この覚悟によって世に云う「運命」も変え得るということを覚えておいてほしい。

上記の3つを「脳と心と身体」にお伝えすると目を輝かせる方たちがいます。
「どうしていいのかわからない」と諦めていた視線が、挑戦する視座に変貌してきます。

そこで、『1.「新しい常識」を深堀する』モードにスタンバイとなります。

さてさて、第29夜に「未常識と非常識」を綴りました。
------------------
「常識」とは分析不可能なものであり、また明治になってできた言葉です。小林秀雄によれば、徳川時代には「常見」といったそうです。[反対語は断見(だんけん)]
常見(コモン・センス)の「センス」は「識」よりも「見」に近い。私達は確かに「常見」の世界に生きていて、「常見」で世の中、世界を見ている。
ただ、「見」は必ずしも「識」ではない。視点を違えて別の見方をすれば、「常見」とは違う面が見える。このさまざまな「見」を総合して判断を下せば、そこにははじめて「真の常識」が成り立つであろう。
------------------

「視点の変え方」については、この「価値創造の知」シリーズのあちらこちらで多くを綴ってきました。
第29夜の事例を二つほど記します。
1. 量の変化が質を変える
→・「量」が、一定の水準を超えると、「質」が、劇的に変化する(第10夜、第11夜、複雑系)
2.「二者択一以外」の道
・「矛盾」とは、発展の原動力“矛盾の止揚”である(第15夜、第17夜、第18夜)

そこには、「新しい常識」へのエッセンスがあります。
興味関心のある方は、是非ご覧ください。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs⑨

橋本元司の「価値創造の知・第253夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑧『SDGs取組みの5ステップ(基本編)』

2019年8月29日 「3R」と「CE(サーキュラーエコノミー)」

→「SDGsに取り組みたいと思っているが、どのような切り口でどのようなステップで進めたらよいかわからない」
という声が多く聴かれます。

ここでSDGs取り組みの理解を深めるために、A.「3R」とB.「CE(サーキュラーエコノミー:循環経済)」を引用します。
従来、日本の環境取り組みでは、下記の「3R」が根付いていました。いまは、それを超えて「CE(サーキュラーエコノミー)」を基礎知識として押さえておく必要があります。

A.3Rは、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つの英語の頭文字を表しています。
・Reduce(リデュース):減らす
・Reuse(リユース):繰り返し使う
・Recycle(リサイクル):再資源化する
B.CE(サーキュラーエコノミー:循環経済)
資源や製品を経済活動の様々な段階(生産・消費・廃棄など)で循環させることで、資源やエネルギーの消費や廃棄物発生を無くしながら、かつその循環の中で付加価値を生み出すことによって、経済成長と環境負荷低減の産業システム。

さて、首記の経営課題(アジェンダ)に短時間でお伝えする際の「SDGs取組みの5ステップ(基本編)」をご紹介します。
→「SDGsに取り組みたいと思っているが、どのような切り口でどのようなステップで進めたらよいかわからない」

1.「新しい常識」を深堀する
2.「新しい感動」を想像する
3.「新しい結合」を着想する
4.「新しい舞台」を構築する
5.「新しい価値」を創造する

上記は、会社/地域の大きさや業種業態に関係なく、これからの時代に共通する成長経営へのステップです。
他社や他地域と同じことをやっていても成長には届きませんね。上記には、第82夜「違いと共感(ビジネスで最も大切なコト)」と第247夜「継続と生き残り」の双方が包摂されています。
それを土台にして、、
・「ベンチャー企業」
・「老舗企業」
・「サービス業」
・「製造業」
という各現場で実践実証してきました。

次夜から、上記ステップについてそれぞれ綴っていきます。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs⑧

橋本元司の「価値創造の知・第252夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑦『実現されることを待っている未来』

2019年8月28日 この時代に生きる私たちの矛盾

前夜(第251夜)の『核心・確信・革新』は、成長経営/革新経営へのゴールデンステップです。
SDGs(持続可能な開発目標)の「17のゴール」は、世界の多くの人たちの「切実な望み(=ニーズ)」です。
「私たちの未来がえぐられてしまわないように、17のゴールが実現されることを待っている未来」という視点が重要と思いませんか。

例えば、下記の項目を含め、すべての項目が改善や従来のやり方、考え方の延長上では達成することができません。
それは、「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成」されているからです。
No.3:すべての人に健康と福祉を
No.7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
No.12:つくる責任 つかう責任

ここで、第167夜に綴った『ジョージ・カーリン:この時代に生きる私たちの矛盾)』を引用します。
------
ビルは空高くなったが人の気は短くなり
高速道路は広くなったが視野は狭くなり
お金を使ってはいるが得る物は少なく
たくさん物を買っているが楽しみは少なくなっている
家は大きくなったが家庭は小さくなり
より便利になったが時間は前よりもない
・・・
------

それらの矛盾の前に、私たちは疑問を感じています。そのような「疑問」がとっても重要です。

今まさに求められているのは、「三つのエコロジー」(フェリックス・ガタリ著)です。特に「心のエコロジー(ココロジー)」(第9夜)の共有です。
“従来のエコロジー運動がいわゆる「環境問題」(自然環境を中心とした)に限定されてきたことに疑問や不満を感じ、それだけでは現代世界の全面的危機に対処しえないとして、「環境のエコロジー」に加うるに、「社会のエコロジー」と「精神(心)のエコロジー」の三位一体理論を提唱する”

さて、多くの経営者の方たちから、
「SDGsに取り組みたいと思っているが、どのような切り口でどのようなステップで進めたらよいかわからない」
という声が聴かれます。

さて次夜からは、これまでの7夜(第246~252夜)を土台にして、SDGsに向かう具体的な方法をお伝えしようと思います。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs⑦

橋本元司の「価値創造の知・第251夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑥『核心・確信・革新』

2019年8月21日 「Reborn」「Reorientation」

前夜(第250夜)に、「①De(破)と②Re(離)」まで検討して「③Co(合)」を実行しない、あきらめる事案について綴りました。
「①De(破)と②Re(離)」を頭では理解するけれど、次の一歩、次の一手という将来現実に後ずさりしてしまうのです。

それは、頭ではわかっていても「心」の後押しがないことが主な原因です。
自分(橋本)の前職・パイオニア社での実例を紹介します。

1.「①De(破)」のステージ
36~37歳の時に、このままの延長線上の経営の方針・やり方に危機感を抱き、その理由と変化点を経営会議で発表しました。
それは、「De(破)」のステージでした。それまでの常識・モノサシを疑い、行き詰まりの本質と将来の新しい可能性を検討した内容でした。
それまで有効だった「性能、機能という手段」から、離れる、あるいは否定するステージです。
「それらが有効でなくなったときに、いったいどうしたらいいのだろう」と。
そうなると、一生懸命/一所賢明(第38夜)に考えますよね。
有効だった「性能、機能という手段」に執着しなくなると、観える風景が変わってきます。この執着しないことによる切り替えができることが重要です。
これが「深い知」(第85夜)のプロセスです。

2.「②Re(離)」のステージ
やはりパイオニア社の経営の悪化が顕在化してきました。39歳の時に、「次のパイオニア構想(=NECTAR)」をまとめました。
「NECTAR」とは、New Century Target(21世紀に向けた目標)の頭文字を編集した本気の企画です。
それは、これまでの事業と全く違うものではなくて、手段には執着しないで、新しい文化/目的/スタイルに「Reborn」「Reorientation」した内容です。
「Re(離)」のステージです。再び復活するという意味です。それは、従来の良きところを今の時代に合わせてRebornすること。

「性能、機能という手段」を金科玉条(=人が絶対的なよりどころとして守るべき規則や法律のこと)にしていた役員、関係者から反発を受けることはわかっていました。
一介の課長だったのですが、上司を通さず、秘書室にアポイントを入れて、会長、社長のそれぞれにプレゼンテーションをしたのですが撃沈しました。会社人としては、危うい立場ですね。
最後に、新社長になると噂されていた専務に、その構想をお伝えしたときに、Goサインが出ました。

3.「③Co(合)」のステージ
その将来構想を経営会議で発表して、社長直轄の「ヒット商品緊急開発プロジェクト」のリーダーになりました。
一人だけで検討していたものが、コアの3人となり、上記プロジェクト発足により、社内横断で異能な人材を集めて9人となりました。
そして、連続的にヒット商品を生み出し、3年で100万人のユーザーに商品が届きました。
「Co(合)」のステージです。力を共に合わせて協力する、強くなること。
社内的には、共感する異能な人材を巻き込むこと。社外的には、サントリーさんはじめ、次々に異業種コラボレーションを行いました。
当時、本格的な異業種コラボレーションはなかったのです。新しい文化、新しいスタイルが次々に生まれました。
勿論、反対・反発・邪魔する役員も多くいましたが、たくさんの社員の方たちが応援してくれました。

さて、自分(橋本)が体験した『De(破)・Re(離)・Co(合)』のステップをみていただきました。
自分が「③Co(合)」に踏み出すためには、「①De(破)と②Re(離)」が必要でした。「心の在り方・覚悟」が重要なのです。

ここからが本題です。
---------
・「①De(破)」(深い知): 自分で対象の問題の「核心」を把える
・「②Re(離)」(高い知): 高いゴールを構想して「確信」する
・「③Co(合)」(広い知): 一歩を踏み出し、社内外を「革新」する
---------

そう、「核心」→「確信」→「革新」の順なのです。
必要なのは、
A.「心からやりたい」という本気の自分を信じる力
B.「隆々とした会社/地域」を構想する力
C.実現に向けて、巻き込む力、伝える力、やり抜く力
の3本柱です。
詳細は、『第76夜 価値創造の秘訣』に7つの力をまとめていますので関心のある方はご覧ください。

「革新(イノベーション)」の必要性が叫ばれていますが、その前に、
A.「心からやりたい」という本気の自分を信じる力
B.「隆々とした会社/地域」を構想する力
という「核心・確信」を持つ土台をしっかりとつくることがポイントです。
それは、「革新」のステージでぶれないためです。

「SDGs」に取り組み、しっかり仕上げるには、「核心」→「確信」→「革新」が必要です。
是非、多くの会社と地域がインパクトのある「サスティナビリティ&サバイバビリティ」を実現されることを楽しみにしています。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs⑥

橋本元司の「価値創造の知・第250夜」:SDGs(持続可能な開発目標)⑤『De(破)・Re(離)・Co(合)』

2019年8月20日 「守破離」と「DeReCo(デレコ)」

前夜(第249夜)では、SDGsの「心からやりたいこと」から『価値創造につなげる二つの秘訣』を綴りましたが、本夜は、重要な視点・視座である「DeReCo(デレコ)」についてご案内します。
これは、第5夜に綴った『守破離』の応用形です。

『守破離の思想』は、仏道の根本にも、それをとりこんで日本的な様式行為をつくった禅にも茶にも、また武芸にも、開花結実していきました。
創造的な過程のベースとなっている思想で、そのプロセスを「守」「破」「離」の3段階で表しています。その応用形である「DeReCo(デレコ)」は、SDGsの価値創造のプロセスに大変役に立ちます。

松岡正剛師匠の言葉を引用します。
------
守破離とは、守って破って離れる、のではない。

守破離は、
守って型に着き、
破って型へ出て、
離れて型を生む。
------

「DeReCo(デレコ)」の①Deと②Reは、守破離の「De(破)とRe(離)」のことです。

「De(破)」とは、破ってこれまでの型(頭の金型:やり方、考え方)を出遊することです。それまで持っていたモノサシを新しいモノサシに変えることです。
それは、従来の価値観を超えて、新しい目的を持つことです。第247~248夜にそれを綴りました。その本質について関心のある方は、第28夜(新しい目的を持つ)をご覧ください。

「Re(離)」とは、離れて新しい型(やり方、考え方)を生むことです。新しいモノサシを持つことです。
前夜(第249夜)に、Re(離)について記しましたが、Reと離が同じ「り」という発音であることが何かのご縁を感じます。

②Re: Reborn、Reuse、Recycle等、再び復活するという意味です。従来の良きところを今の時代に合わせて生み出すこと

SDGs(持続可能な開発目標)の根本は、持続・継続(サスティナビリティ)にあります。このRe(離)が中心です。
ポイントは、「①De(破)」を土台(目的・志」をもって、「②Re(離)」の第45夜(Reorientation:リオリエンテーション)の新しいゴール/方向性に向かうことです。

「①De(破)と②Re(離)」の関係は、航海で例えると、錨と北極星(第147夜:真の企業再生)という新機軸になります。
第147夜にも綴りましたが、真の企業再生/創生には、“ミッション・ビジョン・イノベーション”の明確化が絶対必要です。
そう、SDGsの取り組みも全く同じ型なのです。

“ミッション・ビジョン”という軸(ホップ・ステップ)できて、周りを巻き込んで実行・実践モード(ジャンプ)に入ります。
一人では何もできませんね。そこには、つなげる力(第32夜)、伝える力・伝わる力(第69夜)、巻き込む力・巻き込まれる力(第71夜)が必要になります。

ポイントは、合わせる力、結ぶ力という新結合の力を発現/発揮することです。
③Co: Cooperation、Collaboration等、力を共に合わせて協力する、強くなること。
ですね。
それが「③Co(合)」のジャンプのプロセスです。このことについては、「価値創造の知」連載で多くを綴ってきました。

「①De(破)と②Re(離)」まで検討されて、「③Co(合)」に挑戦をしない、あきらめる事案を幾つかみてきました。
SDGsへの挑戦でも同じことが起きる可能性は大です。いったい、どうしたらいいのでしょうか?

次夜は、そのことについて綴ります。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs⑤

橋本元司の「価値創造の知・第249夜」:SDGs(持続可能な開発目標)④『価値創造につなげる秘訣』

2019年8月19日 「真善美」と「DeReCo(デレコ)」の視点

前夜(第248夜)に「心からやりたいこと」を中心に綴りましたが、そのやりたいことから『価値創造につなげる秘訣』をお伝えします。
それは、
A.「真善美」
B.「①De、②Re、③Co」の視点
です。
早速、上記について綴っていきます。

A.「真善美」
SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)の「17のゴール」のそれぞれに、そこから「WHY(どうして?、何のために?)」を繰り返していくと、そこには迅速に「真善美」が見えてきます。
勿論それは「世のため、人のため、地球のために尽くす」に直結しているからなのですが、私たちがご支援している、様々な会社や地域の使命、ビジョンも同様に「真善美」が土台となることを共通認識して、事業を磨き上げることが殆どです。
そのことがあるため、ご支援のときには、この会社/地域の課題(本来と将来)の奥にある「真善美は何かな?」と、つい先回りしてしまう習性がついてしまっていることがあります。

そのため初期のの段階で、会社/地域の問題・課題をお聴きしたときに、やはり様々な業種業態を経験してきたこともあるのですが、ヒアリングの早いタイミングで、「課題の本質と将来方向を迅速にイメージ」することができます。

さて、①「会社/地域の課題(本来と将来)」と②「真善美」(=深い知)がつながると、それが「使命(ミッション)」になります。そこを関係者全員で深く強く共通認識できると、その後の「共創と展開」はスムーズになります。
それは、その土台(=下半身)がしっかりすることで途中でぶれないからです。前職では、これをしないまま検討を進めて、ダッチロール(=迷走/不安定:飛行機が横揺れと横すべりを繰り返しながら左右に蛇行すること)する現場を何回かみてきました。
多くの会社/地域で、方向性を決める重要な上流で、同様の多くの時間の無駄・損失があり、それは「働き方改革の重要項目」となっています。

お伝えしたいことは、対象の問題・課題を是非「真善美」でとらえてみてください。それは経営理念に直結します。
上辺だけの、形式だけの「経営理念」が多すぎます。日本の再考・再興(第210~211夜)にも大きく関係してきます。

B.「①De、②Re、③Co」
SDGsに向き合うには、「①De、②Re、③Co」の視点が重要です。

①De: Delete、Depature、Decide等、離れる、否定するという意味です。今までの常識(考え方、やり方)から離れて自由になること
②Re: Reborn、Reuse、Recycle等、再び復活するという意味です。従来の良きところを今の時代に合わせて生み出すこと
③Co: Cooperation、Collaboretion等、力を共に合わせて協力する、強くなること。Companyは事業を共にする仲間が集まることですね。

この3つを、私たちは10年前から「DeReCo(デレコ)」と呼んでいます。自分(橋本)の造語です。
「DeReCo(デレコ)」の視点は、SDGsの「気立て・見立て・仕立て」(第21夜、第67夜)にたいへん役立ちます。

次夜は、「SDGs & DeReCo(デレコ)」の関係を具体的に綴ります。

価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ
SDGs④