橋本元司の「価値創造の知・第155夜」:『真の企業再生・創生』とは? ⑨チャンスは備えあるところに訪れる

2018年6月11日 シナリオプランニングの効能

本夜は、“チャンスは、用意・準備しているヒト/会社/地域にこそ訪れる”その為の心得と方法について綴ります。

フランスの細菌学者、ルイス・パスツールのスピーチに
「… par hasard, direz-vous peut-etre, mais souvenez-vous que dans les champs de l’observation
le hasard ne favorise que les esprits prepares …
(… 偶然だと仰るかもしれませんが、思い出しましょう、観察の分野では“機会は準備のできている精神だけを好む”のです、…)」
があります。

 日本語では、パスツールの言葉として、以下(ウィキペディア引用)のように様々な言い回しが用いられています。
・幸運は用意された心のみに宿る
・偶然は準備のできていない人を助けない
・チャンスは備えあるところに訪れる

この言葉が、これまで以上にメディアに引用されることが増えると洞察しています。
それは、20世紀後半の「工業時代」に比較して、21世紀の「AIoT時代」には、政治・経済・社会・技術の変化が激しく、「不確かな時代」が加速してゆくからです。

天災、テロ/戦争、宗教問題、エネルギー危機、食糧危機、地方衰退、人生100年時代(年金、就労、教育等)、WEBの進化、・・・

“想定外”を東日本大震災を始めとして多く経験してきました。
ゲイリー・ハメル(ロンドンビジネススクール教授)は、「問題は、未来が現在と違うことだ。もし、これまでと違う考え方ができなければ、必ず未来に驚かされるだろう。」と述べています。
“あらゆる産業が、将来に対して不確実というリスクを抱える現代”において、未来についてますます予測が重要な時代になっている。一方、精度の高い予測が困難な時代でもある。・・・

これまでの『やり方・考え方』が通用しなくなっていることを意味しています。

そのために、『将来を洞察すること』そして、『戦略を構想すること』がより重要となっています。
それでは、『戦略』とは何でしょうか?

戦略とは、
1.自分たちの「ゴール」はどこか?(=目的)
2.自分たちの「居場所」はどこか?(=ポジショニング)
3.自分たちは「どのようなルート」で進むのか?(方法)

の3つでできています。

・“2.自分たちの「居場所」はどこか?(=ポジショニング)”が不安定ではありませんか?
・業界/地域が右肩下がりになっていて、危機の兆候が現実化していませんか?
・同様に“1.自分たちの「ゴール」はどこか?(=目的)”が揺らいでいませんか?

いったい、どうしたらいいのでしょうか?
そのために、早く原因に気づいて手を打つコト、決断することの重要性を前夜(第154夜)に綴りました。
そして、一つの分野に限るのをやめる。分野をまたぐ「RHIZOME:リゾーム/地下茎」発想について第153夜に綴りました。

不確実な時代を洞察する最も有力な方法に、「シナリオ・プランニング」があります。
「シナリオプランニング」については、第15夜、第86夜、第126夜に綴ってきました。その使い方を失敗すると手が出しづらいメソッドです。
それはメソッド側ではなくて、「乗りこなす人」の側に問題があります。だいたい「設問(問い)の仕方」が間違っているコトが多いのです。。

2004年に、「シナリオプランニング」の第一人者J・オグルビー氏の直伝を受けて、それを成果が出るように『日本流の知』メソッドを融合しました。「和魂洋才」への変換です。
そして、それを駆使して、社内外の複数のご依頼を解決する中で発見したことがあります。

それは、「シナリオプランニング」の前(Before)には深刻だった課題が、将来を拡張してテームで検討する中で、後(After)には複数の『次の一手』を見出すことで深刻から解放されることです。
チームのネガティブな雰囲気が、ポジティブになり、全員が「クリエイティブ・イノベイティブ」な人財群に変わることです。つまり、「将来洞察」と「人財開発」の良成果がセットになることです。
ただ、そこには「質の高いナビゲーター兼ファシリテーター」が必要です。
「ナビゲート機能のないファシリテーター」のみの「シナリオプランニング・プロジェクト」を見聞きしてきましたが、成果に辿り着く可能性が低いことをお伝えしておきます。
その真因は、ファシリテーターは“結果に責任を持たない”からです。

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一般的に予測とは、業界や事業の構造が現状の延長線上にあるということを前提として、将来を決めるのですが、
「シナリオプランニング」は、「現在の延長線ではない変化が起こると仮定した複数のシナリオ」を想定し、未来への対応策を考察する「思考シミュレーション」なのである。
例えば企業であれば、不確実な未来であることは当然と考え、環境変化に関する複数のシナリオを想定し、それらの変化に耐え得る戦略を検討すること、
さらにその思考方法を組織に埋め込むことにより、想定外の将来の変化にも柔軟に対応できるようになる。携帯電話業界、TV業界やパソコン業界のような変化の激しい業界では、なおさら予測が難しいことは当然だ。
シナリオ・プランニングは、単に複数の未来を予測しようとしているのではなく、このような思考法を組織に埋めこみ、どのような状況にあっても対応できることを重要視していると思う。・・・
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さてさて、本テーマは、“チャンスは備えあるところに訪れる”でした。チームで、「深く・高く・広く」気づき、備えることが、「シナリオプランニング」の真骨頂です。
そして、プロジェクトでは「シナリオプランニング」⇒「成長シナリオ」⇒「BSC」で経営戦略をまとめます。
チームを“燃える集団”にして、“戦略策定・実践”できる人財に変えます。

将来を洞察して、共に、創発して、気づき、備えて、チャンスを掴むことが、『真の企業再生・創生』には不可欠です。
そこには、偶有性(第19夜:セレンディピティ= めったにないことが起こる幸せ)が音連れます。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
シナリオプランニング

橋本元司の「価値創造の知・第154夜」:『真の企業再生・創生』とは? ⑧「面白い」こそ価値の軸

2018年6月9日 「早く気づくコト」

6月7日の文化経済研究会第1部は、面白法人カヤックの柳澤大輔・代表取締役CEOでした。
テーマは、「面白いこそ価値の軸、次代を創る空飛ぶ思考」

 その中で、二つの内容に焦点をあて、それを綴ります。

一つ目は、「早く気づくコト」
カヤック社は2012年に、それまで登り龍のように上手くいっていたゲーム事業が続けて6作が不振となりました。
社外取締役の指摘で、経営の立て直しに素早く着手して乗り切られたそうです。
そして、その一年半後に東証マザーズ上場がありました。

そう、経営の要諦は「早く気づくコト」にあります。
それは、
・事業の創生
・事業のコモディティー化
・事業の再生
経営の改善、革新等のあらゆることに通じます。

そして、「とにかく早く決断する」
それが、面白法人カヤック社長日記No.31に綴られています。
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意思決定の早さは、チームを勝利に導く上で、ものすごく重要です。
決断が遅いことによって致命的な危機が訪れることばかりでなく、早く決断することで致命的な危機が訪れることも、もちろんありますが、
どちらが多いかといえば、前者の方が多い気がしないでしょうか。僕はそう思っています。 ですので、まず心構えとして、とにかく早く決断することを意識しておかなければなりません。

問題を注視したくないから先送りにする。失敗したくないから、決断をしない。こういうことがないようにする。もちろん早く決断することが目的ではなく、決断によって成功をもたらすことが目的です。
だから、時にはじっくり時間をかけた方がいいこともある。けれども、自分の実力を磨いていけば、決断するスピードは必ず速くなりますし、過去に同じような問題が起きていたら、以前よりも決断は早くなるはずです。

そして世の中には、正解か、不正解か、いくら考えてもわからないことがある。であれば、最速で決断した方がいい。
決断には、失敗がつきものです。失敗をたくさん繰り返して、決断の精度をあげていく。経営者は日々そのサイクルを繰り返しているので、自ずと決断の達人になる。
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カヤック社も早く気づかなければ、そして決断して、素早く手を打たなければ経営危機になっていたかもしれないと柳澤氏は云われてました。
そこで、決断することで上場があり、その経験が一段と経営基盤を強くするのですね。

二つ目は、次代を創る空飛ぶ思考
カヤック社の経営理念は「つくる人を増やす」
“経営理念こそが、その法人の存在理由”と言い切られていました。

その為の手法として、本格的に「ブレーンストーミング」に取り組まれていました。
「ブレーンストーミング」とは、 ある問題やテーマに対し、参加者が自由に意見を述べることで、多彩なアイデアを得るための会議法です。皆さんも経験されていますね。

柳澤氏は、そのポイントを二つ述べられました。
① しっかりと仲間のアイデアに乗っかる
つまり、しっかりと仲間の云っていることを聴くということです。
効能として、そのことで、自分では考えも及ばないアイデアが出てくる。結果、チームワークが良くなる。
② とにかくたくさんの数を出す。
否定しないことが何よりも重要です。
効能として、そのことで、仲間(社員)の性格がポジティブになる

アイデアには2種類あって、
1.横軸:とにかくたくさん出す
2.縦軸:本質をつかむ

この「2.縦軸:本質をつかむ」ことができるヒトが少ないのです。
この二つを統合できるヒト、経営を意識的に開発、育成していることが、この会社の継続的な強みであり、経営理念「つくる人を増やす」につながっていますね。
応援したい経営者に出会いました。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
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橋本元司の「価値創造の知・第153夜」:『真の企業再生・創生』とは? ⑦アリとキリギリス

2018年6月8日 リゾーム(地下茎)の発想

r昨日(6/7)の文化経済研究会第2部は、ライゾマティクス代表取締役の齋藤精一氏でした。
テーマは、「建築とアートの融合、ライゾマが切り開く世界」

 その中で、二つの内容に深く共感したのでそれを綴ります。
一つ目は、「アリとキリギリス」
・「前例がない」と聞いて「だからやらない」アリと「だからやる」キリギリス
・ブランドや権威に弱いアリと気にしないキリギリス
・知識をため込んだ人が偉いと思うアリと知識も「使ったらすぐ捨てる」というキリギリス
・「常識」と聞いて、身につけるべき当然のものとして絶対視するアリと全く気にしないキリギリス
・「ばらつきは悪である」と考えるアリと「バラつかないならロボットがやった方が良い」と考えるキリギリス
・ベストを尽くしてもうまくいかないのは組織や環境のせいだと思うアリと自分で環境まで変えてしまおうとするキリギリス
・本流にいることを良しとするアリと傍流に生きがいを見出すキリギリス
・規則に人を合わせさせようとするアリと、人に合わせて規則を変えようとするキリギリス
・専門家が多数集まれば良い結果が出ると考えるアリと、人が集まれば集まるほど結果が凡庸になると考えるキリギリス……

日本では、圧倒的に多数の「アリ」ですが、21世紀は「キリギリス」的発想と行動が経営に求められると思いませんか?
塩酸(アリ)をいくらかきまぜても、塩酸(アリ)ですが、塩酸(アリ)に硫酸(キリギリス)を混ぜると化合物ができます。
それがイノベーション(=価値創造)です。さまざまな価値観を組合せ、新しい価値を生み出す時代です。

工業社会の反転軸として未来社会を構想してみてください。
従来のオペレーションから、イノベーションにシフトしてみると様々な気づきがあります。
それには、「キリギリス」的発想と構想が求められます。

どうしたらいいのでしょうか?
「巣の常識が全てである」というアリの前提を変えていく必要があります。
それに方向性と着地点を示していくのがリーダーであり、リーダーシップです。

私は「経営品質」のプロですが、そこには、「事業戦略」と「組織戦略」がバランスされています。
その仕組みを取り入れられては如何でしょうか。

二つ目は、非分野主義(Anti-Disciplinary)です。
これは、MITラボの伊藤穣一氏が、「逸脱からはじまる学びの実践」で話されていました。
「MITメディアラボではAnti-Disciplinaryという理念を掲げており、単一の学問に収まるような研究は行いません。
また、研究者や学生といった垣根はなく、指導よりも創造を重視しています。異分野の人々が試作と対話を
重ねていくことで新しい価値を生み出し、世の中に投げかけています。
・・・
AIの時代になり、世界中の人々とコラボレーションするためのコストは劇的に低下しました。
今後はそれと同様に、ハードウェアの開発や生産、物流などにおいてもコストが劇的に下がっていくと思います。
そして、教育や学びも今後は大きく姿を変えていくでしょう。MITメディアラボが行う活動の焦点はここにあります。
内外の異質な人々を柔軟に組み合わせ、創造と対話を繰り返しながら、次代の学び方を模索しているのです。」

ライゾマティクスの齋藤氏は、一つの分野に限るのをやめる。分野をまたぐことの必要性を述べられていました。
「RHIZOME:リゾーム/地下茎」という発想をされていました。
頭に残りました。

「固定化した発想を覆す提案って、業界外の視点を持っているからできるんです」
領域をはみ出す、逸脱する異端児です。

これって、上記の「アリとキリギリス」ですよね。
齊藤氏は、ご自身のことを「キリギリス発想、構想と行動をもったアリ」と言われました。

「アリギリス」ですね。

そう。始めに必要なのは、「キリギリス」的発想・構想です。
そのことを、この「価値創造の知」では連載してきました。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
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橋本元司の「価値創造の知・第152夜」:『真の企業再生・創生』とは? ⑥“使命感”の不思議

2018年6月3日 パッション→ミッション→アクション

『真の企業再生・創生』の実行の大元には、“使命感”の存在が必須です。
逆に言えば、“使命感”のない『企業再生・創生』は本物ではありません。

『真の企業再生・創生』を前職・パイオニア社で挑戦・実践し、新価値創造研究所として独立してからは、それを多業態/業種でご支援してきました。
そこには“使命感”という目にみえない「気付き・はたらき」が重要な役割を担っていることを実感・痛感してきました。

自分自身の体験では、“使命感”は「気づき」とともに音連れ、その奥には、“自分(達)が何か大きなものにつながっている、生かされているという感覚”を伴っていました。
なにか『X』という大きな課題がやって来る。それを受けて、深く・高く・広く考え、実践して、次に渡していくのが使命。遺伝子も同じことをやっているのでしょうか。
“使命感”は、自分のために使うのではなくて、人のため、世の中のために「命を使う」というのが道筋に想います。

・吉田松陰の使命は?
・坂本龍馬の使命は?

“使命感”は不思議です。
「負」を背負うけれども、心の中はワクワク。生きがいに直結しているから、世界と繋がるからです。
「負」があることで、『イノベーション』・『真の企業再生・創生』に繋がります。
そのことで、前夜(第151夜)の“一線を超える”のです。
・第3夜:「負(マイナス)」の美学
・第4夜:用意と卒意
・第50夜:「欠けたモノへの熱い想い」

何よりも、“使命感”は“生きがい”とともにあるのです。ここがとっても重要です。
“生きがい”をもって目を輝かせて働かれている社員の方達がどの位おられますか?
それは、「強制」ではもたらされなくて、「共生」が中心にあります。

お医者さんは、どんな状況下でも「人を助けるのが仕事」という使命感が元にあります。
・ソフトバンクは、“情報革命を通じた人類と社会への貢献を”
・ユーグレナ(出雲充)は、“ミドリムシで世界を救うことに決めた”
・私(橋本元司)の“使命”は、“「新価値創造」で人々を幸せにしたい”

さて、皆様の“使命”“使命感”はいったい何でしょうか?
皆様の会社の、地域の“使命”は何でしょうか?

立ち止まって考えてみてください。
それに“気付く”ことが“再生・創生”の始まりです。その時の気持ちは、大きな何かにつながる“感謝”です。
そして、“一線を超えていく”のです。変革の体験です。

それは、皆様の“生きがい”と強く繋がっていますか?

“使命感”は“生きがい”がともにある時に、疲れを感じませんね。
その繋がりが薄れてきた、欠けてきたときには注意が必要です。

第56夜に綴りましたが、諸行無常に時代は変化するのであり、「自分・事業・地域の使命(ミッション)を再定義」をする必要があります。
そう、薄れてきた、欠けてきた“使命”を再定義して再生・創生することが必要なのです。

時代は、一人ひとりの仕事が世の中にどう役立っているのか、「使命」は何か?「志」は何か?を明確に持っていることが求められるようになりました。
それを促進・増幅させているのが、「Facebook」を始めとするSNSです。
20世紀に比べて、今は、様々な選択に“自由度”が拡がりましたね。

“自由度”が拡がるということは、同時に「不安」「リスク」も高まるということです。
「不安」「リスク」が高い時代になってきました。そのままでいることが「リスク」になっています。

だからこそ、共感できる、共感される「本気の存在理由/存在意義」をオープンに明確にすることが必要です。
今、問題となっている「日大・アメフト部の悪質タックル」に関わる経営陣(理事会)が問われている本質はそこにあるように思います。

『真の企業再生・創生』の為の「使命と価値創造」の関係については、
・第75夜:『深い知(本来)・高い知(将来)・広い知(縁来)』
・第89夜: ミッション→ビジョン→イノベーション
・第125夜: 「質」が変わる、「世界」が変わる
にありますので、是非ご覧ください。

パッション(本気)により、ミッション・ビジョン(本質)が生まれ、アクション(次の本流)に繋がります。
“使命(ミッション)”は、“本気”“志”“当事者意識”“生きがい”とともにあります。そして、人間を超えた何か大きなものに生かされているということの「発見」でもあります。
その発見は、何かに必要とされているという使命感につながります。

さてさて、最後に“使命感や志だけでは経営は成立しない”についての「松下幸之助氏の言葉」を引用します。
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使命感半分、給料半分

人間には、“欲と二人連れ”という言葉もあるように、自分の利によって動くという面と、使命に殉ずるというか、世のため人のために尽すところに喜びを感ずるといった面がある。

だから人を使うにしても、給料だけを高くすればいいというのでなく、やはり使命感というものも持たせるようにしなくてはほんとうには人は動かない。

もちろん使命感だけで、給料は低いというのでも、これはよほど立派な人でない限り不満を持つだろう。

普通の人間であれば、使命感半分、給料半分というところだと思う。

そのようなあるがままの人間性に則した処遇をしていくところに、適切な人の使い方があると言えよう・・・。
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価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

使命感の不思議

橋本元司の「価値創造の知・第151夜」:『真の企業再生・創生』とは? ⑤一線を超えて、境い目をまぎらかす

2018年5月25日 二つでありながら一つ

右肩下がり、行き詰まりの現状の先に未来はありません。

『真の企業再生・創生』の実行の基盤は、

① 一線を超える
② 境い目をまぎらかす

ことにあります。
従来のやり方・考え方から、「①一線を超える」ことです。
それは、これまで綴ってきた「常識」「執着」「主役」から離れることを意味します。
これまでの成功体験から脱皮することがなかなかできないのですね。

しかし、できないことはありません。

ポイントは、「深い知・高い知・広い知」を持つことです。
深く、高く、大きく観ることで、『次の一手』は必ず観えてきます。

そこに必要なのは、“大局観”と“覚悟”です。
“大局観”があれば、「一線を超える」覚悟ができます。

次が、「②境界をまぎらかす」ことです。
「サナギから蝶」へ脱皮、変態したときに、何かが変わっています。
或は、「サントリー」と「パイオニア」の異業種コラボレーションでできた「ピュアモルトスピーカー」(第18夜、第35夜)では、二つの極の境い目をまぎらかすことで「新しい性質」「新しい命」が備わってきます。

これは、好みの文化に数寄をもちこんだ張本人は村田珠光の言葉「和漢のさかいをまぎらかすこと肝要」「さかい」にこだわらないで、これを融合させなさい、あるいは交ぜなさいという提案に通じます。
佗び茶の祖と呼ばれる村田珠光の言葉「和漢のさかいをまぎらかす」は、唐物と和物の境界を取り払い、調和させることで新たな美をつくることを示したものです。

もともと私たち日本人は、自分たちの持っているリソースを活用して、「さかいをまぎらかして価値創造」することを大得意としているのです。

そして、最も重要なことは、
“①一線を超えて、②境い目をまぎらかす”
①②を別々にせずに、『二つでありながら一つ』(第33夜、第82夜)で把えるスキルです。

その方法を磨くコトが、『真の企業再生・創生』への秘訣です。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
境い目

橋本元司の「価値創造の知・第150夜」:『真の企業再生・創生』とは? ④「仕掛け人」と「こなし人」

2018年5月23日 事業は人なり

いつの間にか「150夜」を迎えました。
こつこつと努力することを自分に課しています。

「事業は人なり」と言われるが、これは全くその通りである。どんな経営でも適切な人を得てはじめて発展していくものである。
いかに立派な歴史、伝統を持つ企業でも、その伝統を正しく受けついでいく人を得なければ、だんだんに衰微していってしまう。
経営の組織とか手法とかももちろん大切であるが、それを生かすのはやはり人である。・・・

上記は、事業は人なり/ 松下幸之助 [一日一話]よりの引用・抜粋ですが、

『真の企業再生/創生は人なり』

というのも当てはまると思います。

「大企業」と「ベンチャー企業」のご支援での違いで際立つのが、
「仕掛け型人財」と「こなし型人財」の比率です。

「ベンチャー企業」には、当たり前ですが「仕掛け型人財=仕掛け人」が多く、「こなし型人財=こなし人」が不足しています。
逆に、「大企業」には、「こなし型人財」が多く、「仕掛け型人財」が不足しています。

事業が安定している時は、「オペレーション/マネジメント」の得意な「こなし人」が多くなります。
大量生産・大量消費の時代には、何をすれば良いのかが明確であり、利益を上げるために、改善・効率・正確の処理を重視した「こなし人」が占めていきます。

ところが、時代が激変しています。

レールのある「鉄道の時代」から、レールのない「航海の時代」(第141夜)に移行しています。
何をすれば良いのかが、不確実・不明確になっています。
その原因は「IT」「AIoT」「グローバル」による価値観の変化が底流にあります。

それに呼応して、「ルール(規則)・ツール(手段)・ロール(役割)が大きく変わりました。

当初は、
・リストラクチャリング:企業を縦串で見た時に必要のない部門を削除
・リエンジニアリング:企業を横串で見た時に必要のない仕事を削除
で対応してきましたが、それでも溝が埋まらない、先が見えないことが明確になってきました。

つまり、「処理」では対応できない『壁』を乗り超えるためには?
が経営課題になりました。

それで、「改善・効率」<「革新=イノベーション」

が必要であるという認識が高まりました。

そこで、いよいよ必要になってきたのが、
・リオリエンテーション:「進むべき方向」の抜本的見直しを意味

現在、将来と必要な人財は、「イノベーション/イメジメント」の人財です。
それを志向している人財群が、「ベンチャー企業」に向かっています。
「AIoT」「ロボット」「副業」「パラレルキャリア」の時代を牽引する「宝」です。

さて、この「リオリエンテーション」は一見、「こなし人」でも対応できるように見えますがそこが勘違いです。
結論から云えば、「高度処理:こなし」と「革新:仕掛け」とは次元が違うのです。
それを様々な業種業態で体験してきました。

外部人材を使うより前に、企業内で「企業再生・創生プロジェクト」が立ち上げられます。
その時に、「処理」が得意な「良い子」が数人選ばれて検討が行われます。

しかし、だいたいそのプロジェクトは上手くいかないのが実情です。

それは、二つの問題があります。
① 経営陣が「企業再生・創生」のために、どこまで逸脱していいかを明確にできないこと。
・それは、経営陣は「こなし人」が多いコト。
・「企業再生・創生の方性」を示さないこと、示せないこと
・従来のやり方・考え方が通用しないことが分かっているのに、手間暇かかる逸脱を良しとしないこと
小手先でなんとかできないかという想いが経営陣にあること
② 処理が得意な「こなし人」は逸脱が必要な「仕掛け人」ではないこと
・「リストラ」のステージで「仕掛け」が先に辞めていきます。
・自分の業界/地域の狭い領域から、坂本龍馬のように外遊することをさせていない
・「良い子」は、不確かな将来への逸脱が苦手です。
それが、選抜したメンバーの「企業再生・創生」が上手くいかない大きい要因です。

内弁慶の会社はそこで悶々されています。
危機意識が閾値を超えた会社は、「外部人財」の活用へ動きます。

ここでの課題は三つあります。
①経営陣と「革新=イノベーション」の深さ・高さ・領域の共通認識化
②「良い子・こなし人」を「仕掛け人」に転換すること
③「真の企業再生・創生」にむいた「外部人財」を選択すること

「事業再生・創生」は、社内外の「人財=人なり」で決まります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

仕掛け人

橋本元司の「価値創造の知・第149夜」:『真の企業再生・創生』とは? ③オルタナティブ:主役を脇役に

2018年5月22日 自分中心(天動説)から他分中心(地動説へ)

“コモディティー化”とは、市場参入時に、高付加価値を持っていた商品の市場価値が低下し、一般的な商品になることです。

『経営の成長鈍化、行き詰まりの原因』の大きな部分をこのコモディティー化が占めています。

さて、どうしたらいいのでしょうか?

そのために、従来のやり方・考え方を超える『イノベーション:革新』が叫ばれているのです。

さて本夜は、その方法の一つをお伝えします。

それが、今まで「主役」だったものを「脇役」にすること、或は「離れる」ことです。

その「主役=中心」だったものが、「コモディティー化」しているのです。
それに依存していたので、それが「右肩下がり」になることを直視できません。

「自分」中心から「他分」中心に考えたり、行動してみることです。
それは、第137夜(『魅力がなくなるコト』が根本原因 ⑥自分と他分「コペルニクスの地動説」)
に綴っています。

昔の人は、太陽や星が地球のまわりをまわっていると信じていました。(天動説)
宇宙が地球を中心に回っていないように、世の中が自分を中心に回っているわけじゃないコト。

という視点・視座の転換が必要です。

その事例を3つ上げます。

① カラオケ(前職・パイオニア社)
オーディオ業界にとって聖域・中心は、コンテンツをハイファイ(主役)に再生することでした。
しかし、コンテンツからスターの「ボーカル」を引いてしまうこと(=カラオケ)で、一般人が主役となり「新文化」を創りました。
② アルコールフリー
ビールにとって重要なアルコール(主役)を引くことで、「アルコールフリービール」が誕生しました。
「交通事故のない幸せ」という『想い』が様々なハッピーをもたらしました。
③ 枯山水
龍安寺の「枯山水」はご存知ですね。
「水を抜く(引く)ことで、水を感じる」という受け手の感性が主役となる世界です。

それは、送り手(企業)が主役ではなくて、受け手(民衆)が主役になる世界です。

このように、「完全」を目指すのではなくて、「未完全・負完全の完全(美)」が世界を拡げて、新しい文化を創り出します。
日本の「わびさび」「俳句」「茶道」等やスタバの「マニュアルレス」も同じです。

これからの「AIoT」時代も同じです。
①センシング②プロダクティング③インテグレーティング

というプロセスの一気通貫(地動説)の先駆者が覇者になっていく時代です。
その時に、②プロダクティングを主役・中心に据えないことです。
そのことで、もっと大きな世界・ビジネス・顧客と出会い、創造することができます。

製造業であれば、「②プロダクティング」を引いてみるのです。
自分中心(天動説)ではなくて、他分中心(地動説)で物事を観る・構想する・実行することです。

どうすれば、、「他分中心(地動説)」になることができるのでしょうか?
大きくは二つあります。

①自分の業界/地域の狭い領域から、坂本龍馬のように外遊することです。
それを有する「外部の知」を使う手もあります。
②「深い知」(第88夜)、「禅的思考」(第33夜)を習得する
・大切なものを引くこと
・二つでありながら一つ
・色即是空、空即是色

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
オルタナティブ

橋本元司の「価値創造の知・第148夜」:『真の企業再生・創生』とは? ②パイオニアルネッサンス第2弾

2018年5月19日 再考・再興「パイオニアルネッサンス第2弾」

前夜(第147夜)に、パイオニア社長交代発表と「真の企業再生のための3つの切り口」を綴りました。
そして、その中でも「③リオリエンテーション」の重要性を切望しました。
そこでは、前職・パイオニア社を切り口にしていますが、多くの業種業態や地方も同じ状況であることを体験してきました。

 本夜は、「再考・再興」の方法と心得がありますが、「心得」を中心に綴ろうと思います。
それでは、心得の「3つの切り口」から入ります。

①「未来から逃げない」こと
② 眼前の現実が「欠けたモデルである」と共通認識すること
③ 現状から「逸脱」すること

それでは、順を追って記します。
① 「未来から逃げない」こと
時代とマッチングして、過去に最盛があった「経営陣」の方たちから出てくる言葉が時
「昔はよかった」
昔を懐かしむ言葉です。その気持ちはわからないではありません。

自分が若い時、健康であった時を想う気持ちと似ていますね。
「人間」は若返らせることは、いまはできませんが、「経営」は革新することができます。

「現在の延長線上に未来はないこと」

そして、

「未来から逃げないこと」

そうすると、先ず「内側」を変えていくしかない、という気付きや想いが湧き上がります。

「パイオニア・スピリッツ」ですね。

「開拓者精神」に戻り、それを発揮するにはどうしたらいいのだろうか?

「答え」を提示するよりも、このような「問い」を投げかけることがとっても重要なのです。
自分が内省し、「当事者意識」を持つことが始まりです。

② 眼前の現実が「欠けたモデルである」と共通認識すること

それは、第136~137夜に綴りました。
「魅力」がなくなっているということです。

無常迅速ですから、「満月」と思っていたモデルが「欠ける」ことは常態です。
「月」は満ち欠けを繰り返しますが、経営は、勝手に「満ちる」ことはありません。

過去のモデルに戻るのではなく、自分たちの宝物(リソース)を半分組み込みながら、
顧客・社会から喜ばれる「新モデル」に再考・再興するという共通認識が必要です。

重要なのは、「誰」がそれを最初に認識するのか?

ということです。

③ 現状から「逸脱」すること

過去のやり方・考え方を、現在・将来の「真実の基礎」にしてはいけません。
ここでも重要なのは、「問いかけ」です。

・眼前にある過去のやり方・考え方についてあなたは同意しますか?反対しますか?
・あなたはどう思いますか?考えますか?

これが「鍵」です。

それは「価値観」を問いかけることと同じです。

過去のやり方・考え方を超えるということは、「逸脱」することです。
さて、「イノベーション」とは逸脱することです。
ただし、勘違いしてはいけないことがあります。
その逸脱の大元には、顧客・社会を「幸せ」にする“深い知・高い知・広い知”があることです。

それを持って、未来に向かう人たちを「パイオニア・開拓者」と呼びます。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
パイオニアルネッサンス

橋本元司の「価値創造の知・第147夜」:『真の企業再生・創生』とは? ①リストラではなく、リ・オリエンテーション

2018年5月17日 「真の企業再生・創生

今週の5月14日(月)に、前職パイオニア社の社長交代の発表がありました。
「また、リストラを繰り返さなければいいのだけれど・・・」というのが本音でした。

・「オーディオ事業」は約30年前の1989年をピークに落ち続けています。
・社運を賭けた「プラズマディスプレイ事業」に失敗しました。
・パイオニア社の進化に必要な「プロSV事業(DJ事業)」を売却しました。
・これから、AI時代(①センシング②プロダクティング③コンサルティングの一気通貫)に向けて、あらゆる業態が新サービス業務に激変します。

1993年の経営会議で、「オーディオ活性委員」「高密度メディア委員」を兼ねた自分が両委員会を統合したある発表をしました。
12年後の“2005年を境にして、「パッケージ系・通信系・放送系」のメディア環境が大きく変わり、当社の「CDメカニズム」を利益の柱とする構造が崩れる。
そのため、2000年までに「次の進化」をまとめる必要がある”
そのシナリオの骨格を提案しました。
そして、先ずその第一弾を「ヒット商品緊急開発プロジェクト」として、異業種コラボレーションによる連続ヒット商品を創出しました。
(詳細は、第14夜:社長直訴そしてヒット商品緊急プロジェクトへ)に綴っています。

2003-2006年に、総合研究所への異動があり、パイオニアの5年後・10年後の将来像(ビジョン)を社内外メンバーでまとめました。
それは、「シナリオプランニング」を分母にしてビジネスチャンスを4象限(シナリオロジック)にまとめ、ビデオ化したものですが、10年後の2017年を殆ど言い当てていました。
2007- には、「プロSV事業(DJ事業)」の5年後、10年後の将来像をシナリオプランニングで監修しました。
(「シナリオプランニング」については、「第15夜:危機意識、不確かな時代を読み解く方法」に綴っています)

何を言いたいのかといえば、社内外のメンバーでまとめた優れた複数の提案があったということです。
そして、重要なことは、それらはすべて「会社再建の方向性」を基盤にしていたことです。

さて、1990年前後に、「真の企業再生のための3つの切り口」を妹尾堅一郎先生が提唱・整理されていましたが、それを加筆引用します。
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「行き詰まりの打破や、新たな成長を目指して、企業再生に取り組む切り口は3つあります。
①リストラクチャリング
「構造」の見直しを意味しますが、企業を縦串で見た時に必要のない部門を削除するものです。
②リエンジニアリング
「機能」の見直しを意味しますが、企業を横串で見た時に必要のない仕事を削除するものです。
③リオリエンテーション
「進むべき方向」の抜本的見直しを意味します。
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①②がDeleteに向かうのに対して、③は「我々はどの方向にむかうべきか」
を問うものです。

これは、新しい時代の企業・事業の意味を問うことであります。
・将来に向けて、何のために事業を行っているのか?
・それには、社会に役立つどのような意味があるのか?
・真の顧客価値に根ざしているのか?

それは、企業・事業の原点に立ち戻り、生まれ変わる(創生・再生)ことを意味します。

さて、前職・パイオニア社のことです。
パイオニアは、ずっとずっと「①リストラクチャリング」をしてきました。そして、「ホームオーディオ事業」「プロSV事業(DJ事業)」を売却しました。

「カー・ホーム・DJ」を新結合(第32夜、第111夜)するだけで、「ヒット商品」「新文化」は生まれたのです。残念ですね。

経営は、縦の事業部に権限委譲していますが、経営の真の力は、将来ビジョンをイメージメントして、外部とそれらを横串して新文化を創る「プロデュース能力」です。
それを行うには、「深い知・高い知・広い知」を伴った企業の“ミッション・ビジョン・イノベーション”の明確化が絶対必要なのです。

そう、新しい経営陣には、「①リストラクチャリング」に安易に走るのではなく、“ミッション(錨)・ビジョン(北極星)・イノベーション(羅針盤)”と、真の企業再生・創生「③リオリエンテーション」が求められます。
真正面から取り組んでほしいですね。
それをナビゲート、サポートできる本物の外部パートナーを上手く活用することです。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

リ・オリエンテーション

橋本元司の「価値創造の知・第146夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ⑮「AI」⇒「生きがい」⇒「やりがい」

2018年5月11日 価値創造ダイアグラム

これから益々、終身雇用と年金制度が崩壊していく時代です。
自分のことを振り返ってみます。前職(パイオニア社)に入社したのが1977年でした。
その時は、暗黙のうちに給料は50歳にむかってだんだんと増えていくというだろう。そして「終身雇用」と「年金制度」も何とかなるだろうと勝手に想っていました。
その生活設計に基づいて、実際に住宅ローンを組み、子育てがありました。高度成長の余韻がある時代でした。

 さて、これからも「50歳」にむかって給料は上がっていく、終身雇用は維持されると思っている人達は少ないと思います。
今は、従来の「ルート」と「ルール」は過去のものになりつつあることが実感できる時代になりました。

その激変の理由の一つが「AI:Artificial Intelligence、人工知能」です。
そして、そのことで、第109夜(農業⇒工業⇒情業⇒脳業の時代)に綴ったように、
①C: Computer=脳(AI)
②C: Communication=神経系(IoT)
③C:Control=手足等(Industry)
という、①AIの進展で、3Cが三位一体として完成に向かっていることが上げられます。
つまり、工業⇒情業⇒脳業へと進化したことです。

この「AIというツール」が誕生して、否応なく進化することで、これまでの「ルール」が変わり、「私たちのロール(役割)」が大きく変わってしまいます。
将来をこの「ルール・ツール・ロール」(第54夜、第80夜)の三位一体で把えて想像してみてください。

さて、「私たちのロール(役割)」はどうなるのでしょうか?明らかに激変しますね。
従来のルーティンワーク(決まった手順で繰り返し行われる定常作業、あるいは日常の仕事)の事務職・ホワイトカラー職は、「AI」に代替される可能性が高いのは自明です。
このような「ルーティンワーク人材」をメインに養成してきたのが、これまでの日本の教育です。

上記、「AI」が「3C(Computer・Communication・Control)」と合体することで、人間が“処理”するより「AI」のほうが得意な領域が増え続けます。『教育維新』が必要なのですね。
その一方で、これは「人口減」が切実になる日本にとっては「朗報」「チャンス」の可能性が大きいのです。
なぜならば、「人口減」問題を「AI」「ロボット」が穴埋めをしてくれます。その先陣を切ろうとする「構想」と「決意」がジャパンに見えないコト、具体的アクションが見えないコトが残念ですね。

そのように激変する時代の中で、「いったい、将来の世の中で、人間がどう役立つのか」ということが切実な問題です。それは、「AI」ができない「人間の価値」をどのように「創造」できるのかということが鍵になります。
つまり、「価値創造」という「価値のイノベーション」が中心になる時代が到来するという共通認識です。

ここでクロスして抑えなくてはならないことが、「ロール(役割)」の奥にある「生きがい」(第145夜)です。
「AI」と「生きがい」という距離があると思われていた二つの横綱を“新結合”してみましょう。

“新結合”とは、「広い知」のことであり、「イノベーション」(第32夜、第75夜)の本質です。
それを活用して“価値創造ダイアグラム”(第40夜、第83~84夜)で図解します。
(このダイアグラムは、前職のヒット商品緊急開発プロジェクトで開発したイノベーションメソッドです。イノベーションの殆どがこのメソッドで説明できます)
両サイドの二つの三角形(「AI」:コンシェルジェーション)」と「生きがい」:モチベーション」)を寄せて、新結合して大三角形を創ります。
下部の交差した小さい三角形が、二つの「共通点」です。それは、“幸せ”ではないでしょうか。
大切なコト(左サイド)は、生きがいに必要な「安心・自由・やりがい」です。
「安心・自由」には仏教的な深い意味があります。
・安心:自分が自分で良かったと思えること
・自由:別のところにあるのではない。もともと自分に備わっている。

「AI」により、人材の価値が大きく変わってしまいます。
残念ながら、これまでの「ルーティンワーク」は役立たないことが明らかになっています。

①「AI」ができないこと:“意志”“情熱”“本気”“志”“使命感”
②「AI」と共創できること
の項目が「AIに使われない」ための本質です。これからの生きる道です。

その双方の「心得と方法」が「価値創造」/「価値のイノベーション」なのです。

そう、中央の赤い枠のダイアモンドが、“価値創造”です。
これが「AI:コンシェルジェーション」と「生きがい:モチベーション」の境界がなくなる将来のコンセプト(=「価値のイノベーション」)になります。
新しい成長・成功の時代の「人財教育」・「経営」の扇の要(かなめ)になります。

従来のやり方・考え方の「オペレーション/マネジメント」から脱皮して、「バリューイノベーション/イメジメント」(第77夜)が牽引する時代なのですが・・・。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
鍵AI生きがい結合