橋本元司の「価値創造の知・第135夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ④幼な心にもとづいた逸脱

2018年4月16日 「新・学問のすすめ」

本夜は、日本の将来のための21世紀型「学校の革新」提言です。

その問題意識の中心は、第131~132夜に亘り綴ってきました。
それは多くの会社や地域において、従来のやり方・考え方の延長線上では、
・経営危機が訪れる
・地域の衰退・崩壊
という「維持できない衰退」への現実があり、転換しなければならないからです。

 そこに必要なのは、会社/地域を自分ゴトとして、
①「将来の価値観」から創りなおす
② そのために、顧客/社会が求める「魅力&価値」を創る
ことにあります。

それが苦手である背景は構造的であることをこれまで何回か綴ってきました。
第112夜、第130夜に詳しいのですが、要約すると、20世紀は、縦割り業界の「技術のイノベーション」が中心の時代で成長しましたが、
21世紀は、それは全体の一部(第130夜)となり「意味/価値のイノベーション」の時代に移行しています。それは、前夜(第134夜)に綴った「自動車業界の将来」の事例からもおわかりいただけると思います。

今(21世紀)は「深い知・高い知・広い知」を通して、業界を越境し、既存の価値観を超える「将来の価値観/魅力」を創り出すことが強く望まれています。

私が過ごした「小学校~大学」の20世紀型教育は、
・「答えの分かっているもの(客観性)」を如何に早く効率的に対応するか。
・それは、「追いつき追い越せ」の1940年体制に基づく護送船団方式型教育(体系)
にありました。
これでは、既存の価値観を超える「将来の価値観/魅力」を創り出すことが困難です。

企業(会社)/地域(行政)のご支援をしている時の当初にいつも感じることがあります。上記教育の影響のせいだと思いますが、なかなか縦割り(サイロ型)の業界から抜け出る発想・構想・覚悟が乏しいところがあります。
そのままで留まっていては、「境界をまたいで領域を広げる」という方針・戦略・行動に届きません。

そのような中で、キラリと光る「人財」がいます。

それは、ご支援するベンチャー企業社長や地方の若手市長であったり、第133夜にご紹介した老舗文具店「伊東屋」の伊藤社長やユニクロの柳井正会長兼社長等です。
その方達に共通するのは、「幼な心にもとづいた逸脱」があることです。

それは、今大活躍している「大谷翔平選手」、「羽生結弦選手」にも見えます。
私の二人の師匠(松岡正剛師匠、谷口正和師匠)はその達人です。御二人から「逸脱の系譜」を受け取ってきました。

さて再び、「将来の魅力/価値」です。
・『日本、会社、地域、自分』の魅力はいったい何なのか?
・ 自分/社会の「魅力」をどのように創っていくのか?
・ 自分/社会の『将来』をどう考えているのか?
・ 自分/社会の『価値』は何なのか?
・ いったい何を伝えたいのか?何が伝えられるのか?

それらは、
・「魅力とはいったい何か?」を考える
・「価値をつくるコト」を考える
・「大切なコト、将来の可能性」を考える
という様に、「魅力」や「価値」という主観性(第102夜)と、自分ゴトとしての『主体性』を伸ばすことにあります。(第131~134夜)

そのために必要なのが、「幼な心にもとづいた逸脱」です。
それを、
・学校教育
・大学入試
・新入社員
・企業研修
に組み入れることが肝要です。

それは、速く正確に答えを出す20世紀の教育ではありません。それは、コンピューターやAIが得意なことです。
「平等を旨とする」今の大学入試のあり方では、それらは『無駄』と見なされそうですね。
小学6年生の時に、「将来の夢」を書かせることでお茶を濁す時代から脱皮しましょう。

「あっ、やはり日本人は違うな、先行しているな」

「偏差値」ではなく、「幼な心にもとづいた逸脱」からの「魅力⇒価値⇒将来」の才能を若い時から磨く「環境」「場」「仕組み」を用意しましょう。
日本には、「魅力・価値・物語」が埋もれているのです。原石でいっぱいです。
それらを「想像力⇒創造力⇒構想力」(第122夜・第127夜)を体系的に磨き上げることで花開かせることが可能です。

「公立」が過去のしがらみでできないのであれば、「私立」が先行しましょう。そのための「私学」です。
「新・学問のすすめ」というイノベーションが必要です。
それは、横割り、横串(第80夜、第133夜)対応の実践の「魅力学」「価値学」「物語学」の「体系知」です。

そんな21世紀型の「学校教育の革新」を実践・実現したいと想っています。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

学校教育の革新

橋本元司の「価値創造の知・第134夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ③境界・業界の越境「自動車業界」

2018年4月14日 無意味な過去のフレームワークは捨てる

前夜(第133夜)は、「文具店の魅力」から、その本来と将来を綴りました。
それでは、自動車業界についてみてみましょう。
私も前職(パイオニア社)の関係で、「10年後の音楽・カーナビ・クルマ・AUI」絡みで、名古屋・和光・宇都宮に出入りしていました。

 さて、ここで自分が尊敬する石倉洋子氏(経営学者 一橋大学名誉教授)がお話しされた内容が参考になると想いますので、その一部を加筆引用します。
それは谷口正和師匠が主宰する「文化経済研究会(2017年)」のゲスト講師としてこられた時のものです。
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スコープ(SCOPE:領域や範囲)が広がると、例えば消滅する業界があれば新しく生まれる業界が出てきます。
自動車も大きく変化しつつある業界の1つです。昔は自動車業界といえば製造業で、パーツが多くありそれを組み立て、ディーラーを通して車を消費者に販売する。

競合はトヨタ、GM、などというように分かりやすかった。
しかし、今やトヨタの最大の競合はGoogleと言われています。それは、求められているのは「車」というハードな製品ではなく、モビリティだからです。

移動の1つの手段が「車」なのです。そうなると都市計画、道路、自動運転など広範囲に考えないと、とんでもないことになります。

「自分たちの業界はこのまま続くだろう」と何となく今までの延長線で考えていると、予想もしていないところから、とんでもない競合が来たときにやられてしまう。

新しい製品やサービスが出てきたときに、「あれは品質が悪い」などと言っている間に顧客を失ってしまうのです。
UberやAirbnbなどのサービスはますます広がっています。以前は「他人の家に泊まるの?」と想像もしなかった、驚くようなことがドンドン広がっています。

Uberは自家用車を持っていても実際は90%以上使っていないのだから、もっと使いたい人に使わせてあげましょうとシェアリングを考えたわけです・・・
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皆さんご存知の通り、自動車業界は変化の時代の真っ只中にあります。

「自動車製造からモビリティ産業へ」

トヨタさん、ホンダさんは、かなり前から、コンセプトを「モビリティ」に変えて事業転換を図っていました。
車の役割が従来の「買って乗るもの」から「移動手段(=モビリティ)」へと変わりつつあることに伴い、各社「クルマづくり」をモビリティサービスの一部として把えています。

そして、 そこに「自動運転」「インダストリー4.0」「電動化」「つながるクルマ」というテクノロジーや生産技術が絡んでいます。その「モビリティ産業」を誰が担うのかということです。

なぜ、従来の境界が消滅したり、全く新しいビジネスモデルの企業が登場するのでしょうか?
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それはテクノロジーによって、瞬時に情報が交換できる、だからそれをプラットフォームで活用できるからです。テクノロジーの進歩がこうした新しい動きの背後にあるのです。

それに加えて、新しいアイデアも盛んに出てきています。最近のAirbnbは部屋だけでなく、「私が持っている経験やスキルを一緒に」と経験もシェアしてしまいます。
このようにいろいろな可能性が出てきています・・・
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自分が新入社員で通勤していた頃、電車の中では、新聞・漫画・雑誌を読んでいる風景でしたが、今は皆さん殆ど「スマホ」を見ています。
どうしてでしょうか?スティーブジョブズ(第6夜)が業界を越境して、横串(第66夜・新結合)を通しました。

新聞の魅力がなくなりましたね。無常です。

新聞 < スマホ < AIコンシェルジュ

これまで通用していた「**業界」という区分けがなくなっています。
20世紀後半は、業界の垣根の中でビジネスを考えていれば良かったものが、そうはいかなくなりました。私が業界の垣根を超えて、「異業種コラボ」したのが1995年でした。

前述の石倉名誉教授のお話しにあったように、自動車メーカーの最大の相手は、同業者ではなく、「Google」や「Uber」になっています。
クルマは、所有する時代から、シェアリング(第40夜、第115夜)する時代に移行しています。

これまでのやり方や習慣がどこで壊れ、崩壊し、形をかえるかを迅速に察知する必要があります。それが、本質を見抜く「洞察力」(第132夜)です。そして、それは「魅了力」(第132夜)と共にあります。

その変化を洞察して、その変化に先立つ「先行力」が必要です。それは、ファーストペンギン(第123夜)になることですが、それを恐れないことです。

さてさて、第20夜・第108夜に、顧客を「囲い込む時代」から、「囲まれる時代」について綴りました。競争の「ルール」が変わっているのです。

そうすると、「ルール・ロール・ツール」(第80夜)も変わります。トータルに取組むことが必要です。
皆さん、「顧客に囲まれる」次の一手を打たれていますか?

私の視点・視座では、自動車業界はまだ「縦割り」の世界から脱していません。「第80夜:世界と世間」で云うと、従来のフレームワークから脱する「世間」の横割り・横串が不十分です。

これから「ハードウェア・ソフトウェア・ハートウェア」三位一体の本格的な「おもてなしの時代(第2夜、第40夜)」です。
つまり、まだまだ余白(第50夜、第89夜)があり、可能性がいっぱいということです。

最後に、谷口正和師匠の言葉を引用します。
「無意味な過去のフレームワークは捨てる。そうした段階に、我々は突入しているのだ」

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
自動車業界

橋本元司の「価値創造の知・第133夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ②「文具店」の本来と将来

2018年4月13日 常識破りの革新

『魅力がなくなるコト』について、文具店を事例としてみてゆきましょう。

自分が子どもの頃、通う小学校の近くに「文具店」がありました。ノートや鉛筆や消しゴム等を買うのですが、子ども達がいっぱい出入りして、昭和の風景として懐かしく想い出されます。中学に入る時には、「万年筆」を買って貰って、何か大人に近づく儀式のようなものを感じました。

魅力がなくなって、その「文具店」は10年ほどまえに解体されてしまいました。

さて、前職(パイオニア社)で、1995年ヒット商品プロジェクトリーダーとして常識を破る異業種コラボレーションからのヒット商品づくりを実践しました。
その最中の1997年に、パイオニアOBの永田仁先輩から、「常識を破る注目の会社を見に行きましょう」というお誘いがあり、文京区音羽の「アスクル」の本社に現場訪問しました。

そこで創業まもないアスクルの岩田彰一郎社長とお会いし、プラス株式会社から分社独立した経緯と熱い想い、成長の仕組み(ビジネスモデル)をお聴きしました。
文具・事務用品に特化して、メーカーの枠を外して「文具の流通革命」に取組まれたのでした。
アマゾンや楽天の取組みのずっと前のことです。

その時に、「文具・事務用品の世界」が大きく変わると直感しました。それまでの縦割りの事務機器メーカー業界が崩れると。
それは、メーカーオリエンテッド(送り手中心)ではなく、カスタマーオリエンテッド(ユーザー中心)であり、業界を「横串」するものでした。

数年後、アスクル本社が江東区に移転となり、再び、永田仁先輩が主宰する「企業訪問フォーラム」(第23夜)で「アスクル本社」を現場訪問しました。
どでかい本社ビルのど真ん中に、直接のお客様の声をお聴きするオペレーターが配置されていたのでした。

アスクルは「お客様のために進化する」を企業理念としオフィスに必要なモノやサービスを「明日お届けする」トータル・オフィス・サポートサービスの会社として進化し続けています。

さて、皆さんは「文具」をどこで購入されますか?
・シンプルに美しく暮らしたい私の娘は、「無印良品」のものが殆どです。
・私たちが仕事関係でたくさん調達する時は、「ダイソー」です。
・私のモノは、「銀座・伊東屋」「日本橋・丸善」のものが多いです。

普通の文具店に行くことは殆どなくなりました。変わりましたね。そう、昔は輝いていたのに、今は「魅力がなくなりました」。過去の延長上に未来はありません。

次に、文具老舗の「銀座・伊東屋」について綴ります。
2015年に、谷口正和師匠が主宰する「JLDS・文化経済研究会」に株式会社伊東屋の伊藤明代表取締役社長がゲスト講師としてこられました。
「伊東屋」は、明治37年に銀座で創業し、文房具の販売を通じ文化と表現を担ってきました。
5代目社長の伊藤氏により、2015年6月にリニューアルオープンした銀座・伊東屋は、幅広いライフスタイルを提案し、従来の文房具店の枠組みを越え「働く」「移動する」「遊ぶ」など生活シーンすべてにおける価値をカバー。常識破りの革新を成し遂げられました。

セミナー後、伊藤社長に質問し、早速、拝聴した着眼力と発想力をリニューアルオープンした店舗で見学・観察しました。
そして、もう少し詳しく知るために、隅田川のウォーターフロントタウンで社員の方達からもお話しを伺いました。

そう、こうやって異業種の「常識破りの革新(=構想力)」の本質をお聴きし、自分の目で確かめるのが自分流です。(観察力・洞察力)
そして、現場に行って、「それは、本当にお客にとって心を惹きつけるのだろうか?(=魅了力)」
を反芻し、また、定点観察することで「進化」の度合いをみていきます。

そのようなコトをしながら、もう片方で、
「PCやスマホ、ICレコーダー等」も文具ととらえます。
これからの「AI時代」「キュービタル時代」にどのように活用され、進化していくのだろうか?
というアブダクション(第123夜)から将来像を描きます。

そのために、本質的な「2軸」を選択します。
一つ目の軸は 「アシスト⇔アメニティ」です。
二つ目の軸は、いま2案あって磨いているところです。
(「文具」という言葉が変わりますね)

さて、これは「文具」の本来と将来なのですが、様々な業種・業態に「常識破りの革新」があります。あちらこちらの現場に足を運びます。
それらたくさんの『知』と『仮説』の群が私たちがご支援する際の「お宝」「財産」になり、下記に近づくことができるようになります。

①大きな絵、すなわちインストラクションを与えられるコンテクストを説明できる
②ある分野の知識をほかの分野に応用できるように、パターンを見つけることができる
③ひとつのアイデアをいろいろに表現すること、つまり3次元的な像を示すことができる

に繋がります。それは、第126夜に綴りました。

「魅力がなくなったら、常識破りでイノベーションに向かうコト」

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
文具店

橋本元司の「価値創造の知・第132夜」:『魅力がなくなるコト』が根本原因 ①いったい、将来をどうするのか?

2018年4月12日 3つの力「①洞察力、②魅了力、③構想力」

本夜は、前夜(第131夜:将来の価値観)をもう一歩踏み込んだ内容を綴ります。

今のままの延長上では、
・経営危機が訪れる
・地域の衰退・崩壊

という右肩下がりを超えて、「維持できない衰退」への不安が多くの会社/地域にあります。
実際に、リストラや給与カットを体験し、多くの業種・業態を見てきました。

その真因は、
『魅力が無くなるコト』が根本原因にあります。

それは、会社であれ、地域であれ同じ構図です。

・グローバル化
・コト消費
⇒個別の事象が連なった総体である「一連の体験」を対象とした消費活動のこと
・コモディティー化
⇒日用品のように一般化したため品質での差別化が困難となった製品やサービスのこと
・過疎化、シャッター街
・企業誘致の難しさ
・AIoT化、インダストリー4.0化
・・・
等々、身近にいっぱい事例がありますね。
どうしてでしょうか?

事態が大きく変わっています。
・「消費」の対象や「ライフスタイル」等の顧客の価値観が変わる
・「競争相手」が全く変わって、「質・次元」が変わる
・「規制緩和」の制度変更
・・・

どうしたらいいのでしょうか?
「改善・改良」で対応できない事象が増えてきました。
「改善・改良」は現状維持なので、後退・衰退していると思ったほうがいいですね。
どこかで綴りますが、1940年体制の護送船団方式に慣れてしまった弊害があります。

「事実」は「魅力が無くなっているコト」です。

ただ世の中は、『諸行無常』です。
『変化』することが「常態」という認識です。
つまり、継続的に「革新=イノベーション」することが当たり前が求められます。

さてさて、どうしたらいいでしょうか?
それは、前夜(第131夜)にその一部を提示しました。

「将来の価値観(北極星)」に向けて、会社/地域を創りなおすコトです。
それでは、「将来の価値観」を引き寄せるにはどうしたら良いのでしょうか?

その為に、必要な『3つの力』があります。
この3つの力が不足しているのです。それを図解と共に綴ります。

一つ目は、適切な『構想力』(図の上部)を持つことです。
「構想力」とは、「全体」を組立てる力です。「想い」を仕立てる力です。
「構想力」が不足しているので、私たちが皆様に呼ばれるのです。

最初に、「魅力がなくなるコト」が原因と記しました。
なので、「構想力」には、社会・顧客が惹かれる「魅力」が必要です。
それが二つ目の、『魅了力』(図の左下)です。

『魅了力』とは、「心を惹きつける力」です。
それがなければ、革新につながる「構想力」に届きません。
どうしたら、社会・顧客から、「心」を惹きつけられるのでしょうか?
それが、バリュープロポジション(第37夜)です。
そこでは、「心」と「ロジック」の両方を使うことが必要となります。

そして、その「魅了力」を見出すのが、3つ目の「洞察力(図の右下)です。
世の中の変化、顧客の価値観の変化、将来の行方の「本質を見抜く力」です。
その本質を見抜く力が、前夜(第131夜)の図解のInsight・Foresightの両サイト(sight)です。

如何でしょうか?
①洞察力:モノゴトの本質を見抜く力(第130夜)
②魅了力:社会・顧客の「心」を惹きつける力
③構想力:革新につなげる「全体」を組立てる力(第67夜)

これが「順番」であり、それを磨いて、「次の一手」「次の柱」に向かえます。
そのことで、核心⇒確信⇒革新(第118夜)があります。
つまり、上記①②③が揃うことで、「魅力のある会社/地域」の革新(=イノベーション)と成長の道筋が見えてきます。

逆に言うと、それが無ければ、魅力のある『革新』には届かないのです。
これまでたくさん手の内を明かしてきましたが、更に『価値創造の革新』の手の内を明かしてゆきます。

是非、皆さんの会社/地域を「①洞察力、②魅了力、③構想力」で蘇らせてください。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
3つの力洞察力

橋本元司の「価値創造の知・第131夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑲将来の価値観から創りなおす

2018年4月11日 「次の一手」「次の柱」を創る

私たちが招聘される理由の70%くらいは、
・成長のために、「次の一手」「次の柱」を見つけたい
・成長のための「将来の価値観」を明確にしたい
・「将来の構想」を描きたい
にあります。

「答え」がわからない時代、不確実な時代と云われます。
そうでしょうか?
「従来のやり方・考え方のメガネ」で見ればそうなのですが、「新しい価値観のメガネ」で見れば輪郭は観えています。
それは、環境が変わり「経営の質(次元)」が変化しているのに、「新しい価値観」に追いついていないことが大きな要因の一つです。
それに伴って、売上/利益が右肩下がりになり、組織や従業員に「軋み」が現れています。

それは、
・改善する
・悪いところをなくす
という処置では対応ができません。

「将来の価値観(北極星)」に向けて、会社/地域を創りなおすことが肝要なのです。

そのために必要な作法があるのですが、それが
前々夜(第129夜)の「なぜ?」であり、前夜(第130夜)の「新しい意味」です。
図解で説明しますと、トリニティイノベーション(「深い知・高い知・広い知」)の上方の二つ(深い知・高い知)の洞察(Insight・Foresight)です。
そう、洞察(=物事の本質を見通すこと。見抜くこと)であり、「アブダクション」(第123夜)です。
そして、その能力の「おおもと」は、「禅的思考」(第33夜、第76夜)、「深い知」(第85夜)にあることを綴ってきました。

この「本質を見抜くコト」が、特に経営陣には望まれます。
実は、ベンチャー企業の社長には「本質を見抜く洞察力」を持つ方が多く、私たちとの二人三脚で「構想⇒行動⇒更新」が迅速です。

ここで過去の成功体験に引きずられる最近の例を示します。

今、日本相撲協会や日本レスリング協会の問題が連日メディアを賑わしています。
この両協会に共通するのは、
「協会を守る、或は、自分を守る」
というスタンスが、世の中の価値観と大きくズレていることにあります。

「開かれた、拓かれた協会」

という「将来の価値観」を共有したいのです。
相撲協会でいえば、私たちは今までのやり方(八百長、暴力体質等)を排除してゆきたいのですね。でも、今の親方衆は「従来のやり方」で生きてきたのです。これがなかなか改革できない難しいところです。しかし、日本柔道協会は改革できましたね。できないハズがありません。
「ナゼ?」から考えてみてください。

さて、上記の問題の両協会のことは他人ゴトでみていられますが、それが自分ゴトになったときに、やはり「守り」に入ってしまうのです。
それは、今の会社・事業の成功者達が経営陣だからです。それが成功のジレンマです。「既得権」を持っていたくて、「新しい価値観」には重い腰です。
自分のスキルが通用しない可能性が高いからです。

そのような中での「革新・改革」には難しいところがあります。この人的問題には、丁寧に誠を持って対応することが必要です。その方達と「将来の価値観」を共有することが、その後の展開にはとても重要です。

そして、「将来の価値観」を図解のトリニティイノベーションで共有してから、
①Small:最初は、小さく
②Open:世の中に共感されるように「開く、拓く」
③Share:それをインターネット的(第114夜~116夜)に
されると成長・成功に向かう確率が高まります。

本当に、本気で成長・成功を望むのであれば、従来のしがらみ・考え方を超えて、
「将来の価値観」に基づいて、会社・地域・協会は創り直していかなければなりません。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
将来の価値観

橋本元司の「価値創造の知・第130夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑱EU中小企業「意味のイノベーション」

2018年4月9日 「デザイン思考の進化」と「意味のイノベーション」

本夜は、「デザイン思考」と「価値創造」の関係から、貴社の貴地域の「イノベーション」を感じていただければと思います。
それは、「デザイン思考」についての私の体験・感想と、「デザイン思考の進化とビジネスイノベーション」の関係からの「価値創造の知」についてです。

10年ほど前、「デザイン思考(design thinking)」という言葉が流行して、ビジネスのイノベーションを起こす方法として注目を浴びていました、
私もその方法の専門家(IDEO、ユーザー中心デザイン、ラピッドプロトタイピング等)の方達を複数招聘して、幾つか試してみましたが何かしっくりきませんでした。
それは、対象の「改善・改良」にはつながるのだけれど、「革新的なビジネス」には辿り着かないというものでした。

2016年、「ハーバードビジネスレビューApril 2016」の「デザイン思考の進化」特集で以下が記されていてたいへん共感しました。
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一般にいわれる「デザイン思考」で本当に革新的なビジネスは生まれるのだろうか?
世界的デザインファームZibaのエグゼクティブフェローであり、ビジネスデザイナーの濱口秀司氏は、
「本来、デザイン思考は二つに分類できるのだと言う。
①改善、改良のための「デザイン思考」
②イノベーションを生み出す「デザイン思考」

一般的にいわれるデザインファームの「デザイン思考」というものが、本来はイノベーションを生むためのものでは「ない」。
(ニーズ視点のプロトコル(手順)は改良・改善で成果を上げる)
そして、「真のイノベーション」を起こすためのプロトコル(手順)までを示したい。
イノベーションは、バイアスを視覚化して破壊する・・・
(バイアスとは、思い込みや思想などから考え方等の偏り。偏見)
・・・
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後者は、イノベーションの「余白」(第50夜、第89夜)の創り方の有力な一つです。
デザイン思考の進化を志す方達は是非ご覧ください。

そして次に、図解の「デザインの次にくるもの-意味のイノベーション」です。
「EUの政策」の一つに、地方の「技術を売りにしない中小企業のイノベーション」を推進することを念頭に置いたプログラムがあり、「デザインの次にくるもの」の中には、そのプログラムに採用されているアプローチ「意味のイノベーション」について記されています。
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「EU」はクリエイティブ産業の育成に予算を注ぎ込んだ時代があります。しかしながら、あまり芳しい結果をもたらすことができませんでした。
他方、生産性の向上をどう図るかは、長い間の懸念でもありました。しかし、中堅以下の企業にとって生産性の向上は、実践と効果を考慮すると無理難題が多いと考えられます。
そこで、EUのイノベーション政策立案者が考えた選択肢は二つです。
①テクノロジー開発の背中を押すか
②市場に“新しい意味”をもたらす土俵をつくるか
テクノロジーの推進をやめたわけではありません。しかし、それと同時に“新しい意味”を創る中小企業を増やすことが欧州にイノベーションを起こし、長期的な資産を築き上げることに貢献すると考えたようです。
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技術が「どうやって?」を求めるのに対して、“新しい意味”は「なぜ?」を追求します。
(これは、第84~86夜「meaning-深い知」、第118夜「核心・確信・革新が道筋」と同じことを云っています)
つまり、「意味のイノベーション」です。
事例の一部を引用します。
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「電気のない時代、ロウソクで夜、灯りをともしていましたよね。でも電灯が普及するとロウソクは不要になりました。もちろん停電のなったときの緊急用としてのロウソクは必要です。
でもそれ以外の目的にいまもロウソクは使われています。「なぜ」でしょうか?
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併行して、、
「あなたの家族が、家で夕食をとるとき、そこにはどんな意味を求めていますか?」
という設問と共に、ぜひ考えてみてください。

・どの様な“特別な意味”があるのでしょうか
・どの様な“新しいな意味(目的)”があるのでしょうか

ロウソクだけを直接見ていると、改善・改良になりがちです。家族の夕食における意味を問いかけます。深い「なぜ」から独自の「意味」を発見するのです。
「問い」の深さ・高さ・広さによって「価値」が変わってきます。

上記の様な新しい意味を生み出す、「意味のイノベーション」に中小企業は注力すべきだ、というわけです。
新価値創造研究所では、それをトリニティーイノベーション「深い知・高い知・広い知」の最初(第86夜)に組み込んでいます。
これが、改良・改善ではない、「創造的な問題解決=価値創造」のファーストステップとなります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
意味のイノベーション

橋本元司の「価値創造の知・第129夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑰自己受容と価値ぬ

2018年4月7日 アドラーと価値創造

「すべては自己受容から始まる」
「自分に価値があると思える時だけ、勇気を持てる」(Adler Speaks)

「自己受容の重要性」についてのアドラーの言葉です。皆さん「アドラー」はご存知ですね。
フロイト、ユングと並ぶ「心理学の三大巨頭」と云われ、図の「嫌われる勇気」はベストセラーとなりました。

前夜(第128夜)では、
⇒「価値創造」に向かうためには、周囲から「認められる」ことが不可欠です。
ということについて綴りました。

本当はその前に、「自分に価値がある」と思えたらそのような自分を受け入れることができるのです。
上記で云っている「勇気」とは、対人関係の中に入っていく勇気のことです。

対人関係は悩みの源泉にもなりますが、生きる喜びや幸せも他者の関係の中でしか得ることはできません。
人間は一人では幸せになれないのです。だからこそ、アドラーは対人関係の中に入っていく勇気が必要だと云っています。
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「人生の意味は全体への貢献である」
「人生の意味は貢献、他者への関心、協力である」

アドラーここでいう「全体」は「共同体」のことですが、もしもこれが既存の共同体であれば、「全体主義」になっています。
先に、所属感は人間にとって基本的な欲求であることを見ましたが、
「全体の一部でありたい」
と思えるからこそ、他者に貢献したいと思えるのです。
全体主義という言葉が悪い連想が働くのは私益しか考えていない一党一派が全体の益を考えていると欺き、全体を支配するということが、歴史上何度もあったからですが、
アドラーのいう、人は全体の一部であるというのは、それとはまったく意味が違います・・・
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なぜ、貢献感を持つことが必要なのかを3つの観点でとらえています。
1.「自己受容性」
⇒ありのままの自分を受け入れるということです。
2.「他者貢献(感)」
⇒生きているだけで、あなたは誰かに貢献している
3.「他者信頼」
⇒他者を「仲間」であると信頼できなければ、他者に貢献しようとは思えません。

ここで記していることをどこかで観ませんでしたか?
前夜(第128夜)の「マズローの欲求6段階」です。
21世紀は、「⑥第6段階・自己超越欲求:自分のためだけでなく、他の人々や他の者を豊かにしたいという欲求」から検討する時代です。
その理由は、どこかの夜に綴ります。

さて、自分が役立たずではなく、役に立てている、貢献していると感じられる時に、そんな自分に価値があると思え、自分を受け入れることができます。
そのことを私たちは「バリューイノベーションプロジェクト」ではとても重要視しています。
全員の力を結集して、イノベーションに向かいたいのです。

そのために、他者貢献、社会貢献を考えようとする時に、「自分に価値がある、自分でも貢献できる」と確信できる『場』『環境』が必要です。

・こんなことを云ったら笑われる
・こんなことを云ったら馬鹿にされる
・こんなことを云ったら評価が悪くなる

通常の職場では、こんな場面が多いのではないでしょうか?
それは「マネージメント」の世界です。

しかしながら、イメージメントの「想像⇒創造⇒構想」(第122夜)という価値創造の場面では、「常識から逸脱する」「従来の殻を破る」ことが必要です。
なので、
・「笑われるくらいがちょうどいい」
ということを何度もお伝えするのです。
ただ、そこでは『センス』が必要となるのですが、これもどこかの「夜」に綴ります。

さてさて、そのうち皆さんセンスも磨かれて、キラリ!と光るアイデアや発言が続々と出てきます。
それを上手に掬い取ります。
そこに、「深い知・高い知・広い知」のスキルも身に付きますから、その「型」の上で大胆に演じることができるようになります。

そうすると、
「自分に価値があると思えて、勇気を持てる」
という(人財)ステージを自動的に迎えることができるのです。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
自己受容

橋本元司の「価値創造の知・第128夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑯笑われるくらいがちょうどいい

2018年4月5日 マズローの欲求6段階説

「価値創造」に向かうためには、プロジェクトメンバーが周囲から「認められる」「認めあう」ことが不可欠です。

東洋経済オンライン(4/5)に、「期待の新人を辞めさせない、たった1つのコツ」
~新入社員は「認められる」ことに飢えている~
が載っていたので、参考に引用します。
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入社後3年以内に中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が離職するという「七五三」現象はよく知られているが、
企業の採用増と少子化で超売り手市場のいまは、若者の早期離職にいっそう拍車がかかっている。
アンケートなどで離職の理由として上位にあがっているのは、「仕事が合わない」「成長できない」「労働条件がよくない」ことなどである。
しかし、実際には「承認」の不足、すなわち周囲から認めてもらえなかったことが深くかかわっているケースが多い。

バブルのころ、日本を代表する大企業の人事担当者から、つぎのような話を聞いた。
入社間もない若手技術者がつぎつぎと辞めていった。おそらくライバル企業から高給で引き抜かれたのだろうと思われていた。
ところがその後、離職者への追跡調査で辞めた理由を聞いてみると、大半の者が、上司や先輩が認めてくれなかったことを理由にあげたそうだ。
好況で上司や先輩は仕事に忙殺され、新人を認めてやる余裕がなかったのである。

この事実は、上司や先輩が若手をしっかり認めてやれば、早期離職をある程度防止できることを意味する。・・・
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新入社員のことを記していますが、「認められる」「承認される」ことは、家族であれ、夫婦であれ、友人であれ、とても大事なことですよね。
しっかりと向き合うことが重要です。ただ、「褒めればいい」というのとは異なります。
特に、未経験で不安いっぱいのルーキーの場合は尚更です。同期の横のつながりがその不安を解消してくれたりします。
通常のオペレーションで上司や周囲から認められないという状況には辛いものがあります。

皆さんご存知の「マズローの欲求五段階説」というのがあります。
①第1段階・生理的欲求:生きていくために必要な、基本的・本能的な欲求
②第2段階・安全欲求:安心・安全な暮らしへの欲求
③第3段階・社会的欲求:友人や家庭、会社から受け入れられたい欲求
④第4段階・承認欲求(尊重欲求):他者から尊敬されたい、認められたいと願う欲求
⑤第5段階・自己実現欲求:自分の世界観・人生観に基づいて、「あるべき自分」になりたいと願う欲求
⑥第6段階・自己超越欲求:自分のためだけでなく、他の人々や他の者を豊かにしたいという欲求

21世紀に必要なビジネススタイルでは、欲求第6段階の「自己のためだけでなく社会全体を良くしたい、豊かにしたいという欲求がおおもとにあること」が求められています。
世の中の「質・次元」(第124夜)が大きく変わっています。小手先の欲求対応では、事業の持続・継続が難しい時代という認識が求められます。
それが「わかる」ことは、「かわる」ことです。(第8夜)

「次の一手」「次の柱」を検討する時に、是非「自己のためだけでなく、社会全体を良くしたい、豊かにしたいという欲求がおおもとにあること」のステージに立って挑戦してみてください。
そうすると、下記の二つのことが現れます。
1.そのことで「温かい気持ち」が心の中に流れるコト
2.それにより「本質を見極める」ことが必要と感じるコト

上記2.の「モノゴトの本質」を見極め、且つ、価値創造する方法は、下記「3つの知」(第89夜)しかありません。
1.「深い知」
2.「高い知」
3.「広い知」
それは、①「本質」を把えながら、②「常識」から逸脱することです。
そうすることで、「お客様から選ばれる理由」(第37夜:バリュープロポジション)を掘り起こすことができます。

さて、その「3つの知」をバリュープロジェクト・メンバーに習得してもらい、「想像⇒創造⇒構想」を辿っていただきます。
それは、「想像・創造」という、現状の壁を超えて「構想」にいたる舞台です。
その「殻を破る」「常識を超える」時に、メンバーに必要な心得は、

「笑われるくらいがちょうどいい」

ということです。
これを、研修・プロジェクトでは何回、何十回も私がメンバーの方達に言います。

そして、それは全員参加なのですが、「突飛」「突発」な発言には、最初は全員に拍手を強要します。
それが、常識を覆し、「新しい文化」の創造につながってゆきます。それを水先案内します。
そのうちに、自然に全員から拍手がおきます。これは、メンバーから「認められる」「承認される」成果です。

これを繰り返し行うことで、周囲が驚くほどの「アイデア」「企画」「ビジネスシナリオ」が続出します。
「人材」が「人財」に変身する瞬間です。(特に、参加された女性の伸びが著しい)

何故でしょうか?

私もサラリーマン生活が長かったのでよくわかりますが、
発言しても通らない時に、人はだまります。そして、そのまま考えないようになっていく人もいます。

経営陣が従来のやり方・考え方に固執して、時代から取り残されていくのは残念なことです。

前職(パイオニア社)でも何回か経験しました。
・1992年:そんなふうになるわけないじゃないか。(CD⇒通信2005年)
・1996年:それが成功するなんてありえない(ヒット商品プロジェクト)
・2006年:10年後のことなんて意味がない(10年後のパイオニア:2017)

上記のことは、常識という枠を超えて、私たちが想ったように、描いたように実現しました。価値創造がイノベーションになりました。

①世の中に役立つコト、新しい文化を創ること
②モノゴトの本質を把えること

上記①②を「二つでありながら一つにすること」(第33夜)
これが最も重要な方法なのです。

ただ、ここに辿り着く前に、ルーキーのメンバー達を従来の常識から解放させる必要があります。
それが、「笑われるくらいがちょうどいい」から始めることです。
人材を将来の人財にするために。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

マズロー

橋本元司の「価値創造の知・第127夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑮権限委譲と価値創造

2018年4月4日 エンパワーメンとインストラクション

前夜(第126夜)の「相互理解(インタラクション)」に引き続き、参加者の「想像力・創造力・構想力」を引き出すためには、意識的に『権限委譲(エンパワーメント)』することにあります。

つまり、「あなたが主役です」ということを直に伝えることです。

「権限委譲」とは、参加メンバー(従業員)に「権利と責任」を与えることであり、プロジェクト(仕事)の発言権(インプット)と実践を認め、それに報いることです。
それは、人的資源を育成・開発すると共に、マネージャーがタスク(課題)の支援者であるという見方に変わります。

上記では、「マネージャー(管理者)」という言葉を使いましたが、「想像・創造・構想」というステージ上でコーチに必要な能力は「マネージメント=こなし型」ではありません。

「現状のやり方・考え方からの延長上に未来はない!」
という認識の元に、「次の柱」を検討・構想しようとするステージに必要なのは、「イメージメント=仕掛け型」の能力です。仕掛け型のメンバーを1/3以上選定することをお薦めします。

「イメージメント」については、第7夜(イメージメントとマネージメント)に綴りました。
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「イメージメント」を簡単に言うと、「想像・創造・構想」を紡ぎ出すコーチング能力のことです。
現状のマネージャーは、それをどうコントロールされているのかが課題です。

イメージメントは「知」の組み合わせである。「知」は、「個別知=パーソナル・ナレッジ」、「共同知=コミュニティー・ナレッジ」、「世界知=グローバル・ナレッジ」の3つに分けることができる。
この3つの「知」のアドレスをまず認識し、その境界をまたぐことによって「知」を新しい関係によってつなぐ。
これを「編集脳」と言う。すなわち「組み合わせ能力」、または「連想力」、英語でいうと「Association(アソシエイション)」のことである。(「セイゴウちゃんねる」より抜粋)

多種多様な企業をご支援していますが、「次のイメージ」「次の柱」「次の一手」は、「マネージメント」ではなく、その前段の「イメージメント」の構想世界になります。
多くの経営者・管理者の方達は「マネージメント」は得意なのですが、「イメージメント」が残念ながら苦手です。その環境(色)に染まってしまった社員の方達も同様です。
「新たな知を紡ぎだすイメージメント」は、なにせ学校や企業で教えてもらったことがないのですから・・・。
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とすると、それを監督・コーチする人は、「マネージャー」ではなく、「イメージャー」となりますね。因みに、私たち(新価値創造研究所)は、新たな知を紡ぎだす「イメージメントのプロフェッショナル」です。

さて、「次の一手」「次の柱」を検討・構想する際に前提となるのは、メンバーに権限を受け渡し、努力の結果が自分達のものになると本気で感じさせる点にあります。
そうなると当事者意識を持ち、やる気のある「燃える集団」に変身します。

私自身が、社長直轄で「ヒット商品緊急開発プロジェクト」(第14夜)の「権限と責任」を与えられました。また、多様なプロジェクトをご支援している中で、「何が問題なのか?」「何が壁・ネックとなるのか?」を様々なプロセスで見て対応してきました。
どう「権限委譲」するかということの答えは「ひとつ」ではありません。

大手企業の場合は、社長自身が「プロジェクト」に参加することが見受けられないため、最初のプロジェクト・キックオフでトップの方から参加メンバーへの「権限委譲」をことを話していただきます。
それを直に聴くこと、そして激励で、本人たちの「やる気」はぜんぜん違ってきます。

中小企業の場合は、社長自ら参加されることが多いのです。
そのことで報告する必要がありませんから、意思決定のスピードは、猛烈に速いです。ここで新たな範囲の権限委譲が言い渡されることもあります。社長の想いもその中で語られているので「相互理解(インタラクション」が格段に違うのです。

さて、ここで注意をしておくことがあります。
「権限委譲」とは、メンバーに絶対的な自由を与えることではありません。「権限委譲」の限度は、上記の場合では、通常「経営陣の視野」によって決定されます。その視野を多方面に、多角的に拡張したり、場合によっては選択肢を狭めたりすることが私たちの重要な役割のひとつです。
ここで気づかれた方も多いと思いますが、上記の「視野」というのは、第105~107夜に綴ってきた「本分」のことです。この「本分」をどう再定義するのかで、結果が大きく左右されます。そのために、決定者であるトップ(社長)と「バリュープロジェクト」のスコープ(視点・視野・視座と範囲)及び、「本分」を検討し、明確にする必要があります。

ここで「視点・視野・視座」(第77夜)について少し説明します。

・視点とは、「注目しているポイント」
・視野とは、「見る範囲」
・視座とは、「見る場所、目のおきどころ」

ここに経営陣とプロジェクトメンバーとのあいだに、ズレがあると問題なのですね。最初の打合せではどの会社や地域でも「ズレ」があるのが当たり前です。それをこちらが図解しながら「相互理解」で詰めてゆきます。どのようなスコープ・本分にするのかを気合いを入れて協議してゆきます。
(「権限委譲」とは、「顕現委譲」でもありますね)

そして、
・「視点・視野・視座」(分母)をメンバーに明確に提示するすること
・その範囲の中で、「想像・創造・構想」を重文に発揮すること

こうように、「権限委譲(第127夜・エンパワーメント)」「スコープ・本分の相互理解(第126夜・インストラクション)」を進めることで、「価値創造」につなげてゆきます。

私たちの経験で、この「権限委譲」されたメンバーは、殆どが燃える集団になり、イノベーション&経営革新のスピードと確率もグーンと高くなります。
そして何よりも、「人材」が「人財」に変わることが「喜び」になります。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
権限委譲

橋本元司の「価値創造の知・第126夜」『価値創造とイノベーションのあいだ』⑭理解の秘密・価値創造インストラクター

2018年3月30日 「相互理解=インストラクション」

私たちが「新事業創出/地域創生のご支援」で気をつけていることがあります。
それは、不確実性の高い未来に向けて、価値創造・イノベーションを達成するには、クライアントの皆様との『相互理解=インストラクション』を如何にはかるか、ということが不可欠です。その「相互理解」がなければ、配慮のない情報のやりとりになり、実践・解決の方向に向かいません。

いま、世間を賑わしている『働き方改革』の大きな部分を占めているのも『相互理解=インストラクション』です。
仕事の中には、コミュニケーションのロスやトラブルで溢れていますね。

・「何が重要か」についての管理者と従業員のあいだの不一致
・多くの会社がいまだに従業員と機械を同じように扱っている
・何も決まらない会議にウンザリする
・「言ったじゃないか」と声を荒げることは?
・やっかいなマニュアルを放り投げたことは?
・仕事の成果が見えにくい
・働く人々の多様化が進む
・「わかったね?」「ええ、わかりました」というやりとりはあるが、いっこうに理解してもらえない
・・・

如何ですか?
上記は、1993年「理解の秘密」リチャード・ワーマンが著した中に記している一部です。もう絶版なのですが、「今また、その本が脚光を浴びています」と友人が話していました。
この「理解の秘密」は、松岡正剛師匠が監訳していたので、1998年に購入していました。

本書は、コミュニケーションロスを解消し、相互理解をはかるために、インストラクションの働きとその活用法を教えるはじめての指南書になります。

組織変革のためのリストラクチャリングや資源節約するより、まずインストラクションの仕組みを変えたほうがよほど効果的であるとすら思えるのだ。(引用:松岡正剛あとがき)
是非たくさんの日本人に読んで欲しいと思います。

さて、その後半に『模範的なインストラクター』という項目があります。
①大きな絵、すなわちインストラクションを与えられるコンテクストを説明できる人間
②ある分野の知識をほかの分野に応用できるように、パターンを見つけさせることのできる人間
③信頼感を植え付けることのできる人間
④ひとつのアイデアをいろいろに表現すること、つまり3次元的な像を示すことのできる人間
⑤自分の関心対象に熱意を持つ人間
⑥誤りを認め、リスクをおかすことを奨励する人間
⑦指導のためには、ときには慣習とは逆の方向にすすむことのできる人間

もう20年前の会社勤めの時に、上記に近づきたいと修練してきました。図らずも「価値創造~イノベーション」の「インタラクション」には上記のスキルが全て必要なのでした。
この「価値創造の知」シリーズには①~⑦を散りばめているのもそれが一因です。

是非、新事業創出・地域創生の多くの価値創造インストラクターを輩出できればと思います。
そうしたら、もっともっと日本は、会社は、地域は、人は元気になるのではないかと想っています。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ
インストラクション