2017年5月23日 選ばれる企業になるためには?
クライアントが出展している「2017地球温暖化防止展・NEW環境展」の初日に行ってきました。アジア最大級の環境展ですが、環境先進国として、国や産業、学術の連携が更に求められますね。そして、「選ばれる企業」になるためには、改めて、スマート化・AIoT化を組込んだ価値創造の急務を感じました。


2017年5月23日 選ばれる企業になるためには?
クライアントが出展している「2017地球温暖化防止展・NEW環境展」の初日に行ってきました。アジア最大級の環境展ですが、環境先進国として、国や産業、学術の連携が更に求められますね。そして、「選ばれる企業」になるためには、改めて、スマート化・AIoT化を組込んだ価値創造の急務を感じました。


本夜は、「価値創造の心得」の3つの要点を綴ります。
企業にとって大事なことは、大きな困難(問題)を解決することで顧客から対価が巡ってくるということです。
今まで通りのやり方、考え方の踏襲では、どんどん右肩下がりに向かってしまいます。つまり、困難がチャンスだという認識が重要です。
「適応しなさい・変わりなさい」という天からの声ですね。
それを前提として個人の心得は、
①一つ目は、問題(困難)解決の熱意が必要です。大きな問題には、必ず高い壁が待ち受けていますので、その試練を乗り越える持続する熱意・情熱・本気が不可欠です。
②二つ目は、経営陣(上司)から、指示されるのを待っていてはいけません。上から、ハシゴを用意して貰うのではなく、自分でハシゴをつくることです。
(様々な業種の会社をご支援してきましたが、「事業創生・地域創生」のための「バリュー・イノベーション・プロジェクト」に上記①②の素質を持った最低2人がメンバーに参加していると結果(出来高)が大きく変わってきます。特に、②のスキルをもった人財が少ないのです。自分を乗り越えるような部下を持つ上司の方は居心地が良くないのも事実ですが自分の器を大きくされてください)
③三つ目は、周りを巻き込む行動力です。①②の覚悟と構想があれば、共感・支援・協働する社内外の人たちが必ず現れます。
上記①②③が「要(かなめ)」なのですが、次夜からその3つを自分の現場の実体験を踏まえて綴ってゆきます。
第43夜 価値創造から経営革新へ

●従来のマネジメントからどうはみ出すか?
大手電機メーカー・パイオニア株式会社で、エンジニアの専門分野を歩んでこられましたが、ある時、発想の転換とともに「異業種とのコラボーションによる経営革新」という構想に辿り着きます。顧客、社会が幸せになれる顧客価値を創造しなければならないのに、機能&性能のモノ発想に追われ、効能という本筋を見失いがちな「専門分野一途の危険性」に気づき、積極的に異業種とWIN-WINとなる新しいライフスタイルを提案することで数々のヒット商品を生み出しました。100社以上とのコラボを行い、異能ぶりを発揮。「ミスター・アライアンス」と呼ばれることも。2013年、パイオニアを早期退職し、自らを代表に「新価値創造研究所」を立ち上げ、様々な企業に「顧客価値創造による経営革新」を促しております。業績不振からの脱却、異業種と交わることで社内活性化を狙う企業にとって、この構想力は躍進へのヒントに満ち溢れることでしょう。
●あの芳醇なスピーカーを生み出した構想力
非常にわかりやすい異業種コラボの実例としては、パイオニア時代にサントリーさんと『ピュアモルトスピーカー』という商品をプロデュースしました。サントリーさんで40~50年使用し続け、すっかりウイスキーが染み込んだ樽の木を使用したスピーカーです。樽材は樹齢100年の水楢材を使用していますが、ウイスキーを樽の中で10~15年と熟成させ、それを約半世紀の間に3回も繰り返しますと、もう香りや色等がなくなって御役御免なんですね。ただ、木材としての寿命はあと50年もあるのです。そこでウイスキー樽をスピーカーへと活用し、商品化するプロデュースに取り組みました。ヒントは有名な高級バイオリンの『ストラデバリウス』です。あれも木材を塩漬けにすることによって、中の導管が通り、あのような美しい音色が可能になるそうです。そこには樽物語というストーリーをつむぐこともできますし、元々ウイスキーと音楽は相性が良いのです(笑)。新聞発表したら、すぐに完売しました。次のヒット商品は「音楽とファッション」の相性に着目しました。ポータブルCDプレーヤーをスケルトンにして、その商品をラフォーレ原宿の全マネキン人形にたすき掛けする展示でニュースになりました。そのヒットプロジェクトには異能な人財を社内から集め、新たな生命と物語を次々に生み出し、また、企画から販売までを一気通貫することで、自分たちの新しいスタイルをそのまま顧客にお届けすることができました。
21世紀はレールなき航海の時代
20世紀は「鉄道の世紀」でした。レールがあり目的地も明確で、「改善と効率でいかにそこに早く到達できるか」を競い合っていた。つまりオペレーションとマネジメントを得意とした企業が勝つというモデルでした。それが得意な方々が現在、企業の役員です。ところが21世紀は先行きが不確実な混迷の時代です。レールがないから行く先も、道筋も分からない。言わば「航海の時代」です。私のやり方は社内の選抜メンバーにドックに入っていただいています。最初に、「私たちが将来に向けて大切にすべきなのは、一体何か?」という『錨』(本来)を明確にした上で、「この船はどの方向へと向かっていきたいのか?」目指す『北極星』(将来)を一緒に探していきます。実は、この「何が大切なのか?」を浮き彫りにするプロセスが得意なのは女性なんです。それは『こころ』を扱うからなんですね。また、良い意味で企業の固定観念に縛られていませんから。「ちょっと、ここがおかしいと思います」「こうじゃないですか?」と堂々と言えてしまう(笑)。それが強み。そのように言える環境をこちらが醸成していくのですが、メンバーの中で女性が一番スキルアップすることが多く、『場』が活性化します。だからこそ私は、経営陣の方達にあらゆるプロジェクトに、必ず女性を入れることを推奨しています。
●21世紀はレールなき航海の時代
20世紀は「鉄道の世紀」でした。レールがあり目的地も明確で、「改善と効率でいかにそこに早く到達できるか」を競い合っていた。つまりオペレーションとマネジメントを得意とした企業が勝つというモデルでした。それが得意な方々が現在、企業の役員です。ところが21世紀は先行きが不確実な混迷の時代です。レールがないから行く先も、道筋も分からない。言わば「航海の時代」です。私のやり方は社内の選抜メンバーにドックに入っていただいています。最初に、「私たちが将来に向けて大切にすべきなのは、一体何か?」という『錨』(本来)を明確にした上で、「この船はどの方向へと向かっていきたいのか?」目指す『北極星』(将来)を一緒に探していきます。実は、この「何が大切なのか?」を浮き彫りにするプロセスが得意なのは女性なんです。それは『こころ』を扱うからなんですね。また、良い意味で企業の固定観念に縛られていませんから。「ちょっと、ここがおかしいと思います」「こうじゃないですか?」と堂々と言えてしまう(笑)。それが強み。そのように言える環境をこちらが醸成していくのですが、メンバーの中で女性が一番スキルアップすることが多く、『場』が活性化します。だからこそ私は、経営陣の方達にあらゆるプロジェクトに、必ず女性を入れることを推奨しています。
●従来のマネジメントからどうはみ出すか?
グーテンベルクの活版印刷機は、羅針盤、火薬と並んで「ルネッサンス期の世界三大発明」と呼ばれています。グーテンベルク氏の実家は刻印機を作っていたそうです。家の周囲にはワイン製造に使うぶどう搾り機がありました。そんな環境の中、ぶどう搾り機と刻印機が新しく組み合わさり、活版印刷機という化合物ができました。そのような意味で、何かと何かをつなげるアイディア、ヒット商品、新事業とは、すべて既存のモノ、コトの組み合わせです。イノベーションという言葉を提唱したシュンペーターは、それを『新結合』と呼びました。前述のヒット商品『ピュアモルトスピーカー』も新結合です。そのコツは、共通項を見出し、境界を乗り越えて新しい生命を吹き込み、そこに素敵な物語を紡ぎ出すことにあります。AI/IoTの時代、すべての製造業は今後、形を変えたサービス業へと変化すると思います。もし難しい場合は、それを専門とした企業とアライアンスをすることで道を拓くことをお薦めします。
●企業へのメッセージ
もしも行き詰ったり悩んだりした時は、常識の殻を破る「三本の矢」をイメージして下さい。第一が、「私たちは一体何を大切にしていくのか?」を洞察します。事業の再定義がポイントです。これが「インサイト(深く読む)」。第二が、「世の中いったいどうなるのか?」と洞察する。それが「フォーサイト(高く読む)」。そして、第三がそれらを新結合する「ゲシュタルト(広く読む)」。この3本の矢が出揃うと新しい事業の輪郭、顧客の笑顔が見えてきます。
さて、21世紀は「イメージメント(構想)とイノベーション(革新)」が牽引する時代です。従来価値観の常識を疑い、顧客・社会を幸せにする「イメージ力」が問われます。新しい時代の本質を見抜き、次の本流をイメージして、本気(PASSION)→本質(MISSION)→本流(ACTION)の流れを創ってくれるのが「三本の矢」なんです。そして、新しい成長には、構想→行動→更新が必須です。それが私の得意とする構想力と革新力です。ぜひ、ご一緒に、隆々とした未来を創りましょう!
前職の総合研究所・新価値推進センターの所長時代から、「地域創生・住民協働」のご支援をしてきました。ちょうど、平成22年に政府が「新しい公共」を宣言した時と、軌を一にしていたように思います。
その時の政府の「新成長戦略」の中で、
“国民の満足度や幸福度には、所得などの経済的要素だけではなく家族や社会との関わり合いなどの要素も大きな影響を持つ。
「新しい公共」の考え方の下、全ての国民に「居場所」と「出番」が確保され、市民や企業、NPOなど様々な主体が「公(おおやけ)」に参画する社会を再構築することは重要な課題である”
と宣言していました。
何か上から目線が気になりますね。課題であることはわかりますが、この上から目線では上手くコトが回せません。そのことは後述します。
このように新しい公共が重要課題となったベースは、第40夜「新しい時代の価値観」に記した、
①減少社会: 不足
②モノよりココロ: 繋がり
という大きな二つの変化の新結合から捉えるとわかりやすいので是非第40話をご覧ください。
さて、総合研究所の7年前の企業人時代に、ある地域の行政職員と住民&NPOの間に入って「地域課題の抽出と構想・実践」の触媒をお引き受けしました。
参加している皆さんが、それぞれにやりたいことがあり、積極的で前のめりで、初期段階では全体をまとめることがとても厳しい状況でした。
そこで、
・私たちは、いったい何を大切にしているのか?(錨の確認)
・私たちは、何を目指そうとしているのか?(北極星の共創)
を提案して、時間をかけて協議しました。
皆さん仕事の後なのに、夜6時半から10時頃まで熱く語られていました。
そのような会合が毎週1回、2か月半続きました。
結果、それは今でも続く地域のセンターになりました。
とてもいい経験をさせて貰いました。
そして前職を早期に卒業し、独立して、ここ2~3年は「地域創生・住民協働」に複数関わることになりました。
ここで、7年前との違いを半径1.5メートルの中で記します。
やはり、人口減少社会で地域は過疎化が進み、都市でも空き家が点在するスポンジ型になりました。その中で、早期から志・本気で取り組み、花開いて仕組み化、円卓化できている地域Aと思うように進まない地域Bが2極化しています。
友人はそれを「ゆでガエル現象」で説明していました。よく企業経営やビジネスの文脈で使われています。
それは、「カエルを熱湯の中に入れると驚いて飛び出します(A)が、常温の水に入れて徐々に熱すると、カエルはその温度変化に慣れていき、生命の危機と気づかないうちにゆであがって死んでしまう(B)」という話です。
従来、官(役所など)や学(大学など)は、大学入試に見られるように、
「間違えないこと」が求められ、最優先されました。
しかし、未来が不確かなイノベーション時代の現在では、それが足かせになっています。
従来の価値観で成長している時はそれで良かったのでしょうが、上記の①減少社会と②繋がりの複合が進む時代には、従来の価値観では対応できません。
「官」の役割が大きく変わっていることは明白です。
・啓蒙から「共感」へ
・先導から「触媒」へ
・改善から「革新」へ
「住民・NPO・企業・大学」も新しい目的の元に変わらなければいけません。
人口減少や高齢化など社会状況が大きく変化するなか、「地域創生・住民協働」の必要性・重要性は すます高まります。
ただし、「住民協働」はあくまでも手段であることを忘れてはいけません。
・地域創生、地域活性、住民協働はいったい誰のものなのでしょうか?
・どうであったら、住民が、地域が元気になったといえるのでしょうか?
・そもそも「何のために住民協働」を推進するのでしょうか?
という、真の目的や大切な問いを関係者と共に考え、共有することがとても大事なのです。
「やり方」につんのめる前に、上記の「あり方」を共有・共感することがとっても大切です。それは、7年前の地域創生の実践成果とその後、各地の失敗事例を見聴きして実感したことです。
上記の「あり方」から「パッション・ミッション・アクション」の道筋に向けて、下図の「課題・人・場」を三位一体で創造し、具体化し、新成長に繋げていくのが「新価値創造」です。
「価値創造で多くの人を幸せにしたい」
第42夜 価値創造から地域革新へ

多くの企業や自治体が、世の中の変化に対応して「新事業・新業態」に踏み出すことが常態化しています。
その時に問題となるのが、対象の顧客が今までとは違う新規顧客であったり、求めるものや価値観が変わってくることです。
そして、それに合わせて『コンセプト』を再定義して、ミッション、ビジョン、更に組織革新、賃金体系等の経営革新に手を入れていくことが必要になります。
本夜は、上記に関連する“コンセプトのつくり方”の第2段を、首記ベストセラー「察しない男・説明しない女」を交えて綴ります。
すべての事業(戦略)の基本は、
① WHO: 一体どのような顧客に (誰に)
② WHAT: どのような効能・価値を (何を)
③ HOW: どのような強みを提供して(どのように)
にあります。
コンセプトは、上記①②③を圧縮したようなものです。
コンセプトは、人間の背骨のようなものですから、それが明確になると、何をすれば良いのかがハッキリ・スッキリします。
さて、皆さんもご存知のように、市場が『業際化』しています。
“業際”とは、異なる事業分野にまたがることを意味します。
今回は価値創造の本丸である『業際に係るコンセプトの再定義』の事例を提示します。
それは今までと異なる風景であり、新価値創造研究所では、それを成長マトリクスで“開際(従来・開発・開拓・開際)”と表現して、顧客価値レベルの高い象限で表してします。
参照:https://shinkachi.biz/ NEW!JQAA寄稿:「顧客価値創造にもとづく経営革新」
さてさて、それでは固い内容ですみませんが、「建設業界の事例」で新展開の実例を観てゆきましょう。
参考: 建設新聞引用(新たな付加価値の源泉・業際ビジネス用)
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『業際』とは、産業の垣根に相当するもので、「そこを超えると異質と感じられる境界領域のこと」である。これまでの事業との連続性と不連続性を併せ持っているため、本業と異なりアイデンティティを形成することは難しい。
しかし異質との接触面であり、最もイノベーティブな組織行動がとられる領域でもある。
業際論争については金融業における銀行、証券、保険のそれぞれでの調整や垣根撤廃が有名であるが、現在では流通企業やメーカーが金融業に進出するなど、業際の拡大活動もしくは既存の業態と異なる業態の融合が活発に繰り広げられている。
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従来(20世紀)は産業の垣根があり、その範囲の中での競争でしたが、現在は、単に「土地に継続的に定着する構築物を作り出す」という従来の建設業の在り方では付加価値を生み出すことが難しくなっており、新たな価値創出の方法や枠組みが求められています。
たとえば、ある大手ゼネコンは不動産投資顧問業や地震・環境汚染のリスク管理事業といった手数料ビジネスに新たな事業展開を試みています。
また、通信工事業者がこれまでに蓄積したノウハウを広く活用するために土木分野に事業を展開し始めています。
さらに、ある中堅ゼネコンは外部から経営資源を調達し、通信工事という専門業者が存在する市場セグメントに参入し、成功を収めている。建屋だけではなく、付随して必要となる検査機器や教育など、建造物の構築以外の業務活動をもまとめて顧客に提供することによって、付加価値を高めています。
つまり、建設業だけでは価値が出せないので、不動産投資顧問業、手数料ビジネス、通信工事、教育等の事業の前後左右の事業分野にまたがってきます。それは、建設業だけでなく、あらゆる業種業態に及んでいるのです。
私のご支援している複数業種の会社も同様です。
それでは、“業際”により、住宅業界に参入した場合の“コンセプト・メイキング”についての事例を上げます。
やはり、一番活用できる方法は、第37夜でご紹介した「バリュープロポジションからのコンセプト化」です。
・異業種からの参入であること
・故に、ハウスメーカーと同様のコンセプトでは通用しないこと
・「新築一戸建て」の場合は、決定者が夫と妻の最低二人がいること
上記の状況で、夫婦双方に添付写真の「察しない男と説明しない女」がコンセプトメイキングにはとても参考になります。その一部を抜粋します。
右脳と左脳をつなぐ脳梁が太い女性は、物事を感情と一緒に記憶しやすく、過去のことも今この瞬間に起こったかのように臨場感を持って思い出せます。
いっぽう、男性は脳梁が細いため、過去の出来事は「すでに終わったこと」として処理をすることが多いそうです。
回路が違うのですね。
担当の方達からお聴きしても、「新築一戸建て」の購入を検討、決定する際に、奥さんと旦那は観ているところがかなり違うと言っています。
・男は世界から認められたい
・女は世間から認められたい
・男は違いがわからない
・女は違いなんかどうでもいい
・男はヤンキー好き
・女はファンシー好き
・・・・
わかる、わかる。笑
コンセプトは、 “二つでありながら一つ”ですから、夫婦が一つで共感、納得できれば効果が倍増します。
上記を編集しながら、バリュープロポジションと誰に(WHO)、何を(WHAT)、どの様に(HOW)を明確にしながら、コンセプトを浮き彫りにしてゆきます。
「誰に」を“夫婦でありながら一つ”にして、価値創造ダイアグラムのコンセプトにまとめるコトがアドバンテージになります。
是非、皆様挑戦されて下さい。
そのような新結合ダイアグラムのスキルを身につけられてから、既存のハウスメーカーの「コンセプト」をチェックするとその会社が何を大事にされて「価値発信」しているのかが透けて見えてきます。
次に、大手企業群はずっと同じ業界の中で競争して練れているので、そのコンセプトは「似たり寄ったりで面白みに欠ける」というのが素直な感想です。
なので、違う業界の多くのコンセプトを見聞きすることにより、対象の業界に新しい視点で「インパクトと話題」を持ち込むことが可能です。
その際に重要なことは、作成した新しい価値観を持ったコンセプトが「先端的な顧客」や「関心のない顧客」にどのように響くのかを自ら“Face to Face”で感じ、掴み取ることです。そこで新しい風景が見えてくることが多いのです。
そのヒアリングからの新風景がワクワクドキドキの瞬間であり、その後の出来不出来にも大きな影響を及ぼします。
そして、その核心、確信のあとは、勇気を持って絶妙なタイミングで「伝え方革新」をするのみです。
第41夜 価値創造から経営革新へ

第39夜では、「自分と会社・社会とのかかわり」を新結合ダイアグラムを使って紹介しました。
ポイントは、今まで明確でなかった大三角形上部の空白(ダイヤモンド形)を自ら想像・創造し、使命を見つけることでした。
さて、今夜は「新しい時代の価値観とスタイル」を同じ方法で紐解いてゆきたいと思います。(下図を参照願います)
日本のこれからに大きな影響を及ぼす左右の三角形の中には、下記の二つ(A&B)を選んでみました。
その二つの共通項は、大きな「変化」です。
A.不足:減少社会
これまでの画一の大量生産の成長時代から、人もモノも減衰・衰退時代になります。
B.繋がり:モノよりココロへ
時代はとっくに、「心の豊かさ」への次元にシフトしていますね。
上記AとBを前提にして、私たちは従来の価値観から見る古いメガネを新しい価値観のメガネに掛け変えねばなりません。(第20夜:新しい物差し)
上記AとBが左右から寄ってクロス部分が大きくなると、だんだん上部の余白の項目がはっきりくっきりしてきます。
その交流、交換の先にに、新しい命(価値観・スタイル)が生まれてくるのです。それを探索してみます。
仮説として、余白に記す3つのキーワードをピックアップしてみました。
それは、「不足」と「繋がり」の新結合から噴火してきたものです。(第32夜:イノベーションと価値創造)
一つ目は、シェア(シェアリング)です。
一人ひとりが無駄に所有するのではなく、「シェア」するのが当たり前の時代になります。
それは使われていないクルマだけでなく、「OFF(オフ)」になっている、空地(空間)や空き時間等々に連鎖しながら拡大してゆきます。
もう、ネットの世界では、リンクしてシェアすることが当たり前ですね。それが、リアルの世界でもあたり前になっています。(=キュービタルの時代)
二つ目は、多様化(ダイバーシティ)です。
一億総活躍が謳われていますが、
①女性の活躍(第16夜:女性活躍の舞台づくり)
→これまでの男社会の価値観や長時間就労のやり方は早急に革新が必要です。
②高齢者の活躍
→高齢者スキルの再転換も必要です
③AIロボットの活躍
→人手不足、生産能力、情緒能力の不足を補ってくれます。
上記の迅速な移行が不可欠です。
そして、①②③を新結合した「働き方」「愉しみ方」や仕組みが続々と生まれてきます。
三つ目は、「AI・IoT」です。
私たちは、好むと好まざるに関わらず、AIoTの世界を生きてゆきます。勿論、反転もあります。
教育、会社、社会も私たちのライフスタイルも大きく変貌します。
そして、それは「見える化から魅せる化へ」、そして新しい「おもてなしの時代」になることを意味します。(第2夜 おもてなし)
さてさて、私たちはそれらが進んだ時々に、
「自分の存在意義」
に対して正面から向き合わされる必然が生じるのではないかと想います。用意があれば、それはそれで卒意が楽しみですね。
自主性から主体性の次元へ。
怯むことなく、一緒に創発してゆきましょう。
第40夜 価値創造から経営革新へ

今日(4月1日)から、新しく会社人生の門出にのぞまれる“あなた”に新価値創造研究所からメッセージを贈ります。
添付図は、左右の二つものが出会い、新しい価値を生み出す『新結合ダイアグラム』(新価値創造研究所)を表しています。今の“あなた”のポジションになります。
(この新結合が、未来を切り拓く“価値創造・イノベーション”の大基本になるのですが、その詳細は第17夜と第18夜に記していますので、どうぞそちらを参照ください)
左右の二つの小さな三角形には、「自分」と「社会・会社」と記しています。この二つが“ご縁”によって出会いつながりました。しかし、決して“あなた”は入社した会社とだけの“つながり”とは思わないでください。
「会社は社会の“公器”である。したがって、会社は社会とともに発展していくのでなければならない」(松下幸之助)
という認識が重要です。(公器とは、「自分たちだけの利益を追求するのではなく、社会全体・公の利益にも適う必要があり、そのように振舞わなくてはいけない」という意味です)
新価値創造研究所では、
“新価値=世の中に役立つコト”
と定義しています。
「世の中(社会・顧客)に役立つこと」を優先すること、つまり、企業は世の中に役立つ商品やサービスを提供することで、対価としてお金が回り存続してゆくことが原理原則です。
経営の神様のピーター・F・ドラッカーさんは、“企業の目的は、社会価値・顧客価値を創ることである”と言っています。
“社会価値・顧客価値を創ること”が、自分&会社の「現在と未来」を成長させてくれます。
そうすると、
・「社会はどうなっているのだろう?」
・「顧客は何を望んでいるのだろう?」
ということを洞察(=物事の本質を見通すこと、見抜くこと)する能力・知恵を身につけなければならないことがわかります。
“価値創造の知”シリーズでは、その洞察の知(SKILL)と意欲・意識(WILL)を体系的(本気・本質・次の本流)に綴っています。
さて顧客価値創造の前半のポイントは、下部の『ご縁(共通項)』の三角形と上部の『命・物語』のダイヤモンド形の二つにあります。
一つ目は、下方にある小さな『ご縁(共通項)』の三角形です。それは、“関係性”を表しています。
・顧客との関係性
・社会との関係性
・会社との関係性
私たちは、一人で生きているのではなく、生かされているのです。
自分なりの素敵な関係性を見つけ、紡ぐことが自分&会社の人生を豊かにすることにつながってゆきます。
私(橋本)が会社(パイオニア社)と同一化した時の価値創造の実例を上げます。
第18夜には、サントリーとパイオニア(自分)の異業種コラボレーション(ピュアモルトスピーカー)によるヒット商品を記しています。
ここでの『ご縁(共通項)』の三角形は、“響き”です。
「人と自然と響き合う」を前面に出していた時代のサントリー社は「響」の文字をモチーフにしたロゴマークでした。パイオニア社は「世界のステレオパイオニア」の「音響」がベースにありました。
お互いが“響き合う”ことを基盤にすることで、境界は消え去り、新しい価値を生み出す下半身ができあがります。この境界線を消しゴムで消し去ることのスキルが新結合の秘訣です。
二つ目は、もう一つの上部のダイヤモンド形です。
二つの三角形(サントリーとパイオニア)が左右から合わさった時に、上部には何もなく、ただの空白でした。自ら余白を創り出すことがとっても重要です。(第22夜 “余白”参照)
ここに“”“二つでありながら一つ”の命を生み出す、創り出すのが『新価値創造』です。
それは、“赤ちゃんという新しい命”を生み出すのと全く同じです。
男と女の二つの三角形が左右から出会い、結合し、『新しい命』が授かりました。それは、お父さんでもないし、お母さんでもありません。
ピュアモルトスピーカーを観ると、サントリーでもないし、パイオニアでもありません。
でも“”“二つでありながら一つ”なのです。
添付図は、自分と社会・会社の素敵な出会い・ご縁を表しているのです。
どのような“アクティブで素敵な関係性”を創れるかがポイントになります。
さて、20世紀は、欧米に追い付き追い越すというのが命題でしたので、これまでの会社や教育は、答えがあるものを如何に早く正確に回答するというものでした。
しかし、これからの21世紀は、上記のダイヤモンド形のように「答えのない空白部分」を自ら想像し、創造する時代となります。好む好まざるにかかわらず、“あなた”はその時代を生きてゆくことになります。
情報時代から、脳業時代に移行するAIoT化(AI&IoT)、Robot化にはそれが本筋となります。AIoT化、Robot化によって、必要なくなる仕事が続々とでてきます。それはすぐそこまできています。
なので、多くの人が「答えのない空白部分」を自ら想像し、創造するための意欲(WILL)と方法(SKILL)を習得するコトが急務なのです。
今までは、“追い付き追い越す”“競合を見ながら少し改善する”のが得意な、20世紀型の“オペレーション&マネジメント”の人達が多かったのです。
第7夜(イメージメントとマネージメント)にも載せましたが、21世紀を生きる“あなた”は、上記ダイヤモンド形を生み出す、創り出す『C』の達人に向けて足を踏み出してください。
“(オペレーション&マネジメントの)人達から(オペレーション&マネジメントの)達人への移行です”
さ てさて、ここでは、ダイヤモンド形の“命”のことを記しましたが、“自分の命を何に使うのか?”がとても重要ですね。自分の人生ですから。
つまりそれは、自分の“使命”(ミッション)です。
是非早い時期に、社会・顧客に喜ばれる“使命”を見つけてください。使命(ミッション)については、第11夜(イノベーションの心得:「本気・本質・本流」編)に詳細を記しています。
そして、もう一つ重要なのが、“物語”です。
上記、“ピュアモルトスピーカー”の物語は、“樽物語”でした。(第18夜)
「100年の樹齢の水楢をウィスキー樽に使い、まだ木としては50年使えるその材が魅力的な響きを持ったスピーカーに生まれ変わる」という物語に多くの顧客が共感されました。
“モノづくりとモノがたり”の新結合が人々に幸せをもたらします。
ヒット商品づくりや価値創造、新事業づくり、人財づくりのポイントは、この“魅力的な物語”を紡ぎだせるかにあります。“物語化能力”です。それは、“自分自身の物語”を紡ぐことでもあります。
自分自身の物語を紡げる能力が、社会や顧客に向けた魅力的な物語につながるのです。 そのためには、それらを生み出せる、創り出せる“人財”を育成・養成・開発する仕組みが社会・会社・学校にあるといいですね。
最後に、上記から『社会・顧客への価値創造』を目指そうと決心した“あなた”は、より良き社会を創るために、『会社に使われるのではなく、会社を使いこなすイノベーター、プロデューサーに是非なってください。ニッポンにはそのような多くの人財輩出が必要なのです』
隆々とした皆さんの未来実現のために、新価値創造研究所は応援します。
第39夜 価値創造から経営革新へ

第4次産業革命、グローバル化、AIoT化、Robot化、少子高齢化等によって影響を受けて、私たちの『働き方』は大きく変わってゆきます。
本夜は、「働き方」と「就職」をテーマにしながら、働き方改革と価値創造とを結合した内容で綴ります。
いまから40年前は、第2次オイルショックの後で景気が冷え込み、私の就職活動は大荒れになり、予定していた企業の推薦枠が消滅して大変でした。しかし、前職のオーディオメーカーとのご縁で就職した時、そこは世の不況と関係なく、オーディオ事業は全盛期なのでした。
新入社員の研修の一環で、その年の夏に「丸井・自由が丘店」の三階でオーディオ売り場に立ちましたが、目前の売上伝票を書いている間にも次々に飛ぶように商品が売れて行きました。
しばらくしてメディアで紹介されていたのが、
“企業寿命30年説”です。
明治以来100年におよぶ上位100社のランキングを作成し、分析し、到達した結論・・
それは、企業が繁栄を謳歌できる期間、すなわち「会社の寿命」は、平均わずか30年にすぎないという統計的な結果があるようです。
もう就職した時がオーディオ事業の全盛期ですから、20〜30年後は会社の寿命なのかな、と漠然と思っていました。さて、就職から8年後に、2000人規模のセンター工場の労働組合の支部書記長になりました。(第13夜)
その前迄は設計部門にいて、緊急の3か月連続120時間以上という徹夜連続の猛烈の超過勤務をしたこともあります。その3ヶ月連続後は心身が疲弊したことをいまでも心と身体が覚えています。自分の感覚では、職種にもよりますが、先ずMAX40時間が上限にした方がいいと思います。それは、放っておくと人間は「知恵・叡智」を使わないからです。
第1夜では、価値創造の「資質(WILL)と能力(SKILL)」について記しましたが、100時間を超える連続超過勤務は、「一生懸命」では無理があります。成り立ちません。
そのような経緯があった後の支部書記長だったので、本格的に「残業(超超過勤務)問題」に取り組みました。
それはもう30年前の話になりますが、今で云う、「働き方改革」です。大局的に意識を変える必要があります。何か大きな事故がないと、なかなか治らないのですね。
残業に対する規制の新制度は、2年前に労組の先輩たちが創ってくれたのですが、数値を規制するだけでは歪や悲鳴が出てきます。
自分が30歳の時に、会社との交渉で事前準備して使った言葉は今でも覚えています。
“もう私たち組合員は、通常のレベルを超えて十分以上に「一生懸命」に仕事をしています。
今必要なのは、足りないのは、「一所賢明」ではないでしょうか。
「懸命」を超えるには「かしこく明らか」にする賢明の知恵が必要です。
会社は組合員の「一生懸命という精神力」に頼ってしまうのではなくて、「賢明」という“知”で働き方を改革する必要があります。共創しましょう”
という提言をして、「懸命」(WILL)と「賢明」(SKILL)を合わせた取組み、仕組み(新結合)を会社と労組でタッグを組んで進めました。叡智を集めて、仕組みを創ることがとても重要なのです。
上記(懸命と賢明の新結合)も、第31夜~第37夜でお伝えした“二つでありながら一つ”という最も重要な方法です。
共創の取組み、仕組みの効果は大いにありましたが、他社競合と同じ枠組みの中で競争してもなかなか「レッドオーシャン(血みどろ)の戦い」から逃れられないことを痛感し、それまでの慣例や常識の枠を超えた新価値を創造すること(ブルーオーシャン)に傾倒し、注力、実践してゆくことになりました。
(「新価値」と「創造」の新結合も上記と同様です)
この新価値創造を基盤としたサスティナブルでサバイバルな実践・実行が、「企業寿命30年説」を打破る秘訣です。
さて昨年(2016年)の中盤、政府の中枢から「生産性を上げることが、日本(公官民)には必要だ」という声があちこちから聴こえてくるようになりました。国は舵を切る決心をしたのです。
冒頭の「第4次産業革命」「グローバル化」「AIoT化」「Robot化」「少子高齢化」が時代を牽引するので待ったなしです。遅いくらいです。
この新時代に、個人のレベルで大切な三つのことを記します。
①自分の志、ミッションを明確にすること。
②自分の稼ぐ力を強化する。自分の生産性を高める。スキルアップすること。
③70~75歳まで働けるようにキャリアプランをたてること。
さてさて、先週は甥っ子(妹の長男)が私の誕生日お祝いにきてくれました。彼は就職活動真っ只中なのです。
彼の在学する大学院であれば、昔ならば大手企業にラクラク推薦で入れていましたが、「自分の研究室の半分はベンチャー企業志望」ということでした。
最近の一流といわれた大手企業の崩壊を目の当たりにしていること、質のいいベンチャー企業も増えてきていること、と受け止めました。
そう、「終身雇用制度」はとっくに終わりを迎えているのですね。
ただ、彼の就職面接では自分の志、個性、コンセプト(第37夜)を明確に伝えることが必要です。その秘訣をしっかりと伝授しました。第1志望の会社に入れることを祈ります。でも、そこは彼が終身で仕事をするところではない可能性が高いと思います。きっと。
さあ、「懸命と賢明」「新価値と創造」を新結合して、隆々とした人生を、そして、ニッポンを創ってゆきましょう。
第38夜 価値創造から経営革新へ

“二つでありながら一つ”という最も重要な方法について、第31夜~第36夜に亘って綴ってきました。本夜は、その方法によってできる『コンセプトのつくり方』をご案内します。
前職でも現職でも“コンセプト”の良し悪しでその後の事業の成長や成果が大きく影響を受けることを数多く体験してきました。 なので、『価値創造』にとっても非常に重要なプロセスとなります。
そもそも“コンセプト”とは何でしょうか?それは、
1.概念。
2.企画・広告などで、全体を貫く基本的な観点・考え方。
と記してあります。
なにかピン!ときませんね。
【三省堂ワードワイズ・ウェブ】では、
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コンセプト(concept)は、本来「概念」を表す言葉です。しかしながら、日本語でコンセプトの語を用いる場合は、「全体を貫く基本的な概念」を表すことが多いようです。
例えば「今度開店するレストランのコンセプトは“近未来”でいこう」と言った場合、レストランの店名・内外装・メニュー・広告などに、近未来的な演出を施そうという意味になります。
どんな時に登場する言葉かと云えば、
企画立案が関わるすべての分野で、広くこの語が用いられています。例えば「競合優位な独自の切り口とコンセプトは何か?」(小売)
「劇的空間のコンセプトはワビサビ」「ニューヨークがコンセプトのスタイリッシュ空間」(飲食)「風をコンセプトにした町おこし」(地域振興)などの使用例があります。
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と記されています。
なんとなくイメージできてきましたでしょうか。
上記の様に、とても幅広く使われている言葉なので、ここでは、競合がいる場合を念頭において、顧客価値創造に繋がる“コンセプトのつくり方”をご案内します。
ポイントは、
・『人間の背骨』のように、全体を貫く基本的な概念
・『他社や他国との違いを創る』新しい視点、視座
にあります。
価値創造の基本は、“二つでありながら一つ”でした。
添付図は、『バリュー・プロポジション=お客様から選ばれる理由』(出典:goo辞書)について説明していますが、私がコンセプトづくりする時にはこの図を必ず活用する優れものです。
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バリュープロポジションとは、顧客に提供する価値の組合せ。製品やサービスのメリット、自社の存在価値や独自性を顧客に伝え、その価値を高めること。
バリュー・プロポジションを検討する際には、顧客の立場に立って自らの製品・サービスを見つめることが必要だ。顧客は、自分たちが想定している価値とは別の価値を求めていたり見出してたりする可能性もある。
例えば、ある喫茶店が、コーヒーへの拘りこそが自社の価値だと考えていても、顧客からは単にタバコの吸える喫茶店と見なされているかもしれない。
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通常は、どうしても右丸の「自社が提供できる価値」ばかりを考えてしまうのですが、重要なのは、左丸の「お客様が望んでいる新しい価値、スタイル」です。
どのような“お客様”に価値提供するのかを明確にすることがとっても大切です。
さらに、上丸にある「競合他社が提供できる価値」が存在しますので、その3つが合わさったセンターが『レッドオーシャン(= 競争の激しい市場のこと)』になります。
一番分かり易いど真ん中なのですが、絶対にここに入り込んではいけません。
ここまでを整理しますと、
環境変化が激しい時代に適応した『①お客様が潜在的に望んでいる価値と、②競合と被らずに自社が提供できる価値が新結合した新価値領域』が“バリュープロポジション=お客様から選ばれる理由”です。
それを彫り出すには、新結合の上等のスキルが必要です。そのことをこれまでの夜話でお伝えしてきました。
この領域をメンバー全員の創発で浮かび上がらせることができれば、価値創造、事業創造の半分は終わったようなものです。
さて、「バリュー・プロポジション」では、複数の洗練されたキーワードが浮上してきますが、それを一つの「言葉」に絞り込んで落とし込む(言葉化)のが『コンセプト』なのです。
磨き上げたコンセプトは将来事業の『背骨』であり、モノゴトを動かす『中心の考え方』であり、戦略的で行動にうつす『羅針盤』の役目を持ちます。グレートキーワードですね。
確認ポイントは、
①環境変化、将来をしっかりと捉えられていること!
②競合とは、かぶらない新価値が明確に伝わること!
③顧客も自社もワクワクドキドキする「光りもの」があること!
更に、新しい文化、新しいライフスタイルを創出できること!!
です。
是非、チャレンジしてみてください。
次の夜は、『言葉化』するときのノウハウをお伝えします。
第37夜 価値創造から経営革新へ

丁度、自分が総合研究所に異動する頃に、“複雑系(complex system)”や“複雑性(complexity)”という言葉が、21世紀を迎える前に話題になっていました。
今でもその言葉はぜんぜん色褪せていません。そして、その本質を取り入れるか入れないかで、経営革新に大きな差が出ているコトを実感しています。価値創造と複雑系の「知」は共通項が多いのです。
それでは、“複雑系(complex system)の知”と“価値創の知”の本質の関係をひも解いてゆきます。
“複雑系”というと、複雑で難しそうと思われますが、自分はそれを下記の様にとってもシンプルに把えています。
『世界は複雑化すると、新しい性質や命を獲得する』
なので、これまでの夜話にお付き合いしていただいた皆様には、すぐに『ピン!』とくると思います。
例えば、“iPhone”です。
それまで、ポータブルな情報機器として、
「iPod、デジタルカメラ、携帯電話、インターネット」
と複雑化してきたものが、“iPhone”に統合されたことで、新しい性質を持ち、新しい文化を創りました。
“人間”を事例にすると、
人間の要素をバラバラに分解すると、目、鼻、耳、脳、心臓、手、足、神経・・・となりますが、それらが集まることで、“命”が生まれます。
“活版印刷”(第12夜)では、
「刻印機」と「ぶどう搾り機」という二つが新結合して、「活版印刷」が誕生しました。
“ピュアモルトスピーカー”を事例にすると、「サントリー・ウィスキー樽」、「オークビレッジ・匠の木組み工法」、「パイオニア・音響の匠」
の3社が集まって、“ピュアモルトスピーカー”という樽物語が生まれました。その詳細は、第17夜、第18夜、第35夜に記しています。
第29夜「未常識と非常識」(山本七平著)では、
1. 量の変化が質を変える
2.「二者択一以外」の道 (=第3の道)
を記しましたが、これもまったく同じことを云っていますね。これは、これまで綴ってきた『イノベーション=新結合』の基本ですが、そのまま“複雑性(complexity)”です。
とても身近で役立つ“知”ですね。経営革新の重要な方法と考えています。
何となく“複雑系(complex system)”が親密に感じられてきたら嬉しいですね。
さて現在を見渡すと、通信量が飛躍的に増え、より複雑系になってきている「インターネット」が時代を大きく変えています。
この「インターネット」の進化やそれと関係する、ビッグデータ、AI・IoT・Robot・ARが時代を牽引してゆくと云われています。
・一体何が増えてきているのか?(量・数)
・量の変化が質を変える(質への転換)
・ビジネスモデルの進化例
センシング(イメージング)→プロダクティング→インテグレーティング(コンサルティング)
を皆様の対象事業につなげて洞察しますと将来事業のヒントが数多く観えてくるのではないでしょうか。
「インターネット」には、“3つの鍵”があります。【引用:インターネット的(糸井重里)】
その一: リンク
その二: シェア
その三: フラット
それらへの「質の転換」をよく理解することが重要です。その方法を経営に新結合すると新しい展望が拓ける可能性が高まります。
さてさて、後方の写真の”複雑系の知”から引用します。
全体を洞察することの重要性を記しています。多くの会社(特に大企業や自治体)の組織は縦割りなのですが、そのことの限界が読み取れると幸甚です。
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社会を、政治・経済・文化など、さまざまな専門領域に分割し、分析しても、それだけでは社会の持つ生命力の本質に迫ることはできない。なぜならば、社会というものの本質は「関係性だからである。いや、社会だけではない。
われわれの生きる宇宙・地球・自然・人間・社会など、全ての世界の関係性が関係性であり、世界とは、「関係性のネットワーク」にほかならないからである。
それゆえ、社会いうものを、小さな専門の領域に分割して研究する現在の社会科学は、この分割という行為によって関係性のネットワークを切断してしまう。
そして、そのことがいま、環境経済学や環境政治学といった専門領域に分割して環境問題を研究することの限界になって現れているのである。
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その”複雑系の知”の深みに達するには、「洞察力」「直観力」を身につけることが必要となると記されています。
“分析はできない、全体を洞察せよ”
そして、
“社会の本質を知るだけでは意味がない。なによりも、その社会の現実を、より良いものへと「変える」ことが大切なのである”
更に、「起こすから起きるへ」「変えるから変わるへ」の重要性を説いています。
「直観力」としては、「インターネット的(糸井重里)」が参考になります。自分が好きな箇所を引用します。
“ある固定した考え方を続けていくと、鬱血(うっけつ)が起こってきて、床ずれし始めます。その始まりのサインは軽い不快感です” 先人達が決めた先入観、常識を疑い、この床ずれに気づくのが「問題の発見」になります。
どうでしょうか?鬱血していませんか?
かつて、【精神の生態系】を著した文化人類学者のグレゴリー・ベイトソンが次の言葉を語っています。
『複雑なものには、心が宿る』
つまり、私たちは、世の中が複雑になってきたら、下記、心の“洞察の力”がとても重要になることを示唆しています。これが、冒頭にお伝えした“経営”にも当てはまります。
経営革新に『洞察』能力はマストです。
そこで、“複雑系(complex system)”を上手に取扱いできるようにするために、『価値創造の知:トリニティ・イノベーション』(第21夜)の基本を習得することをお薦めします。
1.Insight:顧客洞察 深く人を読む
2.Foresight:将来洞察 高く未来を読む
3.Gestalt:新結合=複雑系 広く全体を読む
“価値創造の知”“複雑系の知”を駆使できる“人財”を迅速に、より多く輩出したいと想います。
第36夜 価値創造から経営革新へ

