橋本元司の「価値創造の知・第176夜」:古典「ヘーゲルの知」

2018年11月2日 インテリジェンスとは?

仙台に、「知の旅」に出遊してきました。松岡正剛師匠が亭主の「知の倶楽部」(第26夜)です。
現在は不定期開催なのですが、今回は「佐藤優さん」というとびきりのゲスト。

「知の巨人」と「知の怪人」が語り合う2日間の秘密倶楽部は、間違いなく格別・別格の時空間でした。

メインテーマは、「インテリジェンス」

そのテーマを基盤として、松岡さんと佐藤さんが重なり合い、真と間を創発し、生成してゆきました。

多くの気付きと学びと更新がありました。
この倶楽部では、毎回「超一流」を体験して、それが自分の財産と精神になっています。
それらをより多くの方達に伝え、広めるのも自分の務めなのだと思います。

この「価値創造の知」連載もその一環です。

さて、「知の旅」の終盤で、自分の相談ゴトに松岡師匠からは、

「古典を読むことで観えることが多くある」

と、助言がありました。

今回の倶楽部では、佐藤さんから「知(インテリジェンス)の使い方」の徹底指南がありました。
佐藤さんの著書である「知の操縦法」を読むと、後半の多くが、古典ヘーゲルの知「精神現象学」に割かれていました。
そこには、古典と付き合う作法と心得が記されていました。

ヘーゲル思想の主線は、
①人間本質論つまり人間的欲望の本質論がおかれ、
②ここから、人間本質論がおかれ
③ここから人間関係の本質論が立てられ、
④さらにこれが歴史論に展開され、
⑤そして、近代社会の基本理念に達する
という仕方で進んでいます。

新価値創造研究所の価値創造三本柱の一本が「ヘーゲルの弁証法」を元に編集していますが、これまで本元の「ヘーゲル思想」に立ち入ることはしていませんでした。(他の二本は、「禅の思想」と「間の思想」です)

佐藤優さんは云います。
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「なぜ、ヘーゲルのように難しくて、資格や語学みたく人生に直接的に役立たない面倒くさい本を読み解いていかねばならないのかと思う人もいるかもしれません。
しかし、ヘーゲルのような古典こそ、現実の出来事を具体的にみていくうえで役に立つのです。
すでに述べましたが、実用的なノウハウは使える用途が限られているので、そのような断片的な知識をいくら身につけても、長期的には役立ちません。
根源的な知を身につけ思考の土台を作り、実際に役立つところまで落とし込んでいくことが求められています。・・・

ヘーゲルのような古典哲学を読み解いていくには、まず解説書を読み、全体像を掴んでからのほうが、頭に入りやすくなります。・・・
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実は、写真の「完全解説・ヘーゲル精神現象学」をなぜか10年前に池袋の本屋で購入していました。ところが、ぜんぜん頭に入らなかったのです。
今回の倶楽部で、インテリジェンスを多面的に学び、「知の操縦法」で古典哲学の読み解き方を知ることで、

完全解説・ヘーゲル「精神現象学」
第1章:意識
第2章:自己意識
第3章:理性
第4章:精神
第5章:宗教
第6章:絶対知

に分け入ることができるようになりました。

これも不思議で格別のご縁(第19夜)です。

このことで、自分の知が深まり、高まり、広がることで、更新した「知」を社会、世間に贈与、貢献したいと思います。

価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ

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