2016年4月5日 問い・シナリオ・3つの知の統合
本夜は、下記「価値創造の4段階プロセス」の第3ステップに位置づけられる「3つの知」を「価値創造の全体の流れ」中で関連付けてお伝えします。
さて、「価値創造の3つの知」は、本コラム「価値創造の知」の『大黒柱』です。
この内容で、多業種業態を支援伴走してきました。
「3つの知」は、第364夜に詳述していますので、時代を、日本を、地域を、自分を、切り拓きたいと考えている「大学生・ビジネスパーソン」の皆さんは、下記コラムより先に、「第364夜」または、「SDGs経営塾 第7回 世界観を持つ」をご覧いただくことをお薦めします。
■ 価値創造の4段階プロセス
新価値創造研究所が提唱する「独自のプロセス」は、以下の4つのステップで構成されます。
- 問い創造工学: 「何を解くべきか」という起点(ベクトル)を決める。
- シナリオプランニング: 不確実な未来を可視化し、可能性(地図)を広げる。
- 3つの知: 広げた未来を「自らの知」で濾過し、戦略の精度(逸脱)を磨く。
- 価値創造工学: 磨き上げた戦略を、社会実装可能な形へと構造化(バトンタッチ)する。


■「3つの知」:戦略に魂を吹き込み、精度を磨くフィルター
第373~375夜でお伝えした「問い創造」→「シナリオプランニング&セレンディピティ」で未来の選択肢を広げただけでは、まだ「輪郭がぼやけている未来」に過ぎません。
シナリオプランニングの「未来の可能性の地図」を広げた後に、
下図「3つの知」を活用して、他でもない、自らの
・深い知:「意志(Why?→気立て・ミッション)」
・高い知:「理想(What?→見立て・ビジョン)」
・広い知:「新結合(How?→仕立て・イノベーション)」
というフィルターで濾過(ろか)することで、戦略としての精度(逸脱・別流の精度)を高める。
このプロセスこそが、価値創造を「自分(たち)ゴト(智慧×意志)」として着地させる羅針盤になります。
そこに第364夜で詳述した「3つの知」を溶け合わせることで、戦略は、「心と智慧」が統合した「唯一無二の価値」へと進化します。
この流れを網羅して、本夜の「3つの知(深い知・高い知・広い知)」を綴ります。

① 深い知(Why?):ミッションと「錨(アンカー)」
- 本質: 禅的思考により、「なぜ自分(自社)がやるのか?」という根源的な意義を問う。
- 役割: 変化の激しい海の中で、自分たちが揺るがないための「錨」を下ろす。この「志」が、戦略に揺るぎない軸を与えます。


② 高い知(What?):ビジョンと「北極星」
- 本質: 弁証法を用い、「正・反・合」の先に「なりたい姿」を描く。
- 役割: シナリオが示す複数の未来の中から、自分たちが目指すべき「北極星」を定める。「切実」の力やワクワクする「夢中・数寄」の力が、推進力の源となります。



③ 広い知(How?):イノベーションと「新結合」
- 本質: シュンペーター的な新結合により、一見無関係な要素を「一つの視点」で結びつける。
- 役割: 自分たちの「得意技」と未来のニーズを掛け合わせ、具体的な解決策を構想・設計する。ここで「一つ上の価値」が具現化します。



■ 逸脱の精度を磨き、価値創造工学へ
「3つの知」を通すことで、シナリオプランニングで描いた未来設計図は、「客観的な予測(智慧)」から「主観的な戦略(意志×智慧)」へと変貌します。

『3つの知』は成長経営の羅針盤です。
それを習得・体得していただくために、下図の様に、「ドック」に入って、「心と智慧」をブラシュアップして、自社、自地域の「羅針盤」を作成します。
参考ですが、このワークショップを通じて、「自分の未来の羅針盤」も作成することで、大きく飛躍された方たちを見てきました。

下図の様に、世の中の平均値からあえて「逸脱」し、そのズレを独自の価値として磨き上げること。この「逸脱の意志と精度」こそが、イノベーションの成功確率を高めます。
こうして研ぎ澄まされた戦略のベースが、最終的に「価値創造工学」へとバトンタッチされます。ここでは、想いやアイデアが、具体的なビジネスモデルや社会システムとして「工学的」に設計され、現実の世界へと放たれていきます。


■ 大学生・ビジネスパーソンの皆さんへ
「問い」を立て、「シナリオ」で未来を広げ、「3つの知」で己を貫き、「価値創造工学」で形にする。
この一連のプロセスを回し始めたとき、あなたは単なる「時代の傍観者」ではなく、未来を能動的に設計する「創造者」となります。
○○大学から、○○企業から、そして○○地域から、この「知の型」を武器に新たな価値を創造するリーダーが生まれることを期待してやみません。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ