2018年5月6日 「物質」から「実質」「本質」へ
前夜(第142夜)は、教育の「一途の競争」から「多様の共創」への転換について綴りました。
この「多様」「共創」が不足しているのが課題なのですが、「多様」の中身が重要です。 それは、「中身が薄くなること」ではありません。むしろ、逆です。
それが、「物質」から「実質」「本質」へのシフトです。
対象の「背景」「分母」を豊かにすることです。
そのことについては、第105~107夜に記しました。
「事業創生・地域創生」の為には、『本分』という「分母」を明確にすることが必要です。それは、「事業創生・地域創生」だけではなく、人にも、社会にも、日本も同様です。
「人」「社会」「日本」「地球」の“分母・本分”を考えることが「教育の本分」と言い換えたほうがいいのではないでしょうか。その先に(上に)、「事業創生・地域創生」がみえてくるという順番です。分母が豊かになることで、分子(将来)が豊かになるのですね。
これまで「価値創造の3つの知(深い知・高い知・広い知)」を綴ってきましたが、「深い知」(第87~88夜)が「背景・分母の豊かさ」のことを指しています。
何か(対象)について、その「実質」「本質」を知りたいと思ったときに、素直に自分がそのことについてどう感じるかを探ってみることから始めます。「どう感じるか」という“感情”はなかなか見つからないものです。
しかし、最も深い感情の中に、最も高い“真・善・美”が隠されています。その深い感情をつかむことが“禅的思考”(第48夜)です。大切なものは引くコトで見えてくる(=禅的思考:従来の執着を手放すコト)のです。
そこに、隠れていた“特別な意味”“新しいな意味(目的)”が浮かび上がってきます。その「実質」「本質」「本分」が重要です。
それは難しいと思いますか?
昨日、九品仏浄真寺に行ってきました。そこは壮大な寺院で、9体の阿弥陀如来像や閻魔様、そして枯山水等がありました。
そこで見せる幼児の反応や親に発する問いは驚くべき内容です。
・こんな恐ろしいところに居たくない
・(「枯山水」を見て)海のようだ
・いつもと違う透き通った気持ち
等々
例えれば、最中の皮が無い状態です。
幼児のほうが、“真・善・美”に近いのですね。
そのことが、とっても重要です。
ここで、「実質・本質」を把える重要な3つを提示します。
それは、①「感情」、②「思考」、③「体験」です。
①「感情」
上記の「感情」をつかむことが重要です。
それは、“禅”の「無」と「空」を感じることです。
②「思考」
それは、図解(第86夜)の方法です。
『深い知』に辿り着くためのエクササイズ方法を記していますのでご覧ください。
③「体験」
それは、第136夜(量が質を生む)に記しました。
できるだけ「質」の良い・高い体験をすることです。
その「体験」「経験」をないがしろにしてはいけません。
これからの「AIoT」の時代に必要な「三種の神器」です。
価値創造から、「事業創生・地域創生・人財創生」へ