2026年10月7日:「顕密思考」の教育OSの「間(ま・AIDA)と守破離」が、これからの人生と教育の最も重要な「方法」と「場」になる。
本夜の基本的視点
「未来」は、ある日突然まったく新しい姿で顕われるわけではありません。すでに、現在の日常のいたるところに「兆し(シグナル)」として明滅しています。
さて、「AIという新しい大きな変化」は、これまでにない方向性、わかりやすく言えば「新しい価値」を持ちます。
「AI」のどのような特徴が、新たな未来に立つ流れとしての「力」を持っているのかを「分析・解析」(~第386夜)しましたが、その「力」が苦手な領域に、人間の側が「新しい方法と能力(才能)」を獲得・発揮する活路・道筋があると直感しました。
変化と継続が同時進行する時代を迎えています。
その中でAIが引き起こす
「次の様相と価値観」をすくいあげて、
どのように対応・適応していくのか、
ということが、
特に、
*教育界と産業界には『必要不可欠』なのではないか?
という強い焦りと問題意識がありました。
その観点を土台にして、本夜を綴っていきます。
プロローグ:私たちは、何を得て、何を失っているのか?
現在、生成AIをはじめとする技術の進展によって、教育の中心であった「知識の獲得と、その評価」そのものの価値が、劇的に変わり始めています。
これまで教育では、
「何を知っているか」
「どれだけ覚えているか」
「正しい答えを出せるか」
が、大きな意味を持っていました。
ところが、生成AIは、膨大な知識を瞬時に検索し、整理し、文章にし、さらには新しいアイデアや画像、プログラムまで生み出します。
もちろん、知識が不要になるわけではありません。
しかし、
「知識を持っていること」
そのものの希少性は、確実に低下しています。
むしろ問題は、その先です。
生成AIが、あらゆる「答え」を瞬時に導き出す時代。
私たちが日々目にする情報=「顕」は、ますます平坦化し、
表層的な最適化・効率化ばかりが加速していきます。
いま私たちは、生成AIが、作家やミュージシャン、アーティストの代わりとなり、AIエージェント、AIロボティクスが、これまでの人間の仕事を代替していくのを目撃しています。それはたくさんの分野で、さらに加速していくのが明らかです。
では、その時代に、
*私たちは何を得て、そして、大切な何を失っていくのでしょうか?
是非、皆さんも想像してみてください。
私は、それに対応・適応する「答えの一つ」が、
「顕」と「密」の間を往還する力
の獲得にあるのではないか、と洞察しました。
AI時代の教育OSを考える

1.「顕」と「密」の世界
これまで私は、「顕密思考」(第378~386夜)について、自分のこれまでの実践体験と師匠の松岡正剛の指南を踏まえて、かなり探求・熟慮してきました。
*「顕」とは、すでに顕れているもの。
日常、常識、既存の知識、現在の社会、目の前にある情報です。
一方、
*「密」とは、まだ顕になっていないもの。
可能性、気配、違和感、未来、まだ言葉になっていない思いなどです。
つまり、
顕=いま見えている現実世界
密=まだ見えていない世界、顕われようとしている世界
です。



生成AIは、「顕」の世界を猛烈な勢いで拡張しています。
だからこそ、これから人間にとって重要になるのは、単に「顕」の知識を増やすことではなく、
*「顕」から「密」へ入り、再び「顕」へ戻ってくる。
という「AIにできない往還」ではないでしょうか。
私は、この往還の「場」と「方法」に、二つの重要な概念があると考えています。
それが、本夜の「中心テーマ」であり「方法」である、
*「間(ま)」と「守破離(しゅはり)」
です。

2.「間(ま)」は、新しい関係づくり
まず、「間」です。
*「間(ま)」とは、異なる情報をつなげて「新しい価値」を創る「場」であり、「方法」である。
と、私は考えています。
それでは、「間(ま)」について、師匠の松岡正剛から指南された内容も絡めてお伝えしていきます。
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「間」は、日本独特の重要な観念です。(第17夜、第82夜、第375夜)
古代初期の日本では、「ま」に「間」ではなく、「真」という文字が充てられていたそうです。
真理、真言、真剣、真相……。
「真」という言葉には、「本質」「本当のもの」という意味が込められています。
「真」を成立させるもともとの「一」は「片」と呼ばれていてこの片が別の片と組み合わさって「真」になる。「二」である「真」はその内側に2つの「片」を含んでいるのです。


つまり、「真」の内側には、二つの「片」が存在している。
では、その二つの「片」を、あえて一度取り出してみる。
二つのものを、まだ一つに決めつけず、暫定的に置いてみる。
その二つの「片」の間に生まれるもの。
それこそが「間」なのです。(第17夜詳細)
つまり「間(ま)」とは、
・何もない空白ではない。
むしろ、
ここがとっても重要なのですが、
そこは、
*まだ一つになっていない二つのものが、出会い、関係し、新しい意味を生み出す場
なのです。
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私はこれを正剛師匠から聴いた時に、「はっ!」としました。
それまで前職パイオニア社時代に、自分がプロデュースした「異業種コラボレーション」(第14夜)や「守破離」(第5夜)「弁証法」(第10夜、第15夜)という価値創造の方法が、それと全く同じであったことです。
実例を紹介すると、皆さんの「間(ま)」のイメージが早まるので、3例を用意しました。
・実例①.異業種コラボレーションの「間(ま)」
1996年、サントリーとパイオニアが異業種コラボレーションで
「真」(片と片の合一)に仕上げたヒット商品「ピュアモルトスピーカー」があります。(下図)
それはサントリーのウィスキーの樽材で造ったスピーカーなのですが異質の片(ウィスキー樽材)と片(音響スピーカー)の合体・合一です。
これまで無かった「新しい価値」が誕生しました。
勿論、そこには感動につながる「ものがたり」の要素が必要なのですが、同様の「真」創りで次々にヒット商品(第126夜)を世の中にリリースしました。


・実例②.「本業×SDGs」の「間(ま)」
私は、「2030SDGs公認ファシリテーター」・「SDGs for School認定エデュケーター」として数多くの学校(中学・高校・大学)で下図の構造と目的をカードゲームでその意味と実例をお伝えし、対話し、演習をしてきました。
同時に、2015年から「SDGs成長経営」ご支援で、下図を土台にして
「本業(片)×SDGs(片:17の社会課題)→実践→新成長経営」
という図式で、「サステナブルの実現」と「企業の成長」を合一して、多業種業態の企業をご支援してきました。
(第364夜に複数の実例と図解の詳細を記しています)
しかし、その他多くの企業群が「SDGs対応のフリ(=SDGsウォッシュ)」をして、実際には下図の「真」の挑戦(イノベーション)をしていない、至らないことを残念に思っていました。
さらに悪化する「地球沸騰のサバイバル&サステナブル時代」には、下図を土台にして、人類が本格的に取り組む「SDGs」OSの認識と実践が早急に必要です。これからが背水の陣の本番です。
その後方に、「本業×社会課題」で成長している図解と二つの実例を上げています。
(これまでのコラムで、SDGs成長経営の多くの実例をご案内しています)



・実例③.イノベーションとiPhoneの「間(ま)」
「イノベーション」を提唱したシュンペーターは、イノベーションで一番重要なことは、「新結合(New Combination)」と言いました。
下図に示すように、「イノベーション」の本質は、『内側(片)に異質なもの(片)を導入して新しくする(新結合:Innovare=真)こと』を実行(:-tion)して、経済や企業が発展することです 。
そのため、自分の中では、ずっと、「真と間」=「イノベーションの源であり方法」なのです。


ここで重要なことは、多くの人々が共振・共感し、幸せになることを心の奥底(密)におきながら、常識(コモディティー)から離れ、「真(間)」を追及して、「今までになかった関係を創り実践するコト」にあります。
3つの実例を見ていただきましたが、「間(ま)」の威力を感じていただければ幸いです。
ここでお分かりいただけると思いますが、上記の「新しい関係づくり」には、自分の中(密)に多くの「引き出し」と「体験」があることがポイントになります。
最も有効なことは、実際の体験(密)です。
それが、思いもよらない偶然(セレンディピティ:第375夜)を呼び起こすことを何度も体験してきました。
「新しい関係づくりからの価値創造」の源になるこの「間(ま)」を使いこなす教育環境(学校・企業)が若いうちから育まれ、使いこなすことができたら、一人一人の人生の奥行と広がりによる生きがいにも影響を与えて、人と社会が豊か(Well-being)になっていくと思いませんか。
3.「間」は、異なるものをつなぐ
例えば、
「AI」と「人間」。
「AI」と「IKIGAI」。
「伝統」と「革新」。
「地域」と「世界」。
「自分」と「他者」。
「自分」と「友人」。
「人間社会」と「地球」。(SDGs)
「過去・現在」と「未来」。
・・・・

一見すると異なる二つのもの(片)です。
そのとき、
「どちらが正しいか」
と考えるのではなく、
「この二つの間に、何が生まれるだろうか?」
と考えてみる。
そこに「間」が生まれます。
私はこれを、前述してきた
「新しい関係づくり」と呼んでいます。
異なる情報をつなぐ。
異なる人をつなぐ。
異なる知をつなぐ。
そして、その「間」から、
*これまで存在しなかった「新しい価値」を創る。
これが、AI時代における「人間の最重要な役割の一つ」になるのではないでしょうか。
そしてそれが、これからの「(日本の)教育の最重要な役割の一つになる」と確信しています。
4.ルネサンスの「円」から、バロックの「楕円」へ
ここで、正剛師匠が示した、とても興味深い指南があります。
それが、
*ルネサンスの「円」と、バロックの「楕円」
です。
ルネサンスは、一つの中心を持つ「正円」の世界。
それに対してバロックは、二つの焦点を持つ「楕円」の世界です。
これは単なる形の違いではありません。
「世界をどう捉えるか、その思考そのものの変化」として見ることができます。
「バロック」とは、上記の「間(ま)」で見てきたように「両界的」です。
「ルネサンス」の様に、一つの中心(これまでの前提や常識)を守ろうとすることから脱して(円形的ないしは球的なものから脱して)、
二つの焦点を持つ楕円のような活動性を赦(ゆる)し、そこでマクロ(極大)とミクロ(極小)を自在に出合わせました。
(ガリレオの望遠鏡とフックの顕微鏡を一緒に持ったバロック時代です)
また、バロックとは、偶然の所産を許容(セレンディピティ)することでもあった。真珠に歪みが生じても(そういう歪んだ真珠をスペインやイタリアで「バロッコ」と呼んだ)、それを面白がりました。オーバルな形状を好んだのでした。
こうして日本では、後述する「長次郎の黒楽」と「織部の沓茶碗」が並び立ちました。
この「2つの焦点」のイメージと意識的活用が自分の中にできると、それまでの世界と世間の風景が違って見えてきたことを思い出します。
是非、皆さんにも同じ風景を見て欲しいと思っています。



一つの中心があるなら、
「中心はどこか」
「正しいものは何か」
を求めることになります。
ところが、二つの焦点を持つ楕円になると、
二つの中心の「間」に、動きが生まれる。
一方から一方へ。
こちらからあちらへ。
二つの焦点の間を行き来することで、円にはなかった新しい形が生まれる。
これは、まさに「間」の思想です。
そして私は、ここに「逸脱」の本質(第343夜、第364夜)もあると思っています。
逸脱とは、単に「中心から外れること」ではない。
大切なのは、
「どこから逸脱したか」ではなく、「どこへ逸脱しようとしたのか」。
つまり、
*『新しい方向を持った逸脱』
です。
これまでの前提・常識を疑い、意識的に「枠を外す」コト。
つまり、「逸脱」すること。
それが、学生の、地域の、企業の、日本の未来を変えていく「心得と方法」になります。

それは、ルネサンスの「円」から外れたのではない。
「楕円」という、別の構造を発見した。
ここに「別様・別流」につながる教育の重要なヒントがあります。
是非、上記の「二つの焦点」である、
「これまでの教育の枠組み」(片)
×
「進展する生成AI」(片)
で「新しい枠組みの発想・構想・実装の場」(=真)をつくることが求められます。(第378夜、第381夜)
そして、このことは教育の「場」だけではなく、「企業創生」「地域創生」「人財創生」にも「新しい枠組み」の発想・構想・実装が必要となりますね。
5.「守破離」は、未来づくり
ここまで「間(ま)」について、綴ってきましたが、
もう一つの求心軸が「守破離(しゅはり)」です。

*「守破離」とは、これまでにない別様・別流の「新しい型・価値」を創る「場」であり、「方法」である。
と私は考えています。
「守破離」というと、
「守って、破って、離れる」
という意味に理解されがちです。
しかし、正剛師匠は進んだ捉え方をしていました。
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守って型に着き、
破って型へ出て、
離れて型を生む。
ーーーーーーーーーー
です。
「守」
まず、現在の「型」を知る。
何が常識なのか。
何が大切にされてきたのか。
なぜ、その型が生まれたのか。
つまり、「顕」を深く知る。
「破」
しかし、「型」を知れば知るほど、
「本当に、これだけなのだろうか?」
という違和感が生まれてくる。
そこで、「型」の外側へ出てみる。
異なる世界を見る。
異なる知と出会う。
別の可能性を探す。
ここで「顕」と「密」の間を往還する。
これが、
逸脱
です。
「離」
そして最後に、既存の型から離れる。
しかし、単に壊して終わるのではありません。
そこから、
「自分は、どんな未来をつくりたいのか」
という意志を持つ。
そして、自分なりの新しい型を生み出す。
それが、
別様・別流
です。
だから、
守って型に着き、
破って型へ出て、
離れて型を生む。
なのです。
「型」との動的な相互作用(関係性)の中に本質があります。
*この思想は仏道の根本にも、それをとりこんで日本的な様式行為をつくった禅にも茶にも、また武芸にも、開花結実していきました。(第5夜詳細)
ここから、「守破離」の格別・別格の私の体験を紹介します。
AI時代の「守破離」の持つ意味・本質と、教育への活用・展開を読み取って(密)、ご覧ください。
「守破離」体験:樂茶碗
2011年9月24~25日の正剛師匠主宰の未詳俱楽部で、滋賀・京都を訪れました。(第330夜詳細)
そこでは、とびっきりのゲスト「第15代・樂吉左衛門」さんが出迎えてくれました。
そして、
・比叡山延暦寺、坂本、琵琶湖を巡りながら、
・佐川美術館 樂吉左衞門館
十五代吉左衞門・樂直入の主に2000年以降に制作された茶碗などを展示。
水庭に埋設された地下展示室
水面に浮かぶように建設された茶室は吉左衞門自身による設計創案です。
・京都市上京区 樂吉左衛門家
・隣接する樂美術館
・樂家近くの「千家」の茶室へ
と、次々に格別・別格の時空間の体感がありました。



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長次郎はなにを真似るでもなく、つくり方も焼き方も全く新しい茶碗を創造した。2代も3代もその精神性のみを軸にしてオリジナルのものを生み出したことで、樂家の方向性が決まった。
樂家の技巧・匠は、模倣するのではなく、伝統を継承しながら、時代の空気の中で歴代がそれぞれの新たな茶碗を築き上げること。
そのベースには、一子相伝で受け継がれる樂家の伝統は“教えないこと”という独自のしきたりがある。・・・
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上記の背景で、第15代・樂吉左衛門は、一子相伝で「樂吉左衛門」を受け継ぎました。

そこで求められるのは、伝統を「守」るという「切実」を背負いながら、、そこを「破」って「逸脱」して、そこから「離」れて新しい型「別様」を生む。
その思想、本筋を、樂吉左衛門の「自らの生き様・使命」にされてきたのだと様々な「作品」や「説明」から洞察しました。
そこで体感した「わかった!」ことは、
・「伝統」とは「形・型」のコト
だったのだと。
「守破離」の本質と事例
あらためて、守破離(しゅはり)とは、日本の伝統芸能や武道における修業のプロセスを表した言葉で、「守」=型を守る、「破」=型を破る、「離」=型から離れて独自の境地を開くという3つの段階を示します。


茶道における守破離は、まさに長次郎が千利休の教え(型)を頑なに守った「守」、そこから本阿弥光悦などが独自の解釈で大胆な歪みを加えた「破」、そして現代の作家たちが伝統を踏まえつつ全く新しい茶碗を生み出す「離」へと繋がっています。
この「守破離」のプロセスは、茶道や武道に限らず、あらゆる分野の成長やイノベーションに見られます。
重要: 以下にその代表的な事例をご紹介します。
・映画:黒澤明
・料理&グルメ:ラーメン
・ITビジネス:任天堂
・現代アート:ピカソ
・アニメ エンタメ:スタジオジブリ

「守破離」の本質的なポイント
どの事例にも共通しているのは、「守」の基礎が圧倒的に強固であるからこそ、「破」や「離」が生きるという点です。基礎(型)がないまま新しいことをやろうとすると、それは「型破り」ではなく、ただの「型なし(でたらめ)」になってしまいます。
まずは一つの王道を極め、そこに異質なものを掛け合わせ、最終的に自分だけの哲学を具現化していくプロセスこそが、あらゆる分野における「守破離」の美学です。
・つまり、「型」は創造のエンジンである
「型」があるからこそ、人は迷わずに「型の習得(守)」に集中できます。
そのことが、結果として最も速く独自の価値に到達する(離)ためのショートカットになります。
- 相互作用による文脈の創出
正剛師匠は、江戸千家の川上不白が残した
「離は守と破の二つを合わせつつここから離れることによって、かえって二つを守るのである」
という言葉を好んで引用していました。
「過去の知恵(守)」と、「現代の課題(破)」を重ね合わせるプロセス自体が、新たな市場や文化の価値を生み出します。
そのプロセスで、企業・自治体のご支援を続けてきました。



「時代の変化」を見る私の「守破離」の一例
・ローカル→グローバル→グローカル
・アナログ→デジタル→キュービタル:第40夜、205夜、303夜、350夜
・農業→工業→情業→脳業(AI):第109夜、第209夜、第363夜
・3C統合(Control→Communication→Computer):第345夜、第358夜
・ハードウェア→ソフトウェア→ハートウェア:第164夜、第362夜
・おもてなし(しつらい→ふるまい→心遣い):第2夜、第93夜、第362夜
・○○○○サードウェイブ(第3の波)
・第3の道(サードウェイ)
・Others
上記の奥には、時代の変化を先取りして、
『自分の枠を外して逸脱・更新する』
ことが中心にあります。
『自分を逸脱・更新することで、違いを生み、創ることができる』
その様な「人財創生」がこれからの新教育には求められると思いませんか?
多くのビジネスの現場を見てきましたが、「正解」のあるものには「改善」で取り組むのですが、「不確実」なものや「イノベーティブ」なもの、という「別様・別流」なものには手が出ない、手を出さない。
そのことが、日本の「失われた30年、35年」と言われる大きな原因の一つと思います。
私は、産官学の様々な現場にも行きましたが、上記の失われた時代の主要因の一つが、「間(ま)」と「守破離」の逸脱を教えられていない教育環境やビジネス環境にあるのではないか、と思っています。
*学校では、歴史・社会や理科(科学・化学)やアート(音楽・美術)等々の縦割りの時間があります。
・歴史・社会×理科(科学・化学)
・音楽×美術
・数学×スポーツ
・社会×SDGs
・国語×Well-being
・・・
という様に、学生が、「守破離(時間軸)」と「間(空間軸)」を使って、教科間をつないだ「新しい関係づくり」「型づくり」の感覚を養うことが、これまでの縦割りの社会を打破して、豊かな社会を創造する「きっかけ」になります。
また、「テクニック」だけ真似て結果を出そうとする人がいますが、だいたい結果が出ません。
入り口はそれでもいいのですが、
重要なことは、
「継続的な努力からの逸脱・更新」
にあります。
そのコトは特にお伝えしておきたいと思います。
MLBの「大谷翔平選手」が好例です。
高校時代の「切実」をコアにして、将来に「何を目指すのか(二刀流)」という目的(意志:縦軸)と方法(曼荼羅:横軸)と努力(継続的な努力)で、「別格・格別」の「別様・別流」を創りました。

6.「間」と「守破離」が交差する
ここまで来ると、「間」と「守破離」は別々の概念ではないことが見えてきます。
*「間」は、横方向の動き。
現在=「顕」から、まだ顕になっていない「密」へ。
そして再び「顕」へ。
異なるものの間を往還しながら、新しい関係をつくる。
一方、
*「守破離」は、縦方向の動き。
現在の型を知り、
そこから逸脱し、
新しい型を創る。
つまり、
横軸=「間」:関係づくり
縦軸=「守破離」:未来づくり
なのです。
そして、この二つが交差するところに、
*「新しい価値」が生まれる。
そして、
*「しる→わかる→かわる」
「発想→構想→実装」
「これまであったモノ・コト」は、AIが瞬時に答えを出してくれます。
そのため、「人間の側」が持つべき能力の「型」を明確にする必要が生まれました。
その「核」となるのが、本夜の「間(ま)」と「守破離」です。
そして、その二つに共通して必要な能力を下図にまとめています。
・「枠を外す力」
・「つなげる力」

もう、私の30年前(前職パイオニア社時代)に、作成した図なのですが、学校・企業・自治体の「人財創生・事業創生・地域創生」に普遍的に活用しています。
この二つの能力が、「顕密思考の教育OS」の中心となる2本柱です。
「枠を外す」「(二つ以上のものを)つなげる」先には、これまでの教育の根幹だった「正解」がありません。
この「二つの能力の育成・醸成」が、これからの教育の大きなテーマの一つになります。
7.AI時代に必要なのは、「答え」ではなく「場」である
あらためて、ここで、もう一度AIの話に戻ります。
AIは、ますます多くの「答え」を出してくれるでしょう。
しかし、
どの答えを選ぶのか。
何と何をつなぐのか。
何を大切にするのか。
どんな未来をつくりたいのか。
これは、単純な知識の問題ではありません。
そこには、
*「間」=智慧
と、
*「守破離」=意志
が必要になります。
だから私は、これからの教育では、
「何を知っているか」だけではなく、
*「何と何の間に、新しい関係を見つけられるか」
そして、
*「既存の型を超えて、自分自身の新しい型を創れるか」
が重要になると考えています。
上記を教える「教育環境」を迅速に整えたいですね。
8.「間」と「守破離」が、人生のOSになる
これは、教育だけの話ではありません。
人生そのものにも関わる話です。
私たちは、人生の中で常に、
現在と未来
自分と他者
現実と可能性
知識と想像(創造)
の「間」に立っています。
そこで、
「いままでこうだったから」
と、既存の型だけを守り続けるのか。
それとも、
「もしかすると、別(別様・別流)の可能性があるのではないか」
と、密の世界へ入っていくのか。
そして最後には、
「私は、こう生きたい」
という自分自身の型を創るのか。
ここに、
「守破離」という人生のOS
があるのではないでしょうか。
9.そして、「意志」が未来をつくる
「顕密思考の教育OS」図解の一番上に、
「未来づくり:意志」
と置いたのは、このためです。
「間」を通して異なる情報をつなぐ。
「智慧」によって新しい価値を見つける。
「守破離」によって既存の型から逸脱する。
しかし、最後に必要なのは、
「自分は何をつくりたいのか」
という意志です。
AIは、可能性を無限に広げてくれる。
しかし、
「どの可能性を選ぶのか」
までは決めてくれない。
だからこそ、
AIによって外部能力が拡張されればされるほど、人間には「内側の意志」が必要になる。
私は、ここにこれからの教育の大きなテーマがあると思っています。
10.「別様・別流」の型を創る
そして、守破離の「離」は、単なる「自由」ではありません。
自分自身の新しい型を創ること。
それが「別様」であり、
その型が積み重なって、
「別流」
になっていく。
「みんなと違うことをする」のではありません。
既存の型を深く知った上で、
そこから一歩外へ出て、
*「自分は、こういう世界をつくりたい」
という未来を描く。
その結果として、
*自分流の新しい型
が生まれるのです。

エピローグ これからの教育OS
これまでの教育は、
「顕」の世界を教える教育
だったのかもしれません。
知識を与え、
正解を教え、
それを評価する。
しかし、AIによって「顕」の世界が劇的に拡張された今、教育はその先へ進む必要があります。
*これからの教育が育てるべきもの。
それは、
*顕と密を往還する力。
*異なるものの「間」に、新しい関係をつくる力。
*既存の型を超えて、未来の新しい型をつくる力。
そして、
*「私は、どんな未来をつくりたいのか」と問う力。
なのではないでしょうか。
私は、それを、
*「顕密思考 × 間(ま) × 守破離」
という、「新しい教育OS」として捉えてきました。
整理すると、
*「間」は、新しい関係づくり。
→異なる情報をつなげて、「新しい価値」を創る。
*「守破離」は、未来づくり。
→既存の型を超えて、「別様・別流」の新しい型を創る。
そして、
「間」と「守破離」の交差するところに、未来が生まれる。
AIが「答え」を出してくれる時代だからこそ、
私たち人間に残され、そしてますます重要になるのは、
・どんな問いを持ち、
・何と何をつなぎ、
・どんな未来を選び、
・自分は何を創るのか。
ということなのではないでしょうか。
本夜のまとめ
顕密思考の教育OS
*「顕」⇄「密」
いま見えている世界と、まだ顕れていない世界を往還する
*切実・情熱・意志
何かをやりたい、変えたいという強い想い
↓
*間(ま)=方法
異なるものをつなぎ、新しい関係をつくる
→ そこから「新しい価値」が生まれる
↓
*智慧
何と何をつなげれば、新しい価値が生まれるのかを見出す
↓
*守 → 破 → 離
守って型に着き → 破って型へ出て→ 離れて型を生む
↓
*意志
「私は、どんな未来をつくりたいのか」を決める
↓
別様・別流の「型(自分流)」を創る
そして、構造の中で特に重要なのが、
「切実・情熱・意志」→「間」→「智慧」→「守破離」→「意志」
という流れ。
つまり、
「切実・情熱・意志」は、何かを始めるきっかけ。
↓
「間」は、新しい関係をつくる場。
↓
「智慧」は、そこから新しい価値を見出す力。
↓
「守破離」は、その価値を未来の新しい型へ変えていく方法。
↓
「意志」は、その未来を自分で選び取る力。
となります。

ここまで整理すると、
「関係づくり:智慧」(方法)
→ 異なる情報をつなげて「新しい価値」を創る
と、
「未来づくり:意志」(目的)
→ 別流の「型(自分流)」を創る
の関係が、きれいにつながって見えます。
そして何より大事なのは、「別様・別流」は、単なる「変わったもの」ではないということです。
既存の「型」を深く知る。
→ 守
その型から一歩外へ出る
→ 破=逸脱
そして、異なるものの「間」で新しい関係を見つける。
→ 智慧
そこから、
「私は、こういう未来をつくりたい」
という意志を持つ。
→ 離
その結果として、
既存の「型」を深く知る。
→ 守
その型から一歩外へ出る
→ 破=逸脱
そして、異なるものの「間」で新しい関係を見つける。
→ 智慧
そこから、
「私は、こういう未来をつくりたい」
という意志を持つ。
→ 離
その結果として、
*これまでになかった「別様・別流」の新しい型が生まれる。
この往還・循環です。
皆さんへお伝えしたいメッセージは、
*AIが「答え」をつくる時代に、人間は「関係」をつくり、「価値」をつくり、そして「未来の型」をつくる。
*未来の不安の根源を自らの外側にではなく、上記を「自分の資産」として積み上げて、自分の内側に「ストック」することが、将来の不安を解消する第一歩になります。
*そのための「新しい教育OS」が、
「顕密思考 × 間(ま) × 守破離」
です。
そして、この「新しい教育OS」が、一人一人の人生と(日本)社会を豊かにしていく「心得と方法」・「肝(きも)・要(かなめ)」として「未来のWell-being」構築に迅速につながり、役立つことを願って、これからも活動していきたいと思っています。
価値創造から「事業創生・地域創生・人財創生」へ